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広野ただし君 これはもう非常に昔からそういうことがある、最近のことではないということなんですね。
これは昭和五十九年に出ている本ですが、元警視監の松橋忠光さんが「わが罪はつねにわが前にあり」ということで、いろんな
警察の内部のこと、自分がこういうことを書けば村八分になるだろう、また仲間を非常に批判することになる、だけれども自分はきちっと示さないと世の中に申し訳ないと。こういう意味で、「わが罪はつねにわが前にあり」ということで書いておられるんですね。
この「
日本警察 腐蝕の構造」、これはちょっと、ジャーナリストなんですけれども、小林道雄さんという、これも長いことやっておられる人も
警察の内部のことを書いておられるんです。このジャーナリストの話から聞きましても非常に変なことが行われている。例えば、署長三回家が建つという言葉があるというんですよ。署長を三回やると、
異動するたびにせんべつをもらう、贈答をもらうという形で、そうしてその結果大変なことで、家が建っちゃうくらいに贈答
世界だと、こういうことなんですね。
それを、なぜそういうふうになってくるのかということは後でまたお話しいたしますけれども、私はもっと会計検査院がしっかりとやらなきゃならないんだというふうに思うんです。作家の猪瀬直樹さんが、道路公団民営化のことをやっておられる人ですが、
捜査費不正流用問題は
日本警察全体の体質の問題、公安
委員会はお飾りにすぎず、会計検査院もチェック
機能を果たしてこなかったことが根深いものとしたと、こういうようなことを、これは作家がこう言っておるわけですね。
過去からいろんなことがあるのに、例えば会計検査院のことにつきましても、
警察の中では会計検査院に対する予備想定問答集みたいのがあって、そこでいろいろと、検査で不祥事が出ないようにということをいろいろとやってきていると、こういうことなんですね。ですから私は、もっと会計検査院が特別
調査でもしてしっかりとやってもらいたいと思うんですね。
これは何でこんなことを言っているのか。私も、いろいろと
警察に我々の安全を守ってもらっていることも一杯あります。現場は一生懸命やっている。二十四万人の
警察がしっかりやっているところもある。しかし、何か一部の、私はこれエリート官僚じゃないかと思うんですが、そういうところが人事権を持って、人事権を持って
警察を、地方
警察を支配をしようと、こういうようなことになってしまっているんじゃないのかと思うんですね。
全国四十七都道府県、県警本
部長、わずか地元出身者は五名です、あとは全部
警察庁から行っている、こういう
事態になっています。また、
部長職以上のそういうポストでも、キャリアと言われる人が二百六十のうち五十二を占めるということで、中枢の部分はキャリアが占めると、そしてそれが人事権を持ってやる。そうすると、少しでもそのキャリアの人に、人事権、覚えを良くしてもらいたい、だから貢ぎ物を出していくと。各課にいろいろと
捜査費を裏金みたいにして、
捜査費等、
捜査費というのは国費で報償費というのは県の費用だと、こういうことなんですけれども、それだけでは足りなくて、どうしても、いろんな形で裏帳簿を作って、そして贈答品等を贈ってやっていくと、こういうようなことがもうまかり通っているというわけなんですね。
そして、ちょっと今日は人事院に来ていただいておりますが、国の
警察そして地方
警察、戦後、
警察の民主化のために自治体
警察というものを非常にしっかりしようということでやってきた。だけれども、結局、
国家警察がずっと人事でもって支配をすると、こういうことになってきている。
そういう実態について、そしてまた
警察というのは大変な階級社会ですよね。上、
長官がおって、警視総監があって、警視監があって、警視長、そして警視正、そして警視、警部、警部補、巡査
部長、巡査と、こういう階級がかっちり決まっている。そしてまた、巡査、巡査
部長、警部補となるのに三、三、三原則とか何かあって、巡査三年まずやらなきゃいけない、そして巡査
部長も三年以上やる、警部補になるのにまた三年、警部になるということはノンキャリアではもうなかなかできないと、こういう実態です。ところがキャリアは、そしてまたノンキャリアは一生掛かっても警部になれない、ところがキャリアはわずか四年で警視正になって、その後どんどんどんどん昇進をしていくと、こういう実態だというんですね。
そうすると、現場の、一番現場を大切にしなきゃならないのに、現場の人たちが腐ってしまうんですよ。そしてまた、少しでもまた覚えを良くしてもらいたいということで、どんどんどんどん貢いでいく、そのお金もないから何か裏金で、こういうようなことになってしまうと、そういうことを北海道のこの原田さんもおっしゃっているわけだし、そして弟子屈の次長さんもおっしゃっている。これはもう本当に根が深くって、ここはもうこのところでがっちりうみ出してしまって、昔、各省庁でも裏金問題というのはありました、三十年前ほど、鉄建公団を始めとして。だけれども、ここでみんなそのときにうみを出して、そういうことをやめようと、こういうことをやっているわけですね。
ですから、やっぱり
国民の
皆さんから、また市民から信頼される
警察を作るためには、ここで思い切ってもううみを出してしまってもう一回再スタートだと、こういう思いでやってもらわないと本当に私は
警察、
国民の信頼を失ってしまうんじゃないかと、こう思うんですね。
公安
委員長にもう一度お伺いしたいと思います。