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2004-03-22 第159回国会 参議院 決算委員会 第5号
公式Web版
会議録情報
0
平成
十六年三月二十二日(月曜日) 午前十時開会 ─────────────
委員
の
異動
三月十五日
辞任
補欠選任
山内
俊夫
君
段本
幸男
君 三月十六日
辞任
補欠選任
段本
幸男
君
山内
俊夫
君 森
ゆうこ
君
柳田
稔君
小林美恵子
君
緒方
靖夫
君 三月十七日
辞任
補欠選任
緒方
靖夫
君
小林美恵子
君 三月十八日
辞任
補欠選任
神本美恵子
君
内藤
正光君
和田ひろ子
君
峰崎
直樹
君 三月十九日
辞任
補欠選任
内藤
正光君
神本美恵子
君
峰崎
直樹
君
和田ひろ子
君
柳田
稔君
池口
修次
君 ─────────────
出席者
は左のとおり。
委員長
鴻池
祥肇
君 理 事 岩井
國臣
君 松山 政司君 三浦 一水君
川橋
幸子君 松井 孝治君
小林美恵子
君 委 員
大野つや子
君
加治屋義人
君 柏村
武昭
君 後藤 博子君 常田
享詳君
中原 爽君
南野知惠子
君 藤井 基之君
池口
修次
君
神本美恵子
君 佐藤 雄平君 齋藤 勁君
羽田雄一郎
君
広野ただし
君
和田ひろ子
君
木庭健太郎
君 遠山 清彦君 畑野 君枝君 又市
征治
君 岩本 荘太君
事務局側
常任委員会専門
員
和田
征君
参考人
野村総合研究所
研究理事
富田
俊基
君
国立学校財務セ
ンター研究部教
授
山本
清君 ───────────── 本日の
会議
に付した案件 ○
理事補欠選任
の件 ○
平成
十四
年度
一般会計歳入歳出決算
、
平成
十四
年度特別会計歳入歳出決算
、
平成
十四
年度
国税
収納金整理資金受払計算書
、
平成
十四
年度
政府
関係機関決算書
(
内閣提出
) ○
平成
十四
年度
国有財産増減
及び現在額総
計算書
(
内閣提出
) ○
平成
十四
年度
国有財産無償貸付状況
総
計算書
(
内閣提出
) ─────────────
鴻池祥肇
1
○
委員長
(
鴻池祥肇
君) ただいまから
決算委員会
を開会いたします。
委員
の
異動
について御報告いたします。 去る十六日、
森ゆうこ
君が
委員
を
辞任
され、その
補欠
として
柳田稔
君が
選任
されました。 また、去る十九日、
柳田稔
君が
委員
を
辞任
され、その
補欠
として
池口修次
君が
選任
されました。 ─────────────
鴻池祥肇
2
○
委員長
(
鴻池祥肇
君)
理事
の
補欠選任
についてお諮りいたします。
委員
の
異動
に伴い現在
理事
が一名欠員となっておりますので、その
補欠選任
を行いたいと存じます。
理事
の
選任
につきましては、先例により、
委員長
の
指名
に御一任願いたいと存じますが、御
異議
ございませんか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
鴻池祥肇
3
○
委員長
(
鴻池祥肇
君) 御
異議
ないと認めます。 それでは、
理事
に
小林美恵子
君を
指名
いたします。 ─────────────
鴻池祥肇
4
○
委員長
(
鴻池祥肇
君)
平成
十四
年度
決算外
二件を議題といたします。 本日は、
決算審査
の
在り方
について
参考人
から
意見
を聴取し、
質疑
を行うため、
野村総合研究所研究理事富田俊基
君及び
国立学校財務センター研究部教授山本清
君に御
出席
をいただいております。 この際、両
参考人
に一言ごあいさつ申し上げます。 本日、御多忙の中、本
委員会
に御
出席
をいただきまして誠にありがとうございました。
委員会
を
代表
いたしまして厚く御礼を申し上げます。 両
参考人
から忌憚のない御
意見
を賜りまして、
審査
の
参考
にいたしたいと存じますので、どうぞよろしく
お願い
を申し上げます。 本日の議事の進め方でありますが、
富田参考人
、
山本参考人
の順にお一人十五分程度ずつ御
意見
をお述べいただきまして、その後、
委員
からの
質疑
にお答えをいただきたいと存じます。 なお、御発言の際は、その都度
委員長
の許可を得ることになっております。また、各
委員
の
質疑
時間が限られておりますので、恐れ入りますが御
答弁
は簡潔に
お願い
いたしたいと存じます。 なお、
参考人
からの
意見陳述
、各
委員
からの
質疑
及びこれに対する
答弁
とも着席のままで結構でございます。 それでは、まず
富田参考人
から
お願い
をいたします。
富田参考人
。
富田俊基
5
○
参考人
(
富田俊基
君) 御
指名
をいただきました
野村総合研究所
の
富田俊基
でございます。
決算審査
の
在り方
につきまして
意見
を申し述べさせていただきます。 お手元の
資料
も御参照ください。 まず、
我が国
の
財政
の
現状
についてですが、
先生方
には既に御存じのように、
古今東西
に類例を見ないほど悪化しております。
政府短期証券
、借入金を含めた国の
債務残高
の
GDP比
は昨十五年末一三四%と、
学徒出陣
のあった
昭和
十八
年度
に並ぶ
水準
まで上昇しています。国内では依然として
デフレ期待
が根強いことを反映して
国債金利
が極めて低い
水準
で推移していますので、まだまだ大丈夫だと思い込みがちです。しかし、
国際金融市場
では、
日本国債
の
信用力
が低いという
評価
が定着しています。 例えば、
ドル建て
の
日本政府保証債
の
金利
は、同じ満期の
アジア開発銀行債
よりも〇・二%も高い。円建ての
日本政府保証債
の
金利
は、
ドイツ復興金融公庫
、KFWと呼ばれておりますけれども、そこの
債券
よりも〇・一%高い
水準
で推移しています。また
国際決済銀行
、BISの
季報
によりますと、
ソブリン・クレジット・デフォルト・スワップ市場
での
日本国債
の
取引高
、二〇〇〇年から二〇〇三年について見ますと、ブラジル、メキシコに次いで多かったことが報告されています。 こうした
状況
の中で、
予算編成プロセス
の
改革論議
が行われています。例えば、いわゆる
骨太
の三では、
財政構造改革
に当たっては
予算
の質の
改善
、
透明性
の
向上
が必要と指摘しています。質の
改善
はうたわれても量の
改善
がなぜ入っていないのかは疑問です。この
骨太
三を受けて、十六
年度予算
で、
年度
をまたぐ
予算執行
の
弾力化
と
予算項目
の大くくり化を
内容
とする
モデル事業
が試験的に
導入
されました。こうした
動き
の
背景
には、いわゆる
ニュー
・
パブリック
・
マネジメント
、
NPM
と呼ばれる運動があるように思えます。 論者によってその具体的な
内容
は異なるようですが、一、多
年度予算
、二、
事前統制
から
事後評価
に重点を移す、三、
発生主義
という
会計手法
の
導入
、これらを主な
内容
としています。
参考人
も、
議会制民主主義
の枠内であれば
民間企業
の
経営手法
を
独立行政法人
や
特殊法人
、
地方公共団体
など
行政
の
現場
に
導入
し、
行政
の
効率化
、
活性化
を図ることに異論はありません。しかし、
中央省庁
への
導入
には、
縦割り
、
省庁縦割り
の助長と
官僚独裁
とも言うべき大きな落とし穴があることに注意しなければなりません。 まず、
年度
をまたぐ多
年度予算
についてですが、これは
我が国戦前
の
軍事予算
と同様の
構造
で、
民主主義
の
否定
、
官僚独裁
につながりかねません。
昭和
十二年に設置された
臨時軍事特別会計
は
戦争終結
までの多
年度予算
で、しかも
予算科目
の区別は
臨時軍事会計費
の款が一本、
陸軍
、
海軍
、
予備費
の三項のみです。
国会
では
予算
は項のレベルで
議会
されるため、
海軍
、
陸軍
はそれぞれ
一括
の大くくり
予算
で、しかも多
年度予算
ですので、
国会
による
予算統制
が掛からなくなったことを忘れてはなりません。 また、海外での多
年度予算
は
政府内部
の
計画書
といった
位置付け
で行われていますが、それには
予算
が既得権益化する、楽観的な
経済見通し
によって
歳出
が下方硬直化する、
実質値
で
中期計画
を作った一九七〇年代のイギリスでは著しく
財政
が悪化したなどの問題を生みました。 次に、
事後評価
の
重視
についてです。 これは、厳格な
事前統制
とともに推進すべきことは当然です。厳正な
事後評価
のためには、
事前
に明確な
定量目標
を立て、
評価
に
恣意性
が入り込まないように
評価方法
もあらかじめ決めておく必要があります。 しかし、
現状
のように
事後評価
を主として各
府省
の
自己評価
にゆだねることで十分でしょうか。また、仮に厳正な
事後評価
ができたとしても、その
予算
への
フィードバック
は
国会
の
決定
にゆだねるべきです。 次に、
発生主義予算
についてです。
現金主義会計
では、
年金
、
公共事業
、
政府保証
などのコストが正しく認識できないので、
発生主義
の
考え方
で将来にわたる
国民負担
を計測し、
政治決定
の
参考
とし、
予算編成プロセス
で活用することは極めて重要です。 しかし、
発生主義
で
予算そのもの
を編成するとなると、
現金主義
に比べて
裁量
の余地が大きい、
巨額
の
投資的支出
も毎年
減価償却費
など
予算
としては少額しか計上されない、
現金主義
による
予算統制
と
発生主義予算
の制度的な不整合が生じるなどの問題が起こります。このため、
ニュー
ジーランド、
オーストラリア
においても、
適用範囲
は
政策経費
を除いた各
省庁
の使う直接
経費
に限定されています。 こうした最近の
予算編成プロセス
の
改革
の中には、
政府
の
活動
を
市場
あるいは
第三者
に
評価
させようとする
考え方
があるように見えます。その
代表例
が
市場
での
財投機関債
の発行と
第三者
による
独立行政法人
の
評価
です。
資料
の二ページにお移りください。
財投機関債
は、
市場
、
マーケット
による
特殊法人
の
改革
という
目的
で発行されましたが、
マーケット
では、この
債券
には暗黙の
政府保証
が付いているとみなされ、
民間社債
のようにリストラや退出を促すという
機能
は果たしていません。十五、六
年度
の
財政投融資計画
で大幅な
削減
を可能にしたのは、
財投機関債
ではなく、各
機関
の担う
政策
と
主要事務事業
の
見直し
によるものであります。
独立行政法人
は、
行政機能
を
企画立案
と
執行
とに分離し、
執行業務
については、
運営費交付金
の
一括交付
という形で
予算統制
を緩和し、その長の責任で
組織
を最も効率的な
方法
で運営させるという
考え方
でできています。しかし、
政治
からも
市場
からも
統制
を受けず、所轄
府省
が
事後評価
でコントロールするという言わば
官僚特区
となるならば、それはそもそも許されようはずはありません。
事前統制緩和
の代償として厳しい
事後評価
が必要とされているのですが、厳格な
事後評価
のためには、明確な
中期目標
と定量的に示された
中期目標
、
年度目標
が必要であります。
特殊法人等改革推進本部参与会議
と
総務省
の
政策評価
・
独立行政法人評価委員会
で
独立行政法人
の
中期計画
の
明確化
を各
府省
に強く要請していますが、各
府省
の対応はまだ十分とは言えません。
計画
が定量的に示され、
第三者
による
事後評価
が可能となっても、
独立行政法人
の
業績
が
業務執行
の
効率化
によるものか、
環境変化
によるものか、あるいは
事前統制
が緩いためなのか、これらを果たして明確に分離して
評価
できるのかという基本問題が残ります。
独立行政法人
への
運営費交付金
も
国会
の指示に従って
予算執行
をゆだねられた
税金
であり、それを売上げと仮想して
経営努力
を求めるという
考え方
にも
限界
があります。また、
予算
の使い残しを
決算審査
も経ずに
官僚
が勝手に使ってしまうことがあっては
民主主義
の
否定
につながりかねません。
税金
を
投入
し、国の機構としてののれんを使っている以上、
国会
による
事前統制
と厳格な
決算審査
との
フィードバック
が当然必要であります。 以上の
陳述
をまとめさせていただきます。 第一に、各
府省
が
NPM
、
ニュー
・
パブリック
・
マネジメント
を武器として
縦割り
の
官僚独裁
に陥らないよう、
国会
による厳しい
予算統制
と厳しい
決算審査
が必要であります。 第二に、
事前統制
には厳しい
予算制約
が必要です。 この
巨額
の
財政赤字
を見るまでもなく、
予算
の量の
改善
、すなわち
歳出削減
が
優先課題
です。
企業
も家計も
予算制約
の中で
最適化行動
を取っているのですから、
政府
の
活動
でも厳しい
予算制約
による量の
削減
が質の
改善
、
業務
の
効率化
につながるという
考え方
が必要です。 そのためには、
大蔵大臣
の
権限強化
が必要です。大
ぐくり予算
、多
年度予算
、
事前統制
から
事後評価重視
へという
NPM
の思想は、さきに述べましたように、
国会
の
役割
と
政府内部
での
大蔵大臣
の
権限
とを縮小しようとする
動き
と言えます。
大蔵大臣
の
権限
の弱い国ほど
財政赤字
と
国債残高
が多い。これは、
欧州通貨統合
に際しまして各国の
財政健全化
を進めるために行われた
比較制度分析
の結果です。
我が国
にこれを当てはめますと、
国会
の
役割
と
財務大臣
の地位がこれまで以上に低下すれば、止めどもなく
国債
の累増が進んでしまいます。 そして、第三に、
国会
における
事後評価
の
厳格化
が必要です。 各
府省
の
自己評価
にはおのずと
限界
があります。また、
自己評価
と
第三者
による
事後評価
への過度の
期待
も禁物です。
政治
も
市場
も要らない
哲人政治
、アナーキズムか、あるいは崩壊したソビエトのような
官僚独裁
に陥らないとも限りません。これを防ぐためにも、
決算
と
会計検査
の
早期提出
に併せ、
決算審査
の
予算編成
への
フィードバック
を積極化すべきです。 なお、今後の
課題
として、
予算書
、
決算書
の表示を
政策体系
に即した形にし、
事業評価
との連動が可能となるよう区分を
見直し
ていくべきであります。 御清聴ありがとうございました。
鴻池祥肇
6
○
委員長
(
鴻池祥肇
君) ありがとうございました。 次に、
山本参考人
に
お願い
をいたします。
山本参考人
。
山本清
7
○
参考人
(
山本清
君)
国立学校財務センター
の
山本
でございます。 まず初めに、良識の府である
参議院
におきまして、とりわけその
決算審査
の
充実化
を標榜されておられます
参議院
並びに
決算委員会
におきまして、
参考人
として
意見
を申し上げる機会を与えていただきましたことに感謝を申し上げたいと思います。 以下、
レジュメ
に従いまして
意見
を申し上げたいと思います。 まず最初に、
国会
におきます
決算審査
の
意義
につきまして確認を申し上げたいと思います。 私は、
レジュメ
に書いておりますとおり、三点ほどが
決算審査
のやはり
意義
なり
目的
であろうというふうに考えております。 第一点は、当然、
国会
でございますから、
行政府
に対しまして、
アカウンタビリティー
を
行政府
は負っておるわけでございます。その
立法府
に対します
行政
の
アカウンタビリティー
を解除し、そして更に確保するというのが一番大きな
意義
であろうというふうに思います。 第二点は、次の
予算編成
への
フィードバック
を図る、そして、単なる
フィードバック
だけではなくて、やはり途中におきます
改善
を通じましてやはりその価値を付加していくということが二番目として重要であろうというふうに思います。 三点目は、
決算審査
を通じまして、
予算
・
会計制度
の
改革
なり
見直し
というのも含めました
監視
ということが基本的な視点であろうというふうに思います。 こういった
意義
を前提にいたしまして、
決算
を通じました
政府
全体の
統制メカニズム
につきましてまとめた図が図一でございますので、この図に従いまして大筋申し上げたいと思います。 この図の一番下の点線の枠で囲ってありますのは、大きく
政府
全体にかかわります
ガバナンス制度
と言っていいかと思います。これには、
議会
は、まあ
立法府
と言い換えていいかと思いますが、
議会
、裁判所並びに
行政府
から独立しておりますから
会計検査院
というのも含めておりますが、こういった
行政活動全般
に対します
外部統制機関
というのは当然一番左にいるわけでございます。そして、
行政府
は自ら当然
内部統制機関
なりに
内部統制
を図るということで、
国会
でお決めになった
財政法
なり
会計法
の枠組みの中で、それに従って、
政省令
に従って
予算執行
、
予算
の
執行
を行うという意味におきまして、
内部統制
の
組織
なり
機関
というのも存在しておるわけでございます。 さらには、当然こういった
外部統制
、
内部統制
以外に、いわゆる
国民
の目と申しますか、
国民
全体の
文化
と申しますか、そういった、今はやりの言葉で申しますればソーシャルキャピタルと言われておりますが、
社会的関係資本
なり
社会的共通資本
と言われているような
国民
の
政治
並びに
社会
、地域あるいは
マーケット
に対する意識なり規範の遵守の基本的なそういった心情の
共有化
というものが当然あるわけでございますし、あるいは
マスコミ等
もこの一番右側のところに
位置付け
ていいのではないかと思います。 こういった
三つ
の大きな
統制メカニズム
が
行政活動
に対して
統制活動
を加え、そしてそういった
三つ
のチャンネルを通じて、いわゆる
アカウンタビリティー
の確保、
向上
、そして
国民
の相互間の
利害
の
調整
並びに
経営改善
を図る。とりわけその
マーケットメカニズム
と一番違う点は、
アカウンタビリティー
という点と
利害調整
であろうかと思います。
アカウンタビリティー
がとりわけ
パブリックセクター
において重要であるというのは、
税金等
は御案内のとおりやはりその公権力の
背景
として、あるいは
国民
の
納税義務
として徴収するわけでございまして、これは自由な
マーケット
における
交換取引
として
取引
がなされるわけではないということであります。 さらには、
国民
はやはり世代間の
利害対立
がありますし、それは
公的年金
をめぐる最近の
動き
にも表れております。あるいは、
都市部
と
地方部
におきまして、特に最近ですと
高速道路問題等
においては、いわゆる
都市部
と
地方部
の
利害
の
対立
があるわけでございます。こういった
利害調整
は、やはり国権の
最高機関
であります
議会
において、その
国民
の
代表
である
立法府
の方でこれはやはり御
議論
をして
調整
し、やはり
議決
をするということで
利害調整
が図られておるということでございます。 一方、その
経営改善
というのは、これは
外部統制
を通じた
経営改善
というのも
チャネル
もあるわけでございますし、あるいは
国民
の
文化
という点でいきますと、最近いろいろな
地方
で行っておりますように、
行政
と
住民
との
共同参加
といった、
公共事業方式
もございますが、そういった
住民参加
によって
予算
の
削減
を図ろう、あるいは
効率化
を図ろうという
動き
も当然
チャネル
としてあるわけでございます。 こういった
三つ
の
機能
が確保されることによって
政府
全体の
業績
が
向上
し、そして
政府業績
を、
国民
がそれを見ることによって
政府
に対する信任なり
信頼
が形成される。この
政府
に対する
信頼
が低下いたしますと、当然、
国民
の
政治
に対する
参加
でありますとか、あるいはいろいろな
利害調整
の場におけるその関与なり等がやはり問題を受けるわけでございます。これが、
政府
に対する
信頼
がプラスに働きますと、この全体の
チャネル
がうまい具合に
機能
いたしまして、それが更に
アカウンタビリティー
の
向上
なり
利害調整
を活発にし、
経営改善
を図り、
行政
の全体のパフォーマンスを高めると、こういうふうな
チャネル
になるわけでございます。 したがいまして、ここで一番申し上げたい点は、2の(3)にございますとおり、そうは申しましても、今、
富田参考人
の方から
お話
がありましたとおり、やはり
議会
と
行政府
の
関係
を申し上げますと、やはり細かい
予算
の
執行
の中身でありますとか、あるいは細かい
政省令等
につきましては、
行政府
の方がはるかに大きな
スタッフ
も抱えておりますし、あるいは知識の点あるいは能力の点においても、当然その
議会
は優れておるわけでございますが、
少数スタッフ
の
調査局
を抱えておられるだけであります。そういったことからいきますと、やはりその
内部統制
に対して
外部統制
が牽制を図る、あるいは的確な、サポートではなくてその
監視
をするという点からいきますと、
行政府
に対抗するようなやはり
調査機関
なりあるいは
補助機関
なりが必要であろうということであります。
会計検査院
の
位置付け
を憲法的にどうするかというのはいろいろ諸般のいろいろな、あるいはいろいろな御
議論
があるようでございますが、少なくとも
機能面
におきましては、
議会調査局
と同時に、
内部統制
に対する
監視機能
あるいは的確な
外部統制
を行うためにやはり
会計検査院
を活用するということが、
内部統制
に対する
監視
あるいは
行政活動全般
に対する
統制
において非常に重要であろうというふうに思っておるわけでございます。 次に、二ページ目の方に参らせていただきます。 先ほど
富田参考人
からも
お話
がございましたとおり、
NPM
のエッセンスにつきましては既に
富田参考人
も触れておられます。しかし、ここでは
原理
的な点を申し上げますと、ここに冒頭に書いてございますとおり、
NPM
の
原理
というのは四つの
原理
から成り立っております。一つは
成果志向
であるということであります。二番目は
顧客志向
である、三番目は
市場原理
を活用することである、四番目は
分権化
ということで、なるべくその
現場サイド
に
裁量権
を与えようということであります。 先ほどからの
議論
がありますとおり、
成果志向
にするということは、当然、
投入
の
管理
でありますとか途中の
プロセス管理
については
裁量性
を与えるということでございますから、これは一面におきますと
行政権
に対しての
裁量
が増えるということで、
議会統制
が形骸化するのではないかというのが先ほど
富田参考人
の
お話
でございました。確かにその面はあるわけでございますが、
NPM
を実行することによって
立法府
が一方的に
行政府
に対する
統制権限
がただ失われるだけかということからいきますと、それは必ずしもそうではないということを今申し上げたいと思います。 それは、
NPM
における
議会統制
の
在り方
というのは、従来と違って、実は
成果
に対しても
議会審議
においてオーソライズをするということでございます。すなわち、
従前
の
予算書
なりは、当然これは貨幣の
金額
の数値が入っている、いわゆる款項目、今も
お話
しございましたとおり、そういった
一定
の
科目名
と
金額
について
統制
するというそのことで、
金額
といわゆる
投入財源
についての
統制
であったわけであります。それが、
議会審議
の
NPM化
というのは、これはもう
オーストラリア連邦政府
において一番端的な例でございますが、実は
成果
、最終的な
成果
であるアウトカムベースにおいて、実は
アウトカム自身
を
国会
で
議決
をしているわけでございます。そして、
金額
と同時に
バインディング
するということであります。 したがって、いわゆる
行政権
に
一定
の
裁量権
を与える
代わり
に
成果
で
統制
する。その
代わり
、
裁量権
を与えるということは当然、
効率化
のメリットがあるわけでございますから、
従前
の
予算
よりは少ない
金額
で多くの
成果
を達成せよという
バインディング
を
事前
に掛けておくということになります。当然、
事前
に
バインディング
を掛けているだけであれば、これは当然、
議会統制
というのは成りませんですから、当然これは事後的にこれをチェックするということで
評価
の
役割
が高まってまいります。 しかし、これは
行政府
の一方的な
評価
だけではとても、これはそれだけ
裁量権
を与えたということとバランスが取れないわけでございますから、これは次の
予算審議
あるいはその
成果
に関する厳格なチェックということを
議会
においてもやるということで、先ほど申し上げました
会計検査院
の
機能
もそこに活用しようというのが世界的な
動き
であるわけでございます。 先ほど、
大蔵大臣
なり
国会
の力が強い国は
財政
再建に非常に有効であるということの
お話
がございました。それはそのとおりだと思いますが、それとほぼ同様なポジションで、三ページ目の表の一というのをごらんいただきたいと思います。 これは、OECDのいわゆる有力国と称されておる国と、いわゆる発展途上国と申しますか、そういう国も包括して、いわゆる
NPM
的な
改革
に積極的に取り組んでいる国とそうでない国がいろいろな、先ほど申し上げました
政治
に対する
信頼
あるいは汚職の問題あるいは
政府
全体のガバナンス、さらには今
議論
になっております
財政
再建であります
歳出
の変化率、これはマイナスになるということはそれだけ
削減
しておるわけであります。 これをごらんいただきますと、おおむねでございますが、やはり
NPM
の
改革
に積極的な国は明らかに
歳出
の変化率がマイナスでございますから、これは
財政
削減
に成功しておるということでございます。 したがって、問題は、
NPM
を
議会統制
とどうやってうまく接点を見いだすかということにあるわけでございまして、そこら辺の御
議論
が是非
国会
の方でもやっていただかないと、
行政府
の一方的な
執行
になると、これは大きな問題が起こるというのは
富田参考人
の御
意見
のとおりでございます。 こういったことを前提にいたしまして、最後に、
改革
に向けた取組について申し上げたいと思います。ここでは三点申し上げたいと思います。 一点は、
決算審査
の視点でございます。 ここで一番重要な点は、いわゆる
NPM
適用に伴います
決算審査
における
評価
内容
の
予算
への反映ということでございます。 現在の
状況
におきましては、行
政府内部
におきます、
総務省
なり財務省におきます
評価
の
予算
への反映というのは行われておりますが、実はこれは
議会
できちんとやることが一番重要であろうと思います。とりわけ、
平成
十六
年度予算
から盛り込まれております
モデル事業
なり
政策
群というのは、これは大くくりの
予算編成
をしております。あるいは
裁量性
を認めるということでございますから、これは
決算審査
で是非きちんとチェックをするということが
決算審査
の
意義
を高め、さらには次の
予算
への
フィードバック
にもつながるのではないかと思っております。これが第一点でございます。 第二点は、
財政
当局との
関係
でございます。
国会
におかれましても
調査局
等でいろいろな分析をおやりになっているということは承知しておりますが、とりわけ最近ですと、公会計
改革
等が財務省あるいは内閣府の方で実施されておられますが、実は一番重要な点が欠けておると思います。 それは、いわゆる公会計
改革
の中でいろいろな
決算書
類なり財務諸表を
企業
会計方式と称する方式で作成しておりますが、それはすべて実績数値だけであります。決して
予算
との対比がないわけであります。そうすると、
国会
の
議会統制
並びに
決算審査
という点からいきますと、これは
予算
と比べてどうであるか、あるいは
計画
数値と比べてどうであるかといった公会計の書類が出てまいりませんと、
行政
内部の
フィードバック
としてはいいのかもしれませんが、
議会統制
からいうと、これは大きな問題をはらんでいるというのが第二点目でございます。 第三点は、
会計検査院
との
関係
でございます。 現在、
会計検査院
はいろいろな
改革
に取り組んでおられますが、諸外国の
会計検査院
等を拝見いたしますと、これは特に
オーストラリア
等が
参考
になるかと思いますが、
オーストラリア
におきましては、合同の
決算
監査
委員会
におきまして、単なる
決算
だけではなくて、
予算
改革
につきましても積極的な勧告をしております。そして、その勧告の基になっておりますのが
会計検査院
の調査レポートということでございまして、とりわけ、その
独立行政法人
の運営等につきましては
NPM
的な
改革
がなされておりますから、それが本当に真の効果を発揮しているのか、あるいは無駄な、かえっていろいろな上乗せ規制になっていないのかどうかということを是非御審議願いたいと思います。 以上でございます。
鴻池祥肇
8
○
委員長
(
鴻池祥肇
君) ありがとうございました。 以上で
参考人
の
意見
の
陳述
は終わりました。 これより、まず各会派一巡で五分ずつ
質疑
を行い、その後、自由
質疑
を行いたいと存じます。 それでは、
質疑
のある方は順次御発言願います。
藤井基之
9
○藤井基之君 おはようございます。自由民主党の藤井基之でございます。 今日は、天候も優れない中、お二人の
参考人
から貴重な御
意見
を拝聴させていただきまして、ありがとうございました。これからの
決算
審議に対して
参考
にさせていただきたいと存じますが、二、三御質問をさせていただきたいと存じます。 両先生の御主張、あるいは
事前
に配付された
資料
等で私なりに理解をさせていただいておりましたが、一つ、私ども
参議院
のレーゾンデートルの一つというのがこの
決算審査
ということで
決算
というのを
重視
しているわけですが、両先生にまずお伺いしたいんですが、両先生とも中の文献等ではお触れになっているんですが、いわゆる
決算審査
というものというものが、まず会計的な
審査
、そしてそれに加えてやっぱり
業務
審査
といいましょうか、それは実績の目標とかいろいろおっしゃられたこともあるので、この会計問題とその事業という、その
評価
という両方をどのようにセットにして考えるべきかということが一つ。 それからもう一つは、そういった
決算
を
審査
した
内容
を国の次期
予算
に、直近の
予算
に反映するシステムとして、現在、確かに
決算
を
審査
する際には、
予算
が
執行
された後に
決算
を
審査
しないという時間のずれがどうしても発生します。これは致し方ないと思いますけれども、こういった
決算審査
の
内容
というものを次の直近の
予算
に反映するシステム的なもの、仕組みとしてこういった形がいいんじゃないかという何かアドバイスのようなものがございましたら、両
参考人
にお伺いしたいと思います。 以上、二つの点でございますけれども、お二方にお伺いしたいと存じます。
鴻池祥肇
10
○
委員長
(
鴻池祥肇
君) それでは、まず
富田参考人
から御
意見
を承りたいと思います。
富田俊基
11
○
参考人
(
富田俊基
君) まず、
会計検査
と
業務
審査
というものを両方を含めてやるかどうかということなんですが、会計的な点は
会計検査院
というところもやっているわけでして、私はやはり、
国民
の
期待
として
参議院
にあるのはもっと大きな観点より、大きな問題がひょっとしたらあるんじゃないかということから活発な審議がなされることが大事だと思うんです。したがって、大きな問題の所在というのは、もちろんその
業務
も含めたことが入っているという意味でございます。 したがって、そうした大きな問題の有無という観点からの
議論
というのは、当然その次の
予算編成
のプロセスに反映されていくべきものだというふうに思うんです。来
年度
の
予算編成
より非常にこの
決算
の報告が早期化いたしますので、十五
年度
のその実績というものを踏まえ、多様な、そこを足場として多様な
議論
が次
年度
の
予算編成
に向けて喚起できるのではないかというふうに存じます。
鴻池祥肇
12
○
委員長
(
鴻池祥肇
君) それでは、
山本参考人
、
お願い
いたします。
山本清
13
○
参考人
(
山本清
君) 第一点でございますが、
決算
と申しますのは、当然、
行政活動
を事後的にそれを貨幣で表現したものでございます。したがいまして、当然これは
活動
がその
背景
にあるわけでございますから、
決算審査
は決してその貨幣的な尺度であります会計でありますとか
決算
数値だけにとどまるものではないというふうに考えております。現に、そういうことで
会計検査院
は
決算
の検査もやっておるというふうに私は理解しております。これが第一点でございます。 第二点の御質問は、非常にこれは重要な問題であるかと思います。これはただ、急激にはこれはシステム的に持っていくのは難しゅうございますから、まずは
モデル事業
というのがございますね。これは三年とか五年の間が期間があるわけでございますから、まさしく
決算審査
におきまして
事前
に、しかも
議会
でも通っておるわけでございますから、それが現実に目標を達成しているかどうか、あるいはコストを
削減
しているかどうかということで、大きな問題がある場合においては、これは
見直し
を行うといったことをやはり是非システム化していただきたいと思います。
藤井基之
14
○藤井基之君 ありがとうございました。 時間が限られておりますので、更問いといいましょうか、
議論
するのは控えたいと思います。 一点、一つだけ教えてください。 これは、
富田
先生の方なんですが、実は
資料
の中に「
大蔵大臣
の地位と
債務残高
」という表がございますが、これは私、出典に当たっていないので誠に申し訳ないんですが、この
大蔵大臣
のその
権限
の大きさ等というのは一体、非常に簡単に言うとどんなことでこれは比較
裁量
されたのか、そこだけ教えてください。
富田俊基
15
○
参考人
(
富田俊基
君)
大蔵大臣
の地位とここで書いておりますのは、ボン大学のフォン・ハーゲン先生が実証研究なさったものを引用させてもらったんですけれども、例えば閣議の中において
大蔵大臣
が他の支出大臣の要求に対してノーと言える拒否権を持つかどうかといったこと、それから
予算編成
の過程においてその交渉をマルチ、多人数を相手にやるか、バイでやるかとか、あとはさらに沿革的なものでして、イギリスの場合ですと第一
大蔵大臣
というのは首相なわけですね、
大蔵大臣
は閣僚の中ではそれに次ぐ地位を歴史的にも確立しているといった点。 それから、
予算
の編成プロセスが開放的か否か。これは
我が国
は非常に開放的でして、非常に他国と違うわけですけれども、開放的なゆえにいい面もあるんですけれども、このフォン・ハーゲン先生のその定義では、やはりそこにいろんな要求が噴出してたくさん出てくるということで、日本をそれに当てはめれば低くなる等々の項目から形成されておりまして、各国、議院内閣制を取っているヨーロッパの国々について計測した結果がお示しした
内容
だということでございます。
松井孝治
16
○松井孝治君 民主党の松井孝治でございます。 今日は両
参考人
、本当に朝から貴重な御
意見
をいただきましてありがとうございました。
富田参考人
がおっしゃった
ニュー
・
パブリック
・
マネジメント
の問題点というのは、私が理解するところでは、
官僚
、
行政府
内での
ニュー
・
パブリック
・
マネジメント
の運動が起こっているわけですが、それに対してきちんと
議会統制
あるいは
政治
の
統制
が働かない前提の下で
ニュー
・
パブリック
・
マネジメント
が陥りがちな問題点を特に御指摘をされているものと私は理解をさせていただきました。 そういう意味では、この
参議院
の
決算委員会
を中心として
議会
が、あるいは内閣の中での
政治
的
統制
、今おっしゃった
大蔵大臣
の
機能
というのはそういうことだと思いますが、その
政治
的
統制
をいかに働かせていくかが
ニュー
・
パブリック
・
マネジメント
を仮に今後進めていくに当たっては非常に重要な論点であろうかと思います。 そこで、両
参考人
に二点についてお伺いしたいと思います。 まず一つは、
国会
におきましては
決算
の取扱いにつきまして従来から長い論争がありまして、それは憲法に規定する
決算
の
位置付け
ですが、報告説というものと議案説というものがある。従来はどちらかというと報告説的な運用がなされていて、
政府
は衆議院、
参議院
それぞれに
決算
を報告している、そして各議院は必ずしもそれを同一
議会
内で処理せずに、それを審議未了の場合は次の
国会
に送るというような形で長く運営してきたという点があろうと思います。 この
政治
的
統制
、
議会
の
統制
を強化しなければいけないというのが両
参考人
の共通の御
意見
でございましたが、この憲法の
位置付け
も含めまして、両
参考人
は法律家ではいらっしゃらないわけですから、必ずしも憲法論を伺いたいわけではありませんが、もう少しこの
決算審査
の
在り方
を報告説ではなくて議案説的運用、要するに
国会
として憲法についてきちんと
議論
をし、
議決
をしなければ
予算
の審議に移れないような何らかの制度改正、あるいはその制度運用をきっちり
見直し
ていく必要があるのではないか。これは今、我々も
決算
の
在り方
を今後
議論
する上で両
参考人
の御
意見
を伺いたいと思います。 二点目につきましては、これはやはり、先ほど
山本参考人
が、
行政府
と
議会
側に情報の非対称性がある、要するに
行政府
の方が圧倒的に量の多い情報、あるいは
内容
的にも詳細な、なおかつ加工しない情報を持っているという非対称性があって、どうしても
議会
のコントロールが弱くなるというふうにおっしゃいました。両
参考人
とも、単なる
決算
の経理上のチェックではなくて、
政策
の
在り方
を含めてチェックするのがこの
議会
の
機能
であるというふうにもおっしゃいました。 その上で、この
参議院
、あるいはまあ
国会
と言い換えてもいいかもしれませんが、
行政府
に負けないだけのいろんな
政策
の分析
評価
能力を本当に今持っているとお考えなのかどうか。さらに、
議会
の
決算
への
統制
を強めていく、あるいは
政策
を
評価
することについての
統制
を強めていく必要があるとした場合に、現行
会計検査院
機能
を移管するのか、あるいはそれとはまた異質な
機能
を
行政府
にきちんと
位置付け
るべきではないか。特に今後、
参議院
改革
の一環でも、
参議院
あるいは
国会
に
政策評価
機能
あるいは広い意味での
決算
機能
というものを常設
機関
として
位置付け
るべきではないかと考えますが、この点についての両
参考人
の御
意見
を求めたいと思います。
鴻池祥肇
17
○
委員長
(
鴻池祥肇
君) それでは、まず
山本参考人
から
お願い
をいたします。
山本清
18
○
参考人
(
山本清
君)
決算
に対する報告案、報告説あるいは議案説ということの前に、いわゆる
NPM
というのを前提にすれば、これは
事前統制
から事後
統制
ということで、
事前統制
というのはどういうことかといいますと、
予算
的に見ればどういった
内容
、どういった
目的
にどれだけの
金額
を
歳出
していいのかということを充てるだけでありますから、これはある意味においては、それだけの金が
投入
されれば
事前統制
で済むという側面があるわけでございますね。 ところが、もし事後
統制
でこういった
成果
目標を達成することを所与として、これだけの
予算
を割り当てますということであれば、これは
事前
にそれだけの金が
投入
されたかと思っては、決して
議会統制
は終わらないわけですね。そして、それはいわゆる
予算
委員会
においては決してそのことはチェックできないわけであります。そうしますと、どうしても
決算委員会
と
予算
委員会
のリンケージということを考えませんと、そういった
成果
主義の
予算編成
は回っていかないわけでございますから、いずれにいたしましても、憲法の両説ということは別にいたしまして、もし
政府
全体がそういった事後
統制
的なメカニズムを
導入
するということであれば、
国会
における
決算委員会
の
役割
というのはおのずと変わってくるんだというのは第一点に対する私の答えであります。 第二点の検査院のポジションをどうするかと。これは非常に微妙な
政治
的な問題であろうかと思いますが、いずれにいたしましても、重要なことは、検査院をもっと
国会
は積極的に活用する必要があるだろうと。それは別に、検査院を
政治
的な中立性からもっと
政治
的な
役割
を果たせということではなくて、もう少し、ああいうミクロ的なアプローチじゃなくて、もう少しマクロ的なアプローチ、とりわけ、例えば内閣府の作成する
予算
の見積りでありますとか中期の
財政
見通し等についてのデータの
信頼
性のチェックをすると。これは決して、数字自身の客観性を担保するということですから、これはイギリスの
会計検査院
もやっておるわけでございますから、そういったアプローチでやはり実質的な意味の
国会
のサポート的な
機能
は充実していくべきだろうというふうに考えております。
鴻池祥肇
19
○
委員長
(
鴻池祥肇
君)
富田参考人
、
お願い
いたします。
富田俊基
20
○
参考人
(
富田俊基
君) まず、
決算
と申しますものは
国会
で決めた
予算
の事後的な姿なわけでして、それを認める認めないといっても、先に決めたことまで含めて認める認めないという
議論
はできないわけでして、
議論
ができるとすれば、
予算
で決めた、つまり
民主主義
の過程で、
民主主義
が
決定
した
内容
についてきちんと
執行
されているかどうかということがやはり
決算
として
議論
されるべきことでありまして、私は基本的には報告という形しか取り得ないんではないかと。つまり、一度決めてやったことをまたすべてひっくり返すということはちょっと現実としては非常に考えにくい。 ただし、先生、松井先生御指摘のように、
決算審査
というのは極めて重要であって、それをその次の、その
審査
の結果をやはり次の
予算
につなげていく、それは重要な問題だと思うんですね。その際に、やはり
決算審査
において
国民
が非常に重要だと思う
内容
についての指摘があれば、必ずや健全な
民主主義
であればそれが次
年度
の
予算編成
につながり、修正されていくというプロセスを踏んでいくものだというふうに思います。 そして、二番目の
会計検査院
の
機能
と
参議院
の
機能
との御指摘、
お話
なんですけれども、私は、
組織
が移れば物事が、
改革
が進むというものではなくて、やはり
現状
において検査院の報告というものをやはりいかにこの
参議院
の
審査
において積極的にその活用をし、そしてそれを次
年度予算
につなげるようにするかと。 さらに、申し上げますと、この
決算審査
がやはり
国民
的に、この
予算
の問題に対して
国民
的な関心を更に更に強めていくという
機能
を果たすことは基本的な
課題
だというふうに存じます。
松井孝治
21
○松井孝治君 ありがとうございました。
木庭健太郎
22
○
木庭健太郎
君 両
参考人
、今日は貴重な
意見
をありがとうございました。 特に、お聞きしていて、この
ニュー
・
パブリック
・
マネジメント
、
NPM
のとらえ方について、問題点から指摘される
富田参考人
と、これを機会にどうこれを新たなものとしてとらえるかという
山本参考人
、立場の違いもあって非常に有
意義
に聞かせていただきました。 逆に、この
NPM
が進めば進むほど、ある意味では
参議院
が今
決算
を
重視
してやっていることの意味合いがより大きくなるんではないかなと。その意味では、
参議院
がこの一年、二年、
決算
を
重視
しながらやってきたことの意味というのがより大きくなるんではないかというようなことも感じながらお二人の
意見
を聞いておりました。 そこで、両
参考人
にお尋ねしたいことのまず一点目は、
富田参考人
にお伺いしたいのは、これからそういうふうに
ニュー
・
パブリック
・
マネジメント
が進んでいく中で、言わば
予算執行
結果の
評価
をより実効性あるものにするためには、今のこの
予算書
、
決算書
含め、
財政
システム、やはり
改善
すべきものがあるのか、ここはこう変えていくべきだという御
意見
があれば、是非それを
富田参考人
からお伺いしておきたいと、このように思っております。 そして、
山本参考人
からは、
山本参考人
、論文の中で、
評価
制度とか
企業
会計的手法を積極的に
導入
しても必ずしも
財政
の
効率化
にはつながらないというような御指摘をなさっていたような論文をお読みしたと思います。これちょっと、その主な原因は何なのか、その辺も含めて
財政
の
効率化
という問題と
決算
という問題、どういうふうに考えていけばいいのかという点をそれぞれお伺いしたいと思います。
鴻池祥肇
23
○
委員長
(
鴻池祥肇
君) まず、
富田参考人
、
お願い
をいたします。
富田俊基
24
○
参考人
(
富田俊基
君) まず、
財政
システムとして
改善
すべきものという御指摘だったわけですが、私はシステムを変えたからといって良くなるものではなしに、やはり基本的には、現在行っております
政府
の
主要事務事業
をやはり一つずつ
見直し
ていくということが重要だろうというふうに思うんです。何かこう、箱を変えれば良くなるというふうには思いません。 もし日本に問題があるとすれば、先ほどヨーロッパの通貨統合に際しての重要な
課題
であった
大蔵大臣
の
権限
ということと密接にかかわっておりまして、結局、各
府省
は
背景
に巨大な、非常に強力な既得権益を持つ集団、
利害
関係
集団があるのに対して、
大蔵大臣
というのは、どこの国でも将来世代の投票権を持っていない人しか
背景
にいないわけなんですね。で、どうしてもその既得権益を持つ各支出庁の
権限
の方が
政治
的に強くなってしまう。そういうことがあったんで、歴史的にそういう事象を、ずっとヨーロッパの
議会制民主主義
を確立する過程でそういう経験を踏まえて
大蔵大臣
の地位というのを高く、強く、強いものにしている。それによって
予算制約
が掛かって
効率化
が進むというふうに、それが私は
民主主義
の発展の歴史であったというふうに思うわけです。 そういう意味で、その
改革
すべきことは、より
事前統制
を、
予算制約
を厳しくするということが大事であって、どうもいろんな
改革
というのは、
改革
に名をかりて、それを緩くして、この
巨額
の
財政赤字
を容認するための言い訳を何か片仮名で、
NPM
とかいう片仮名で求めようとしているというふうにすら見えるわけでして、私は、そういう意味で、厳しい
事前統制
と、
国会
による厳しい
事前統制
と
国会
による厳しい
決算審査
というものが重要であって、システムの
議論
ではないように私は存じます。
鴻池祥肇
25
○
委員長
(
鴻池祥肇
君) それでは、
山本参考人
、
お願い
いたします。
山本清
26
○
参考人
(
山本清
君) 今の
富田参考人
の
お話
とも関連がいたしますので、まずその点申し上げたいと思いますが、
NPM
というのは決して緩める、いわゆる
行政府
に弾力性を与えるだけのものではないんですね。ところが、なぜ問題が起こってきているかと申しますと、これは
富田
先生のお言葉を言えば
官僚特区
と表現されておられますが、日本におきます
行政府
の
NPM
のとらまえ方は、いわゆるその
行政
裁量
を増やすことのみをもって
NPM
だと、こうお考えになっているから問題であるわけであります。 実は
NPM
というのは、
行政
なり
行政活動
に
裁量性
を与える
代わり
に、その見返りに、
成果
の達成責任、
成果
に対する
アカウンタビリティー
を、これをきちんと担保すると。
従前
は、正しく
予算
に従って手続どおり使われていたかどうかというだけの
アカウンタビリティー
だったわけですね。ところが、これからは、その
代わり
成果
については、あるいは結果についてはきちんと
行政府
は責任を取ってくださいよと、その
代わり
裁量
を与え効率性を上げてくださいと、こういう約束なんですね。そういう二つのものがセットになっているんですが、実はその二つが全く片方の都合のいいだけの論理で片方ずつ主張されている、これが日本における
NPM
の最大の問題点であるわけであります。 それを前提にいたしまして、なぜその
評価
システムとか
企業
会計的手法が日本においてただ
導入
しても成功しないのかというのは、実は三点の理由があります。 第一点は、いわゆる、確かに
行政
に
裁量性
を与えないけないわけなんですが、実は現行の
財政法
、
会計法
あるいは
地方
の
財政法
等は全くそれについては手を付けられておられないわけですね。すなわち、
行政
庁にとっては、新たに
評価
作業を行わないけない、あるいは
企業
会計方式の財務諸表を作らないけないということで、オーバーワークだけになっているわけです。すなわち、上乗せ規制になっていますから、都合のいいところだけが
裁量権
を与えられているということで、これでは
機能
しないというのが第一点であります。 第二点は、いわゆるインセンティブシステムとして
機能
していない。これは、端的な例は
地方
自治体にあるわけですね。
地方
自治体が
財政
再建で、あるいは
財政
の
効率化
をやろうとしても、いわゆる借金をしても一部は依然として
地方
交付税で
一定
部分は担保されるということですから、これは
財政
の
効率化
に対するインセンティブがわかないわけです。私の分析によりましても、むしろ、
企業
会計的手法であるとかあるいは
評価
システムにおいて熱心な自治体というのはむしろ
財政
的にいいところなんですね。全く逆なんです。ここはよく御理解いただきたい。 第三点は、
予算
への
フィードバック
ということが全くこれはまだ、特に国の場合でいきますと、
総務省
と財務省との
関係
で全くうまくいっていないわけですね。そうであれば、
評価
やってどうなるかも分からないのにこれは大変なことだろうというのが、この
評価
、資源配分への
予算
結果の
フィードバック
が全くシステム化なっていないし、どうやったらいいかということについての技術的な手法も確立していない。 この大きな三点が実は大きな問題であるわけです。 ですから、これは駄目だと言っているんじゃなくて、この
三つ
をクリアすればどんと進みますよと、これに従った
議会統制
をよくお考えいただきたいというのが私からの
お話
です。
木庭健太郎
27
○
木庭健太郎
君 ありがとうございました。
小林美恵子
28
○
小林美恵子
君 日本共産党の
小林美恵子
でございます。今日は御多忙の中、
参考人
としてお越しいただき、また貴重な御
意見
をお寄せいただきまして、本当にありがとうございます。 両
参考人
に二つの点でお聞きをいたします。 一つは、
国会
の
機能
として、特に
決算委員会
の
役割
がそうだと思うんですけれども、国の
予算
がどう使われているか、
税金
の無駄遣いや不正な支出はないか、特権的、
政治
的な意図からの出費はないかなどを
審査
をして
国民
に知らせることが重要だというふうに思うわけです。こうした
国会
の
機能
を
政府
は尊重して、次の
予算編成
に反映させることだと思いますけれども、これを強めるという点で両
参考人
の御
意見
を一点お伺いしたいというふうに思います。 二つ目は、一点目とかかわるのですけれども、三年前、
国会
審議を機に内閣官房報償費の使い方が大問題となりました。官房機密費の現金出納簿から、
国会
議員のせんべつ代やパーティー券など私的な出費が明らかになりました。また、今、大問題になっています北海道警察の報償費、裏金作り疑惑では、そのお金が警察幹部のポケットマネーになったりせんべつ代になるなど不正に使われていることが明るみになってきています。 こうした不正を徹底的に解明し、根絶方策を示して、次の
予算編成
では不正な支出は減額するなどの仕組みが必要だと思いますが、この点について両
参考人
の御
意見
をお伺いしたいというふうに思います。
鴻池祥肇
29
○
委員長
(
鴻池祥肇
君) それでは、先に
山本参考人
から
お願い
をいたします。
山本清
30
○
参考人
(
山本清
君)
レジュメ
の二ページ並びに三ページ目をごらんいただきたいと思いますが、そういった不祥事なり不正事項というのがいわゆる、もういわゆる
政治
に対する
信頼
を失墜するようなものであるかどうかというのが、やはりこれが一番のポイントだろうと思います。そして、それが
政治
に対する信任を大きく揺るがすということであれば、まさしく、
レジュメ
の三ページの一番、図の二に書いてございますとおり、不正
監視
への圧力ということをやはり
決算委員会
としても重点項目として盛り込むべきであると思います。 したがって、これは、やはりその不祥事なり不正事項のやはり
内容
、そして
政治
に対する
信頼
に対する影響度合いによって、やはり
業績
改善
へのファクターを強めるか、あるいは不正
監視
への圧力を強めるか、これは
決算委員会
でお決めになることだというふうに考えております。
鴻池祥肇
31
○
委員長
(
鴻池祥肇
君)
富田参考人
、
お願い
します。
富田俊基
32
○
参考人
(
富田俊基
君) 私も、今、
山本参考人
が御指摘になった
内容
とほぼ同じでして、この不正、不祥事といったことについてのやはり世論全体の見方といったもの、そういったものがこの次の
予算編成
にかかわって影響を及ぼし得るものだというふうに存じます。
小林美恵子
33
○
小林美恵子
君 ありがとうございました。
又市征治
34
○又市
征治
君 社民党の又市です。 両
参考人
には、今日、本日は本当にありがとうございました。 時間の
関係
で、
富田
先生に二点お伺いをしたいと思います。 今日の御
意見
でも、あるいは
事前
にいただきました著作でも、先生は、複数
年度
化は戦前の
軍事予算
と同じ仕組み、
民主主義
の
否定
だ、だから新憲法がこれを禁じたんだと、こういうふうに御指摘なさっております。大変貴重な観点だとお伺いをいたしました。 その上で
富田
先生は、実態として複数
年度
化に似ているのが明許繰越しだと指摘をされておりますね。その繰越明許が額でも率でも多いのがこの実は
公共事業
でありまして、例えば
平成
十四
年度
の
決算
の道路特会では二七%にも上りますし、治水特会のうちの治水勘定、これについては三二%にも上る、こういう
状況
にあるわけですが、そこで、この
改善
方法
、あるいはもう少し大上段に言うと、
官僚独裁
を防ぎ、憲法に沿って民主的な
予算
、
決算
、そして
議会
や
国民
の
監視
の
在り方
についてもう少し御指摘いただく点がありましたら、これをまず第一点としてお伺いをしたいと思います。 二つ目に、そのこととも絡みますが、
富田
先生は
財政
審
議会
の特別会計小
委員会
でも
委員長
として御活躍をいただいたというふうにお伺いしておりますが、例えば原発絡みの電源開発特別会計も
巨額
の使い残しをため込んで
会計検査院
が前から厳しく指摘をしていますし、私もこの
決算委員会
で何度もこの問題を追及してまいりました。先生がこの小
委員会
のところでとどめを刺していただいて
改革
が始まっておるというふうに思いますけれども、この特別会計、全体的に見ますと、さきの塩川
財務大臣
が、一般会計は母屋でおかゆをすすっているけれども、特別会計はつまり離れですき焼きを食ってドンチャン騒ぎしていると、こう言って有名になりましたが、
富田
先生はこれをもじって、地下室でビフテキを食べているというふうに御指摘をなさったようですけれども、これは
独立行政法人
のことも含めておっしゃっているんだと思いますが、この原資を出すこの特別会計そのものについて、先生の
改革
論ございましたら簡潔にお述べいただきたいと思っています。 以上です。
富田俊基
35
○
参考人
(
富田俊基
君) 最初のその繰越しの問題でありますけれども、
公共事業
費は単
年度
で事業が終わるかどうかという問題もあって、非常に限定的に行われているというふうに理解しておりますが、先生御指摘のようなケースになっておりますので、これはやはり
公共事業
については、とりわけその
事前
評価
としても費用便益分析を行うなどして、できるだけ効率的な箇所を選定して行うということが大事だろうというふうに存じます。基本的にこの繰越しが前提になった仕組みではないというふうに私は理解しておりますので、そういう範囲内での繰越しだというふうに、またそういう範囲内に繰越しをとどめねばならないというふうに存じます。 それから、特別会計の問題ですけれども、特別会計の仕組みそのものに問題があるかどうかというよりも、これまでやはりその
事前統制
も一般会計に
国民
の耳目が集まり、
国会
でも集中的に
議論
がなされるということでしたので、ちょっとコントロールが利きにくかった面があったかと思います。しかし、特別会計そのものを変えれば良くなるかということでもないように私は思います。やはり、
議会
におけますその
事前統制
と、それから先生御指摘のような
決算
の
審査
における問題点の指摘ということを行っていくことが特別会計の問題においても極めて重要だというふうに存じます。 やはり問題点の発見の手段としては、
巨額
の不用額とそして繰越額といったものから、それが果たしてそういう仕組みがいいのかどうかといったところから
議論
を始めるというのは極めて重要な点であり、先生御指摘のその電源開発促進の特別会計といったところを集中的にやはり
議論
させていただいたという次第でございます。
岩本荘太
36
○岩本荘太君 無所属の会の岩本荘太でございます。 今日は大変有
意義
な
お話
をいろいろありがとうございました。今までいろんな難しいといいますか、
議論
が交差されておりますので、あるいはもう既に質問あるいは御回答になっているかもしれませんけれども、私自身ではまだ理解、私自身なりの理解ができないところがございますので、ちょっとお尋ねしたいと思うんですが。
決算
重視
というのは、これは今御存じのとおり大変
参議院
の中で進んでおりまして、それは私なりに分析しますと、一つは次々
年度
ですかね、
決算
、次々
年度
の
予算
に反映されるという、そういうスケジュールに向かってのルール化といいますか、それが一つあると思うんですが、これは今年の
予算
委員会
の冒頭で
決算委員会
やった。確かに、
平成
十六年
予算
には反映しているという、言えないこともないんですけれども、本来あるべきであれば、やはり編成前にそうあるべきでないかなという思いがいたしますし、そういうことはそういうルール化についても、皆さん関心持って進めておられる。これは一つの大きなことであると同時に、閣僚が全員
出席
してテレビで放映するなどの
国民
的な関心を非常に高めている、今ですね、そういうことがあろうと思うんですが。私はもう一つ、やはり何といいますか、
決算
に対する責任を明らかにするといいますか、これ、今までの
お話
でもあるいはあると思うんですけれども、
先生方
は
事後評価
の
厳格化
というようなことで言われておりましたが、これにつきましても、御存じのとおり憲法ができた直後ですかね、金森大臣、あるいは
昭和
四十年代に佐藤総理は、
決算
が否決されたらこれはもう内閣総辞職ものだというような発言をされていますよね、議事録なんかに残っているわけですが。 それが、実際に
決算
が否決されたときになりましたら、海部大臣のころですかね、そのころからもう
予算
に反映するんだというようなふうに変わってきたように私は見受けているんですが、先日、たしか広野議員が小泉総理に御質問されたときも、小泉総理も
予算
に反映するんだというような回答をされたと思うんですが、私、そういう内閣総辞職というようなことまでは考えてはいないんですけれども、何らかの格好で責任を、まあ追及すると言ったら言い過ぎかもしれませんけれども、責任を明らかにしてしかるべき措置を取るということがやはり
決算
を
重視
するということの一つの大きな力になるんじゃないかと。
予算
に反映するというと、こんなこと言っちゃあれですけれども、反映しているんだと言えばしているでしょうし、余りはっきりしないような面もあるような気がいたしまして、そういう意味で、結局、今、
事後評価
といいますか
会計検査院
やっておられますけれども、これはやはり
会計法
あるいは現行法規の範囲の中ですよね。それと、刑法上の問題があればこれはやっぱりそちらが動いていく。 それ以外にもう一つ、これ何て表現したらいいか分かりませんが、やっぱり
社会
的妥当性といいますか
国民
的妥当性といいますか、そういうものをやっぱりこの立法の府ですね、立法の府という
位置付け
を踏まえて何かやる必要があるんじゃないかと。それによって、毎回毎回責任追及するなんということは必要ないかもしれませんけれども、場合によっては
予算
についても、その
予算
が適正だったかどうかというところまでこう踏み込んでいくような
決算
が必要ではないかと。あるいは、
予算
に反映するというだけではどうも済まないようなものもかなりあるわけですよね。 先般、我々が視察したスパウザ小田原ですか、いわゆる四百五十億のものが十六億の
評価
でいくというような、じゃそれはだれがやったのか、あれは恐らくその辺の責任の所在、これは罰するとかどうかじゃなくて、そういうものがどうなるかということが、どうしなきゃいけないかということがはっきりしないと、やっぱり
国民
そのものが納得しないんだと思うんですね。 そういうところまで踏み込んだ責任の追及といいますか、そういうことが私は
決算
がもう一つこの先やるべきことじゃないかと常々思っているんですが、これ、
参考人
の
先生方
の御
意見
、もしお聞かせ願えたら有り難いと思います。
鴻池祥肇
37
○
委員長
(
鴻池祥肇
君) それでは、
山本参考人
、
お願い
いたします。
山本清
38
○
参考人
(
山本清
君)
レジュメ
に書いてありますとおり、第一の義務というのは
行政
の
アカウンタビリティー
の解除なり確保であろうということは当然であると思いますが、なぜ、じゃ
決算審査
なり
決算委員会
が余りうまくいかないのかという点は、
事前統制
な枠組みの方式がやはり変わる必要があると思います。 これは端的に
地方
議会
において現在、今生じておることでございまして、実は、冒頭申し上げましたとおり、現行
予算
というのは
金額
と科目だけの
統制
であるわけですね。ところが、それをもし
評価
システムなりあるいは
予算
を
成果
主義にやれば、これは、
成果
はこういうものを目指しています、あるいはアウトプットとしてこういう量と質なりこれぐらいの
金額
を掛けますということを明示し、そしてそれが
議会
にかかってくるわけですね。そうすると、
議会
の
予算審議
あるいは
決算
審議も、そういった定量化なったアウトカムなりアウトプットなりコストが正しかったかどうかと、こういう
議論
に
地方
議会
は徐々に変わってきているわけですね。 そうすると、単なる責任論というのはこれは非常に抽象的なものになりますから、先ほど
議論
がありましたような不祥事とか不正事項であるとか、あるいは明らかに問題があるということについては責任の追及できるんですが、大きく
財政
全般について事後的な
統制
を図るという点においては、これは
事前統制
の枠組みをやはり変えていくのが一番
決算委員会
の
活動
もより活発になるのではないかというふうに考えております。
鴻池祥肇
39
○
委員長
(
鴻池祥肇
君)
富田参考人
、
お願い
いたします。
富田俊基
40
○
参考人
(
富田俊基
君) 私は、今、
山本参考人
が指摘なさったのとはこれまでの
議論
聞いてきてよく違いは分かったんですけれども、私は、
決算審査
をこれまで以上に
重視
するということは極めて重要ですけれども、それでもって
事前統制
を緩くするというのは、これ以上緩くしたら大変だということなんですね。だから、ともに強化することが重要だということを申し上げたいわけです。 それから、先生御指摘の
予算
が適正だったかどうかを含めて
決算審査
すべきだということなんですが、私は、極めて狭義にとらえれば、
予算
が
国会
で決まってそれがきちんと
執行
されたかどうかというのが
決算
の
審査
ですが、先ほども御指摘させていただきましたけれども、それだけではなしに、やはりより広く
社会
的な、
社会
の変動と申しますか
社会
の価値観の変化といったものも踏まえて、厳しく、先ほど御指摘になられた具体例といったものも踏まえて、やはりこの
決算審査
の場において強く訴えていくということが必ずやその次の
予算編成
に大きな影響を与えるというふうに思います。 したがいまして、これ、先ほども御指摘のあった許諾を決すべきかどうかという問題について、私は先に
民主主義
で決めたものを後でそれは違うと言ったところで建設的な感じを受けません。したがって、ここでやはり前向きに次
年度
の
予算編成
に反映させるということは、やっぱりそれだけ
国民
が関心の強い領域について真摯な
議論
、積極的な
議論
がなされることが重要だというふうに存じます。
岩本荘太
41
○岩本荘太君 ありがとうございました。
鴻池祥肇
42
○
委員長
(
鴻池祥肇
君) 以上で各会派の
質疑
が一巡をいたしました。 これより正午まで自由
質疑
を行いたいと存じます。
質疑
のある方は挙手を
お願い
いたします。 ちょっとそのままで、ちょっと挙げておいてください。ちょっと待っていてくださいね。はい、どうぞ下ろしてください。それでは、御発言をされた方以外の
先生方
ばかりですね。それでは、遠山
委員
からどうぞ御発言ください。
遠山清彦
43
○遠山清彦君 公明党の遠山でございます。 私、二点にわたってお伺いをしたいと思いますけれども、一点目は
富田参考人
にお伺いしますが、先ほどもちょっと出ましたけれども、特別会計の問題でございます。
富田参考人
が今まで書かれた中で、かなり特別会計の問題について辛らつにお書きになっているものがございましたけれども、一部引用しますと、一般会計よりも
国民
全体の視点からのガバナンスが緩く、
国民
の全体便益よりも部分便益が優先され、各
省庁
の既得権益の温床と化しているのではないかというような御指摘がございます。 最近、
国会
におきましてもこの特別会計の問題が大きくクローズアップされているわけでありますが、
富田参考人
は今日の
陳述
でも、これを解決する一つの方向性として、やはり
財務大臣
、
大蔵大臣
の
権限強化
をして、それぞれの
省庁
からなるべく個別の
予算
を取り上げて
大蔵大臣
の下に集約することがいいのではないかというお考えだというふうに思いますけれども、他方で、日本においては道路であるとかあるいは
年金
、それから雇用対策、それぞれの分野においてやはりある程度特定の
目的
に使わなければいけない
予算
、必要じゃないかというお考えをお持ちの方も多数おられるというふうに思っております。その辺の整合性も含めて御
意見
をいただきたいと思います。 それから、
山本参考人
には
アカウンタビリティー
の問題についてなんですけれども、よく
決算委員会
等で不正というか不適正な
予算
の使われ方があったんではないかというときに、この責任の所在の
明確化
ということが論点になることがございます。 私、個人的には、これは
アカウンタビリティー
の問題を追及したときに、幾つかのやはり要素に分けられると思うんですね。一つがシステムとして
構造
的欠陥があって、その結果不適正な処理が行われたと。また、もう一つは、
予算執行
の責任者の資質の問題があったという場合があるというふうに思っております。 ただ、このシステムとしての問題あるいは
予算執行
責任者の問題等を仮に追及したとしても、その後に、一口に
予算
の反映と言っても、特に
構造
的欠陥の場合は抜本
改革
が必要になりますので、この短い期間の中で次
年度
の
予算
でそれを実現するってなかなか難しいというふうに思います。 それからもう一つは、責任者の資質の問題にしても、日本の
官僚
機構の場合はかなり頻繁に責任者が替わりますので、それを個別に追及することにそもそも意味があるのかという
議論
もございますので、是非御所見をお伺いしたいと思います。
鴻池祥肇
44
○
委員長
(
鴻池祥肇
君) それでは、まず、
富田参考人
から
お願い
いたします。
富田俊基
45
○
参考人
(
富田俊基
君) 特別会計の問題ということですが、恐らくそれが、各特別会計とも、できたときは非常に少ない財源で、を何とか確保して何か事業をやろうということだったと思うんですけれども、大きな時代の変化とともに、
歳出
入のアンバランスがやっぱり生じてきていると思うんですね。それがやはり問題の
背景
にある。 そういう意味で、やはり定期的なその
見直し
ということが
立法府
においてもなされる必要があろうと思うんです。それがないんでと言ったら
先生方
にしかられますけれども、審
議会
でやらしていただいたということなんですね。 私が
大蔵大臣
の
権限
を強くしろと言っているのは、形式的に
権限
を強くすることが大事じゃなしに、やはり全体、
国民
全体の視点に立って、納税者の視点に立って
財政
運営を考える、それを責任持つ人は
政府
の中では
大蔵大臣
なわけですね。その
歳出
入両面の責任を持つ大臣がやはり強い
権限
を持っていませんと、赤字が拡大するということを申し上げたわけです。 それとともに、この部分便益を主張するというのは、これは
民主主義
にとって当然必要不可欠なことなんです。ただ、それが全体便益とのバランスでもって行われるべきであって、そのバランスを図るために、歴史的に見ても、
歳出
入全体を責任を持って統括する
大蔵大臣
の地位というのが高くなっているというのは、
民主主義
のその歴史の示すところだというふうに申し上げたわけです。 歴史歴史と申し上げると抽象的ですんで、一言申し上げますと、実に一七八〇年のことなんですけれども、イギリスでエドモンド・バークが、各省や各部局があたかも独立した帝国のように振る舞っており、
大蔵大臣
が国庫全体を統括できないことが
巨額
の
財政赤字
や
官僚
腐敗の原因であるというふうに指摘しまして、先ほど先生おっしゃいましたように、特別会計よりも全体を一般会計で見れるようにというのが、この実に一七八〇年のイギリスで起こったことです。 そういう意味で、
我が国
、後ればせの
民主主義
だったかもしれませんが、それで
議会
の
統制
と、全体を
統制
していくということが大事なわけです。 個別便益の噴出も大事ですが、が活発に出てくることも大事ですが、それが全体便益の間でいかにバランスが取れるかと。つまり
財政赤字
を抑制する中で、もっと言えば、極端に申し上げますと、均衡
財政
の中でそれぞれ個別便益が噴出していくというのが
民主主義
の一つの
在り方
であろうかというふうに存じます。
鴻池祥肇
46
○
委員長
(
鴻池祥肇
君) 次に、
山本参考人
、
お願い
いたします。
山本清
47
○
参考人
(
山本清
君) まず、
アカウンタビリティー
という概念自身の問題というのはかなり
議論
があるところでございまして、日本においては説明責任というふうに訳されておりますが、もう少し
アカウンタビリティー
の根本的な概念からさかのぼりますと、やはりこれは結果についての責任でございますから、懲罰が伴うという意味合いで非常に重い責任であるわけであります。 例えば、元々例えば出に対して会計記録等を付けさして、それについて執事が
アカウンタビリティー
を負うということは、その記載
内容
にもし誤りが、重大な誤りがあった場合については、ちょっと言葉はきついんですが首になるというような大きなきつい責任を伴ったものが本来の
アカウンタビリティー
ということでございまして、決して事後的にその原因なり結果について説明を終えれば、それで
アカウンタビリティー
を確保したということには決してならないという点をまず最初に申し上げさせていただきたいと思います。 そういったことを前提にいたしまして、さらには
アカウンタビリティー
という概念自身が一種の三層
構造
を成しておりまして、第一は当然、大臣等に係ります
政治
的な
アカウンタビリティー
という概念が一番トップに参っております。そして二番目には法的な
アカウンタビリティー
というのが次に来まして、そして三番には主として
官僚
機構が担います官的な
アカウンタビリティー
という概念があろうかと思います。 そして、そのシステムとしての欠陥と資質の問題、この二つの問題があるのではないかという御指摘でございますが、これは確かにそのとおりでございますが、まず、こういった問題を諸外国等はどうやってさあ切り抜けて
アカウンタビリティー
の
向上
を果たしているのかという点につきまして、少しまず申し上げさせていただきたいと思います。 実は、日本においては
官僚
機構がまずどこまでの責任を負っているかということ自身が非常にあいまいなわけでございまして、諸外国においてはまず大臣と次官の
関係
はまず明確にしようじゃないかというところからスタートしております。すなわち、次官としての
業務
、そして次官として達成すべき範囲なり責任はどの程度であるかということを、やはり一種の契約的な概念を
導入
しておりますし、あるいは次官以降、局長あるいは課長に至るまで、一種のサービスのアグリーメント的な発想というのが成っております。そしてさらには、先ほど来
議論
になっておりますような
財務大臣
と各省大臣等が、これはまた財務に関する以外のサービスについての質とか量につきましても一種のアグリーメント的な
内容
で
バインディング
をするということが当然前提になっております。 したがいまして、先ほど来からやや誤解もあるわけでございますが、決して
NPM
は
弾力化
するんではなくて、こういったマクロ的なあるいは大きなレベルの意味のアグリーメントできちんと
政治
的にも縛りを掛けるということは当然大前提にしておるということは御理解を賜りたいと思います。 したがって、実は日本においては大臣と次官の
関係
というのが、時々物騒な人事権の話がございますが、そういったことが時々問題になるだけでございまして、具体的に大臣と次官の
関係
だけで一種の契約的な
内容
を盛り込んだような発想というのは実は出てきてないわけですね。そういう
状況
においては、資質の問題であろうとかシステムの欠陥という問題自身が非常にあいまいで、責任追及が非常に困難になってまいります。そこが第一点でございます。 そして、資質の問題で特に
議論
になりますのは、非常に担当者が二、三年で替わるのではないかということの御質問がございました。これはまさしくそのとおりでありまして、実は、人事考課なり人事
評価
と
予算
、あるいは
組織
評価
ということを考える場合の一番大きな問題であります。これは、
独立行政法人
の長の
業績
評価
についても同じことでございまして、実は、最終的な、アウトカムと称しておりますような最終的な
行政
成果
の
目的
、例えば寝たきり老人をどれぐらい減らすであるとか、何%減らすであるとか、あるいは
国民
のがんによる死亡率をどれぐらい減らすであるとか、そういった最終的な大きなアウトカムベースにおいての責任追及というのはこれは非常に難しゅうございます。 したがいまして、
組織
業績
あるいは個人
業績
、そして
予算
とのリンケージということを考える場合におきましては、これはアウトプットの質とか量でやはり
バインディング
を掛けていく、あるいは責任を追及していくというシステムを同時に
導入
いたしませんと、これは特に公務員における人事の
業績
主義というのはうまく
機能
しないというのが資質の問題で言えるかと思います。 そして、システムの欠陥を直すには時間が掛かるのではないかと、これは御指摘のとおりでございます。ただ、そのシステムの欠陥を補正するのが法的なレベルなのか、あるいは
管理
的なレベルの問題であるかによってこれはやはり時間のタイムラグというのは変わってくるわけであります。しかし、国権の
最高機関
でございますから、そのシステムとしての欠陥が非常に重大な問題がある場合については、これはやはり迅速に是非おやりいただきたいと思うわけでございます。 以上でございます。
和田ひろ子
48
○
和田ひろ子
君 民主党の
和田ひろ子
でございます。 先ほど松井議員の質問の中で、報告で、
決算
の報告だけでいいんではないかというふうに
富田
先生がおっしゃったような気がしますが、実はいろんな今までの不祥事とか、そういうものは報告だけに終わってしまったための不祥事ではなかったかというふうに思います。次の
予算
に反映するためにはやはり
国会
がきちんと
議論
をすべきだというふうに思いますので、そのことをお尋ねしたいと思います。 また、もう一つは、多
年度予算
、単
年度予算
なんですが、私は
地方
の議員をしていました。
地方
で一番、
地方
といっても福島県です。大変雪の深いところでございます。
予算
が本当に回ってくるのは雪の深い今ごろになって、今道路が大変掘り起こされています。まず雪を片して、それで何かしなくてはいけないというような、そういう下で、この単
年度予算
というのが一番問題じゃないかなというふうに、いつでもいつでももっと
予算
を平準化してほしいとかそういう、みんな
地方
の要望だというふうに思います。先生は何か
我が国
の戦前の軍国
予算
と同様のなんというふうに、聞いて私まずびっくりしたんですが、そんなことではなしに、もっと
地方
の事情を考えた多
年度予算
というのがあってもいいんじゃないかなというふうにずっと思っていましたので、そのことをお尋ねしたいと思います。 そして、単
年度予算
だと、例えば、何か変な言い方なんですが、
予算
が余ったからこれを何かに使わなくちゃいけないとか、この
予算
をゼロにしないと次の
予算
のときにまた減らされてしまうなんという、そんな変なことも横行しているようなことが事実なんですよね。そういうことを思えば、もっと多
年度予算
をきちんとやっていけば、こんな帳じり合わせて使っちゃうなんということが起こらないんじゃないかなというふうに思いますので、その二点についてお尋ねをいたします。
鴻池祥肇
49
○
委員長
(
鴻池祥肇
君)
富田参考人
、
お願い
いたします。
富田俊基
50
○
参考人
(
富田俊基
君)
和田
先生の御指摘ですね、第一に、報告だけでいいということではなしに、積極的な
議論
をすべきだということだと思います。私も、積極的に
議論
をし、この
決算審査
における
予算
の問題ということをやはり広く
国民
に明らかにしていくということは、この
決算審査
の極めて重要な、重要なというか一番大事な
課題
、
課題
というかテーマであるというふうに存じます。そういう意味じゃ、私は決して報告だけでいいといった意味ではなくて、その許諾について、
議決
するかといえば、それはもう済んだことを、一回決めたものを、
国会
で一回決めたものをひっくり返すということについて、もうお金も使ってしまったということについて、それには私は問題があると言ったわけでして、決して形式的に報告だけでいいということではなしに、この場でやっぱり様々な問題点について積極的に
議論
をすべきだということを申し述べたわけです。 二番目の御指摘ですが、この問題こそ
決算審査
の場で
議論
すべき問題だと思うんです。つまり、先生御指摘の問題と申しますのは、お金が余ったから何かに使っている、それはとんでもないことでして、それが正に私が指摘しております
官僚独裁
なんですね。 この問題というのは、決して単
年度予算
だから発生している問題でないというふうに私は思います。先ほども御指摘ありましたように、
公共事業
については、非常に、繰越しを
議決
、最初に
予算
として
議決
しているわけでして、ある意味では
弾力化
されているんです。その比率も非常に、私が思う以上に多い比率でして、これで
議会制民主主義
、大丈夫かというぐらい。つまり、他の国々に比べても繰越明許というのは非常に大きな比率を占めているわけでして、そういうことを考えると、決してこれ、先生の御指摘の問題というのは、単
年度予算
主義の、単
年度予算
原則の問題ではなしに、きっとこの場で
決算審査
として
議論
すべき問題だと思うんです。 つまり、各支出、
府省
が、お金が余ったから何か使って不用額を減らそうとか、そういうことをやっているとしたら、これはやはりとんでもない問題でして、正に先生のおっしゃった問題は、単
年度予算
の問題としてではなしに、
予算
がきちんと使われているかどうかの問題としてこの場で
議論
すべき問題だと思います。
広野ただし
51
○
広野ただし
君
委員長
、ありがとうございます。 民主党・緑風会の
広野ただし
です。
富田
、
山本
両
参考人
にお伺いしますが、先ほど同僚の松井議員からもありましたが、
会計検査院
の
在り方
の問題です。 どうしても今独立性ということを言われていますが、完全に
政府
から独立しているわけでもない、任命権者がどうしても首相ということになって、
国会
の同意人事があるにしてもそういうことになっておる。そういうことから考えますと、アメリカあるいはイギリス、フランス、ドイツ等のことを考えますと、私はやはり
国会
に附置をするということがいいんではなかろうかと、こう思っています。
国会
の指揮の下にしっかりとした
会計検査
をやっていくということが非常に厳正な
決算
なりができるということでいいんではなかろうかと思いますが、その見解が一つです。 もう一つは、先ほど特別会計の問題もございましたし、また
発生主義
の問題もありました。結局、民間の会計原則に照らして国は余りにもいろいろと独自の形になっておりますが、いろんな形で今予備的に試算が行われていますが、貸借対照等を含めて財務諸表を連結でしっかりと提出をしていただくと。そういう形から
年金
問題あるいは金融
関係
のことはよりしっかりと
決算審査
が、
決算審査
ができるんではないかと、こう思っておりますけれども、その二点についてお伺いしたいと思います。
鴻池祥肇
52
○
委員長
(
鴻池祥肇
君) では、まず
山本参考人
から
お願い
いたします。
山本清
53
○
参考人
(
山本清
君)
会計検査院
の
在り方
につきましては非常に難しい問題があると思います。 第一点は、憲法並びに
会計検査院
法の改正を伴うということを所与にすれば、
国会
に附置するというのは当然あり得ると私も思っております。問題は、どういった
会計検査院
のポジションが一番
国会
の審議にも有益であり、あるいは
国民
に対しても有益だろうかという視点だろうというふうに思います。 諸外国は、確かに
会計検査院
長は特に
議会
の下院の吏員ということで、下院の一職員ということで、そして
会計検査院
長がいわゆる各
スタッフ
を任命するということで、一種の、言葉は悪く言えば一人法人のような格好が基本的な
会計検査院
の
位置付け
であるわけでございます。そういった場合において、やはり
会計検査院
というのは中立的な
組織
じゃなきゃいけないわけでございますから、
国会
に附置した場合におきましても、これは検査
内容
の
決定
あるいは
会計検査院
が雇用する
スタッフ
の任命等につきましてはすべて
会計検査院
長にあるというのが、GAOの
会計検査院
におきましてもあるいは諸外国のイギリスの
会計検査院
におきましてもそういったルールが定まっております。 したがって、こういった自主
決定
権あるいは検査
内容
、検査範囲、そして
国会
からの調査要求があった場合においても、それを最終的にやるかどうかについての最終的な
決定
権限
は
会計検査院
長にあるというような法的な担保が取られるとすれば、これは事実上、現在の内閣からも独立している
会計検査院
とは大きな違いは確かにないだろうと思います。そういったことが、果たして日本における
政治
風土なり、あるいは
政治
システム、あるいは
行政
システムの中で可能かどうかという点をもう少し吟味してみる必要があるかと思います。 いずれにいたしましても、一番重要なことは、
決算委員会
の各
委員
の
先生方
もう御案内のとおり、もう少し
会計検査院
を、
決算審査
なりあるいは
予算
を含めた
財政
制度の監督にもう少し大きな
役割
を果たし得るのではないか、あるいは、果たし得るとすればどういう方策があるかについて真剣にお考えいただいているんではないかというふうに思いますが、やはりそのフルに
機能
を発揮するという意味合いと
政治
的な独立性というこの二つのやはり調和というのをやはりもう少し検討する必要があるだろうというふうに考えております。これが第一点でございます。 第二点の連結財務諸表を含めた
政府
部門における
発生主義
会計の
導入
でありますが、実はこれは財務省がされておられますが、これはあくまでも現行の
決算
処理規則に対する一つの
参考
資料
としてお作りになっているというわけですから、これはまさしく
財政法
、
会計法
なり、予決令において制度化された財務諸表ではないんですね。そうすると、これはなかなか、その
位置付け
はだれがオーソライズするのか、だれが監査するのかという問題が当然出てまいっております。すなわち、現行の連結財務諸表というのはあくまでも
参考
として作成されたのにすぎないわけでございますから、これを
決算
統制
の制度の中に入れ込むには、やはり大きな意味の公会計
改革
ということを、やはり
国会
の中で御審議いただかないと
決算審査
とのリンケージもうまくいかないのではないかというふうに考えております。
鴻池祥肇
54
○
委員長
(
鴻池祥肇
君)
富田参考人
、
お願い
します。
富田俊基
55
○
参考人
(
富田俊基
君) まず一点目の
会計検査院
と
国会
との
関係
ですが、私は法律的なことを詳しく存じているわけではないんですが、基本的には、現在の、あるいは今
年度
より始まるこの
早期提出
というものをやっぱりいかに活用するかというところから始めませんと、形だけ変えたら何とかなるというのは私には理解できないわけです。したがいまして、この
決算
の
早期提出
及び
会計検査院
報告の
早期提出
というものをいかに積極的に
決算審査
に活用するかというところが重要だというふうに、まずは重要だというふうに存じます。 そして、二点目の民間会計準拠の会計を作るという問題ですが、私は、
決算
報告として、あるいは財務報告として各
府省
の
決算
を連結して作るということは、事後的に、例えば、これはまあ飛ばしがあると言ったらちょっと表現が穏当かどうかは別にいたしまして、民間の不良債権問題ではそういうことが起こったわけでして、そういうことを検証するための極めて有効な手段として
期待
できるのではないかというふうにも存じます。 しかし、大事な点は、これだけ
巨額
の
財政赤字
がある中ですので、むしろ
国民
の、あるいは納税者の、そして若い人たちの気持ちとすれば、そんなたくさん
財政赤字
がある中で、いろいろ形式を整えている余裕があるのかということも
国民
感情としてあるということを是非とも
先生方
には御理解いただきたく存じます。
佐藤雄平
56
○佐藤雄平君 民主党・新緑風会の佐藤です。 今、広野先生と全く同じ質問、
会計検査院
の
在り方
についてお伺いをしようと思っていたんですけれども、あえて一言申し上げさせていただきますと、
国会
は
予算
を作るわけです。
予算
の
執行
のその審議を当然する責任がある。その最前線として会計院があるわけです。 今日までの
決算委員会
の審議を見ておりますと、どうしても
会計検査院
の皆さん方の
答弁
というか、何となく弱腰なところがあるんです。私は、よくよく見てみますと、やっぱりこれは一つのバックボーンというか、そういうふうなものでも何か欠如しているような気がしてならないんです。 そういうふうな意味から、
国会
が
予算
を作って
執行
した後のその責任はやっぱり作った者の責任もあるという意味合いから、やっぱり会計院というのは私はより
国会
に近い、場合によっては
調査局
と一緒のような立場の中でその任をすればいいのかなと、そんな思いもしますけれども、さらにまた
富田
、
山本
両
参考人
、いわゆる
国会
との兼ね合いの見地からどのような御見解をお持ちか、お伺いしたいと思います。
鴻池祥肇
57
○
委員長
(
鴻池祥肇
君)
富田参考人
、
お願い
いたします。
富田俊基
58
○
参考人
(
富田俊基
君)
会計検査院
がどういう
位置付け
にあろうと、やはりそれが
国民
にとってきちんと
予算編成
に
フィードバック
されるかどうかということが最大の重要関心事であろうと思うんです。それが、先生御指摘のように近くにあったらより有効になるのか、あるいは、
現状
において、これまでの
会計検査院
は合規性のチェックということだけではなしに、効率性、経済性まで含めた
決算審査
を、
決算
検査を行おうという形にも変わってきているわけですので、それをやはり活用するところを具体的に
国民
のために活用をしていただきたく、
国民
としては望むところでございます。
鴻池祥肇
59
○
委員長
(
鴻池祥肇
君)
山本参考人
、
お願い
いたします。
山本清
60
○
参考人
(
山本清
君) 私、個人的には
会計検査院
の
機能
がより
向上
することについては全く
委員
の御
意見
と同じであるわけでございますが、
決算委員会
も含めましたこういった事後的
統制
機能
を持つ
機関
が、より
政治
の場あるいは
国民
経済全般の場においてより影響力を持つためにはどういうような
方法
があるのだろうかということは、諸外国いろいろ工夫されておられるわけでございます。これにはやはり、そのポジションとして自らの身分をより強固なものにしようというような
方法
が一つあります。そして、もう一つは、それなりの自分の権威を
向上
させようと、この二つのアプローチがあるかと思います。 最初の、一種の権力をより持とうということからいきますと、例えばアメリカの
会計検査院
長は十五年の任期でございますから、これはアメリカ大統領自身は二期以上できませんから、アメリカ大統領の任期をはるかに超えているということで、非常にある意味においては強力なリーダーシップと党派性によらないような任期設定が元々されておると。そういうことにおいて、非常に長期間見通した戦略的なポジションを取り得るし、あるいは
政治
からの影響力も排除できるという工夫が、たとえその任命の途中において党派性が入ったところで、そういうことが可能になっております。 したがって、
議会
の附属にするということで一種の権力的な
機能
を果たすということは当然なるわけですが、片一方においては、先ほど御審議ありましたようなフランスの
会計検査院
というのは、これは決して
議会
の附属
機関
ではないわけでございまして、これは一種の司法官としての、ENAの一種の、インナーサークル的には非常に優秀なENAの卒業生が入っておるということで一種の権威的な、権力としてはそんな大した権力がフランスのコー・デ・コントという
会計検査院
はないわけでございますが、権威として非常にインナーサークル的にあるということにおいて影響力を保持しておる。そして同時に、司法官の身分を有しておるということで、一種のステータス的なシンボルがあるということであります。 残念ながら、日本の
会計検査院
においては、今御審議のように、権力的なバックボーンとして、御指摘のように、ある意味においては、一種の孤児的なポジションにあるという点においては権力的なポジションも低いだろうと。さらには、権威としても、別に裁判官、司法官の身分も有しておるわけではない、あるいは身分保障されているのは
会計検査院
長を含む三人の検査官だけであって、しかも何ら弁護士でありますとか公認会計士の有資格者でもないということであります。こういったことを解除するために、イギリスの
会計検査院
においては、入ってから五年以内に勅許会計士の資格を取るように制度を変えまして、そして、それをパスしなかった職員は辞めていただくということの制度を
導入
することによって
従前
の
会計検査院
の権威的な
役割
というのは更に高めたということが同時に言えるわけであります。 したがって、
国会
との
関係
、より緊密にするということは当然重要であるわけでございますが、それと同時に、
会計検査院
の職員の
スタッフ
的なスキルと同時にそのポジションを、潜在的なポジションを高めるための制度改正が伴わないと、非常に強力な
権限
を持ったとしても、やはり
国民
の信任なりあるいは能力が付いていかないという問題を同時に考える必要が私はあるのではないかというふうに考えております。 以上でございます。
佐藤雄平
61
○佐藤雄平君 ありがとうございました。
川橋幸子
62
○
川橋
幸子君 民主党・新緑風会の
川橋
幸子と申します。 本日は、両
参考人
の先生、貴重な興味深い
お話
伺いまして、ありがとうございます。 私、私事で恐縮ですが、長い間
決算委員会
に所属しております。まあ、両先生とも御存じかと思いますが、これまでは法律を通す、
予算
を通す、これこそが
国会
の華という感じで、
決算委員会
は余り、華がないとは申しませんけれども、そう人気のある
委員会
ではなかったのでございます。これは率直なところで、余り疑問のないところかと思います。 しかし、今日の
お話
を伺いますと、
ニュー
・
パブリック
・
マネジメント
というものが
導入
されればされるほど
事後評価
あるいは
議会
の
統制
というものをしっかりしないとますます形骸化してしまうという
お話
を伺いまして、これは
決算委員会
全員、自分のことの反省も含めて心を引き締めなければいけない状態なんだなということを改めて認識したところでございます。 ただ、現在のところ、私ども
決算審査
の後れを取り戻してできるだけ早期
審査
を実現したいというところまでの努力で精一杯でございました。といいますか、現実はそうだったと思います。今初めて、これから
予算
にどうやって
フィードバック
していくか、
NPM
というこういう手法が、
マネジメント
手法が
導入
されるこのときこそこれをしっかりしなきゃいけないということは思うわけでございます。 そこで、もう率直にお伺いしたいと思いますが、
参議院
の場合はこの
決算
重視
を特色とするとして、
参議院
の
決算審査
というものに対してどのようにお二人の
参考人
の方々はお思いになられますでしょうか。それは
国会
自身が考えること、おまえたち自身がよく努力せよというのはもちろん分かりますし、私ども考えなければいけないとは思っておりますけれども、客観的に有識者の目でごらんになられて、例えば
富田
先生には、
事後評価
をしっかりしようと思えば
事前
評価
がしっかりしなければならない、
事前
評価
の情報もしっかり
参議院
の方に、
決算委員会
の方に与えられなければならないと。こういうことだとしますと、私ども今までそういう情報というのは非常に欠如していたような気がいたします。もちろん自助努力しなければいけませんけれども、そういうものがシステム的に
委員会
にもちゃんと提出され、公開され、
アカウンタビリティー
が発揮されるような、そういう
委員会
運営といいましょうか
国会
運営についてどのように考えていけばいいのかということをひとつお伺いしたいと思います。 次は、
山本
先生にお伺いしたいのは、先生は
会計検査院
においでになられたという経歴を拝見いたしますと、多分
会計検査院
なりあるいはこの
決算委員会
の
状況
なり現実、
現場
の話はよく御理解いただいて、お分かりいただいていることかと思います。 今日、今まで
決算審査
の
在り方
、
会計検査
の
在り方
となりますと、GAOとかNAOとかそういう問題が大きく
議論
されました。今日は、これは私だけが初めて聞いたことなのかも分かりませんけれども、
オーストラリア
の例、むしろ法律上の、憲法上の地位云々以前に、
国会
運営の中で
オーストラリア
では両院でもってウオッチする、監査する
役割
というものが示されているわけでございますけれども、両院にまたぐかまたがらないかは別といたしまして、事後
審査
について
国会
運営上の話としてどのようなことを
改善
点が現実問題として考えられるのか。 私は、私本人は、今までは
参議院
の重要性というようなことから割合、
参議院
改革
協
議会
という上の方のレベルでこの問題が
議論
されたと思うんですけれども、今度はこの
現場
の
参議院
決算委員会
の中で小
委員会
なりなんなりを設けるようにして、どのように
決算審査
を進めるかの運用上の問題を明らかにしていかなければいけない、こういう段階に来ていると思うのでございますけれども、そういう点につきまして御示唆いただければ有り難いと思います。 以上です。
鴻池祥肇
63
○
委員長
(
鴻池祥肇
君)
富田参考人
から
お願い
いたします。
富田俊基
64
○
参考人
(
富田俊基
君)
川橋
先生御指摘のように、
現状
のようにいわゆる
NPM
が
導入
されるほど、
決算
として
立法府
が
審査
すべき項目というのは、その重要性というのは増してくるというふうに
現状
で思います。 既に
独立行政法人
については制度が出発しているんですけれども、
事前統制
としての
予算
が
運営費交付金
という形で
一括
されていまして、それが、じゃ、きちんとその
独立行政法人
の
業務
の
目的
、目標に即して使われたかどうかということについて、やはり従来以上に厳しく
決算審査
が必要だというふうに思います。
決算審査
も経ないで、使い残したお金を、先ほども
お話
ございましたけれども、使い残したお金をできるだけ使おうとか、そういうことにならないよう、
決算審査
というのが極めて重要になってきているというふうに存じます。 そういうことで、
特殊法人
から
独立行政法人
という変化の中で、やはり
決算審査
の
在り方
も、
事前
に様々な
資料
を求め、それを
決算審査
という観点より
議論
していくということが、やはり
国民
的に極めて重要で注目を浴びることになっていくものだというふうに存じます。
鴻池祥肇
65
○
委員長
(
鴻池祥肇
君) 続いて、
山本参考人
、
お願い
をいたします。
山本清
66
○
参考人
(
山本清
君) まず、
国会
におきます
決算審査
の
在り方
でございますが、やはり
お話
聞いておりますと、
予算
委員会
の保有されているような情報が
決算委員会
には来ていないということでありますと、
平成
十六
年度
から
導入
される予定の
モデル事業
等の多分
審査
もうまくいかないのではないかというふうに思います。 したがって、まず試行的には、是非
参議院
の方から、
予算
委員会
と年一回か二回でもいいと思いますが、
予算編成
に掛かる時期に合同の審議方式等を
導入
されてはいかがかというのが第一点でございます。 それと第二点では、
会計検査院
と
国会
との
関係
で度々御
議論
なり御指摘をいただいておりますが、私申し上げているのは、すべて、確かに十年程度
会計検査院
に勤めておりましたが、私はそれを辞めたというのは、むしろ
会計検査院
はもっと大きなことができるのではないかということで入ったんですが、なかなか自分の夢が実現しづらい
状況
になったということで、外からもう少し応援部隊になろうということで出たというような経緯がございまして、この場におられる
決算
委員
の諸
先生方
と思いは多分同じであろうというふうに考えております。 それを前提にいたしまして、当然
オーストラリア
等のことを踏まえてどういうことが可能であるかと申しますと、実は
オーストラリア
の両院の合同の
決算
監査
委員会
においてどういうことを最近やったかといいますと、
オーストラリア
におきましても
発生主義予算
あるいはアウトプット・アウトカム体系の
予算
を
導入
いたしました。 そして、その
予算
、新たな
予算
制度の
改革
が本当に内閣が掲げるどおりにうまくいっているのかどうか、あるいは
行政府
の負担がどの程度であったのかどうか、さらには
議会
に上がってくる情報が
議会統制
としてふさわしいかどうか。すなわち、
富田
先生がおっしゃったように、大ぐくりでありますと細かい情報が上がってこないと。少なくとも
議決
は大項目でもいいんだけれども、
決算
段階においてその金がどういうふうに使われたかということを項以下の科目で
議会
に提出するべきではないかというようなことがレビューされました。そして、その合同の
決算
監査
委員会
のレビュー結果を踏まえまして実は
議会
で修正法案が成って、実は
オーストラリア
の
予算
体系が若干改正されたという経緯がございます。 したがいまして、これは是非とも、
決算委員会
で大きな
予算
会計制度
の
改革
がこれから行われようとしているわけでございますから、是非ともその事後的な検証をやっていただきたいと。その場に
会計検査院
を活用するということは有効だろうと思いますが、しかし最終的にこの
予算
制度をどういうふうに改めていくかというのは、これは
国会
の場でございますから、是非
決算委員会
として、そういった制度のレビューにつきましても力点を置いて御審議賜りたいと思う次第でございます。 以上でございます。
南野知惠子
67
○
南野知惠子
君 よろしゅうございますか。ありがとうございます。 自由民主党の南野でございますが、もうほかの
先生方
から多くの御質問があり、またその御
答弁
があったので省略さしていただきたい部分もございますが。 本日は、両
参考人
、ありがとうございました。
山本
先生にお尋ねしたいことの中に、
決算委員会
としては、
政府
の
在り方
としては、
予算
委員会
は衆議院が、そして
決算委員会
は
参議院
がと、
決算
の重要性というものを打ち上げていこうというのが我々の超党派の考えであろうかなと思っております。 さらに、
NPM
導入
ということにつきまして、今るる学ばしていただいたわけでございますが、
山本
先生お伺いしたいことは、三番目といいますか、二ページ目にございます「
政治
への
信頼
回復」というところの下の三行目、四行目辺りがちょっと私にとってはインパクトがございました。それに関連して何かコメントをいただけるならば分かりやすい形でいただけないのかなというふうに思っております。
NPM
手法というものが、もう一つお尋ねしたいことは、単
年度予算
と複数
年度予算
というような関連で我々の
予算
というものが施行されていこうとしていっているわけでございますが、それぞれに対する
決算
ということについて、この
NPM
手法というものは変化があるのでしょうか。同じ手法でとらえられていけるものなのかということをお尋ねしたいと思います。 また、
富田参考人
に対しましては、同じく先生のレポートの二ページ目でございますけれども、
大蔵大臣
の
権限
の弱い国ほど
財政赤字
と
国債残高
が多いというような御指摘の中で、その後の四、五行がございます。その行間の中から読めるわけではございますけれども、お示しいただきましたこの図表の中で、これでは、じゃ日本はどこら辺にいるのということを、いろいろな
評価
の仕方が違うと思いますが、お示しいただけるといいなと思っております。 以上でございます。
鴻池祥肇
68
○
委員長
(
鴻池祥肇
君) 両
参考人
に
お願い
申し上げます。時間も迫っておりますので、約二分ずつの御
答弁
を
お願い
したいと思います。 まずは
山本参考人
。
山本清
69
○
参考人
(
山本清
君) 第一点の御指摘でございますが、これは今世間を騒がせております捜査費等の問題も、やはり本来必要であれば、それが
予算
化されていないということもあろうかと思いますし、あるいは
公共事業
をめぐる
年度
間の問題というのは、まさしく冬の、先ほど御質問がありましたとおり、冬季において
年度
内に施工を完了しようということが、路面の吹き付け、緑化工等においては不可能なんですね。ですから、これは一種の脱法行為かもしれませんが、事実上翌
年度
回しに事業はなさっておるということもうわさには聞いております。こういったことは制度自身を変えないと、
公共事業
の明許繰越し等、あるいは事故繰越し等だけでは対応できない問題であるというふうに思います。 第二点の問題でございますが、これは実は単
年度
主義を全く変えるということではなくて、諸外国等もやっておりますのは、例えば一割とか二割の限度があるわけですね。自由に繰り越すというわけではございません。そして、繰り越したとか前借りの場合には、当然これは
金利
的な要素を入れまして一種の抑制効果を図っておるわけでございまして、決してむやみやたらと自由にフレキシビリティーを与えて多
年度予算
の方をやっていこうということではないということだけ申し上げたいと思います。 そういう意味においては、基本的な
決算審査
の
在り方
は多
年度
主義になっても大きく変わることはないというふうに考えております。
富田俊基
70
○
参考人
(
富田俊基
君) 九〇年代以降を振り返ってみますと、日本だけが他の主要国と逆の方向に
財政赤字
と
国債残高
が推移してきたということでございます。 それで、その
背景
には、私は、もちろん様々な要因ありますけれども、
民主主義
の観点ということから考えると、
国会
の
役割
と、それから
歳出
歳入両面を責任を持つ
大蔵大臣
の
権限
というのが弱かったというふうに思うわけでして、あえて点数を付けますと、かつていろいろ、フォン・ハーゲン先生に従って計算してみたんですけれども、大体四点以下しか付かない。こういうことはこれまでもあったかと、これまでも戦後一貫してあったわけですけれども、私は、吉田茂が「回想十年」という本の中において指摘されていることが正にそのとおりだと思うんですけれども、ちょっと紹介させていただきます。
予算編成
の都度、各省からの強制、強要、威嚇を厳重に阻止する
機関
がなくては国家
財政
は破綻する。この
機関
は、民主
政治
において最も重要な
機関
である。為政者たるものは、かかる
機関
が厳としてその権威を保持するようにしむけるべきであると指摘されておりました。 以上でございます。
鴻池祥肇
71
○
委員長
(
鴻池祥肇
君) ありがとうございました。 予定の時間が参りましたので、これをもちまして
参考人
に対する
質疑
を終了いたします。 両
参考人
に一言御礼のごあいさつを申し上げます。 本日は、長時間にわたり大変貴重な御
意見
をお述べをいただきまして、誠にありがとうございました。
委員会
を
代表
いたしまして厚く御礼を申し上げます。ありがとうございました。(拍手) 本日の
審査
はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。 正午散会