○井上美代君 私は、今ここに、私も北里大学病院のことは余り詳しく知らないわけなんですけれ
ども、この大学病院が報道
関係者に出された書類を今持っているんですけれ
ども、そこのところに、再発防止の
委員会を設置して、そこで話し合った五項目が出ているんですね。その四のところに、「再発防止に向けて医師・看護師を中心に危険薬剤に関する教育の再徹底と病院全体としての注意喚起を行いました。」というふうに書いてあるんですね。ここには薬剤師は出てこられないんですね、ここには。看護師さんとお医者様は出ているんですけれ
ども。だから、そういう
意味でも、私は、これからの薬剤師をやはり重視していくという中で防止できるものがあるのではないかなというふうに思っているところです。もう是非そうなってほしいと
思います。
私は、医療のやはり高度化、そして複雑化、そして医薬分業、先ほ
どもいろいろ
審議されておりましたけれ
ども、医薬分業の進展などに伴い薬剤師の業務が大きく今変化し、そして薬物療法の提供、そして服薬指導、医療安全対策など、広範な分野で薬剤師が医療の担い手としての役割を果たすことがこれまで以上に求められてきているというふうに
思います。
薬学で学ぶ学生が六年制の下での長期実務実習が開始されるのは、これは二〇一〇年四月一日からになるんですね。それまでに実務実習
体制をどのように作っていくのかという、これは大きな課題であると
思いますけれ
ども、それがあると
思います。
そして、昨年の十月二十九日に薬剤師の問題検討会というところで中間
報告書が出されておりますけれ
ども、薬剤師養成としての薬学教育は、医療薬学及び臨床教育の充実した六年間の学部教育が基本であるとともに、最低六か月程度の実務実習を行うことが必要であるとして、そして、現状では十分な
体制が構築されているとは言えず、今後、長期実務実習を実施するためには、受入れ施設の確保、そして実務実習の質の確保等の整備を計画的に行う必要があると、こういうふうに述べております。
病院における実務実習というのは、
平成十四年度において、受入れ学生数は八千五百六十六人なんです。そして、受入れ施設が一千七百十四施設となっております。ほとんどの大学で必修化されつつあるということがこれで分かるわけなんですけれ
ども、近年、着実にやはり充実してきているということが言えるのではないかと。
一方、今度は薬局における実務実習はというふうに見たときに、受入れ学生数が
平成十四年度において三千百五十四名というふうになります。そして、受入れ施設数が
平成十五年三月末において約五千施設というふうになっております。薬学生の入学定員が
平成十四年度において八千百十人であることを踏まえると、まだ十分に実施されていないというふうにここは見て取らなければいけないかなというふうに思うんです。
この
関係については、同じ中間報告なんですけれ
ども、ここで、実習施設の受入れ
体制に関して、薬局については、日本薬剤師会が、薬学教育協議会との連携の下、日本薬剤師会の地域ブロックが受入れ薬局を調整するシステムを構築しているということです。
一方、病院については、従来より薬学教育協議会が実習施設の調整を行ってきている。このような受入れ
体制の整備に関する取組等から考えて、長期の実務実習は数年間程度の準備期間があれば十分対応可能であるというふうに考えられます。
また、実習の受入れ施設となる薬局そして病院、これにはそれぞれの施設間に差がある、そして
一つの内容とするためには、複数の薬局、病院で実習を行うシステムを構築するなど、大学と薬局そして病院が個別に契約をするのではなく、大学と薬局、病院が組織として対応する必要があるというふうに
思います。
なお、現在、日本の薬剤師会においては、薬学教育協議会とともに、複数の薬局で実習を行うことを前提として受入れ
体制を整備しており、日本病院薬剤師会においても、各地域におけるグループ制による受入れ
体制を構築すべくモデル
事業を行っているところであるということです。
薬局と病院の長期実務実習の受入れ
体制を整える段取りと実習の均一化というのは、この中間
報告書以降、この法案ができるまでに一体どのように進んでおり、そして、今後、長期実習、実務実習実施までにどのように確実な
体制を整えることができるようになっているのだろうかということを
思います。このことについて御
答弁をお願いいたします。