○岩佐恵美君
環境影響評価がきちんと行われていたなら、NGOに指摘されるような、こんな無法とも言える、私、本当に無法地帯だなと思ったんですね、そういう乱暴な工事、これが行われるはずがないんですね。
日本のJBICが融資する
事業に対して希少野生動物の生息
環境を破壊するような乱暴な工事、これが行われるなどということは私は絶対に許されないことだと思います。
そこで、サハリン1の
環境影響評価書、これはどうなっているのかというふうに伺ってみたら、ロシアの国内の一部
地域でのみしか閲覧できない、国際的には公開されていないということなんですね。今のお話だと、どうも旧
日本輸出入銀行、現在のJBICですけれ
ども、そこがサハリン1の
事業の融資に当たって直接ちゃんと
環境影響評価のチェックをしたのかどうかというのも疑わしいような感じがいたします。
それで、私
どもとしては、一体このサハリン1の見られない評価書というのはどうなっているのかということを直接見たいということで皆さんにお願いをして、とにかく借り出すことができましたので、これは後でちゃんと精査をさせていただきたいというふうに思うんですけれ
ども、こういう重要な
事業に
情報公開がされないというのは私は大問題だと。今後こういうことがないようにきちんとしていただきたい、そういう要望を申し上げておきたいと思います。
今、サハリン1の問題ですが、サハリン2の
環境影響評価についてもNGOから事実と違うという点が数多く指摘をされています。
例えば、NGOの
調査では、チャイボ湾で十五つがいのオオワシの繁殖が確認されました。ところが、アセスでは五つがいしか記載されていません。日ロ共同
調査団の四年間の
調査から推定されるオオワシのつがい数は、チャイボ湾では三十つがい、エナジー社のアセス記載ではその六分の一の五つがい、ピルトゥン湾では十五つがいいるのに三分の一の五つがいとなっております。アセスの数字は余りにも少な過ぎるんです。
しかも、エナジー社の
調査にかかわったロシア人研究者は論文で、これらの湾のオオワシの
調査について日ロ共同
調査団とほぼ同じ数字を発表しています。そのため、エナジー社の
環境調査はデータが改ざんされたのではないか、そういう疑いが持たれています。もしこれが事実だということになりますと、このようなずさんな
環境影響評価の下で
事業が進められる、そしてオオワシの繁殖に多大な影響が出るということを放置をすることになってしまうんですね。
小池
大臣は、昨年十一月、知床半島を視察された際に、このような事実の指摘に対して、いろいろな開発主体があり、現在持っている
情報を
調査する必要があると述べたと伺っています。オオワシを国内絶滅危惧Ⅱ類に指定をしている
環境省として、オオワシの繁殖実態やエナジー社のアセスについてチェックをする、そしてサハリンの石油ガス開発でオオワシの生息地、生息、繁殖、これらを保全するように
対応すべきだと思いますが、その点、いかがでしょうか。