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2004-04-27 第159回国会 参議院 経済産業委員会 第12号 公式Web版

  1. 会議録情報

    平成十六年四月二十七日(火曜日)    午前十時開会     ─────────────    委員異動  四月二十三日     辞任         補欠選任      岩佐 恵美君     西山登紀子君  四月二十七日     辞任         補欠選任      直嶋 正行君     平野 達男君     ─────────────   出席者は左のとおり。     委員長         谷川 秀善君     理 事                 魚住 汎英君                 加納 時男君                 松田 岩夫君                 広野ただし君                 藤原 正司君     委 員                 泉  信也君                 小林  温君                 関谷 勝嗣君                 福島啓史郎君                 保坂 三蔵君                 勝木 健司君                 直嶋 正行君                 平田 健二君                 平野 達男君                 本田 良一君                 藁科 滿治君                 浜四津敏子君                 松 あきら君                 緒方 靖夫君                 西山登紀子君    衆議院議員        経済産業委員長        代理       田中 慶秋君    国務大臣        経済産業大臣   中川 昭一君    副大臣        内閣府副大臣   伊藤 達也君        農林水産大臣  市川 一朗君        経済産業大臣  坂本 剛二君        経済産業大臣  泉  信也君    大臣政務官        財務大臣政務官  山下 英利君        経済産業大臣政        務官       江田 康幸君        経済産業大臣政        務官       菅  義偉君    政府特別補佐人        公正取引委員会        委員長      竹島 一彦君    事務局側        常任委員会専門        員        世木 義之君    政府参考人        内閣国民生活        局長       永谷 安賢君        警察庁生活安全        局長       伊藤 哲朗君        金融庁総務企画        局長       増井喜一郎君        金融庁監督局長  五味 廣文君        総務省総合通信        基盤局電気通信        事業部長     江嵜 正邦君        文部科学大臣官        房審議官     徳永  保君        農林水産大臣官        房審議官     田中 孝文君        経済産業大臣官        房商務流通審議        官        青木 宏道君        経済産業省商務        情報政策局消費        経済部長     小川 秀樹君     ─────────────   本日の会議に付した案件 ○政府参考人出席要求に関する件 ○商品取引所法の一部を改正する法律案内閣提  出、衆議院送付) ○特定商取引に関する法律及び割賦販売法の一部  を改正する法律案内閣提出衆議院送付)     ─────────────
  2. 谷川秀善

    委員長谷川秀善君) ただいまから経済産業委員会を開会いたします。  委員異動について御報告いたします。  去る二十三日、岩佐恵美君が委員辞任され、その補欠として西山登紀子君が選任されました。     ─────────────
  3. 谷川秀善

  4. 谷川秀善

    委員長谷川秀善君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────
  5. 谷川秀善

    委員長谷川秀善君) 商品取引所法の一部を改正する法律案及び特定商取引に関する法律及び割賦販売法の一部を改正する法律案の両案を一括して議題といたします。  両案の趣旨説明は既に聴取いたしておりますので、これより質疑に入ります。  質疑のある方は順次御発言を願います。
  6. 広野ただし

    広野ただし君 おはようございます。民主党・新緑風会の広野ただしでございます。  まず、商品取引所法改正について質問をさせていただきたいと思います。  商品取引、これは公正な価格形成といいますか、商品価格形成のために、また先物ということでリスクヘッジをするためにも、ある意味では経済において、あるいはマーケットにおいて、市場において重要な役割を果たすものだと、こういうふうに感じております。実際、ここ五、六年の間に取引量が三倍になって二百二十兆円もの取引が行われるというようなことであります。証券取引、株の方も、これはどういう計算をするのか分かりませんが、三百兆、四百兆というようなところでありますから、形の上では商品取引かなり規模になってきていると、こういうふうに思うわけです。  私、かつて、三十年前ぐらいなんですが、アメリカシカゴに三年間いたことがありまして、そこで商品取引所が非常に大きい。あそこは大変な食糧地帯で、トウモロコシ大豆を始めとして、大変商品取引が活況を帯びておった。それに対してなかなか日本は、三十年前ですからそうはなっていなかった。株、証券と匹敵するようなものにならないんだろうかと、こう思っていたことがありますが、最近いろんな形で環境が整備されて大きくなってきたと、こういうふうに思います。  しかし、一方では、取引をめぐって投資家といいますか、投資家も十二万人とかいるらしいんですが、個人投資家がその半分、いろんな意味トラブルも起こると、こういうことであります。きちっとした、そういうところのよく分かって商品取引に入ってもらえばいいわけですけれども、そういうところがよく分からないうちに勧誘員のうまい口車に乗って、よく分からないうちにのめり込んでしまって大変な目に遭うということも多々聞くわけであります。  衆議院の方から、この政府案改正について更に改正をされたということであります。今日は田中慶秋先生がお見えなんですが、ちょっと時間のこともあるようで、投資家保護といいますか、そういう観点でいろいろと修正もなされたんだろうとは思うんですが、その真の意味合いといいますか、目的といいますか、そこのところについて御説明いただければと思います。
  7. 田中慶秋

    衆議院議員田中慶秋君) ただいま広野先生からの御質問でありますが、先般、衆議院法案審議の中で、商品取引における、とりわけ今お話しのように知識、経験が不十分な一般委託者が被害を受けるケースが続発しているという状態、その原因はやはり商品取引の職員といいますか取引員が強引あるいはまた不適切な勧誘が非常に多いということが指摘をされております。二つ目には、やはり不適切な勧誘行為について、従来は日本商品取引先物協会の自主的な規制のルールによって適正化を図ることとされておりますが、先物取引に係るトラブルが一向に減少しないということであります。  今回提出された政府案においても、商品取引員について勧誘行為適正化のための新たな規制が導入されたところであります。しかしながら、政府案では商品取引による勧誘行為適正化に対する要請に対しいまだ十分にこたえておるとは言い難いものがあり、委託者保護観点からなお修正の余地があると考えられたことから、第二百十四条に定める商品取引員に、行ってはいけない行為として、政府案に加えて、私どもそれぞれ全会一致の中で、先物取引勧誘を受けることを希望しない旨の意思を表示した顧客に対する勧誘禁止、さらには商品取引勧誘を受ける意思の有無を確認しないで勧誘することの禁止、いわゆる両建てに関して数量及び期限を同一にすることを勧めることの禁止であります。このことを加えることによって委託者保護の一層の充実を図ろうとするものであります。この修正を加えたことにより、商品取引員による勧誘行為適正化がより一層図られるものと信じております。  先物取引における委託者保護政府案よりも更に一歩前進をさせていただくという、こういう形で全会一致でこの修正案を採択をされましたので、参議院の委員先生方におかれましても、是非その意思をよく御理解をいただきながら御可決されますことをお願い申し上げて、説明に代えさせていただきます。
  8. 広野ただし

    広野ただし君 正にそのとおりだと思います。何といってもこの商品取引経済的な意味合いというのは非常に大きいと、こう思いますが、やはりそのための環境整備といいますか、個人投資家に対する目配りというものをしっかりとしておかなければならないと思いますので、その点は衆議院修正というのも非常に大きな意味合いがあるんではないかと、こういうふうに考えるわけでありますが。  ところで、大臣に、この商品取引といいますか、こういうマーケット経済的な意味合いといいますか、役割といいますか、そういうことについて大所高所からひとつ御見解をいただきたいと思います。
  9. 中川昭一

    国務大臣中川昭一君) おはようございます。  今、広野委員から御指摘のように、いわゆる自由経済ということになると、商品、ある財をみんなが売りたい、あるいは買いたいというときに、一つマーケットができて、そこで一つ値決めがされるといいましょうか、一つ需給が結び付いていくということが基本形にあるんだろうと思います。そしてまた、価格変動リスクが大きいとか先行きの不透明さをヘッジするという観点からも、先物相場というものがきちっと立つことによってリスクを回避するという役割も果たすことの意味は大きいと思っております。  そういう意味で、順次、今委員からも御指摘のように、取引金額あるいはまた扱う商品数も増えてきておるわけでございますけれども、そこにはやっぱりマーケット信頼性というものが大前提にあると思いますし、また、こういう時代でございますから、国際社会との関係というものも無視できないと思います。  さらには、今、委員それから衆議院田中委員長代理からも御答弁がございましたように、プロ同士自己責任ということであればそれはそれで一つ完結するものだと思いますけれども、今、広野委員からも御指摘のように、個人の方が投資として参加をするという場合には、勧誘その他に対して、プロがアマチュアといいましょうか素人の人に参加勧誘をするということになりますと、そこに誤った方法あるいは不正な方法が入ってはならないということが今回の改正趣旨でございますし、また衆議院において修正された、全党一致での議決された内容だと思っておりますので、そういう投資家、特に個人投資家がきちっと保護がされる、またプロの方で不正が起こされたときにはきちっとした処罰なり対応がなされなければいけないということによって、この商品相場取引所信頼性が確保されることによって現在のこの経済の発展に資するということが商品市場役割であり、またそれを、この法案の御審議を当委員会お願いをしておるところでございます。
  10. 広野ただし

    広野ただし君 それでは、田中委員長代理、御時間のことで、どうぞ。
  11. 田中慶秋

    衆議院議員田中慶秋君) どうもありがとうございました。
  12. 広野ただし

    広野ただし君 ところで、株式証券市場は直接的な資本調達という意味で、いろんな意味でこの自由・資本市場において大きな役割を果たしている。それを、日本の場合は貯蓄が非常に高いので、もっと投資家としてそういう株式市場を更に拡大をしていく、海外との比較でもしていかなきゃいけないというようなことがあると思います。海外からの資本の導入ということもやっていくということだろうと思うんですが、ところで、そういう株式市場と、証券市場とこの商品商品の方はまた考え方が違って、先ほど大臣がありましたような商品価格リスクヘッジの問題ですとか価格形成の問題で役割はちょっと違うんだとは思いますが、やはり投資家ということからいいますと、かなり投資家がそこに参入をしている。先ほど金額的なことも申し上げましたが、かなり規模になってきている。海外でも商品市場がある。  こういうことから考えて、証券との比較、あるいは海外の、ニューヨークあるいはシカゴ、あるいはロンドンではメタルマーケット、そして東南アジアでは中国あるいはシンガポール等がどんどんまた台頭してきている。こういう中において、日本商品取引所といいますか、そういうマーケットというところがどういう現状にあって、また今後どうしていったらいいと、こういうふうに思っておられるのか、見解を伺いたいと思います。
  13. 菅義偉

    大臣政務官菅義偉君) 先ほど委員がおっしゃいましたように、正に証券市場との比較でありますけれども、正確な比較というのはこれは非常に困難であると思いますけれども、金額ベースで申し上げますと、平成十五年、証券取引市場は二百五十五兆円、商品先物市場は二百十九兆円であります。そして将来的には、やはり規制改革などを背景に、昨今の石油市場に見られるように、急激な規模拡大、あるいはまた低金利の状況の中で資産運用の場としての商品先物市場に対する関心が高まってきている、あるいはIT化の進展によってインターネット取引が活発化されている、こういうことを考えたときに、市場規模も更にこれは拡大していくものと考えております。
  14. 広野ただし

    広野ただし君 なかなか簡単にそういう比較というのは難しいと思うんですが、じゃ、海外の同じ商品取引所、こういうところと比較して、アメリカあるいはロンドン比較して、そして最近の東南アジアあるいは中国比較してどのようになってきているのか。また、そういうところに市場を取られてしまう、こういうことになってはまた大変なことだと思うんですが、そういう観点からまた見解を伺います。
  15. 坂本剛二

    ○副大臣坂本剛二君) 先生指摘のように、海外市場が、特に中国、アジアが物すごい勢い拡大しております。上海などは二〇〇二年から二〇〇三年の一年間で取引量が三倍にも増えたという猛烈な勢いなんですね。そこで、各国間の制度間競争がもう始まってきたということでございます。  そこで、外国先物市場我が国市場が奪われるとどういうことがあるかというので、三つほどあるんですが、一つは、為替リスクや時差という大きなハンディ、不便さをこれは回避できる。これは我が国自前商品市場を有していることによるメリットですね、回避できると。二つ目は、我が国需給を反映して形成される価格を内外に発信し、国際価格形成影響力を行使できると。それから、三つ目メリットは、流動性を供給する資金を流入させ、商品そのものから金融関連までの幅広い情報が集められると、こういう利点があるわけでございます。  したがって、自前商品先物市場を整備することは極めて重要でございまして、今回の法改正においては、国際化に対応した信頼性利便性の高い商品先物市場制度整備のための諸措置を盛り込んでいるところであります。
  16. 広野ただし

    広野ただし君 やはり、価格形成あるいはリスクヘッジにしても、今やこういう国境がなくなってきているわけでありますので、トウモロコシあるいは大豆を取りましても、あるいは石油関係を取りましても、国内だけで考えていてはいけない時代だと思います。  ですから、海外からも外国資本が入ってくる、資金が入ってくる。そういうものが今現在どれぐらいになっているのか。商品取引では二割ぐらいになっているんではないかと言われているようでありますが、株式市場でもどんどん外国投資家の、それを中に呼び込んでというようなこともやっているようでありますので、やはり海外に負けないように、垣根を余り、投資家保護といいますか、そこのところもやらなきゃいけないんですが、余り規制ばかりしまして海外から入らなくなってしまったのではこれまたおかしなことになりますので、その兼ね合いのところが非常に難しいところかなと、こう思うわけでありますが。  ところで、この商品そのものを取りましても、商品先物市場金融先物と、こういうものがあるわけですね。そしてまた、株式市場証券取引所と、こういうところがあるわけです。一番そういう資金の動きに対して敏感なのは税制だと思うわけですが、その税制において、最近、確かに証券取引と、商品取引先物というところで、従来、商品では二六パーもの譲渡益課税があったものは二〇パーに下げたということなんですが、株式はまたそこから一〇パーに下げるわけですね。要するに、この商品株式との、証券とのアンバランスがあるんですが、これはなぜそうなのか、将来それは是正されるものなのか、その点について財務省から伺いたいと思います。
  17. 山下英利

    大臣政務官山下英利君) 広野先生の御質問にお答えを申し上げます。  先生指摘のとおり、商品先物取引に係る所得につきましては、この平成十五年度の税制改正申告分離課税税率を二六%から二〇%に引下げをいたしました。それと同時に、損失金額のうち、その年において控除できないものにつきましては、翌年以降三年間の繰越控除を認めるという形で今動いているところでございますが、財務省といたしましては、これによって商品先物取引リスクヘッジの機能の向上と併せて個人投資家のより一層の市場参加、これによる市場流動性の確保が期待できるというふうに思っているところでございます。  一方、先生指摘のとおり、有価証券につきまして上場株式一〇%という話でございますけれども、商品先物取引に係る所得に対する税率上場株式並み引下げとか、あるいは損益通算拡大につきましては、この上場株式等に対する一〇%の優遇税率というのは、貯蓄から投資へという政策要請も踏まえまして一般個人投資家株式投資を促進すると。そして、日本金融間接金融主体から直接金融へのシフトを進めるといった観点から五年間の特別措置という形で設定されているものでございます。  他の金融商品とのバランス等を考えていかなければいけないと、そういう必要があるものと考えておりますけれども、いずれにいたしましても、現在、政府税調金融小委員会におきまして、金融資産性所得課税の一体化に向けまして、その範囲あるいは税率、そして損益通算など、多岐にわたる課題につきまして幅広い検討が進められているところでございますので、その議論を注視してまいりたいと、そのように思っておるところでございます。
  18. 広野ただし

    広野ただし君 正に間接金融から直接資本調達といいますか、そういう観点、そしてまた海外との、これだけ国境がなくなってきている海外取引所関係とのことからいって税制というのは非常に大きな影響力を持つわけで、私はこの商品取引課税二〇パーを更に株式と同じような扱いにしていくということは非常に大切なことで、是非その並びのことを大臣にも将来お力をいただいてやっていっていただきたいなと、こう思っております。  ところで、もう一つ、この商品取引の中で、これは穀物取引は農林省、そして工業品経済産業省、そして金融先物金融庁と、そしてまた株式市場金融庁、こういうようなことで三省庁にまたがっているわけです。商品取引所も幾つも各地にありまして、これは昔、小豆をやりましたとか、あるいは繊維をやりましたとか、いろんなところから各地にあるわけでありますけれども、その各地域の規模がどんどん細ってきておって、そういうところで各所管省ばらばらにやっておっては、私はどうも、せっかく投資家資金が入ってこようとしているときに、なかなか信用といいますか、そういうものが得られない。  だから、ある規模のものに統合をしていかなきゃいけないんじゃないかというふうに思うんですね。しかも、その所管ばらばらにやっているんじゃなくて、共管といいますか、穀物工業品も一緒に取り扱うようなマーケットにしていくとか、そういうことが必要なんではないかと、こう思っておりますが、大臣、いかがでしょうか。
  19. 中川昭一

    国務大臣中川昭一君) 株式とか金融先物のことは別にいたしましても、いわゆる商品ということについては、委員指摘のように、日本には七つの取引所がありまして、共管はこの中部商品取引所だけで、あとの六つは、それぞれ、経済産業省農林水産省に分かれているわけでございます。  他方、私も、さっき広野委員指摘シカゴ二つ商品取引所を視察に行ったことがございます。何年か、十数年前でございますけれども、豚肉の取引の横で円の取引をやっているというのを見て何となくびっくりした記憶がございますけれども、あそこは多分金融商品混然一体としてやっている、最近は円のブースが変わったというふうにも聞いておりますけれども。  少なくとも商品取引については、やはり規模メリット、これは株式とか金融先物もそうなんでしょうけれども、規模メリットマーケット信頼性ということが今後ますます重要になっていくんだろうと。特に国際的な競争、今御指摘のような上海とかシンガポールとか、ああいうところの伸びを見ますと必要になってくるだろうと思います。  そして、共管という以上に、マーケットそのものがきちっとした形で規模が増えていくということが必要だと思いますけれども、過去の長い歴史もございますし、取引所会員が自主的にやることに対して我々がチェックをするということでございますので、現時点におきましては、そういうメリットがあるということは重々私も認識をしておりますけれども、取引所会員皆さんあるいは参加者皆さん方が、取りあえずは自主的に自分たちマーケットを今後どういうふうにしていったらより活性化していくのかということの十分な御議論がされることをまず我々としては期待をしながら、方向としてはそっちの方に行っていただくことがより良いのではないかと。ただ、逆に言うと、無理やり持っていくということは今の段階では、自主的な判断を見守っていくというのが現時点での私の認識でございます。
  20. 広野ただし

    広野ただし君 正に大臣のおっしゃるとおりだとは思うんですが、やはりある程度の規模で国際的にも認知をされる、確かに歴史のあるそれぞれの商品取引所もあろうと思いますけれども、そういういろんな意味でムードを作っていって、ある程度の統合しやすさといいますか、そういうものになっていくというふうに是非お願いをしたいと思いますが。  また、金融先物は、これはある意味で独特の世界だとは思いますけれども、ただ、今大臣の言われましたように、マーカンタイルの市場ですと、いろんな組合せが、組合せ商品といいますか、そういうものも出てくる可能性がある、そういうことから考えて、金融大臣、いかがでしょうか。
  21. 伊藤達也

    ○副大臣伊藤達也君) 先生今御指摘のとおり、海外主要取引所におきましても、同一取引所商品先物金融先物、これ両方取引できることにはなっておりますけれども、商品先物金融先物各々別に区分の商品として上場されておりまして、商品先物金融先物組合せ商品、こうしたものは海外取引所においても見られないというふうに承知をいたしております。  したがいまして、各々の取引所が別々にしか設立できないことが新商品上場等を阻害している要因になっているとは一概には言えないんではないかというふうに考えているところでございます。
  22. 広野ただし

    広野ただし君 ただ、こういう、何といいますか、経済というのは非常に大きく変化をして、江戸時代は元々確かに米の取引から始まって、堂島の方から始まっていると、こういうことでありますけれども、マーケットが工業化社会になってくると工業に入っていく、そしてまた金融が大きな影響力を持っているわけですから金融先物が出てくると、こういうことですから、何も統合しろという意味ではなくて、取引所の場所を一緒にするとか、いろんな形で共管のような形のものをやっていくと、オプション取引ですとかデリバティブとかいって、最近もう本当にいろんな商品が、新商品が出てくるという形になっているものですから、そういうものはまた海外からも、海外投資家がそこへ入ってくるという大きな影響をもたらすわけで、その点についてもう一度伊藤大臣に伺いたいと思います。
  23. 伊藤達也

    ○副大臣伊藤達也君) 先生から御指摘をいただいて、そうしたこともよく考えていかなければいけないというふうに思いますが、一番重要なことは、取引所というものは市場参加者の方々のニーズをどうしっかり酌み取っていくかということではないかというふうに思っております。  そうした意味で、私どもとしてもそのニーズというものをいろいろな視点から探っているわけでありますが、今現在の段階において、先生が言われる方向でのニーズというものを私ども十分手ごたえとして感じる状況になっていないと。こういうものは、こうしなければいけないんだということではなくて、やはり市場参加者のその思いというものを十分に踏まえて改革を進めていかなければいけないんではないかというふうに思っているところでございます。
  24. 広野ただし

    広野ただし君 それでは、農林水産省の方に伺いますが、これはもう穀物工業品という形で、まあ先ほど大臣もお話ありましたが、中部の方では共管という形でなされていると。ですから、まあ、ばらばらじゃなくて、そういう、統合という言葉はまずいのかもしれませんが、共管のような形のものにして大きくしていくと。そうすることがまた信用を得るということになるかと思うんですが、その点はいかがでしょうか。
  25. 市川一朗

    ○副大臣(市川一朗君) 今、中川経産大臣がおっしゃったことは私どもの基本的考え方とほぼ同じでございますので、あえてるる申し上げる必要はないかと思いますけれども、最近の我が国商品取引所を取り巻く状況を見ましても、効率化による取引コストの低減とか競争力の向上という観点からも、商品取引所の、何といいますか、合併といいますか、そういったのは一つ有効な手段ではないかと私どもも考えております。  ただ、いろいろ御答弁ございましたように、先生も御存じと思いますが、商品取引所の仕組みはあくまで会員相互による自主的な組織でございますので、そういった機運が高まってきた時点で農林水産省としてはどうするかという点でいきますと、できるだけ適切に対応してまいりたいという気持ちは持っておりますが、あくまでもそういったそれぞれの取引所における会員の皆様のニーズも踏まえた取組いかんなのではないかなというのが私どもの基本的考え方でございます。
  26. 広野ただし

    広野ただし君 それでは、ちょっと、伊藤大臣、また政務官との時間の関係もあって、最近新しくといいますか、いろんな形で出ているんですが、外国為替取引ですね。  これ、為替取引は、まあ政府関係者がディーリングルームでこうやっているということなんですが、取引所のごとくに装ってこの外国為替取引というものが行われて、これも非常に取引高が大きくなりますから、それで痛い目に遭っている、ひどい目に遭っている人たちもいるわけなんですが、私も、しっかりとしたルールの下に、取引所のようなルールの下にやっていくということが必要なんではないかと思うんですが、為替ということになると、これまた金融庁なのか財務省なのかというようなことでちょっと腰が引けているんじゃないかというふうに思うわけでありますが、外国為替取引のことについてお伺いをしたいと思います。  まず、伊藤大臣の方から。
  27. 伊藤達也

    ○副大臣伊藤達也君) 外為は自由化されておりますので、そしてこの外為の問題については、基本的には所管財務省ということになるのではないかというふうに思います。
  28. 山下英利

    大臣政務官山下英利君) 外国為替取引についての所管財務省でございますので、関係当局と一々話をしていきたいと、そういうふうに思っております。
  29. 広野ただし

    広野ただし君 これは、外国為替の方は財務省なんですよ。だけども、金融先物と極めて似たような形で取引を行うんですよ。ですから、ここのところをきちんとしたルールを作ってやっていくことについては、私は金融庁だと思うんですね。ですから……(「金融庁」と呼ぶ者あり)金融庁でしょう。ですから、これをしっかりとやるのかどうかという、まあやるに当たってもいろんな段階を踏まなきゃいけないとは思いますけれども、やはり前向きにやりませんと、各省所管だ、違うんだとか、こうやっていますと、その間にすざまじくまた被害に遭う人たちが出てくるんですね。  その点について、もう一度伊藤大臣の考えを伺います。
  30. 伊藤達也

    ○副大臣伊藤達也君) 先生のお話の中で、例えば御指摘の中に外国為替証拠金取引、こうしたものについての御指摘をされているんではないかというふうに思いますが、こうした問題については、今、国民生活センターにも大変苦情の件数が近年増加をしておりますし、そのトラブルの被害に遭われている方々というのは高齢者を中心とした問題でありますので、私どもとしてもこうしたトラブルについては大変深刻に受け止めておりますし、注視をしておるところでございます。  こうした問題に対応するために、まずガイドラインというものを策定をいたしました。これは十五年十二月二日に公表して、直ちに適用をしているところでございます。さらには、この取引の注意喚起をしていく、これも極めて重要なことでありますので、金融庁のホームページにこの注意点を掲示をさせていただいて、さらに金融商品の販売法の施行令というものを改正をさせていただいて、すべての取扱業者を金融商品販売法の適用対象とすると、こういう措置を講じてきたところでございます。  今後も、これまで講じさしていただいたその諸措置の効果や、さらに金融審議会でこの問題について今議論をしているところでございますので、外国為替証拠金取引に関する追加的な投資家保護と、こうしたものの必要性についても検討をしっかりしていきたいと考えているところでございます。
  31. 広野ただし

    広野ただし君 是非しっかりと受け止めていただいて、正に商品取引と似たようなものなんですね、証拠金取引という形でですね。金融先物の方の市場は、取引については金融庁がちゃんとやっていると。これは、ところが、金利が今現在ゼロの方な形で超安定のスタイルになっているものですから、金融先物の方は随分今低迷をしている。しかし、債券の市場はまたすごいんですね。これは、債券の方は証券取引所でやっていると。  こういうような形で、本来は金融市場という形で、いろんな意味で相互に連絡を取り合いながらやっていけば、私はまた大きなマーケットになってくる。特に金融先物と債券、ここのところは非常に大切なことで、特に将来、更に国債市場が、国債がどんどんどんどん発行されるということになってきたときに、そのリスクヘッジという問題が必ず出てくるわけですね。そのときに、証券市場だ、こっちは金融先物だというやり方でやっていることが、またいろんな形で問題点を私は起こすんだと、また国債を消化し切れなくなってくるというふうに思うんですが、このところでどんな見解をお持ちか、伺いたいと思います。
  32. 伊藤達也

    ○副大臣伊藤達也君) 国債政策のことについてはちょっと別だと思うんですが、今、先生の御指摘の中に、だからこそその取引所の統合ということも視野に入れてというところもあるのかなというふうに思いますが、その国際競争力を確保すると、こうした観点からは、昨年、証券取引法及び金融先物取引法というものを改正をさしていただいて、先生御承知のとおり、持ち株会社制度というものを導入をさせていただいたところでございます。  先生の御指摘の点も踏まえながら、私どもとしても、先ほどから答弁をさせていただいておりますように、投資家のニーズあるいは取引所参加をされる方々のニーズというものを十分に踏まえながら今後の対応をしっかりやっていきたいというふうに思っておりますけれども、しかし統合の問題につきましては、これは東京金融先物取引所そして証券取引所のそれぞれの取引所の方々がやはり判断をするべきものだというふうに考えております。
  33. 山下英利

    大臣政務官山下英利君) 国債に関しては、財務省はこれからの大きな課題と受け止めておりまして、実際その消化ということを考えたときに、やはり投資家、そして市場というものと密接に、注視して行っていかなければいけないと、そのように思っておりますので、関係当局としっかりと連携を取って、その方向で進めていきたいと思っております。
  34. 広野ただし

    広野ただし君 やはり金融ビッグバンという形で随分前からやって、私は、最終的に非常に行政当局においてやり方がまずかったんだと、こう思っております。  商品のビッグバンというものもあって、現在着々と進んでいるんだとは思うんですけれども、金融先物なんかにおいて、また債券の市場ということも考えて、どうも各省ばらばらなところが、経済あるいは金融における動きになかなかうまく付いていかないということが、また一般投資家に対してひどい目に遭わせるというようなことにもなっている面があるんではなかろうかと、こう思いますので、是非各省庁の連携をしっかりと取っていただきたいと思います。  ところで、商品取引のビッグバンに入りたいと思います。  伊藤大臣山下さん、どうぞ、結構でございますので。  商品取引の方のビッグバンということで、手数料自由化ということが現在進んでおります。来年から手数料が自由化をされると、こういうところでありますが、そのことに伴って、またいろんな環境整備といいますか、そういうものもしてきておられるんだと思います。そして、余りにも過当競争あるいは過剰サービスという形になって、これがまたせっかく投資家が中に入ってくることを阻害するということになってもまたいけないんではないかと、こういうふうに思いますが、よく投資家保護ということと自由化ということを、またあるいは会員各社に対する規制緩和というものもうまく見合わせながらビッグバンというものを進めていかなければならないんではないかと、こう思っておりますが、この会員各社に対する規制緩和といいますか、そういうものがどういうふうになされておるのか。手数料のほかに、手数料自由化のほかにありましたら、御紹介いただきたいと思います。
  35. 菅義偉

    大臣政務官菅義偉君) 各取引におきましては、サービスの充実や事業の多角化、外資との連携、提携ですね、こうしたものを、自由化をにらんで動きが活発になっております。こうした競争において、やはり意欲のある取引員が成長する、そうでないものは退出をする、そういうことによって市場全体が一層健全な方向に進むものと考えております。  具体的には、商品市場ごとの許可の区分を廃止をし、市場横断的な、包括的な許可にいたします。さらに、委託者資産が確実に保全されるように、委託者資産保全制度の抜本的な強化施策を盛り込んでおるところであります。
  36. 広野ただし

    広野ただし君 それと、今回の改正によって取引所株式化といいますか、そういうものも可能になると。東証、東京証券取引所の方は一つ先に株式化というものを図ったわけでありますけれども、工業品取引所あるいは穀物取引所の株式化ということについての政策なり見通しといいますか、そういうものについて伺いたいと思います。
  37. 菅義偉

    大臣政務官菅義偉君) 株式会社の形態を取るかどうかということは、一義的には各取引所会員の総意を踏まえて判断することであるというふうに思っていますけれども、例えば株式化した場合、大規模資金調達が可能になって、コンピューターシステムなど処理速度の高い、信頼性の高いシステムが構築できる。あるいは、今までは会員制組織と比べて、取締役会によって業務が決定をできる、迅速な意思決定による運営も可能になるわけでありますので、そうしたメリットを踏まえて、各取引所においてその組織の在り方について具体的な検討を進めていくものと期待をしているところであります。
  38. 広野ただし

    広野ただし君 農水省の方にも伺います。株式化のことです。
  39. 市川一朗

    ○副大臣(市川一朗君) 農林水産省という立場で、特別、株式会社化するメリットについてどういうことを考えているかということにつきまして、それほど突っ込んだ議論をしているわけではないわけでございますけれども、株式会社形態が制度上導入可能となりました場合には、資金調達の円滑化等のメリットも出てくるわけでございますので、各取引所におきましてその組織の在り方について具体的な検討が進むのではないかなという点では期待している面はないわけではございません。
  40. 広野ただし

    広野ただし君 それと、やはり上場商品というものを拡大をしていく、上場しやすくしていくということもビッグバンの一つの大事なことではないかと思いますが、石油が上場され、あるいはガソリン、灯油と、また軽油と、こういうふうな形になってきておりますが、さらに今後、石油関係品目で、あるいはLPGだとかそういうもの、あるいは金属関係、貴金属関係、そういうものでどういうような将来見通しを考えておられるのか。また、農水省の方では、大物は、昔、江戸時代は米だったわけですけれども、この食糧、食管がどんどん自由化をされてきたということに合わせて米をどういうふうに考えておられるのか。この点について、両省に伺いたいと思います。
  41. 菅義偉

    大臣政務官菅義偉君) LPGにつきましては、サウジアラビアを始めとする産油国の一方的な値決め価格が決定をされる、こういうことに対して、取引所上場して価格形成機能を発揮すべきだと、そういう中で東京工業品取引所等で上場可能性の検討を開始をしているところであります。  また、重油につきましては、元売も含めた当業者全体のニーズとしては醸成をされていない、こういうふうに伺っております。
  42. 市川一朗

    ○副大臣(市川一朗君) 現在、各商品取引所でいろいろ検討されている中で、米とかそれからバスケット野菜というようなところで主要野菜等についての検討も進められておりますが、特にこの一、二年、米に関する勉強会、各取引所でやっておられますけれども、雰囲気として直ちにそれが適用される状況ではないわけでございますが、私ども、米政策改革大綱を議論しておりました際に、やはり今までの生産調整の在り方に一つの限界といいますか、問題点が出てきた際に、これを、米を商品先物市場で取り扱うような形で解決していくのは一つの有力な手段ではないかという主張が党内でも強く出されたのも事実でございます。ただ一方で、米につきましては、今我が国の本当に主要な主食でございますから、その価格の安定とかそういったようなことを考えますとかなり問題が大きいのではないかという意見もございまして、一応国内的には今意見が分かれているというところでございます。  我々農林水産省といたしましては、先生指摘のとおり、昔は米の取引というのはあったわけでございますが、この先物市場における米の扱いについては現時点では慎重に取り扱っていく必要があるというふうに考えております。
  43. 広野ただし

    広野ただし君 江戸の、堂島でそれこそ世界に先駆けて、当時、米というのは今の経済に占める割合からいうと、もうとんでもないぐらい大きいものだったと思います。それを町衆がやって、また天候によって左右されるわけですから、そういうことに対して大変な知恵を絞ってやってきたわけですね。私はこれは日本の大変な先人の知恵であって、この米が今自由化をされてきているわけですから、私はやっぱり思い切ってその条件整備といいますか環境整備をやっていったらいいんじゃないかと。それはアメリカでも大豆穀物という大物をちゃんとやってきているわけですね。ですから、そういうことによって公正な価格形成、あるいはまたリスクヘッジというものもできるわけで、これは是非前向きに検討をしてもらう。そうすることが、工業品において石油というのも取り上げるときにいろんな問題がありました。取り上げることによって大きくマーケットが開けたわけですね。しかもそのときは石油のメーカーなんかも誠に慎重だったんです。だけれども、世界の石油市場が大きく動きますから、そういうことに合わせてある決断を踏まえてやってきた。それによって大きくまた開けてきているということだろうと思いますので、是非前向きな検討をお願いをしたいと思います。  それと、昨年でしたか、あるいは一昨年でしたか、電気事業の自由化に合わせて電力取引所構想というものが示されました。これも今年からは五百キロワット以下ですかが自由化をされる。更に来年からは五十キロワットですか、こういうような形でなってくるわけで、やはり電力取引というちょっと、商品からいうとちょっと違ったものにはなるんですが、いろんな形で商品というのはオプションですとかデリバティブという形になってきていて、どんどん無体財産を取り扱うようになってきている。こういうところで電力取引というものをどういうふうに考えておられるのか、経済産業省見解を伺います。
  44. 菅義偉

    大臣政務官菅義偉君) 委員御承知のとおり、卸電力取引所につきましては、一般事業者等が法人を設立し、来年の四月から取引開始に向けて設立準備を今進めているところであります。  その取引所は現物取引の場として今日まで検討が進められておりまして、将来の現物を扱う先渡し市場及び一日前スポット市場が開設をすることが予定をされております。  商品取引所への上場の是非につきましては、当該取引所の効果などを見極めつつ判断することが適当であるというふうに考えております。
  45. 広野ただし

    広野ただし君 このことも、条件整備というか環境整備というのは非常に大切だと思うんですね。そういう取引に自由化、あるいは取引によって、何といいますか、思惑ばっかりが先行して大変なことになってはいけないんで、しっかりとした電力ネットワークは確保しながら、ですからエネルギー安全保障の考え方も入り、また市場の、市場原理の活用というものも入るという形でやっていく。そして、将来は、確かにそこは試し市場みたいなものだと思うんですが、ばらばらにやっていると結局資金が入ってこない。やはりある意味では、ある規模になりませんと駄目なんで、私はやはり工業品取引かそういうところで扱っていくというのが大事じゃないかと思いますが、まずは立ち上げをして、取引所の方へ行くかよく検討をいただきたいと思いますが、再度答弁をお願いしたいと思います。
  46. 菅義偉

    大臣政務官菅義偉君) やはり、今申し上げましたけれども、電気事業制度と整合的に取引が行われるか否かというものをやはり見極めた上で、今委員が言われましたように、この安定供給というのもありますので、そういうものを踏まえて判断をしていきたいと思います。
  47. 広野ただし

    広野ただし君 ところで、最近、ITといいますかコンピューター、この間も東京工業品取引所へ伺いまして、コンピューターによる、電算化による取引ということが非常な役割を占めてきている。また、取引関係も、このコンピューター化が、システム化がされなければ、とてもじゃないけれどもこの二百何十兆になった規模をさばけなかったんじゃないかというようなことも伺ったわけでありますが、このまずIT取引といいますか、これ株式もそうですが、そういうことで非常な役割といいますか位置付けになってきていると思いますが、現在まだ数%だというふうに聞いております。この将来見通しについて伺いたいと思います。
  48. 菅義偉

    大臣政務官菅義偉君) ITの進展及び平成十年のインターネット取引についての手数料の自由化によりまして、近年この取引は急速に拡大をいたしております。例えば、平成十二年の九月に委託売買高の二・四%がインターネット取引でしたけれども、十五年の一月には六・八%と、二年半で約三倍の伸びを示しております。今後の商品取引員の有力なビジネス手法としてこれからも大いに期待をされているところであります。
  49. 広野ただし

    広野ただし君 ITでやるとかえって危ないのかなと私は思いましたらば、どうもそうじゃなくて、どういう、証拠品はどうだとか、こういう形で全部データに残っちゃうんですね。ですから、ある意味ではかえって投資家保護も図られるという意外な側面、意外といいますか、そういう側面もあるようでして、これからIT化と、電子取引というものも非常にある意味では大きくなってくるんではないかと思いますので、ただ、それに伴うまたいろんなトラブルも出てくるんだろうとは思いますから、そういう条件整備をしっかりとやっていただきたいと思います。  再度答弁をお願いしたいと思います。
  50. 菅義偉

    大臣政務官菅義偉君) 今、委員おっしゃいましたように、この売買の記録も確実に残ることなどから、トラブルはほとんど発生していないのがこのインターネット取引でありまして、商品先物市場の健全な発展を支える意味合いからも有力な方法であり、将来ますます期待をしてまいりたいと思っています。
  51. 広野ただし

    広野ただし君 今まで商品取引の何といいますか規模拡大、またビッグバンに伴う、何といいますか、この商品取引の振興的なことを言っておりましたが、先ほどからも冒頭にお話をしましたとおり、そのためには何といってもこの投資家保護というものがしっかりとしていないとならないわけで、そういう、確かに投資をするわけですからリスクは伴うわけでありますが、だましだまされたといいますか、そういうようなことのないように、この間も取引所に伺いましたらば、商品ファンドというのがあって、これも平成あれは二年か三年ですか、商品ファンドという制度を作って、そこで信託銀行なんかに任せて、そこがプロの形で入ってくるわけですね。  ですから、一般投資家は、まず商品ファンドのようなもので一回勉強をして、その中から言わばこのプロの世界といいますか、商品の世界へ入ってくる。最初から急流に放り出して、もうすぐ泳げと、こう言われても、それは全くの泳ぎ手でもない人間がやれるわけがない。やはり、先物取引ということにはそれなりの考え方というか、見方を持たないとやはり駄目なんだということを、取引会員の方、企業の方がおっしゃっておったわけであります。  そういうことも踏まえて、投資家保護という根本のところを大臣に再度見解を伺いたいと思います。
  52. 坂本剛二

    ○副大臣坂本剛二君) 我が国商品先物市場の機能を高めていくためには、内外の機関投資家に参入をしていただくということが第一でございます。先生おっしゃるように、そのためにも投資家保護制度の整備というのは大変重要なわけでございまして、今回の法改正では委託者資産保護制度の抜本的強化を行っているところでございます。  また、先物市場参加する投資家は、プロ投資家を中心に、先物取引リスクを十分に理解、覚悟して、自己責任に基づき自ら主体的な投資判断を行い得る者であるべきだとも考えております。そういった知見や関心のない個人を無理な勧誘等で取引に引き込むようなことは厳に抑止されるべきであって、今回の法改正でも、適合性原則の強化、説明義務の法定、その他不当な勧誘規制の強化を行っておるところでございます。  また、これらの制度改革及びその的確な実施によって、投資家保護に万全を期し、健全な商品先物市場の実現を目指したいと考えておるところでございます。
  53. 広野ただし

    広野ただし君 今までもいろんなトラブルが起こる、そういう中で、会員企業さんが日本商品先物取引協会、日商協というものを作って、ここで自主規制をやっていると、こういうことでありますが、この日商協の自主規制というのがちゃんとワークしているのかどうか、その点について伺いたいと思います。
  54. 菅義偉

    大臣政務官菅義偉君) 委員おっしゃいましたように、平成十年法改正で自主規制機関としてこの日商協は制定をされたわけでありますけれども、その主な内容としましては、自主規制規則の実施、法令や自主規制規則違反に対する制裁、外務員の登録制度や試験・研修制度の実施、さらには苦情相談への対応及びあっせん、調停の実施などを行っておりまして、例えば商品取引員に対する制裁件数は延べ二十九件、また、あっせん、調停件数は延べ四百八十三件など、一定の成果を上げているというふうに判断をいたしております。  さらに、今回の法改正によりまして、不当な勧誘行為禁止の法定、さらには適合性原則の強化、商品先物取引の仕組み、リスク説明義務の法定などの、正にこうした法律の中で更に委託者保護に万全を期すよう、主務省であります本省としましても日商協を強力に指導していきたいというふうに考えております。
  55. 広野ただし

    広野ただし君 今までもここ数年の間にバブルが崩壊をもうしたりしまして、会員、まあ何社か、有力な会員何社かが倒産をすると、こういう事態が発生をしているわけですね。そうしますと、証拠金ということで、そういう財産といいますか、債権を保全をするということがやはり非常に大切になるわけです。今までも分離保管といいますか、そういうことですとか、まあ補償基金協会というんですか、こういうものも作ってやってきているようでありますけれども、本改正によって更にそれがどういうふうに充実されるのか、伺いたいと思います。
  56. 菅義偉

    大臣政務官菅義偉君) 今改正におきまして、その委託者保全制度の抜本的強化を実は行っておりまして、具体的には、取引証拠金の全額を委託者が直接、商品取引所に直接預託する制度を一つは導入する。二つ目は、現行制度で毀損のおそれのある銀行預託が認められているのを廃止をしまして、信託又は委託者保護基金への預託等による確実な保全措置を義務付けます。そして三つ目は、委託者保護基金の制度を創設をし、商品取引員の加入を義務付ける、こういうことを具体的に行ってまいります。
  57. 広野ただし

    広野ただし君 それと、もう一つ、やはり投資家保護という観点から、これは、九五年に海外でベアリングズ社というのが破産をしまして、これを、破産のことにまつわってやはりいろんなトラブルが発生をする。そういうことで、証券金融先物市場ではトランスファー制度というもの、要するに、ある会員が倒れた、破産した、倒産をしたというときに、その投資家の権利を他の会員のところへトランスファーをすると、こういう制度が設けられているわけでありますが、商品については若干それが不備であったと、こういうことであります。  今回どのように充実をされるのか、伺いたいと思います。
  58. 坂本剛二

    ○副大臣坂本剛二君) ただいま先生がおっしゃったように、トランスファー制度というのはそういう制度であります。現在我が国ではこの制度、トランスファー制度は導入をされておりません。  制度の導入に当たりましては、委託者が委託した証拠金等の資産が確実に保全されることが前提となりますけれども、今回の法改正案において委託者資産保護制度の抜本的強化策を盛り込んでいるところであり、これによってトランスファー制度を導入するための必要な環境が整うことになります。  それで、現在、各取引所においてトランスファー制度導入のための具体的なルール整備の検討を開始しようとしているところでありまして、経済産業省としても、委託者保護観点からトランスファー制度が導入されるよう、適切な指導を行ってまいりたいと考えております。
  59. 広野ただし

    広野ただし君 それと、この決済制度でありますけれども、これまでこの取引所内のインハウス決済をやっているわけですが、これをアウトハウス、まあ取引所外の決済においても、ですから他の取引所なんかにおいても決済を円滑に行えるようにすると、こういうことでありますけれども、このところにもまたトラブルのないようにしてもらいたいと思いますが、この点、どうでしょうか。
  60. 菅義偉

    大臣政務官菅義偉君) このクリアリングハウス制度には、会員がその債務不履行を起こした場合でも他の会員への損害の波及を遮断をできるメリットというのがあります。今回、このアウトソースをし、取引所の本来業務である市場の運営、監視業務に特化することによって、商品取引所が業務の効率化、まずこれが図られると思います。  さらに、複数の取引所において取引を行っている場合において、一部の商品取引所においては損が発生する、他の取引所においては益が生じた場合、この損と益を差引き計算できることによって、市場参加者にとっては資金の効率的利用もこれ可能になるわけでありますので、こうしたメリットが生じると思っています。
  61. 広野ただし

    広野ただし君 それと、まあ何といいますか、上場されてない商品、何ていうんですかね、株式なんかでいいますと店頭取引といいますか、取引取引といいますか、取引所取引ということについてどのようになるんでしょうか。
  62. 青木宏道

    政府参考人青木宏道君) 事務方の方から補足をさせていただきます。  今回の法改正案におきましては、商品取引所外において開設するいわゆる商品市場類似施設というものを解禁をするということを考えてございます。これは御案内のとおり、商品取引所におきましては当業者あるいは投資家といった多様な参加者にできるだけ公正な取引機会を提供する、そういう意味では、商品についての取引期間あるいは取引の単位、対象の商品、そうしたもろもろの取引条件について、言わば最大公約化した、大変標準化した取引が大規模に行われるというのが商品取引所取引の特徴でございます。  他方、最近、商品取引所におきます標準化されました取引では、いわゆる当業者、実需家でございますけれども、そうした方々の多様な事業活動ニーズにこたえるのがなかなか難しいといったようなケースもございます。これに対応して、当業者同士が言わば相対で、オーダーメードでそういった取引をしていると、こういう取引拡大をいたしてございます。  したがいまして、そういう取引を更に効率的に行えるために相対取引を仲介するためのサービスが非常に高まっております。そうしたものを許可制の下で、厳格な条件の下で商品市場類似施設ということで今回開放したいというふうに考えてございます。
  63. 広野ただし

    広野ただし君 そこでも是非トラブルの起こらぬように条件整備、環境整備をよろしくお願いをしたいと思います。  次に、特定商取引法改正に移りたいと思います。  これもまたマルチ商法ということでいろんな新商品といいますか、いろんな勧誘によってトラブルが起こるわけでありますけれども、端的な例がネズミ講ですよね。こういう形でやっていることについて、いろいろと勧誘方法等を規制をするということになっております。あるいは、クーリングオフ制度ということで、約款上、ちゃんと契約を何週間後に破棄をできるというようなこともありますけれども、そもそもこの連鎖取引といいますか、こういうものを禁止してしまうということができないのか、このことについて経済産業省見解を伺います。
  64. 坂本剛二

    ○副大臣坂本剛二君) 御指摘のように、特定商取引法では悪質なマルチ商法を防止するための連鎖販売取引規制を置いております。連鎖販売取引にも様々な形態がございまして、その仕組みや運営が適切な場合には必ずしもトラブルを発生させるとは言えません。このようなトラブルの少ないものも含めて連鎖販売取引法律上全面的に禁止するということは困難でございます。  このため、契約内容を明示した書面の交付義務等により、不実告知や威迫困惑など不当な勧誘行為や虚偽、誇大な広告等については、これを禁止して厳正に取り締まることによって、悪質なマルチ商法については実質的に禁止するという考え方に立っておるものでございます。  今回の改正案では、特に民事ルールの整備として、退会する会員が、連鎖販売の組織から退会しようとする会員が、未使用の商品を適正な条件で返品できるという返品ルールを法定するわけでございます。これは、入会後一年を経過しない会員が解約、退会する際に、退会時からさかのぼって九十日以内に買った未使用の商品を返品し、適切な返金を受けられるようにする制度でございまして、イギリス、フランス、韓国、シンガポール、カナダ、米国各州等々で法定されているところでございます。  また、虚偽説明や重要事項をわざと行わない説明により個人が誤認して締結した契約を取り消せるようにもいたします。このような民事ルールの整備は、消費者の救済に資するとともに、悪質なマルチ商法が成り立たないようにするためにも有効と考えておるわけでございます。  悪質なマルチ商法については実質的に禁止するという立法趣旨を更に徹底しまして、実効あるものとする考えでおります。
  65. 広野ただし

    広野ただし君 どうしても、この連鎖販売取引ですとかマルチ商法というので、どうしてもグレーゾーンのものが出てきて、これは人間の知恵ですから、様々なものが出てきて、それに引っ掛かって泣くという、ひどい目に遭うという人たちが、被害者が出てくるわけですが、どうもそこがなかなかぴしっとこう線が引けないと、こういうことであります。  今日は公取委員長にも来ていただいておりますが、こういう不公正な取引、これを、企業間取引であれば独禁法等のものがあるでしょうし、また不当景表法の方で不公正取引を取り締まるということもあると思いますが、この点について公取委員長見解を伺います。
  66. 竹島一彦

    政府特別補佐人(竹島一彦君) いわゆるマルチ商法について公取としてできることというのは、次から次へとお客さんを連れてくるということが事実上難しいにもかかわらず、それが容易にできるというような口コミでもって顧客を獲得するという言わば欺瞞的な顧客誘引というものは独禁法の不公正な取引方法一つとして禁止されているわけでございまして、それに該当する場合が出てくると。  現に、訪問販売法がなかった時代には、昭和五十年当時でございますが、公正取引委員会も、マルチ商法について悪質なケースが出てまいりまして、これを欺瞞的顧客誘引であるということで措置を取ったことがございますけれども、その後は、御案内のように、それも今の特定商取引法にも発展改組されてきておりまして、今国会でも今正に御審議されているように、特定商取引法でもって、もっと直截かつ明確に消費者保護を図るという改正も今されようとしているわけでございまして、私どもの立場からいっても、その方が消費者保護観点からはより実効性が上がるのではないかと、そういうふうに考えております。
  67. 広野ただし

    広野ただし君 是非、経済産業省公正取引委員会、ここの点は大いに協力をし合って、悪徳商法のないように取り締まっていただきたいと思います。  それでは、少し時間が空きましたけれども、終わりたいと思います。  どうもありがとうございました。
  68. 平田健二

    ○平田健二君 今の広野委員質問に続いて質問をさせていただきます。  悪質なマルチと良質なマルチというのはどういうふうに違うのか、ちょっと教えていただきたいんです。
  69. 中川昭一

    国務大臣中川昭一君) マルチというのは連鎖取引ということとまず同義語だという前提で、先ほど坂本大臣からも御答弁申し上げましたように、本来、お互いが合意をして商取引をするということは、日本あるいはまた自由主義経済においては大原則だろうと思います。  ただ、それが対等な立場であるかとか、あるいは片方が悪意を持ったプロであり、相手方、つまりそれに参加する勧誘を受けた人がアマチュアであり、あるいはまたもっと言えばお年寄りであったり学生であったりというような、力関係においても対等ではないというようなことがあって、しかもそこには、いわゆるマルチ業者の方が正しい情報を伝えないとか、あるいは何時間も無理やり勧誘をするとか、そういうことによって、どう見ても常識的ではない、健全ではない、いわゆる広い意味のビジネス取引が成立した結果、後になって過大な負担を負ったりいろいろな損害を被るということがいわゆる私は悪意の商取引、いわゆるマルチも含めた、そういうものだろうと思います。  現実には、じゃ何が悪意で何が善意かということでありますけれども、例の消費者センター等にトラブルが本当に毎年毎年一杯来ておりますし、また我々のところにも寄せられているわけでございまして、それをどうしても、仮に悪意のマルチ業者であれば法律の抜け道を次から次へと考えてやっていくと。点検商法とか、最近もいろんな何か新しい商法があってトラブルがあるということでございますから、そういう意味で、あえて悪意のマルチ業者というものはそういう前提で、善良なといいましょうか、ある意味では知識の少ない相手方、民間、素人の人たちに対してそういう形で不公正あるいはまた不正な商取引をやるんだろうと思います。  答弁書にございませんので、これは私の大臣としての御質問に対する答弁でございます。
  70. 平田健二

    ○平田健二君 確かに質問通告はしておりませんでしたけれども、私は、お互いにプロ同士のそういう契約ならば、これはある部分では仕方がないだろうと。やっぱり悪質という、そのものの定義というのはよく分かりませんけれども、消費者に対して、マルチ商法ですか、これ働き掛けるというのはこれ既にもう悪質だと。プロ同士取引ならばまあそれはいいだろうと、ある部分では。しかし、全くの消費者に対して、学生さんに対して、主婦に対して、普通のサラリーマンに対して、全く自分のやっている本職以外のことで働き掛けをする、こういったものは私はやっぱり禁止すべきだと、最初から、こういうふうに思っております。  是非ひとつ、広野先生がおっしゃった、まず禁止すべきだというのが私は正しいんじゃないかと、消費者に対してですよ、消費者に対して働き掛け、勧誘をすることについてはやっぱり間違っておるというふうに思います。是非ひとつ次の法改正で検討していただけたらというふうにも思っております。  さて、本題に移りたいと思いますが、本題というよりも通告をしてある分ですけれども、今回も法律改正が提案をされました。私、記憶しておるのでは、毎年とは言いませんが、ほぼここ近年、毎年この法律改正をしておるというふうに思っております。しかし、報告にもありますように、全国の消費生活センターには相談件数八十七万ですか、あわせて被害、その特定取引についての苦情が五十七万件、およそ六割だという報告されておりますけれども、今回この法律改正することによって、じゃこの特定商取引の苦情件数が減っていくだとか、そういったものが改善されるというふうに思っているんでしょうか。大臣にひとつここらについてお答えいただきたいと思います。
  71. 江田康幸

    大臣政務官(江田康幸君) 先生指摘のとおり、特定商取引法におきましては、平成十一年、十二年、十四年と、過去五年間で三度の改正を行いまして、エステティックサロンとか語学教室、内職・モニター商法、迷惑メール、そういうことに関する行政規制の追加、強化を進めてきたところでございます。  これについては、消費者トラブルの状況改善にも効果が見られてきているんですが、御指摘のように、苦情相談はなくならず、悪質なトラブルがございます。虚偽の説明とか、重要事項をわざと言わない不当な勧誘、さらには商品等の効能効果に関する虚偽、誇大な広告、勧誘に関するもの、こういうものがございます。個別に見ても点検商法やマルチ商法等がございますが、このような現状を踏まえまして、今回の改正案では、点検商法等防止のため、行政規制の強化を行うとともに民事ルールの充実を図ることとしております。具体的には、不当勧誘行為による契約を消費者が取り消せるようにすること、またマルチ組織から退会する際に在庫商品を返品できるルールの新設等でございます。  これらによりまして、実際に被害に遭った個々の消費者が自ら被害の回復を求める道が容易になるとともに、この行政規制と相まって、悪質商法がビジネスとして成り立たないようにするためにも大きな効果があると考えておりますので、こういう苦情等においても少なくなってくることを期待するものでございます。
  72. 平田健二

    ○平田健二君 報告を見ますと、被害に遭っている方の年齢別、そういったのを見てみますと、六十歳以上の高齢者、それから二十歳以下の若年層からの苦情が増えていると、こういう報告があるわけですけれども、こういった高齢者、若年層に集中しておるといいますか、比較的被害が出ているということは、何か特徴的なことがあるんでしょうか、従来と違って。
  73. 青木宏道

    政府参考人青木宏道君) 今、平田委員から若年層及び高齢者についての比率がございました。  御案内のとおり、まず若年層につきましては、特に比率が増えているわけではございませんけれども、しかしながら、この数年見ておりましても、二十代以下のところが非常に、三割という、非常に高水準で推移をしているというのがポイントの一つだろうと思います。  さらに、高齢者、まあ高齢者をどこから高齢者と言うのか、なかなか難しゅうございます。一応、国民生活センターの区分でいいますと六十歳以上ということになっておりますけれども、ここのところが非常に増加をしているということでございます。  恐らくこれは、一つ日本全体の高齢化というところがございますし、それから、高齢化をする中にあっても、しかも核家族化をしているということで非常に、お年寄りだけが住んでいる、そういうところに、例えば点検商法といったような新手な商法を編み出して虚偽の説明をする、あるいは重要なことをわざと言わないといったような悪質な商法がまた蔓延をしていると、こういうことではないかと思っております。
  74. 平田健二

    ○平田健二君 警察庁、お見えですよね、はい。一問だけですので、先に質問させていただきます。  いわゆる特定商法ではないんですけれども、やみ金問題についてお尋ねをいたしたいと思います。  最近も、大変大きい、大掛かりなやみ金ですか、金融業者が摘発をされたという報道がされております。  特に最近、多重債務者に対して、これ、どこからそういう情報を取ったか分かりませんが、ダイレクトメールを送り付けて、あなたの多重債務、幾つものサラ金から金借りているのを取りまとめて私のところが融資しますよ、ついては一度連絡くれと、こういうダイレクトメールが行くと。連絡をすると、分かった、まず手数料振り込めと。で、手数料取る。手数料取って、次また連絡をすると、いや、あなたはどことどことどこに多重債務をしておるのだ、それを調査するのにまた手数料が掛かるから、はい、手数料振り込めと。そういったことで、しかも悪質なのは、実は今日は金曜日だった、金曜日だからすぐ振り込みができない、だから来週月曜日になると。月曜日になるから、実はお金を確保しておかなきゃいかぬのだと、あんたに振り込む分だけ、融資する分を。だから、それを融資する、確保するのにまた更に手数料が掛かるから、幾ら幾ら今日じゅうに金を振り込めと。で、月曜日になったら、いや、どうだこうだと言って結局は融資しない、そういう被害が出ている。そういったやみ金にかかわる被害が、最近、特に地方にダイレクトメールを送り付けるもんですから、北海道だとか九州だとか、そちらの方が比較的被害が多くなってきていると、そういう状況になっていると聞いています。警察庁としてこういった事案に対してどのように取り組んでいるのか、またどのような対策といいますか、各消費者生活センターとの連携だとか、そういったものについて教えていただきたい。  あわせて、そういう被害に遭った方々は結局家族には隠している、自分一人で悶々としながらやるもんですから余計どこに相談に行っていいのか全く分からない、変なところに行けば家族にばれるからと、こういったこともあるようでして、是非そこらを、全国でこういうところに相談に行けばある程度秘密を守って相談に乗ってくれるよというのがあれば、是非また教えていただきたいというふうに思いますが、いかがでしょう。
  75. 伊藤哲朗

    政府参考人伊藤哲朗君) お答えいたします。  国民の方がこういった問題について警察へ相談されようとする際に、警察のどこに相談したらよいのか分からないということのないように、各警察におきましては、各種の警察相談に適切に対応するために、まず各都道府県警察本部にそれらを一次的に受け付ける警察総合相談室というものを設置しておりまして、この対応に当たっております。また、本部だけではなくて、各警察署におきましても、同様の趣旨で警察安全相談窓口を設置してそれぞれの相談に当たっているところであります。  こうした相談というのは大変多くなっておりまして、平成十五年中における取扱件数は、現在まだ集計中ではございますけれども、概数で申し上げますと、全国総数で約百五十万件を超えております。そのうち、特定商取引ややみ金融を含む金融関係取引に関する相談は約二十六万件に上っていると……
  76. 平田健二

    ○平田健二君 二十六万件ですか。
  77. 伊藤哲朗

    政府参考人伊藤哲朗君) はい、状況でございます。  こうした相談につきまして、いろいろと事件性のあるもの、もちろんないものとたくさんあるわけでございますけれども、事件性が認められるものにつきましては、やみ金融事犯や特定商取引法違反等の悪質商法事犯であれば生活安全部門が、そしてまた詐欺等に当たるような、刑法に当たる場合につきましては刑事部門がその後の捜査に当たっているという状況でございます。  今後とも、警察への相談につきましては、警察としましても相談者、被害者の意向を十分に踏まえながら適切に対応してまいりたいというふうに考えております。
  78. 平田健二

    ○平田健二君 どうもありがとうございました。  時間がありましょうから、どうぞお引き取りになって結構でございます。ありがとうございました。  次に、この特定取引の取締り状況について、今、若干やみ金の問題についてはお聞きしましたけれども、お尋ねをしたいと思います。  これは経済産業省で結構ですが、まずセンターへの相談は八十七万件とここでは書いておりますけれども、被害の件数、相談じゃなくて被害の件数、実際に被害に遭った件数が分かれば教えていただきたい。また、今ちょっとお話がありましたように、警察による検挙数、訴訟の件数、あるいはセンターによるあっせん、それから調停等の数が分かれば教えていただきたいというふうに思います。  やっぱり相談は来るけれども、実態はどうなっておるんだと。相談が八十七万件、そのうち六割が特定商取引ですから、その六割の約六十万件ですか、六十万件に近いのの中から、実際に被害に遭って、警察が検挙したり、あるいは生活センターがあっせんしたり調停したりした件数が分かれば教えていただきたいと思います。
  79. 青木宏道

    政府参考人青木宏道君) 平田委員より四点御質問がございました。  まず一点目の特定商取引に係る具体的な被害の状況でございますが、これは残念ながら、結論から申し上げますと、しっかりした数字がございません。  御案内のとおり、各地の消費生活センター、これは四百九十か所ございますけれども、こうした各地の苦情相談が国民生活センターのPIO—NETというものに登録をされてございます。この中身を見ますと、消費生活センターの相談員などのアドバイスによりまして被害にそもそも至らなかったもの、そういうものも入ってございますし、あるいは被害がいったんあったとしても被害がすぐに回復をされてしまっているといったような、個々の事案の進行の程度が個別案件によって相当違うという事情もございます。また、相談員の助言を受けた消費者からも結果の報告が実はないといったようなこともございまして、必ずしも明確になっていないというのが現状でございます。  ただ、この情報は、先ほども申し上げましたように、最近やはり若者についてのアポイントメントセールスが非常に相談が多いとか、あるいは御老人について、高齢者についての点検商法についてのものが多いといったような、いわゆる消費者被害の傾向、動向を把握するということでは大変重要でございまして、私ども、今回の法改正、見直しに当たって貴重な参考資料とさせていただいたところでございます。  二点目の検挙の御質問でございますけれども、警察庁によりますと、最近の五年間、平成十一年から十五年でございますけれども、特定商取法違反事案といたしまして、事件数では約年間百件でございます。それから、検挙人員でございますが、これは多少年によって凸凹はございますけれども、二百人から約三百人、単純平均をいたしますと平均二百七十一人という検挙人員数でございます。  それから、民事訴訟につきましては、これは最高裁の事務局によりましても、残念ながら、例えば特定商取法に基づく民事訴訟といった、いわゆる根拠、請求の根拠となるような法律ごとの区分はしていないというのが実情でございます。  最後に、調停、あっせんでございますけれども、先ほど特定商取引法についての平成十四年度の苦情相談件数、五十七万件でございまして、この中には、ほんの照会から、いわゆる苦情、あるいは解決を求めてくると、区々でございますけれども、そうした中で消費生活センター等におきまして実際に解決に向けたあっせんを行ったというのは約四万八千件と承知しておりまして、全体の五十七万件で単純に割りますと約八%と推定できるというふうに承知をしております。
  80. 平田健二

    ○平田健二君 結局、消費者センター等に相談をしてもなかなか、今お話がありましたように、四万八千件あっせんをする、実際に被害の状況はなかなかよく分からないと、こういう実態ですね。  やはりそれは、相談をした人がもう自分で解決したというケースも相当数あるでしょうけれども、やっぱりある程度絞り込んで追跡調査をするとか、そういったことをやれば傾向値はつかめるんだと思いますね。ですから、是非一度そういったことも検討をしていただけたらというふうに思っていますけれどもね。相談があれば、もちろんプライバシーの問題もありましょうけれども、やっぱり特徴的なものは追跡調査をしてどうだったかということは、やっぱり実態をある程度把握するということも必要ではないかなというふうに思っていますんで、是非ひとつ御検討をいただきたいというふうに思っております。  それで次に、苦情相談が生活センター、消費生活センターにあるわけですけれども、経済産業省との連携体制はどのようになっているのか、お尋ねをいたしたいと思います。
  81. 青木宏道

    政府参考人青木宏道君) 地方の消費生活センター、全国で現在約四百九十か所ございます。トラブルに遭われました消費者の方々にとっては最も身近な相談窓口でございまして、私ども、その重要な機能ということは大変認識をしているところでございます。  経済産業省といたしましては、この消費生活センターの言わば取りまとめに当たります内閣府と協力しながら、消費生活センターの連携を強化し、またその活動支援をするための諸活動をやっているところでございます。  まず具体的には、私ども、本省あるいは各地方通産局の職員に対して研修の機会というのをやっておりますが、その際、あわせて、地方自治体の執行部、法執行部の職員、あるいは消費生活センターの相談員の方々、こういう方にも一緒に参加をしていただくといったようなことがございます。  例えば、平成十三年から十五年の三か年で約三百名弱の研修を受けている者がございます。約半分は地方公共団体の職員あるいは消費生活センターの職員でございます。また、現実に消費生活センターの相談員の方々が消費者との御相談に当たりますときには、やはり細かい法律の解釈ですとか運用について非常に疑義が生ずるといったようなことがございます。その都度私どもの方に情報交換、意見交換をしているところでございます。こうしたものも年間千件以上照会があるところでございます。  また、当然のことでございますけれども、私ども、消費者行政の普及啓発に非常に力を入れているところでございますけれども、消費生活センターで活用していただきますよう、広報の素材あるいはパンフレットの提供、こういったものも提供しているところでございます。  また、先ほど来御答弁申し上げておりますように、消費生活センターが受け付けた苦情の内容といいますのはトラブルの傾向を示す非常な重要な参考資料でございまして、国民生活センターの協力を得て、そのデータの動向の分析、収集、そういったような点についても大変御協力を仰いでいるということでございます。
  82. 平田健二

    ○平田健二君 十六年度に専門知識を有する職員として十名程度要求をされて執行体制に当たるということですけれども、十五年度の行政処分、いわゆる特定商取引に関する行政処分が二十六件、十三年以降、大体同じような数字で推移しておるんですけれども、処分を下す前提となる調査、なぜこの二十六件、平成十五年度は二十六件処分をしたのかというその理由、調査は一体何件やって二十六件の行政処分になったのか、具体的にどのような業者に対して調査をされたのか、お尋ねをしたいと思います。
  83. 青木宏道

    政府参考人青木宏道君) まず、私どもが行政処分を実施いたしますときには、当省の本省及び各地経済産業局に消費者相談室を設けておりますけれども、そうしたところに寄せられます苦情相談ですとか、あるいは先ほど来出ております全国各地の消費生活センター等々に寄せられた情報国民生活センターを通じて私ども入手をしております。そうしたものの収集、分析によりまして、違反行為の疑いに関する言わば基礎的な調査を行うというのが第一段階でございます。  第二段階といたしましては、消費者から内々いろいろ事情を聴取するといったようなこともございます。その上で、法令違反が疑われる事業者に対しては報告徴収、あるいは必要があれば立入検査を行うといったような必要な調査をやってございます。そうした違反事実の裏付けが固まった段階で、いわゆる弁明の機会の付与といったような所定の行政上の手続を経まして、最終的に行政処分をするという段取りでございます。  調査件数についてお尋ねがございましたが、先ほど申し上げておりますように、いろんなところから極めて多い数が参っておりまして、そうしたものを、苦情相談の分析から始まり、あるいは報告徴収等々、各段階を経ているものですから、一概に具体的な件数を申し上げられるということはなかなか難しゅうございます。  ただ、一つ、例えばということで申し上げます。平成十三年度から十五年度の三年間で経済産業省だけで二十九件行政処分をしておりますけれども、その間、こうしたものを裏付けるために、いわゆる報告徴収あるいは立入検査というものは、その十倍とは言いませんが、約二百二十二件実施をしているところでございます。  また、以上申し上げましたほかに、実は最近インターネットの広告というものについての違反、これが、非常にインターネットが手軽にだれでもできるといったようなものもございまして、私ども、平成十二年の改正でこの点についての法規制の強化をさせていただきました。そうしたものも踏まえまして、最近、広告サイトについて、これをもう常時監視をするという体制を取っておりまして、最近三年間では約四万三千件の調査をいたしまして、その違反のおそれがあるものについて一万三千件の警告を行うといったようなこともやっているところでございます。
  84. 平田健二

    ○平田健二君 今回の法改正でも、消費者保護といいながら、非常に法律の表現、文言が難しいんですね、なかなか理解できない部分がある。  例えば、公衆の出入りしない個室というのはどういうことを指すのか。ちょっと、私もこれ見て、公衆の出入りしない個室とはどういう場所なのか、あるいは、商品の性能、品質の説明の範囲はここまでということをきちっと具体的にやった方がいいというふうに思っております。やっぱり消費者が参考にできるような分かりやすいものにしていく必要があるというふうに思っております。  是非、今回法改正をしましたけれども、周知徹底の方法はどうやってやるのか、公衆の出入りしない個室というのはこういうことですよとどうやって説明するのか、ちょっと教えていただきたいと思います。
  85. 江田康幸

    大臣政務官(江田康幸君) 経済産業省としましては、まず、特にトラブルに遭いやすい大学生などの若年層や高齢者に重点を置いて消費者への情報提供や啓発に積極的に取り組んでいるところでございます。また、普及啓発の際には、先生指摘のように、できるだけ受け手となる消費者の立場に立って分かりやすいものとなるように努力をしているところでございます。  例えば、若年層につきましては、高等学校の学習指導要領に取り上げていただいておりまして、当省からも全国の約半数、二千五百校でございますが、高校に啓発ビデオを配布したところでございます。また、ビデオには人気タレントとかを起用しまして、若い高校生が関心を持って見るように、そういう工夫もしているところでございます。  成人式でも百万部以上の啓発パンフレットも配布しております。大学におきましては、大学、短大、約千二百校に対してマルチ商法に関する注意喚起の通達を発出させていただいて、パンフレットも配布をさせて、努力しているところでございます。  高齢者向けの普及啓発としましては、地方自治体と連携をしまして敬老会でパンフレットを配布しておりますが、五十二万部ほどのパンフレットを配布したところでございます。その際に、高齢者の方々が読みやすいように、より好まれる落ち着いた色合いにするとか、文字を大きくするという配慮をしているところでございます。  本法案も成立しますれば、分かりやすい広報素材を作成して、様々な方法を活用しながらこの普及啓発に努めていきたい、そのように思っております。
  86. 平田健二

    ○平田健二君 ここに、これ全国防犯協会連合会が作った「騙しのテクニック」という、気を付けなさいという漫画があるんです、漫画。  これを見ますと、確かにおもしろいんですが、なるほどなとよく分かります。ああ、こう言ってだますんだというのが、だまされるんだというのが書いてあるんです。こういった本は多分相当数作って、部数作って配布されたと思いますが、ここまでいかなくても、もう少し分かりやすいものを是非作っていただきたいなと思っております。  さて、そこで、これは昨日の夕刊です。日本を代表するような新聞、大手新聞です。これにある会社の保険の勧誘といいますか、保険に入りませんかという広告が載っておるんです。これについてお尋ねをいたします。多分初めてだと思いますので。  だれでも入れますと書いてあるんです。字が小さ過ぎて読めませんので眼鏡を掛けますが、これは比較的大きいんですけれども、医者の診査は要りません、これはテレビでやっていますね。ほとんど毎日、何回も何回も放送されているやつです。医者の診査は要りませんと書いてあるんですが、小さな字で、当プランは健康状態や職業などによって御契約をお引き受けできない場合もございます。まあ、そうでしょう。ところが、これ隣にあるんです。有名な女優さんが紹介しておるんですけれどもね、満七十九歳まで入れる保険、これは特徴は、転んだときに骨が折れた、そのときに保障金を払いましょうと、こういうんです。七十九歳まで入れます。しかし小さな字で、満八十歳の誕生日を迎えた後、次年度の契約から上記保険金額はそれまでの保険金額の半額になりますと書いてある。七十九歳まで入れます、しかし満八十歳になったら、ここに書いてある保険金は半額だよと、しかし保険料は変わりませんと、こう書いておる。  これは私はそう問題ではないと思いますが、きちっと書いてありますからね。しかし、この法に書いてあるんですよね、実は。説明により消費者の誤認や過大な期待をねらった商品等については取り締まるとなっておるんです。これはその範疇に入りませんかね。こういうのが堂々とテレビでも新聞でも出ておるわけですよ。これやっぱり少し、誇大広告とは言いませんが、消費者が誤認をする危険性があると。こういったところについてはチェックしておるんでしょうか、お尋ねします。
  87. 青木宏道

    政府参考人青木宏道君) 私、その広告、まだ見ておりませんのであれでございますが、いわゆる特定商取引法はいわゆる金融商品の販売は対象としておりません。これにつきましては、金融商品販売法あるいは景品表示法といったような別の法律規制をされておるというふうに理解をしております。
  88. 平田健二

    ○平田健二君 まあ、多分そうだろうというふうに思っておりました。しかし、一般論として、こういった広告じゃないと消費者は飛び付かないと、だからこういった方法をやるんだろうと。確かに、これ違法ではないと思いますよ、違法ではない。多分、相当きちっと、有名な会社ですから、調査をされてこういう広告を出しておると思いますが、しかし、特定商取引法の趣旨からすると、私はある部分では反しているんじゃないかなというふうに思います。  一度、是非、こういったものを禁止するというわけにいきませんが、もっと消費者にすっと分かるような方法で広告を出すということぐらいは指導してもいいんじゃないかなというふうに思っておりますけれども、いかがでしょうか、大臣
  89. 中川昭一

    国務大臣中川昭一君) それ、改めて後で拝見いたしますけれども、平田委員の御説明を前提にしてお答えするならば、先ほど商務審議官の方から答弁したとおりというのが我が省の立場でございますけれども、内閣一体となって消費者保護会議というものございますので、一国務大臣といいましょうか政治家の立場としては、やっぱりそれは消費者に大変な誤解を招く広告になりかねないと。特にお年寄りをターゲットといいましょうか、お年寄りをねらった広告であればいろいろと、見にくいとか字の大きさとかいろいろあって、有名なタレントさんが出ているとかということで信用してしまう、あるいはまた大きい字だけを見てしまうということになれば、結果的に消費者に誤解を与える。それは我々政府として目指すべき方向ではないというふうに考えております。
  90. 平田健二

    ○平田健二君 結局、この法律改正しても、やっぱり悪いことをしようというのは、ちょっといかがかと思いますけれども、やはりどうしても法のすき間をねらってやってくる人たちというのは必ずおるわけですね。それを全体を取り締まるということだけでこういった被害といいますかがなくなるとは思いませんし、私はやっぱり最終的には消費者が、個人個人がいかに自分自身を守るか、そういったものにだまされないように注意するかということは、ある程度はやはり学習だと思うんですね。そういう意味で、私は小、中、高、大とありますが、やっぱり学校の教育の中に賢い消費者だというようなカリキュラムをある程度やっぱり入れていくべきだと、べきだと言うのはおかしいですな、そういうことを指導する必要もありますよというふうに私は思っております。  是非、これ政府挙げて、この消費者問題については、もう対症療法ではなくて根本からやはり見直すということを是非提案をしたいと思っております。  以上で終わります。
  91. 谷川秀善

    委員長谷川秀善君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後一時に再開することとし、休憩をいたします。    午前十一時五十六分休憩      ─────・─────    午後一時開会
  92. 谷川秀善

    委員長谷川秀善君) ただいまから経済産業委員会を再開いたします。  委員異動について御報告をいたします。  本日、直嶋正行君が委員辞任され、その補欠として平野達男君が選任されました。     ─────────────
  93. 谷川秀善

    委員長谷川秀善君) 休憩前に引き続き、商品取引所法の一部を改正する法律案及び特定商取引に関する法律及び割賦販売法の一部を改正する法律案の両案を一括して議題とし、質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言を願います。
  94. 福島啓史郎

    福島啓史郎君 自由民主党の福島啓史郎であります。  今日は、私、実は食育基本法案趣旨説明ということもどうやら可能性としてありましたので、午前中、広野先生また平田先生に時間を差し繰りいただきまして、ありがとうございました。食育基本法の方はちょっと先送りになったわけでございますが、今日は商品取引所法、また特定商取引法等の改正案につきまして御質問したいと思います。  商品先物取引といいますのは、私は重要な産業インフラだと思います。要するに、リスクヘッジあるいは価格の先行指標を示すものということで、特に不透明性が増す世界経済あるいは日本経済の中でも重要な産業インフラだと思うわけでございます。かつまた、これはリスクを当然肩代わりする、そういう投機資金といいますか、投資資金が要るわけでございますので、その意味でも先進国が果たすべきものだというふうに思っております。  そういう意味からいいまして、三極構造の中で、日本アメリカ、ヨーロッパの三極の中で一翼を担うべきだと思うわけでございますが、しかしどうも先物等、日本におきましてこれが成長していない、三極構造の中で一極を占めるほどになっていないということが事情にあるわけでございます。これは一方、委託者紛議の問題という問題もありますけれども、やはり産業インフラという意識が欠けているんじゃないかと思うわけでございます。  この商品先物取引所法につきましては、九〇年代に二度改正しております。一九九〇年の改正、これは私、当時担当課長としてやってまいったわけでございますし、またもう一つ、一九九八年の改正、担当局長として施行を担当したわけでございます。いずれも国際化を促進する、また商品先物市場の機能の拡充を図っていく、また委託者保護の充実を図っていくということをねらったものでございます。  今回の改正もこれら三つの方向に沿ったものだと考えているわけでございますけれども、この九〇年改正及び九八年改正の効果につきまして、まず経済産業省にお聞きします。
  95. 青木宏道

    政府参考人青木宏道君) お答え申し上げます。  御案内のとおり、九〇年代、平成二年、平成十年の二回にわたりまして商品取引所法改正となっております。  平成二年の改正でございますけれども、正に委員が御改正になられたわけでございますけれども、その眼目は、委託者保護の充実、そして我が国商品先物市場国際化が眼目であったというふうに承知をしております。具体的には、まず委託者保護の面では、分離保管制度の導入、あるいは受託契約締結前の書面交付義務といったものの導入がなされております。また、国際化の面では、いわゆるインハウス型のクリアリングハウス、清算機関の導入、あるいは試験上場制度、指数取引、オプション取引と、こういったものが導入がなされております。  平成十年、一九九八年改正でございますけれども、これは主として市場利便性信頼性の向上をねらったものでございまして、具体的には、利便性の向上では、委託手数料の自由化、試験上場手続の要件の見直し、あるいは手続の見直し化でございます。また、信頼性の向上では、委託者保護のために、先ほど来出ておりますいわゆる日本商品先物取引協会、自主規制団体が当時の振興団体とは切り離されて新たに創設されたといったような改正がなされているところでございます。  両改正の結果でございますけれども、まず市場利便性信頼性の向上では、自後、延べ約三十品目について新規商品上場がなされております。特に平成十一年の石油市場、石油の上場、これはその後、大変大型商品に発展をしているものでございます。また、平成二年改正で行われましたインハウス型のクリアリングハウスの導入、これが平成十五年に、東京工業品取引所におきまして昨年の夏に導入をされました。これを契機に外資系金融機関が商品取引員として参入をするといったような副次的な効果も出ているところでございます。  ただ、先ほど来御議論出ておりますけれども、近年、国際的な市場競争が大変激化をしております。そういう意味では、新たな資金調達、あるいは意思決定の迅速にやるという意味での取引所株式会社化といったようなものの選択肢の導入、あるいはクリアリングハウスについてはアウトハウス型の制度を導入するといったような更なる制度整備が必要であるというふうに私ども認識をしております。  第二点目の委託者保護の面でございますけれども、これも一定の効果はあったと考えておりますけれども、しかしながら、その後の商品先物市場の急速な拡大、これに伴いまして委託者トラブルも非常に増加をしております。特に、本年末をもちまして委託手数料、特に小口の面につきまして、これも含めまして完全自由化が実現をすることになります。そういう観点からは、委託者保全制度の抜本的強化、あるいは勧誘規制の強化など入口段階での規制強化、そうした委託者保護を大幅に強化する必要があるというふうに考えているところでございます。  このような認識に立ちまして、今回の改正案におきましては、第一に、まず何よりも委託者保護を抜本的に強化をする、そして国際化に対応して内外の投資家が安心して参入していただける信頼性利便性の高い市場制度を整備する、こういった措置を盛り込んでいるところでございます。
  96. 福島啓史郎

    福島啓史郎君 それで、国際化の進展の中で、我が国商品市場の地位はどの程度の地位にあるのか、また海外からの注文はどの程度を占めているのか、また海外市場とのアービトラージの状況はどうなっているか、お答えください。簡単にしてくださいね。
  97. 青木宏道

    政府参考人青木宏道君) 我が国先物市場でございますが、御案内のとおり、石油市場を中心にこのところ非常に急速に拡大をしております。金額で申し上げますと、平成十五年は二百十九兆円、平成十年の七十三兆円に比べまして三倍に増加をしております。そうした中で、特に我が国先物市場の約六割を占めております東京工業品取引所、これは世界の商品先物市場の出来高でも、十年前の四位、これが近時では二位に躍進をしているということでございます。ニューヨーク商業取引所に次ぐ地位を占めているところでございます。  また、海外からの参加割合でございますけれども、東京工業品取引所の代表的な商品であります金あるいは石油につきまして、投資銀行あるいはファンドを中心としまして、このところ海外からの参加が増加をしております。具体的には、平成十四年の初めから十五年末までの二年間でございますけれども、例えば金で申し上げますと四%が八%、ガソリンは二%が八%、灯油、原油につきましては、それぞれ一%がそれぞれ八%、一一%と、かなりこのところ機関投資家を中心に海外からの参加拡大をしている、こういう状況でございます。  最後に、裁定取引、アービトラージでございますけれども、これは先生御案内のとおり、その性格上、こういう取引がアービトラージであるといったようなものが顕在化をいたしませんので、確たるデータはございませんけれども、しかし大手商社を中心に、特に石油といった国際市況商品におきまして積極的に利用されていると、そのように聞いております。
  98. 福島啓史郎

    福島啓史郎君 相当国際化が進んできたということでございますが、問題は、一つは売買単位が日本の場合小さいわけですね。アメリカと比べてどの程度ですか。金及び石油について答えてください。
  99. 青木宏道

    政府参考人青木宏道君) 先生のおっしゃるように小そうございまして、ちょっとデータ手元にございません。申し訳ございません。
  100. 福島啓史郎

    福島啓史郎君 売買単位が小さいんですね。それから、したがって手数料を取られる、しかし、今度手数料は自由化になるので、その点はカバーできると思うんです。商品設計の問題ですから、どういう顧客、投資家をねらうかということにもよってくるわけでございますけれども、国際市場に倣うということであれば、売買単位についても検討は進めていただきたいと思うわけでございます。  次に、今回、相当程度の改正部分は、証券取引法の改正に倣っている、委託者分離保管等ですね、ということでございますけれども、実は一九九〇年の改正では、証券にはなかったものとして、一つは分離保管制度というのが当時は証券になかったけれども、商品取引所法では設けたわけでございますね。それからまた、もう一つは、相互決済方式ということで、海外での取引所と相互に決済できる仕組みを考えたわけでございます。これは例えばシンガポールのゴムなどを考えたわけでございます。最近、東証でも、東京証券取引所でもこうした相互決済方式を検討しているというふうに新聞等出ておりましたけれども、その後の利用状況はどうでしょうか。
  101. 青木宏道

    政府参考人青木宏道君) 相互決済結了取引制度、いわゆる相互決済制度でございますけれども、これは、平成二年の改正におきまして、商品先物取引国際化の進展に対応しまして言わば取引時間の実質的な延長を可能とする、こういう趣旨から導入されたところでございます。これまでのところ、我が国商品取引所において具体的に導入された実績はございません。また、ちなみに、海外取引所においても現在のところ運用されている事例は聞いておりません。  この相互決済制の導入のためには、海外商品取引所との間で、上場商品あるいはその取引条件の共通化、あるいは決済の調整のためのいわゆる清算機関同士の業務提携、こういったものが必要になろうかと思います。  今後、各取引所におきまして、こうした条件整備への対応、あるいは具体的なニーズの状況、こうしたものを踏まえまして必要に応じて検討がなされると、このように考えております。
  102. 福島啓史郎

    福島啓史郎君 先ほど申しましたように、証券に先駆けて分離保管をしたわけでございますが、その実効が必ずしも十分でなかったという問題、罰則等あったと思います、また検査、罰則などの問題。  私は、当時、アメリカ商品取引所の首脳陣と話をしたとき、この分離保管とクリアリングハウスというのが商品先物市場として二大必須条件だということで、それを導入したわけでございます。今回の改正で証拠金の取引所の全額預託と分離保管措置の強化が講じられたわけでございますけれども、私は、アメリカのやり方に倣って、分離保管の強化、特に先取特権を導入すべきだというふうに考えますが、これについてはいかがですか。
  103. 青木宏道

    政府参考人青木宏道君) 今回の改正案におきましては、委員指摘のように、証拠金取引の金額を全額直接預託をするといったような制度を導入しますとともに、分離保管義務については、これを厳格化し、特に毀損のおそれのあります銀行預託、これを廃止をする、代わりに信託といったような確実な保全措置を義務付けると、こういう措置を講ずることといたしてございます。  御指摘の先取特権の導入につきましては、これはなかなか難しい問題でございますけれども、私ども、今回の改正の過程では、いろいろ議論いたしましたけれども、少なくとも本改正案のような厳格な分離保管措置の方が言わば日本委託者資産保全の実効性を上げるという意味ではより効果が高いものではないかというふうに考えたところでございます。  まず、法律の面でございますけれども、言わば信託のように資産保全が確実なもの以外でございますので、例えば銀行預託を前提に先取特権を導入するといったようなことが想定をされますけれども、銀行預託の場合は銀行が必ずしも払出しの目的を形式的なチェック以上することができない、そのために流用を確実に防止をできないというのが実態でございます。こうした結果、先取特権を仮に法定化したとしましても、その特権を行使する前にその対象財産が毀損されてしまっていれば、これは意味がないということになってしまうわけでございます。  それから、商品取引員の破産宣告前に、やはり他の一般債権者が差押手続あるいは裁判所の転付命令と、これを素早く先行した場合にも同様に先取特権で確保すべき財産がもはや存在しないといったような状況が生じます。今回の法律案改正案におきましては、銀行預託を廃止してより確実な保全措置に限定したというのも、このような事態が生ずることを確実に防止をしたいと、こういう考えでございます。  それから第二点目が、実際問題でございます。  実際問題といたしましても、先取特権を行使するためには、個々の委託者が差押えを行い、裁判所の転付命令を得ることが必要でございます。ただ、実際、このような先取特権を行使いたす場合に、日本委託者というのが必ずしも法律的な専門知識を有しない、そういう場合に、他の債権者に先行して行うというのはなかなか困難が伴うんではないかということでございます。  ちなみに、昭和四十二年の改正におきまして、当時、仲買保証金というのがございました。これは現存します受託業務保証金の前身に当たるものでございます。その仲買保証金には実は先取特権を認めておりまして、ただ、やはりこれがなかなか実効が上がらないということで、四十二年改正委託者の直接請求を認めるという意味で受託業務保証金に改正をいたしましたのも、言わばこういう先取特権の難点があったからというふうに理解をしております。
  104. 福島啓史郎

    福島啓史郎君 じゃ、アメリカではなぜ先取特権でうまくいっているんですか。
  105. 小川秀樹

    政府参考人小川秀樹君) アメリカの先取特権の制度、法制度の基本が異なりますのでなかなか直接比較が難しいわけでございますけれども、少なくとも我が国の先取特権の基本的な性格、制度ということを踏まえますと、先ほど青木審議官からお答えしたとおりでございますけれども、やはり総財産が毀損してしまった場合には先取特権ではそれを追っ掛けるわけにいかないものですから、今回はむしろ財産を取り分けて信託等できちっと保全すると。しかも、信託等の場合には、破産の場合にも破産財産に組み込まれないできちっとした事実上の非常に強い優先弁済権があるということで、委託者財産の保全には相対的に見てより高いのではないかというふうに考えた次第でございます。
  106. 福島啓史郎

    福島啓史郎君 私は、理論的に言えば、分離保管がしっかりしておれば取引所に持っていく必要はないわけでございます。そこは、その意味での一番強い法的な権利といいますのは先取特権だと思います。しかし、委託者の性格等の問題は確かに日本アメリカと事情が違う点はあるとは思います。  しかし、基本的には分離保管というのが非常に機動的に対応できるわけでございますので、この分離保管の強化、それと先取特権を与えることの検討を是非信託と組み合わせて検討していただきたいと。これは、大臣、いかがですか。
  107. 中川昭一

    国務大臣中川昭一君) この商品先物取引制度の安定化のために委託者保護ということが最重要の一つのポイントだろうと、ポイントの一つだろうと思っております。いろんな考え方があると思いますし、時代に応じて、状況に応じていろいろとその目的に向かって制度を充実していくという必要が常にあると思っております。
  108. 福島啓史郎

    福島啓史郎君 次に、クリアリングハウスについてお聞きしたいと思います。  これは先ほど説明ありましたように九〇年改正で導入されたわけでございますが、当時、インナー型とアウター型と議論がありまして、結局はアウター型は見送りとなったわけでございます。しかし、効率性あるいは利便性を考えますと、取引所共通で運営できるアウター型のクリアリングハウスが私は望ましいというふうに考えます。  主務省もその方向で指導すべきだと考えますが、大臣の御見解はいかがでしょうか。
  109. 坂本剛二

    ○副大臣坂本剛二君) 御指摘のアウトハウス型のクリアリングハウス制度は今回の法改正でできることになります。このアウトハウス型には、一般メリットに加えまして、取引参加者が複数の商品取引所取引している場合でも決済を一か所で一括して行えるという効率性があります。それから、商品取引所にとって業務の効率化が図られるというメリットもあるわけでございます。  現在、七つの商品取引所があり、東京工業品取引所のみがインハウス型のクリアリング取引を実施をしている状況でございますが、今回の、取引所外にクリアリングハウスを設立して、我が国商品先物市場全体の利便性、効率性の向上に大きく寄与するものと期待しております。  御指摘のように、政府としては、今回の法改正を踏まえて、七取引所共通のクリアリングハウスの設立に向けて指導してまいる所存でございます。
  110. 福島啓史郎

    福島啓史郎君 是非その方向で指導をお願いしたいと思います。  次に、これも議論、先ほど、午前中出ておりましたけれども、商品取引所株式会社化の見通しでございます。  これは、私、あの当時といいますか、四年前にシカゴを訪問したときに、CMEのメラメッド会長は、株式会社化するのはグローバル競争に打ちかつためだ、そのための電子取引網を整備するためにはお金が掛かる、それを株式会社化によって調達するんだと言っていましたけれども、日本の場合、株式会社化の見通しはどうなのか。特に中部取引所株式会社化に関心を持っているというふうに聞いていますが、どういう見通しを持っておられますか。
  111. 青木宏道

    政府参考人青木宏道君) 商品取引所の組織形態、これにつきましては、今回の法律改正案におきまして、従来の会員組織のみならず、いわゆる株式会社形態が認められることになります。どういう形態にするかということについては、これは一義的には各取引所会員の総意を踏まえて判断すべきことであろうというふうに私ども考えております。  ただ、おっしゃるように、大変市場競争が激しくなる中で意思決定の迅速化あるいは大規模資金調達の必要性、そういった点から見ますと、欧米ではほとんどの取引所株式会社化をしていると。アジアにおきましても、例えば中国あるいは韓国といった一部の例外を除くとやはり株式会社になっているといったようなことから、世界の潮流は相当株式会社の方に流れているというふうに考えております。そうした株式会社の制度導入が今回可能となりますので、この資金調達の円滑化といったメリット、こうしたものを踏まえまして各取引所においてその組織の在り方について具体的な検討が進むと、こういうふうに強く期待をしております。
  112. 福島啓史郎

    福島啓史郎君 次に、上場商品の追加についてお伺いします。  私は、価格変動あるいはヘッジニーズから見まして可能性なり必要性が高いのは、農産物では米それから子牛、牛肉ですね、これは子牛農家と肥育農家違っていますから、そのリスクヘッジ、非常に困っているわけです。特に今、御案内のとおり子牛価格が高くなって、それを一年あるいは一年半後出荷するときに牛肉の価格としてどの程度の価格が期待できるのか、当然ヘッジニーズというのはあるわけでございますが、そういった場がないわけでございます。是非とも検討をすべきだと思います。  それから、経産省関係では銅それからLPG、電力、それからCO2の排出権取引など考えられますが、対応状況等についていかがでしょうか。
  113. 市川一朗

    ○副大臣(市川一朗君) 私どもも、商品先物市場役割につきましては、生産者や流通業者等のいわゆる当事者が販売したり購入したりする物品の価格変動が経営に及ぼすリスク、いわゆる価格変動リスクをヘッジするということは極めて重要であると考えておりまして、需給構造、流通事情の変化等によりましてある物品の価格変動が大きくなり、それに伴うヘッジのニーズが高まったような場合には、当該物品を機動的に上場してヘッジニーズにこたえていくことが必要であるという基本的な考え方を持っております。  今、委員が米、子牛、牛肉と挙げられました。米につきましては、午前中も広野委員と御議論があったところでございますが、確かに議論といたしまして、一つは、今、福島委員も言われましたけれども、リスクヘッジの手法として先物取引に関心を示す強い意見もあります。しかし一方で、米は国民の主食でありまして、需給調整を行う中で、先物取引によって生じ得る投機的価格の変動が米の安定供給に悪影響を及ぼす懸念があるという意見もあるわけでありまして、福島委員御案内のとおり、この二、三年の米政策改革をめぐる議論の中でこの辺の議論はいろいろとなされているわけでございますが、もう一つ私どもとしてはその方向を見定める必要があるのではないかなと思っておりますが、いずれにいたしましても、こういったことにつきましては各商品取引所からの申請が行われるということが前提でございまして、現時点ではまだそういう諸条件が整っている状況ではないのではないかというふうには判断しておりますが、一つの大きな課題であるという点では御指摘のとおりだと思っております。  それから、子牛、牛肉の問題につきましては、これもそれぞれいろいろな問題がございまして、子牛は生き物でございますし、牛肉の問題、またいろいろ価格その他が違います。そして、それぞれにつきましていわゆる価格安定制度みたいなのがございますので、その辺との政策の整合性等もいろいろ議論する必要があるのではないかというような問題意識を持っているところでございます。
  114. 福島啓史郎

    福島啓史郎君 アメリカではCMEで子牛価格取引されておりますし、子牛の場合は不足払いですから、市場価格と直接影響しないので、それは問題ないと思います。  いずれにしましても、取引所に申請があればこれは法律の手続に従って判断するということになるかと思います。米論議の中でも、私、先物取引を使うことの、何といいますか、可能性あるいは必要性について論じたところでございます。引き続き御議論をいただきたいと思います。  経産省の方、どうでしょうか。
  115. 江田康幸

    大臣政務官(江田康幸君) 個別商品商品取引所への上場につきましては、当該商品の特性に基づいて価格変動に対するリスクヘッジや指標価格形成などのニーズを踏まえて検討されるべきものと考えております。  先生指摘の銅、LPGの上場につきましては、この当業者を始めとする関係者におきまして検討が進められることを踏まえて判断をしたいと思っておりますが、現状につきましては、銅におきましてはロンドン金属取引所上場されておりますところもございまして、概して我が国の銅関係者ではこの上場に関しては否定的であるかと存じております。  LPGにつきましては、取引所上場して価格形成機能を発揮すべきとする声も一部にありまして、この検討を開始したところでございます。  電力につきましては、来年四月をめどに電力会社等が参加する卸電力取引所におきまして、先渡し市場及びスポット市場が開設される予定と承知しておりますので、これを見極めた上で判断していくことが適当かと考えます。  最後に、CO2の排出権でございますが、現在、京都議定書に定められた排出量を含め制度の在り方等について様々検討がなされている段階でございます。将来的には商品取引所上場する可能性も念頭に置いて制度の在り方を検討してまいる予定でございます。
  116. 福島啓史郎

    福島啓史郎君 銅についてはLMEがあるからいいじゃないかということが前、まあ昔から言われているんですが、そんなことでは冒頭申し上げましたように三極構造の一極は担えない。是非、これは手続上いえば、申請をすれば特段の問題なければ上場できるようになっていますから、是非この取引所法で検討が進められれば法律に則して手続を進めていただきたいと思います。  それで、今言った電力なりCO2の排出権というのは今の商品取引所法で読めるのかどうか、これについてはいかがですか。
  117. 青木宏道

    政府参考人青木宏道君) 現行法では難しいというふうに考えております。  今般の商品取引所法改正におきまして産業構造審議会の分科会でも議論をしていただきまして、今、江田大臣政務官の御答弁ございましたけれども、この無体財産につきましては、さらに将来上場する可能性も念頭に置いて制度整備の在り方を引き続き検討せよという答申が出ておりまして、私どもそれを踏まえて引き続き検討してまいりたいと思っております。
  118. 福島啓史郎

    福島啓史郎君 私は、物品というのはやっぱり少し時代後れになりつつあるんじゃないかと。無体財産権あるいは知財等も含めたものも対象に、先ほど言いましたCO2の排出権なども対象に、世界では広く先物というのが正にデリバティブの一つとして、また正にリスクヘッジなり価格の先行指標として使われてきておりますので、日本もそれに後れないような検討を進めてください。  それから次に、取引所の合併についてお伺いします。  大阪と関西の合併、これは中部と同様に両省共管取引所になるわけでございますが、その合併を私は主務省も推進すべき時期に来ているんじゃないかと思うわけでございます。また、将来的には大証との統合ということも視野に入れた検討も行うべきときに来ているんじゃないかと思います。  さらには、金先と東京の取引所との統合ということも中長期的な検討課題だと思いますが、これらについての見解はいかがでしょうか。
  119. 江田康幸

    大臣政務官(江田康幸君) 我が国には現在七つの商品取引所がございます。商品取引所同士の合併につきましては、上場商品の品ぞろえの拡大や財務基盤の強化という効果が期待できることから、取引所としての魅力を高める有効な手段の一つと考えることができるかと思います。  御指摘の大阪商品取引所と関西商品取引所との合併につきましても、地理的に近接していること、さらには工業品と農産物と各々の上場商品が異なりますので、こういう諸要素を踏まえながら会員組織である両取引所の将来あるべき方向を会員が中心に考えていく中で検討されるべきことであると考えます。  なお、商品取引所証券取引所、さらには金融先物取引所という合併につきましては、商品の生産、販売を行う当業者にとってのリスクヘッジの場という商品先物市場の特性、それぞれが立脚する制度の相違を踏まえまして、将来的な課題として検討してまいりたいと思っております。
  120. 福島啓史郎

    福島啓史郎君 福岡あるいは横浜の取引所につきましては、ローカル色を出してローカル取引所として生きていくか、あるいは他の取引所との統合を考えるかということだと思うんですが、この辺り、農水省としてはどういうふうにお考えでしょうか。
  121. 田中孝文

    政府参考人田中孝文君) 今、福岡と横浜の取引所についてお尋ねがございました。  先生指摘のとおり、これら小さい取引所でございますが、また、御指摘ありましたように、例えば福岡であればブロイラー、横浜であればバレイショといった、他の取引所では扱っていない商品を取り扱うことで地域特性を出そうという努力をされているということも十分に承知してございます。ただ、先ほど来ありますように、国際競争が激化している中で大規模化のメリットというものを生かしていくということも今後の道というふうに考えられるということがございます。  いずれにしましても、来年四月以降、手数料が自由化されるなり新しい競争条件の下でこれら市場がどのようなビジネスモデルで営業していくかということは、一義的には商品取引員会員とする自主組織である商品取引所自身でお考えいただくべきことでございますが、関係取引所において合併の機運が醸成されるような場合におきましては、役所としてはそれが円滑に進むように対処してまいりたいと思います。
  122. 福島啓史郎

    福島啓史郎君 要するに、ローカルとして生きていくなら、やっぱり特色ある商品上場していかなきゃいけないと思いますね。そういう努力をしていく、あるいは他の取引所との統合を図るということ、やっぱり主務省としても適切な指導が必要ではないかと思います。  次に、委託者紛議の状況につきましてお聞きします。  どんな状況であるか、また自主規制団体の果たすべき役割が重要だと思いますけれども、その現状及び機能充実の方針につきましてお伺いします。
  123. 青木宏道

    政府参考人青木宏道君) 委託者紛議でございます。トラブルでございますけれども、このところ、商品先物市場の急拡大に伴いまして委託者トラブルも増加傾向が見られます。  具体的には、商品先物取引に関しますいわゆる苦情相談件数につきまして、農林水産省及び経済産業省の主務省において受け付けたものが八百五十九件とほぼ横ばいないしは微増でございます。また、日本商品先物協会で受け付けたものが八千五十九件と、これも増加傾向をたどっているところでございます。  御案内のとおり、日商協は、平成十年に業界団体、振興団体と切り離してできた自主規制団体でございまして、現在、自主規制規則の実施あるいはこれの違反に対する制裁、外務員登録制度の運用あるいは試験、研修制度の実施、それから苦情相談への対応及びあっせん、調停の実施といったところについて業務を実施しているところでございます。  例えば、制裁件数でございますけれども、平成十一年創設以降でございますが、二十九件でございます。また、あっせん、調停件数は四百八十三件でございます。この、特にあっせん、調停件数といいますのは、一つは無料で行うことができるというほかに、二つの片務的な要素を持っております。一つは、委託者が裁判ではなくてあっせん、調停で紛議を解決をしたいというふうに望みますと事業者側はこれに従わなければならない、いわゆる裁判に勝手に行ってはならないという面が一つでございます。また、最終的に調停案が出されましたときに、個人の方がそれを受諾をするといった場合にはこれを事業者側も受諾をしなければならないという意味で、大変個人にとって有利な制度となっております。こういう点についてはかなり成果を上げているといったようなところでございます。  ただ、最近やはり委託者トラブルは増加傾向にあるということから、今回の改正案につきましても、御案内のとおり、不当勧誘禁止、あるいは適合性の原則の強化、あるいは商品先物の仕組み、リスク説明義務の法定化、これの違反の場合には無過失損害賠償責任を課すといったような入口段階での規制強化を抜本的に強化したところでございます。  私ども、これを機会として、役所としてもその運用についてガイドラインを作っていきたいと思っておりますけれども、これを更に上回る日商協の自主規制機能というものを更に発揮してもらいたいと、こういう気持ちでおりまして、これを機に日商協の自主規制規則といったようなものを抜本的に強化をするということについて指導してまいりたいと思っております。
  124. 福島啓史郎

    福島啓史郎君 日商協自体は九〇年改正で設けられたわけでございますね。九八年改正で振興機能と分離したわけでございますが、なぜ当時、九〇年改正で設けたかといいますと、やっぱり自らの業界のトラブルはやっぱり自ら浄化していく、解決していくという、そういう姿勢を持たなければ駄目だということで設けたわけでございます。今の御説明を聞きますと、あっせん、調停等で機能を発揮しているようでございます。育つように、この機能が十分発揮されるような指導方、適切な指導をお願いしたいと思います。  そもそも、私は、こうした商品取引をめぐるトラブルといいますのは、基本的には委託者の知識と資産、それと商品取引員が勧めます、あるいは持っております品ぞろえがミスマッチ、適合していないことにあると思うわけでございます。そういう意味で、今回の改正で分離保管の徹底と併せまして、適合性の原則なりあるいは説明義務等が導入されたことは評価し得るところでございます。  基本的には、今申しましたように、委託者の資産、知識と商品取引員の持っております商品の品ぞろえを適合させていく基本的な考え方は、要するに一つはハイリスク・ハイリターン。これは商品先物取引なわけでございますね。これにつきましては資産家向けのものであるということ。それから、二番目にはミドルリスク・ミドルリターン。これはオプションを持ち込みますと損失が限定されますから、オプションを組み込んだ損失限定型。ほどほどの資産、知識を持った人向けの商品であります。それから、三番目にはローリスク・ローリターン。しかし、ローリターンといいましても、今の低金利の状況を考えますと、〇・五%といったようなものよりは当然上回るリターンが期待されるわけでございます。それは商品ファンドという、これはアメリカでも大いに発達しております、一般大衆の投資家商品ファンドという形でもってファンドの中に組み入れていくということ。そうした、そういう三つのタイプ、委託者の資産、知識に合ったビジネスモデルを私はしっかり作っていくべきだと思うわけでございます。  そのためにも、商品取引員の方では商品ファンドなり、あるいは別形態でありますが証券業なりあるいはインターネット取引など、そうした委託者の資産、知識に合った商品が提供できるようなものを持つべきだというふうに思いますし、業界団体もしっかりそうしたビジネスモデルの構築に向けて取り組むべきだと思いますし、主務省も指導すべきだと思いますが、これについてはいかがですか。
  125. 青木宏道

    政府参考人青木宏道君) 福島先生指摘のとおり、大ざっぱに申し上げますと、今の三つぐらいのリスクに応じた取引というものがあろうかと思います。  確かに、商品取引それ自体は大変ハイリスク・ハイリターンでございますので、仮に個人であれば真に主体的な投資判断ができる、そういう人に限って参加をすべきであると、こういうふうに考えております。今回の改正案におきましても、委員も御指摘ございましたように、適合性原則、説明義務の法定化、不当勧誘禁止といったようなところについて抜本的な強化策を講じたところでございます。  商品ファンド、これにつきましては、確かに多数の投資家資金を集めて、言わば専門家の知識に基づいて運用対象を分散させると。こういう意味で、ある意味ではハイリスク投資に知見のない個人投資家であってもある程度参加が可能であるというものだろうと思います。オプション取引が、これがその中間に位置するというのも、そのとおりであろうと思います。  私ども、今回の例えば法改正におきましても、例えば従来は、商品取引員市場ごと、あるいは取次ぎか受託会員か、あるいは外務員が何名いるかといったような大変小さな細断した縦割りの区分になっておりましたけれども、そういうものを市場横断的な包括許可制度に改める。そういうことによりまして、商品取引員が機動的な事業展開をするようにすることができるといったような措置も盛り込んでいるところでございます。  ビジネスモデルそれ自体は、商品取引員がしっかり自分の創意と工夫で取り組むべき課題であろうかと思いますけれども、私ども主務省としても、今回のこうした改正案に盛り込まれました環境整備を通じて、適切なビジネスモデルの確立あるいは多様化といったようなものを促していきたいというふうに考えております。
  126. 福島啓史郎

    福島啓史郎君 まあ、そういうことなんですが、残念ながら、この金融投資信託に比べて商品ファンドの実績が非常に低いんですね。投資信託が四十九兆円。これに対しまして、商品ファンドの方は最盛期九千億あったんですが、今は六百億円ということで十分の一以下に減っているわけですね。  私は、その問題は、もちろん低金利ということであれば、むしろそういう商品ファンドのニーズは高いように思うわけでございますが、一つの問題としましては、この商品ファンドは縦割り構造になっておって、「主として」ということで、商品が主として半分以上ということのようでございますが、そうしますと、その相場によっては株式に持っていった方がいい、運用リターンが高いリターンが見込まれる、場合によっては商品の方に向かった方が高いリターンが期待されるというようなときに機動性が失われるわけでございます。  そういうその「主として」の問題と、それから、そうであれば、商品投資、まあ投資信託、株式中心でございますけれども、両方できるようなファンドは考えられないかどうか。これについては金融庁、いかがでしょうか。
  127. 増井喜一郎

    政府参考人増井喜一郎君) 今、先生指摘投資信託法でございますが、この投資信託は、主として有価証券、不動産等に対する投資として運用することを目的とする信託とされておりまして、この「主として」というのは運用財産の二分の一を超える額と解されているところでございます。  先生指摘のように、この投資信託法あるいは商品ファンド法というのは、主たる投資対象に応じてそれぞれの事業者の規制を行う仕組みになっております。  私ども、平成十二年六月の金融審議会の答申の中には、実は、金融を支える新しい枠組みとして、縦割り規制から機能別・横断的なルールに転換するとの観点に立って、金融サービスに関するルールの整備を進めていくことが重要であるという御指摘もありまして、私どももそう考えております。  これまでも投資信託におきましては、その運用対象資産を主として有価証券から不動産を含めた幅広い資産に拡大をする、あるいは多様な商品の提供を可能とするなど、投資家保護に配意しつつ商品利便性向上に資するため随時見直しを行ってきたところでございます。  また、昨年末に取りまとめられました金融審議会報告におきましても、これまで投資家保護策の講じられていない投資サービスや新たに登場するであろう投資サービスにつき、証券取引法を中心とした有効な投資家保護の在り方について検討するとともに、証券取引法の投資サービス法への改組の可能性を含め、より幅広い投資家保護の枠組みについて中期的課題として検討を継続していくといった提言をいただいているところでございまして、今後、同審議会において投資サービスにおける規制の在り方について検討が行われていくものと考えておりまして、金融庁といたしましても、この審議会の検討状況を踏まえつつ適切に対応したいというふうに考えております。
  128. 福島啓史郎

    福島啓史郎君 今、増井局長、答弁ありましたように、私は、省庁の縦割りによって投資家の利便が損なわれることがあってはならないと思います。したがって、今言いました商品ファンドと投資信託との壁の問題も是非解決していただきたいと思います。  それからまた、最近、外国為替の証拠金取引トラブルが非常に急増しておるようでございます。今、内閣府の調査によりますと二千件程度あるようでございますが、これにつきまして、急増しているという実態から見れば、この外国為替証拠金取引につきまして許可制を導入し、かつまた自主規制団体を設けるべきだと思いますが、これについては金融庁、いかがですか。
  129. 増井喜一郎

    政府参考人増井喜一郎君) お答え申し上げます。  いわゆる外国為替証拠金取引先生の御指摘のように、一部の取扱業者と投資家の間でトラブルが生じてきているということは承知しております。金融庁といたしましては、証券会社がこの取引を行う場合の留意点についてのガイドラインを策定したり、あるいは金融庁のホームページに、いろんな注意喚起を行うといったことをホームページに掲載をいたしたり、あるいは、これはこの四月一日から施行されておりますけれども、金融先物業者や一般の事業者が外国為替証拠金取引を行う場合も含めて、すべての取扱業者を金融商品販売法の適用対象とするなどの対策を講じてきているところでございます。  今後も、これまでに講じた諸措置の効果や金融審議会の議論を踏まえまして、この取引に関する追加的な投資家保護策の必要性について検討してまいりたいというふうに思っているところでございます。  なお、やや敷衍をいたしますが、先般、金融審議会におきましてもこの議論がなされまして、複数の委員から、この一部の取扱業者と投資家トラブルが引き続き生じておりまして、こういったトラブルの発生を防止するために、当該取引について追加的な投資家保護の枠組みを早急に整備する必要があるというような認識も示されております。  先ほど申し上げましたが、いずれにいたしましても、ここの審議会でもいろんな御議論がなされると思いますし、こういった審議会の議論も踏まえつつ、追加的な投資家保護策の必要性について検討を行ってまいりたいというふうに考えているところでございます。
  130. 福島啓史郎

    福島啓史郎君 特に急増しているという実態から見て、早急に許可制等の適切な措置を導入していただきたいと思います。  また、海外先物につきまして、引き続き悪徳業者によります苦情が一定程度を占めております。私は、この悪徳業者を排除するとともに、この商品取引員のアービトラージ等のビジネスモデルの中に取り込むためにも、この商品取引員の兼業としてこの海外先物取引を認めるべきではないかと思いますが、実態及びその方針はどうでしょうか。
  131. 青木宏道

    政府参考人青木宏道君) 商品取引員海外先物受託業務を営むことにつきましては、現行法においては特段禁止はされておりません。そうした業務を行う場合には、現行制度におきましては、その運営に関する事項を兼業業務として届出をしていただくということでございまして、現にこの届出をして営んでいる事業者が商品取引員として現在九社いるところでございます。
  132. 福島啓史郎

    福島啓史郎君 特に、悪徳業者の取締りは、これたしか主務省の所管法律だと思うんで、徹底をしていただきたいと思います。  商品取引所法、最後でございますけれども、税制改正によりまして、商品取引によります所得も分離課税、二〇%の分離課税ということで、そのことが非常に私はこの市場育成のためにも効果があると思うわけでございます。  さらに、今、金融所得の一元化の論議がされております。その中で、この商品取引所得も他の証券金融所得と一元化を図るべきだと思いますが、またそういう税制改正要求をすべきだと思いますが、これは大臣、いかがでしょうか。
  133. 坂本剛二

    ○副大臣坂本剛二君) 所得に対する課税につきましては、平成十五年度税制改正措置されたところでございます。これによって、税制上、他の金融商品と同様の扱いになったものであり、投資家投資のポートフォリオをより柔軟に組むことに資する効果があると考えております。  金融所得課税の一元化につきましては、多様な金融商品の選択に対する税の中立性を確保し、貯蓄から投資へという流れを促進するものであると認識をいたしております。経済産業省におきましても、産業構造審議会産業金融部会に小委員会を設置し、金融所得課税の一元化の在り方について検討を進めているところでありますが、その範囲については、リスクマネーの供給を促したり、投資家の利便や分かりやすさの観点から、できるだけ包括的な形で考えていくべきと考えております。
  134. 福島啓史郎

    福島啓史郎君 我々も党税調等で十分議論をしていきたいと思っております。応援をしますんで、是非、金融所得一元化の中にこの商品先物取引所得も入れるように要求等をしていただきたいと思います。  次に、特定商取引法の改正についてでございますけれども、まず、内閣府に最近の消費者の苦情の実態をお聞きします。
  135. 永谷安賢

    政府参考人永谷安賢君) 国民生活センターに寄せられております苦情の実情でありますが、これ、件数的にはもう先生御案内かと思いますけれども、非常に急増しておりまして、平成十四年度で八十七万件、平成四年度と、十年前と比べまして六倍程度に増えているということであります。ちなみに、十五年度につきましても、まだこれは最終的にフィックスした数字ではございませんけれども、百三十万件を突破するような勢いになっております。  苦情相談の中身につきましての傾向であります。架空請求といいますか、利用した覚えのない電話による有料情報の料金を請求されたものなどが平成十五年度に四十万件、三年前二万件ということでありましたので、二十倍にも急増しているという状況があります。それから二つ目に多重債務問題、それからやみ金融の不当請求などがございまして、これが約十八万件ということで、三年前の三万件から急増しているということであります。  よろしいですか。
  136. 福島啓史郎

    福島啓史郎君 今ありましたように、メールの架空請求、これが四十万件を占めているわけでございますね。これについての検挙状況と被害防止対策につきまして、まずこれは警察庁にお聞きします。
  137. 伊藤哲朗

    政府参考人伊藤哲朗君) いわゆる有料サイトの利用代金などと称しまして、メールなどによりましてその支払を請求します架空請求事案というものがこのところ急増しておるわけでございます。  この種事犯というものは、被害が広域、多数に及ぶということが懸念されることで、警察庁といたしましても、都道府県警察に対しまして、事犯を認知した場合には速やかに厳正な取締りを行うように指示しているところでございます。平成十五年中は大規模な請求事犯を六事件検挙いたしまして、また本年は、昨日現在でございますが、既に九事件を検挙しております。これらの十五事件で架空請求を受けた人の数が約七百三十万人に及んでおります。  また、被害拡大防止の観点から、広報啓発活動にも我々としましては力を入れておりまして、政府広報及び警察庁や都道府県警察のホームページにおきましてその手口等を紹介し、情報提供を行うことにより国民に平素から注意するように呼び掛けているほか、架空請求の相談に応じる窓口を整備いたしまして、身に覚えのない請求を受けたという方に対しましては、絶対にこれに応じないように指導、助言をしているところであります。またさらに、事案が発生した場合には、金融機関に対しまして料金の振り込み用に指定されました口座の凍結を要請するなど、被害の拡大防止に努めております。  今後とも、この種事犯の捜査を徹底することによりまして、また広報活動も積極的に進めることによりまして、被害の未然防止、拡大防止のための対策に努めてまいりたいと考えております。
  138. 福島啓史郎

    福島啓史郎君 これは総務省にお聞きしますけれども、迷惑メール防止法というのが昨年議員立法でできたと思いますけれども、同じようなことはメールの架空請求につきましてできないのかどうか、これについてはいかがでしょうか。
  139. 江嵜正邦

    政府参考人江嵜正邦君) 架空料金請求につきましては、広告メールの場合と異なりまして、そもそもそれ自体が取締りの対象となるという刑法上の詐欺罪などに該当するケースがほとんどと考えられます。したがいまして、私どもといたしましては、消費者の皆様方にこのことも踏まえて対処していただくということが重要でございまして、総務省ではそのための対策ということの周知に努めてきたところでございます。  いわゆる迷惑メールを規制いたします特定電子メール法というのがございますけれども、これと同様の規制を行うということにつきましては、今申し上げましたように、架空料金請求がいわゆる広告メールと異なりまして、そもそもそれ自体が取締りの対象となる刑法上の詐欺罪などに該当するというケースがほとんどですので、一義的には取締りという観点からの対処ということになろうかとは思いますが、一方で、それに加えまして、何らかの効果的な方法はないかという視点からの検討も行ってまいりたいというふうに考えております。
  140. 福島啓史郎

    福島啓史郎君 四十万件ですから、これは大変な被害の件数です。苦情の件数です。しっかりした対応策を検討をお願いしたいと思います。  二番目の問題は、この十八万件が多重債務問題及びやみ金融の不正請求です。これについてはどういうふうに対応しているのか、これは金融庁ですか。
  141. 五味廣文

    政府参考人五味廣文君) 御説明申し上げます。  多重債務の防止のための取組でございますが、貸手に関するものと借り手に関するものがございます。  貸手である業者に対しましては、貸金業規制法で過剰貸付けの禁止ということが定められておりまして、これに基づく事務ガイドラインなどによりまして、貸金業者に対して適切な顧客審査の徹底ということを指導しております。  また、借り手の利用者側につきましては、従来からホームページなどを、金融庁のホームページなどを通じまして、消費者啓発のための広報活動を行っております。  また、業界、関係団体等におけるカウンセリング事業、これの拡充に協力をしてきております。特に、財団法人日本クレジットカウンセリング協会の機能の拡充ということに積極的に協力をしております。  次に、やみ金融の問題でございますが、これは今年の一月一日に施行されましたいわゆるやみ金融対策法、これにおきまして、やみ金融撲滅のための必要な措置が講じられました。これを踏まえまして、金融庁では、主として監督体制の整備、それから監督当局、警察を始めとする関係当局との連携ということの強化に努めております。  具体的には、一つは苦情相談窓口を拡充するということを財務局そして都道府県に要請をしておりまして、この結果として、財務局、都道府県の貸金業担当職員の増員というのがこの十六年度から認められておりますとともに、また、四十七都道府県のうち二十一の都道府県でやみ金一一〇番といったような窓口も設けられました。  もう一つ、今お話しになっております口座の不正利用、架空請求等による口座の不正利用でございますが、昨年の九月以降、金融機関に対しまして、口座名義人不存在あるいは公序良俗に反する行為に利用される場合、こういった場合における預金取引停止等を要請をしております。また同時に、私どもに寄せられましたやみ金あるいは架空請求等に関します預金口座不正利用に係る情報、これをその当該の金融機関、そして警察当局、ここに速やかに提供することにしております。昨年九月から二月末までの累計で二千七百十二件の情報提供をいたしました。このうち、口座の解約に至ったものが四百五十一件、取引停止に至ったものが八百三十六件。また、こうした情報提供の有無にかかわらず、全銀協におきましては、口座不正利用に伴う口座の利用停止等を行っておりまして、一例を申しますと、十五年の十月から十二月の三か月で利用停止又は強制解約などで九千百五十八口座がこの対象となっております。  そのほか、広報の充実、あるいは警察等関係当局の連携強化ということで、連携強化につきましては、ヤミ金融等被害対策会議といいますものを都道府県に設けております。財務局、都道府県、警察、弁護士会等がこのメンバーとなりまして、必要な連携の強化を行っております。
  142. 福島啓史郎

    福島啓史郎君 そのほか苦情の多いものとしましては、点検商法が一万一千件、アポイントメントセールスが一万六千件、それからいわゆる内職商法、これが二万七千件でございます。これらにつきまして今回の法改正により対応しているわけでございますが、全体として、こうしたいわゆる悪徳商法対策法制としまして、悪徳商法対策の法制として我が国の法制は最前線を行っているのかどうか、その辺りはどういうふうに評価しているかというのが一点目。  それから二点目は、特にマルチについて先ほど来議論がありましたけれども、私は、マルチの返還請求、返品請求権は一年以内に限定せず、また、対象期間も九十日ではなくて一年間とすべきだと思いますが、その二点について経済産業省見解をお聞きします。
  143. 小川秀樹

    政府参考人小川秀樹君) お答え申し上げます。  まず第一点の、諸外国と比べての我が国の制度をどう評価するかという御質問でございます。  諸外国におきましても、我が国特定商取引法でございますけれども、御案内のとおり、訪問販売や連鎖販売取引と、そういう特定の取引類型を対象に必要な行政規制やクーリングオフ等の民事ルールを設けておるわけでございますけれども、諸外国におきましても、法制度の基本的なありようはちょっと異なりますので直接比較できない部分もございますが、基本的には、同様に訪問販売でありますとか電話勧誘販売でありますとか連鎖販売取引でありますとか、そういう類型を対象に、必要な規制とかクーリングオフを定めておるということでございます。  出入りがございまして、最先端かどうかというところはなかなか難しゅうございますけれども、我が方も、ここ五年間で三度の法改正をしておりまして、今回四回目ということでございまして、最先端グループに属するところを目指して制度整備を進めておるというところでございます。  それから、二点目の御質問の返品ルールの点でございます。  これも諸外国に類似の法制度がございまして、そういった辺りを横並び、比較対照も十分いたしまして、なるべく明確な制度にということで制度を仕組んだわけでございます。  返品のできる期間でございますけれども、今回の改正案では九十日となっております。一年以内にしたらどうかというような御提案もあるわけでございますけれども、一年ということになりますと、商品によってはその間商品の価値が大きく減少してしまうということもございますし、事業者はその間ずっと契約関係を確定できないということもございます。制度の明確性の観点をいろいろ踏まえまして、九十日という期間が適当であると判断したわけでございます。  入会後一年を経過していない者を対象とするということにつきましても、例えば非常に長期間ビジネスに携わって、その間相当利益を上げてその後に返品と、そういったことを認めるという制度にするようなことにやっぱり現実的に不適当ということがありまして、我が国の場合、非常に明確かつ緻密に制度を組むということで、こういう一年という、一年を経過していない者という条件を付したところでございます。
  144. 福島啓史郎

    福島啓史郎君 これで終わりますけれども、この悪徳商法に対する被害者救済の、私は裁判に行かない前の言わば仲裁といいますか、被害者救済の迅速な機関を作ることを考えてはどうかと思います。特に今度、司法改革の一環で日本司法援助センターですか、支援センターですか、できましたので、ああいうものも使いながら迅速なる救済ができるように、また他方ではその取締りを強化すると、両方の対策を強化していただきたいということをお願い申し上げまして、質問を終わります。  ありがとうございました。
  145. 松あきら

    ○松あきら君 公明党の松あきらでございます。  過去の改正におきまして、御自身が農水省のキャリアとして直接かかわっていらした福島先生の後に質問をさせていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。  今回の商品取引所法改正案におきましては、商品先物取引に関します顧客トラブルが増加傾向にある中で、これらに対処するための委託者保護策の抜本的強化に加えまして、市場信頼性利便性の向上を図るための様々な措置が盛り込まれているわけでございます。改正後には全三百七十五条に及ぶ大法律ができ上がるわけで、正に昭和二十五年に商品取引所法が制定されて以来の大改正と評価できるのではないでしょうか。  近年、欧米にとどまりませんで、例えば中国あるいはアジア諸国におきましても商品先物市場の整備というのが急速に進んでおります。今回の改正案を見ますと、諸外国にも負けない商品先物市場を育成していこう、こういう経済産業省と農水省の強い意気込みと決意が感じられるものでございます。  このように大改正となりました今回の改正案でございますけれども、私としては、特に評価している点は、商品先物業界の構造改革、これを促す効果が期待できるんじゃないかというふうに思っております。本年末に、商品取引員が顧客から徴収をします委託手数料が完全に自由化をされると。これによりまして商品取引員競争環境は大変に厳しくなると予想されるわけでございます。こうした中で、本法案に盛り込まれております分離保管措置義務の厳格化を始めといたします委託者資産の保全制度の抜本的強化、あるいは商品取引員に対する財務要件規制勧誘規制の強化といった措置は、健全な商品取引員を更に伸ばして、そうでない商品取引員には市場からの撤退を促す効果があるのではないかなというふうに思います。  このような業界の構造改革と市場信頼性利便性向上のための制度整備とが相まって、より健全な商品先物市場が実現されるものと期待をいたしているところでございます。  先日、日本橋の東京工業品取引所を見学させていただきました。このときに、顧客トラブル、いわゆる被害者の増加という質問が出ましたときに、取引高に比べて被害者は増えていないというようなことをおっしゃっていたなと、それはちょっと実態と違うんじゃないかなと思いましたけれども、そのようなこともおっしゃっておりました。  まず、質問に入らせていただきます。我が国商品先物市場が目指すべき方向についてお伺いをしたいというふうに思います。  我が国商品先物市場参加者構造、これは諸外国に比べまして個人投資家参加割合が高く、商品の生産、販売を行う事業者、いわゆる当業者の方々の事業活動を円滑に行うためのリスクヘッジのために参加される割合が少ないと、こう言われてまいりました。しかしながら、近年、石油市場を中心に我が国市場拡大しております。それとともに、当業者の参加も増加をいたしておりまして、商品先物市場が持つ本来の産業としての基盤としての機能がようやく発揮されつつあるように思うわけでございます。今後、我が国商品先物市場の健全な発展を考えますと、こうした当業者やいわゆる機関投資家参加を更に拡大しまして、個人投資家は本当にリスクを知った言わばプロ投資家参加していく方向が望ましいと考えるわけでございます。  そこで、大臣に、我が国商品先物市場の将来像と今回の改正趣旨についてお伺いをしたいと存じます。
  146. 中川昭一

    国務大臣中川昭一君) 商品先物取引、そしてマーケットというのは、午前中、朝申し上げましたように、ある財、商品の提供者とそれを買う人との間の溝を埋めるといいましょうか、リスクあるいは時期等々を埋めていくためのマーケットであるわけでございます。  短期的に申しますと、今いわゆる原材料といいましょうか、経済産業省あるいは農林水産所管商品先物相場が総じてこれ世界的に上がっているということ、石油あるいは希少金属、石炭その他いろいろあるわけで、例えば天候不順とかあるいはストライキとかで荷役ができないとか、こういうことがもう微妙に影響をしてくる。それに対してのある意味ではリスクヘッジみたいな役割というものが、特に先進国において、日本もそうなんですけれども、必要なわけでございます。その重要性というのはますます大きくなっていくんだろうと思います。健全なマーケット拡大をしていくということは、正に先ほどから御議論あるように、健全な経済一つの支える場としての役割として大きく貢献していくんだろうと、そうあるべきだというふうに思います。  他方、いわゆるリスクとリターンという、先ほど福島委員からも御意見がございましたけれども、そこにだれでも入れるということは、いわゆる素人といいましょうか、プロではない人が入ることによるハイリスクあるいはトラブルといったものが生じていることも事実でございますから、そのマーケットの健全な発展と同時に、やはりマーケットですから自己責任が原則だということであると同時に、素人の人はそういうハイリスク・ハイリターンのものをプロと同じようにやるということは大変危険ですよということも十分御理解をいただかないと、健全な発展になっていかないんだろうと思います。  そういう意味で、先ほどから商品ファンドみたいな御議論もあったわけでございまして、方向性としては、日本経済が発展していく上で健全なマーケットとして、現物、先物含めて、こういう先物マーケットが発展をしていくということは国際化、あるいはまたそれぞれのいわゆる当業者たちの競争自己責任とモラルによって健全に発展していくことが大変重要なことだろうというふうに考えております。
  147. 松あきら

    ○松あきら君 ありがとうございます。  健全なマーケットの発展は大変重要である、私もそういうふうに思うところでございます。  商品取引員勧誘につきましては、「自己の商号及び商品市場における取引等の勧誘である旨を告げた上でその勧誘を受ける意思の有無を確認することをしないで勧誘すること。」、これは禁止になっているわけでございます。それ自体は、もう顧客が望まない勧誘は駄目ですよということでとってもいいことなんですけれども、例えば勧誘されて意思がないですと伝えていても、それでもなおかつしつこく勧誘を受けた場合、これしっかりと取り締まらないと、せっかくの良い規制も絵にかいたもちになるわけで、特に先ほどからお話が出ております独り暮らしの例えばお年寄りの方など、相談する相手もなくて悩んでいらっしゃる方もいるんじゃないでしょうか。  そこで、このように執拗な勧誘を受けた場合、どこに申し出ればよいのでしょうか。
  148. 江田康幸

    大臣政務官(江田康幸君) 委員の御質問にお答えいたします。  主務省であります経済産業省農林水産省におきましては、商品先物取引に係る苦情相談を受け付けておりまして、執拗な勧誘など不当な勧誘を受けた場合には主務省に対して申し出ていただければよいと思います。  この経済産業省の担当は消費者相談室という専門の相談窓口がございます。その際、この勧誘時の状況等を具体的に伺うとともに、商品取引員に対して事情聴取や立入検査を行った上で、法令違反が確認できれば商品取引員に対して厳正な処分を実施することとしております。  さらに、自主規制機関である日本商品先物取引協会、日商協におきましても苦情相談を受け付けておりまして、この法令や自主規制規則に違反していることが確認できれば過怠金等の制裁を発動できますし、また無料でこの相談のあっせん、調整をしているところでもございます。今後、これらの機能を強化をすべく、主務省としましても日商協を強力に指導していく所存でございます。  先生指摘の特に相談窓口というのは、一般には県、地方自治体に消費生活センターというのがございます。内閣府の方に国民生活センターもございます。問題は、こういうところに入ってきたその相談を、こういう先物取引に関するものということであれば、専門の指導ができるところの、相談が、対応ができるところの主務省のこの消費者相談室につないでもらうという意味で、今後経済産業省としましても、消費生活センター、国民生活センターの方に強く、こういう相談をこの消費者相談室の方に回していただくように周知徹底を図るところでございます。  以上でございます。
  149. 松あきら

    ○松あきら君 済みません。質問通告しているところ、かなり飛ばしたりいたしますので、もう本当にほとんど出ておりますので、余り重なっても良くないかななんて思うところはちょっと飛ばしたりいたしますので、よろしくお願いいたします。ちょっとこれからも重なるかもしれませんけれども、もうそうなると全部やめなきゃなんないので、やっぱりやらせていただきます。  特定商取引法の今回の改正につきましては、先ほど来出ております高齢者や若年層を中心に、点検商法、アポイントメントセールス、マルチ商法等の消費者トラブル、これが増加をしていることを踏まえまして、行為規制強化、クーリングオフの実効性担保、契約の取消し、連鎖販売取引の返品ルールや割賦販売の場合の抗弁権接続など、かなり踏み込んだ改正内容となっておりまして、この点は私は評価をしたいというふうに思っております。  ところで、消費者トラブル相談のうち、六十歳以上の高齢者の占める割合が平成四年度から十四年度の十年間に一一・九%から一八・六%と顕著に増加をしているわけでございます。特にこれ、無料で建物や水道の点検をしてあげると来まして、建物内、家の中へ上がり込んで、あ、お宅、シロアリが大変ですなんて言って、工事しましょうとやって、例えば高く取る。あるいは耐震構造がお宅はなっていないから震度三ぐらいでも倒れちゃいますなんてうそばっかり言って、いろいろするんですね。  この前、報道でやっておりましたけれども、一か所そういうことが、例えば高齢者のお宅で引っ掛かる家は何回も引っ掛かるそうなんです。それは専門家が見ると分かるそうで、この家は引っ掛かる家だというのが分かるそうなんです。というのは、シロアリならシロアリを駆除しましたというのを張るそうなんです。それ張ってあると、これは、あ、シロアリでやっているな。あるいは耐震の何とかと張るそうなんです。張ってあると、あ、この家はここでだまされたなというのが分かって、また更に行くと。こういうことを繰り返されて、もう何回もいろんなところで費用を取られて請求されて苦労しているというか、もう本当に被害に遭っているお年寄りが特に多いというふうに私も報道でも見ましたし、伺ってもおります。  日本は既に高齢社会へ入っておりまして、今後十五年くらいの間に私も高齢者の仲間入りすると思うんですけれども、何か考えると空恐ろしいわけでございます。先ほども述べましたように、今回の特定商取引法改正案は、最近の消費者トラブルの実態を踏まえてかなり踏み込んだ内容となっておりますけれども、やっぱりこれらの改正内容というものをどのように特に高齢者に周知徹底するか、これ難しい課題でございます。  午前中の質疑の中で、経産省は高齢者向けのパンフレット五十二万部とおっしゃっておりまして、優しい色合いあるいは大きな字ということで、こういうものをあるいは消費者生活センター等に配付しているというふうに伺いましたけれども、警察庁も日ごろの巡回、あるいは老人会、防犯座談会等で啓発活動を行っているというふうに聞いておりますけれども、今回の改正について、一般の国民はもちろん、特に高齢者の広報あるいは周知啓発に一層取り組んでいただきたいというふうに思っておりますけれども、御所見をお伺いいたしたいと思います。
  150. 江田康幸

    大臣政務官(江田康幸君) 先生指摘のように、この点検商法に関する苦情相談件数というのが十三年、十四年で二年間で二倍にも増加しております。十四年度の苦情相談につきましては、約六割が六十歳以上の方からのものとなっている状況にございます。このような消費者トラブルを未然に防止するためには、今回の法改正内容を含めまして、高齢者へのこの普及啓発を行うことが極めて重要と考える次第でございます。  経済産業省としましては、これまでもこの関係省庁、地方公共団体と連携して、特にトラブルに遭いやすい大学生などの若年層とか高齢者に重点を置いて消費者への情報提供、啓発に取り組んでまいりました。  特に、この高齢者につきましては、自治体と連携しまして敬老会等でパンフレット五十二万部を配布したり、点検商法等の悪質商法に関する情報提供とか注意喚起を行っておるところでございます。また、このトラブルの未然防止のための心得とかトラブルに巻き込まれた際の対処方法、さらには相談窓口、先ほども申しましたけれども、消費者相談室とか消費者生活センター等の相談窓口の紹介にも努めています。この成果もありまして、六十代の主婦のクーリングオフの周知度というものについては約八割に達しているところでございます。このような高齢者向けのパンフレットにつきましては、高齢者に好まれる色遣い又は文字を大きめにするというところの配慮を行っているところでございます。  本法案成立しますれば、高齢者に対する啓発について自治体との連携を更に強化しまして、この普及啓発に努めていきたいと、そのように思っております。
  151. 松あきら

    ○松あきら君 ありがとうございます。何か午前中から同じような御答弁で大変だと思うんですけれども。  研修も、経産省は三百名弱研修している、自治体あるいは消費生活センターの方も含めてということで、これは非常に良いことだというふうに思っております。やっぱり消費者の被害救済を支援していくこと、これが一番大事なんですね。やはり残念ながら、消費者トラブルの件数自体が年々増えております。先ほどからも四十万件とかいろんな件数が出ておりますけれども、やはりこの消費生活センターの体制強化は喫緊の課題と考えます。  内閣府としてはどのように取り組んで今までいられたのか、またこれから取り組んでいかれるおつもりなのか、お伺いをいたしたいと思います。
  152. 永谷安賢

    政府参考人永谷安賢君) 消費生活センターの体制強化のお尋ねでございます。  消費者トラブルに関しまして、その消費生活センターが果たしております情報提供あるいは助言とかあっせんとかそういう機能、あるいは先ほど来話題になっていますように、ここ、センターに持ち込まれるその苦情相談件数が非常に増えていると、そういうことから、消費生活センター自体を強化していかなきゃいけないというのは一般論としても正におっしゃるとおりだろうと思います。  ただ、他方、この消費生活センターでありますけれども、これは都道府県とかあるいは市町村が設置しております地方自治体の行政機関であるということであります。  そういう前提の下でのお話になるわけでありますけれども、一応私ども、独立行政法人の国民生活センターというのを抱えております。この国民生活センターを通じまして、消費生活センターの相談員に対する研修コースを実施するとか、あるいは相談業務に必須であります悪質事業者等の注意情報を提供するとかいうようなことを行いながら、ある意味での側面支援をやってきているということでありまして、引き続きそこの面での施策の充実というのを図っていきたいというふうに思っております。
  153. 松あきら

    ○松あきら君 消費生活センターは自治体が設置しているということですけれども、是非、縦割りではなく、やはりこれ大事なことですから、しっかりと連携を取ってやっていただきたいというふうにお願い申し上げます。  その消費生活センターの相談体制の強化に関しまして、一つのアイデアなんですけれども、全国どこからでも同じ電話番号に掛ければ最寄りの消費生活センターにつながる、例えば消費トラブル一一〇番のような電話番号があるとすごく便利じゃないかなと。いろんな、こういう改正案しました、どうだこうだと、こう言ってもなかなか一般の方には分かりにくいけれども、広報で、この番号に掛ければ全国どこでも相談できますよ、被害に遭った方どうぞみたいな宣伝をすれば、非常に皆さんが喜ばれるというふうに思うわけです。是非こういう仕組みを導入してはいかがかと思いますけれども。(「賛成」と呼ぶ者あり)ありがとうございます。いかがでございましょうか。
  154. 永谷安賢

    政府参考人永谷安賢君) 今、先生が御提案されました全国統一番号制みたいな話でありますけれども、消費者の利便性を向上させる意味で非常に有益な御提案であろうと思います。思う反面、先ほど来申し上げていますように、非常に苦情自体が、件数自体が多くなっております。更にこういう形でどんどんどんどん苦情が出てくるということになりますと、消費生活センター自体が連携しながらどうやってその苦情処理に当たるのか、そこの仕組みも同時に考えなきゃいけないということだろうと思います。  そういうようなことも踏まえまして、何ができるのか、あるいは何をしなきゃいけないのかということを自治体を含めて検討なり協議なりをさせていただければというふうに思います。
  155. 松あきら

    ○松あきら君 何か、全国統一一一〇番みたいな形にすると、方々から掛かってき過ぎてパンクしちゃうということなんでしょうか。利便性というものを考えますと、やっぱりその仕組みというのをしっかり考えていただいて、やっぱり、まず国民が、生活者が一番なんですから、それは自治体のそれぞれの範囲が違うから云々ということはやっぱり言っちゃいけないと私は思う所存でございます。是非よろしくお願いを申し上げます。  数々の消費者トラブル、この改正案にしましても、改正しても改正してもその上を行く悪質の手口が増えてくるという、もう本当に悔しいような気もいたしますけれども、その消費者トラブル、この実態をいち早くつかんで迅速に対応するために、地方の消費者生活センターあるいは国民生活センターの協力連携により情報収集も行っていらっしゃるということだと思います。  平成八年の法改正によりまして、第六十条の申出制度、これが設けられております。この制度は、個別のトラブルを解決することを目的としたものではないわけで、例えば個人だけでなく法人や団体も可能ということで、だれでも言わば申出ができるというわけですね。そして、申出を受けた都道府県知事又は経済産業大臣は適当な、適切な処置を取らなければならないことになっております。  消費者保護観点から、行政が一般の消費者と一体になって機動的に行政措置の発動を進めるという意味で、これは、これが有効に機能すればもう悪質商法の有力な武器になるのではないかなというふうに思いますけれども、一体全体この活用実態はどうなっているのか、お伺いをしたいと思います。
  156. 青木宏道

    政府参考人青木宏道君) 御指摘の申出制度でございますけれども、御指摘のとおり、平成八年の法律改正で導入したものでございます。  この制度、大きくいいますと二つのポイントがございまして、委員も御指摘のように、法文上は何人もというふうに書いておりまして、主務大臣等に特定商取引の公正あるいは購入者の利益が害されるおそれがあるという場合にはその申し出て、適当な措置を取るべきことを求めることができるということでございまして、現に被害に遭った方といった個人の消費者のほかに、消費者団体あるいは各地の消費生活センター、こういったところからも申出がなされているところでございます。  第二点目の特色でございますけれども、その後、平成十一年の法律改正におきまして、特に個人が申出をするときにはなかなか難儀な点もございます。そこで、こうした個人に助言を行う指定法人として指定法人制度というのを作りまして、現在、財団法人日本産業協会を指定しております。  この協会におきましては、申出に関するパンフレット、これを大変分かりやすいものを作りまして、全国の消費生活センターなどにも配付をいたしてございます。あるいは、先ほど申し上げましたように、申出を行おうとする者につきまして、その内容の説明あるいは法令の内容についてのアドバイス、こういうものを個別に行っているところでございます。  こうしたこともございまして、各地の消費生活センターにおきましても、苦情相談を受けた消費者に対して本法に基づく申出制度の活用というものをお勧めをいただいているといったような状況にあると承知をしております。  こうしたことから、制度創設後最初の四年間、合計で三十五件でございましたけれども、その後の四年間では百四十六件でございます。また、先ほどの指定法人によりますアドバイス制度でございますが、これも最近三か年だけで四百件ということで、徐々に活用がなされているということでございます。  私ども、こうした中で、あっせん、調停をするのみならず、場合によってはもう少し悪質なもの、発見をしこれが行政処分につながったという点もございまして、本制度の普及啓発ということについても引き続き努力をしてまいりたいと、かように考えております。
  157. 松あきら

    ○松あきら君 そんなにたくさんあるというわけではないけれども低調というほどでもないのかなと。もし申出の書式などが複雑難解になっているとしたら、そういうことも考えていただいて、更に消費者のために御努力いただきたいというふうに重ねてお願い申し上げます。  次に、マルチ商法についてお伺いをいたします。  特に最近では大学等でマルチ商法が盛んだ、広がっている、これは午前中から話題になっておりまして、残念ながら今の若者は楽をしてお金を稼ぎたいという、そういう傾向も少しはあるのかなというふうに思いますけれども、先ほどのお答えで、経産省では高校に二百五十校ビデオを配っていると。あるいは大学千二百校に注意喚起するパンフレットを配布する。これ非常に大事だと思うんですね。やっぱり今の若者は、傾向性として少し楽をしてお金をもうけたいというのもあるけれども、少し、何というんでしょうかね、ある種、子供っぽいと言ったら変なんですけれども、だれか友達にちょっと話を聞くとすぐそれを信じてしまうみたいなところも残念ながらあるのかなと。余り疑らない。いいことでもあるんですけれども、ちょっと困ったことでもあるわけでございまして、そうした大学生を始めとする若者に対するこうした消費者教育、これまで以上にやっぱり積極的に取り組むことが必要ではないかなと私は思っている次第でございます。  そこで、文部科学省に伺いたいんですけれども、大学生等に対する普及啓発あるいは消費者教育についてこれまでどのように取り組まれてきたのでしょうか。また、最近のトラブルの実態を踏まえて今後どのように取り組まれるのでしょうか、お伺いをいたしたいと思います。
  158. 徳永保

    政府参考人徳永保君) 御答弁申し上げます。  先生指摘のような状況、私どもとしても大変憂慮しておるところでございます。  大学におきましては、これまでも、入学時に配付する学生便覧の中に学生に対する注意喚起を記載をする、あるいは各大学に置かれております学生相談窓口で相談を受け付けまして地域の消費者相談窓口への相談を勧めると、こういった指導をしているところでございます。  また、最近のマルチ商法等の消費者トラブルの状況、あるいは経済産業省からの要請、こういったものを踏まえまして、本年一月に全国の国公私立大学及び短期大学に対しまして通知をしたところでございますが、その内容としては、学内広報を通じた消費者トラブル例の情報提供、あるいは学生に対する啓発の一層の推進、こういったことにより被害の防止に努めるよう、そういったことを通知をしたところでございます。  各大学におきましては、この通知等を踏まえまして、最近では、例えば消費者協会あるいは消費生活センターの方々、あるいは弁護士さん、そういった方を講師として悪質商法等に関する講演会を実施をする、あるいはホームページに注意喚起を記載をする、さらにこの四月、新入生が入ったわけでございますが、そういう新入生に対して今御指摘のあったようなパンフレットを配布をする、そういったことで学生に対して更なる指導充実ということを努力しているところでございます。  私どもといたしましては、今後とも、学生がマルチ商法などの悪質な被害に遭わないよう、関係機関とも連携を図りつつ、大学における学生の指導あるいは啓発、そういったことの推進に努めていきたいと思っております。
  159. 松あきら

    ○松あきら君 どうぞしっかりと消費者教育というものをよろしくお願い申し上げます。  最後に、今回の特定商取引法の改正を実効性のあるものとして消費者被害を未然に防止をしていくためには、特定商取引法の主務官庁である経済産業省内閣府やあるいは文部科学省などの関係省庁のみならず、地方公共団体あるいは消費生活センター、消費者団体などと連携を強化して、国民一人一人に賢い消費者となっていただくように普及啓発に取り組んでいただくことが何といっても重要であるというふうに思います。消費者の普及啓発に関する経済産業省の取組、決意をお伺いして、質問を終わらせていただきます。
  160. 中川昭一

    国務大臣中川昭一君) 今、松委員からいろいろ実態を前提にしながら御意見あるいは御質問をいただきましたけれども、本当にこれ、何といいましょうか、やる方は悪意を持ってやる場合には多分弱いところをどんどんどんどんねらってくるんだろうと。だから、独り暮らしのお年寄りとか学生とか、そういうところにエステだとか語学学校の何か回数券だとか、そして点検商法だとか、あらゆる手段でそういう特定商取引を持ち掛けてくるということでございまして、我々所管の生活物資であれば専門知識も多少はあるでしょうし、語学学校の勧誘なんというとちょっと、これは文部科学省の方がお詳しいかもしれませんし、シロアリ点検なんというとこれは国土交通省になるのかもしれません。  したがって、縦割りでばらばらというのがある意味では一番いけないんだろうと思います。内閣一体となって、それから地方自治体も含めて、そして老人クラブあるいは学校の現場ということで、何かモグラたたきみたいに、ここを退治したらまた新たなものが出てくるということにどういうふうに対応していったらいいのかということになって、決して後追いでいいと言うつもりは毛頭ないわけでございますけれども、とにかく、内閣一体となって連絡を取り、そして地方や老人クラブあるいは町内会等々ときめ細かく迅速、機動的に対応できるように、法の整備は今回御審議をいただいておりますけれども、我々としても、通常行政としてもふだんからより一層そういう問題に対して耳をきちっと立てて目をきちっと開いて対応していくように努力をし、これはまた内閣全体として必要なことではないかというふうに思っております。
  161. 松あきら

    ○松あきら君 ありがとうございました。
  162. 西山登紀子

    西山登紀子君 日本共産党の西山登紀子でございます。  まず、法案審議に入る前に、私、今日、中川経済産業大臣質問をすると地元で言いますと、あの方に質問するんですかと言われたんですね。大臣はお分かりだと思います。二十一年間国民年金未納、もちろん麻生さんのように四年、石破さんのように一年もこれも許されないことではありますが、私、二十一年間未納だったという方が私が質問する大臣であるという、この不幸についても私は本当に残念でなりません。  地元の方に、ああいう方が大臣の資格があるんですかと問われました。私も大変、大臣として年金で今審議にかかっている法案にサインをなさった、大臣はなさったということについて、私、信じられません。  地元の国民の皆さんの声、私のその思いに大臣はどうおこたえになるでしょうか。
  163. 中川昭一

    国務大臣中川昭一君) 私は二十一年間、私のミスによりまして国民年金に未加入であったことは事実でございまして、先々週、マスコミ等でこの議論が出てきたときに、まさかと思いましたけれども、点検をしたところが、丸々国民年金に未加入であったということは事実でございまして、折に触れて事実関係を申し上げ、そしておわびをしているところでございます。  私に対して質問するとはということでございますが、私は現在、経済産業大臣として一生懸命職務に全うし、そしてこの法案についても当委員会で御審議お願いしているところでございます。
  164. 西山登紀子

    西山登紀子君 私の家にも、こういうきちっとした社会保険庁からよく便りが参ります。月一万三千三百円を払っている者がおりますので、非常に熱心に参ります。  そしてまた、議員年金の問題、今大問題になっているんですね、併せてですけれども。とりわけ、大臣、今大臣がサインなさった、年金の改正案と言われておりますが、私はどこから見ても改悪案だと思いますけれども、最高一か月一万六千九百円、月々納めなきゃなりません。今、無年金の学生、障害を持っている学生さんの問題、裁判でもなって大問題になっているわけですよ。こういう法案大臣がサインをなさったという、その点で、今自分は経済産業大臣なんだからいいじゃないかというようなお答えがあったようですけれども、やはり閣僚の一員としての私は資格が問われているのではないかというふうに思います。  この問題はここまでにして、法案質問に入りたいと思います。  今度の改正案は、点検商法やアポイントメントセールスなど悪質な商法が社会問題化している中で、消費者の利益を保護すると、国民経済の健全な発展に寄与するという方向で前進させた内容になっておりますので賛成でございます。せっかく法律が改善されましても、悪質な業者が法の網の目をくぐって次々にまた悪質商法を重ねるというふうな状況が今あるわけですけれども、是非これを、拡充をされた制度を消費者が利用する際に、うんと消費者に配慮した支援の拡充や執行と周知の徹底が必要だと思いますので、その点で幾つかお伺いをしたいと思います。  京都では、六十歳以上をねらった在宅の、リフォームが必要ですよというふうなそういう商法だとか、消火器の点検商法、悪徳商法、これが今急増しているんですね。今年度は上半期だけで四十七件、前年度は一年分が二十四件ですから、非常に上回っております。百件を超える勢いだと言われているんですけれども、こうした消火器点検商法による被害は全国ではどのようになっているのでしょうか、御説明ください。
  165. 青木宏道

    政府参考人青木宏道君) 西山委員指摘のように、建物や水道の点検などと言って、言わば偽って消費者の自宅に上がり込むと、そして、床下が腐っている、あるいはこの水道の水は悪いといったような虚偽の説明をして消費者の不安をあおる、その結果、相当高額な商品を売り付けると。そういう意味の点検商法、これがこのところ急増いたしてございます。  国民生活センターによりますPIO—NETのデータでございますけれども、その苦情相談件数でございますが、平成十二年度の五千五百二十四件、これが十四年度には一万一千六百五十七件、二年間で約二倍に増加をしているところでございます。  個々の被害額については私どもも一般的には承知をしておりませんが、例えば住宅リフォームといったようなことになりますと、例えば百万円単位の高額な被害も出ているといったようなこともあるやに聞いてございます。  したがいまして、今回の改正案におきましては、事業者が訪問したときに訪問目的をまず明示をする、そして契約を結ばなければならないような事情についてうその説明をすることを禁止をする、あるいは重要なことについてわざと言わないといったようなことについても罰則をもって禁止をするということで、二年以下の懲役あるいは三百万円の罰金という相当厳しい刑事罰を導入したところでございます。  こうした行政規制の強化に加えまして、私ども今回、この改正案におきまして意を用いておりますのが民事ルールの整備でございます。例えば点検商法の場合でございますと、事業者がうその説明をする、あるいは重要なことを言わない、その結果、消費者が誤認をして契約を結んでしまったという場合には消費者がその契約を取り消せるといったような新しいルールを導入したところでございます。
  166. 西山登紀子

    西山登紀子君 消火器点検商法の場合、一般家庭にもよく訪れておりまして、詰め替えの時期が来ておりますよ、点検をして詰め替えておきましょうと言って持って帰って、そして詰め替えてまいりましたというのが二週間後にやってくるわけですね。そうするとクーリングオフの八日間は切れているということなんですが、一本二万円もする。それでびっくりした家族が気付いてどうしようというふうなことになっているケースもございますけれども、こういう場合にはこのクーリングオフというのはできないものでしょうか。今回の法改正ではどのようになるでしょう。
  167. 青木宏道

    政府参考人青木宏道君) 二点ございます。  まず、今回の改正案では、この点検商法対策といたしまして、先ほど申し上げましたように、事業者が虚偽の説明、うその説明をする、あるいは重要な事項についてわざと言わない、こういった説明をすることによって、結果として消費者が誤認をして契約を結んだという場合には消費者がその契約の意思表示を取り消すことができるということでございますので、これは仮にクーリングオフ期間が過ぎていたとしても取り消すことができます。  また、第二点目でございますけれども、クーリングオフ妨害という点についても今回措置をいたしてございます。  すなわち、事業者がうその説明やあるいは威迫困惑によってクーリングオフを妨害をするといったような場合には、例えば点検商法の場合は八日間クーリングオフ期間が設けられておりますけれども、そのクーリングオフ期間経過後においても消費者が改めてクーリングオフをすることができる、そういった手当てをしてございます。
  168. 西山登紀子

    西山登紀子君 ありがとうございます。  京都の消火器の事例は、実は大阪の事業者なんですね。それはそうでしょう、自分の県のところの事業者がやるわけがない、ほかに行ってやるわけでございますが。近県で連携をして、新聞でアピールしたりホームページに載っけたり、注意を呼び掛けたりしておりました。実は小規模事業者がねらわれておりまして、小規模事業者はクーリングオフの対象外だということで余計にねらわれていたという例があります。その場合に、近県で連携をし合って防ぎましょうねというふうな工夫がされているわけでございます。  ですから、被害が急増した場合に、やはり国がイニシアを発揮いたしまして早期にこういう悪徳商法の実態を把握し、そして情報公開をして未然に防止をしていくというようなことも非常に大事じゃないかと思いますし、先ほど来お話にあっております、やはり体制ですね、消費生活センターとか国民生活センターのやはり体制の強化というのがこれは不可欠ではないかというふうに思いますけれども、いかがでしょうか。
  169. 青木宏道

    政府参考人青木宏道君) 今、広域的な連携について御質問がございました。  御指摘のとおり、特定商取引に違反する行為を行う事業者の中には、その主たる事務所を置く都道府県内ではなくて他の都道府県に居住する消費者に対しても違法な勧誘行為を行い、広域にわたってトラブルを惹起するといったようなケースがございます。  こうした事態に対処するために、まず私どもは、経済産業省、それから内閣府、国民生活センター、それから警察庁、こういったところと定期的な連絡会を設けておりまして、そうしたものの端緒をできるだけ早くつかむということに心掛けているところでございます。  また、各地経済産業局におきましても、管内の都道府県の執行部、それから県警本部、こういったところとも随時緊密な連携を取っているところでございます。  さらに、都道府県の法執行の能力の向上を図るということから、私ども、本省あるいは地方局の職員を対象として研修を実施しております。その際、都道府県あるいは消費生活センターの職員の方にも来ていただきまして、一緒に調査能力の修得あるいは情報の共有と、こういったところも努力をしているところでございます。
  170. 西山登紀子

    西山登紀子君 この法案の最後の質問ですけれども、消費者保護のための消費者団体等による団体訴権、これ非常に大事だということで景品表示法の質問のときにもさせてもらいましたけれども、是非これ急ぐ必要があると思うんですが、いかがでしょうか。
  171. 永谷安賢

    政府参考人永谷安賢君) 消費者団体訴訟制度についてのお問い合わせでございますが、この消費者団体訴訟制度につきまして、私ども、去年一年掛けまして、二十一世紀型の消費者政策の在り方についてという検討会を開いてきておりまして、去年の五月に報告書をいただいたんですけれども、その中で、消費者団体訴訟制度を導入することが必要である、特に、消費者被害が多発している現状にかんがみると、消費者被害の発生、拡散を防止するための差止め制度を導入することが必要である旨の提言をいただいております。  この提言をベースにしまして、去年の七月でありますけれども、消費者保護会議というのを、これ国の、行政サイドでの消費者政策の最高の意思決定機関でありますけれども、昨年の七月に消費者保護会議を開催さしていただきまして、そこで不当条項等の使用に対する差止め制度の導入を検討する旨の決定がなされております。  そういう経緯を踏まえまして、この間の四月の十六日でございましたけれども、国民生活審議会の消費者政策部会で、この消費者団体訴訟制度の具体的な中身でありますとか、あるいは必要な法制上の措置について検討を行うための検討委員会を設置するということが決定されたところであります。でき得れば、年内ぐらいにはある一定の方向について打ち出せればというふうに考えているところであります。
  172. 西山登紀子

    西山登紀子君 是非早くやっていただきたいというふうに思います。  次に、商品取引法の法案改正について質問したいんですが、時間が迫っておりますので、一番目を飛ばしまして二番目から質問をさせていただきます。  先物取引被害が増えているということは、もうずっと質問の中で明らかになってまいりましたので、先物取引被害が異常に増えておりますし、またその中で違法行為が厳然と行われているということも、これはもう事実でございます。これは、前回の改正かなり規制緩和が行われたということが私は一つの原因であろうと思いますし、経済産業省や農水省の監督の怠慢も一つあるんじゃないかというふうに思うわけです。  といいますのは、このいただいた調査室の資料のパブリックコメントに対する回答でも、不当な勧誘方法や不公正な取引は現行法でも違法であると。具体的に言いますと、顧客が拒否した後に行う勧誘、迷惑な時間帯による勧誘、そういう、何だか難しい言葉ですね、過当な向かい玉とか仕切り拒否とかいろいろ、客殺しというような言葉もあって、大変な言葉があるんだなという、私も勉強させてもらいましたけれども、そういうことをしちゃいけないというふうになっているわけですが、現実には行われていると。  日弁連が独自に先物取引被害一一〇番という白書を出していらっしゃいますが、そこでも四百十六件、六十三事業者、業者全体の八割強に対する苦情が寄せられていると。目に付くのは、勧誘段階では、不招請勧誘、執拗な勧誘、適合性原則違反、説明義務違反、断定的判断の提供、取引経済段階では、一任売買、両建の勧誘取引終了段階では、仕切り拒否や回避なんというようなことが指摘されているわけでございます。  そこで、やはり政府の監督を強化するということが一つ大事ですし、また、日弁連などが要求しております訪問勧誘や電話勧誘などの不招請勧誘、さらには広告を禁止する、こういう時期に来ているのではないかと思うのですが、いかがでしょうか。
  173. 小川秀樹

    政府参考人小川秀樹君) お答え申し上げます。  御指摘のいわゆる不招請勧誘の一律禁止ないし広告の禁止という点でございます。  不招請勧誘、顧客が望む場合を除いて電話等による勧誘を一切禁止するという考え方でございます。広告の禁止も併せまして、やはり営業の自由の制限という大変な重要な問題と関連するわけでございます。この問題を検討、議論しようと考えますと、やはり商品先物取引だけにとどまらないで、ほかの金融商品などでも同様の問題ございまして、投資取引全般等との関係も幅広く慎重に議論する必要があるというふうに考えられるわけでございます。  他方、御指摘のように、一般個人の方が望まない勧誘によって、その意思に反して先物取引に引き込まれて損失を受けるというようなトラブル、そういったことは厳正に抑止されるべきでございまして、そういう意味で、今回の法改正におきまして、入口段階の勧誘規制を大幅に強化をしておるわけでございます。  一つには、勧誘に先立って先物取引勧誘である旨を告げることを義務付ける。また、一度断った者に対しては更に勧誘を行うことを禁止するというような、加えて、迷惑勧誘禁止といった不当勧誘禁止を法定するという案を盛り込んでおるわけでございまして、この点につきましては、衆議院におきまして、勧誘に先立って勧誘目的を告げることに加えて、その上で勧誘を受ける意思の有無を確認する義務を明記する、併せて、いわゆる両建て勧誘についても禁止を法定するといった点の修正がなされたわけでございまして、この規制趣旨が一層明確になったというふうに考えておるわけでございます。  加えて、いわゆる適合性原則の強化、それから商品先物取引の仕組み、リスク勧誘に際して説明することを義務付け、違反に対しては無過失損害賠償責任を負わせるといったような種々の勧誘規制の強化をしておりまして、法律が成立いたしましたら、運用のガイドラインを策定、公表いたしまして、厳正な執行に全力を挙げて取り組みたいというふうに考えております。
  174. 西山登紀子

    西山登紀子君 大臣にお伺いしたいんですけれども、日本の場合、先物取引というのが非常に特殊な状況を持っていると。取引中の客はほとんど九割が素人のお客さん、その取引中の客の八割の方が損失状態にあるというようなことで、非常に、被害者が出るのは何か当然のような異常な状態にある。だから、日本先物市場について、もっと当事者主義に戻していくというか、そういうふうに改善する必要があるんじゃないかと。被害をなくする上で、やはりプロに限るというか、そういうふうにするべきではないでしょうか。  大臣にお伺いします。
  175. 坂本剛二

    ○副大臣坂本剛二君) 我が国の場合、従来は個人投資家が中心という特徴があったわけでございますが、石油市場に見られますように、商品先物市場が有する産業基盤の機能、これを活用する動きがようやく出てまいりました。それで、市場規模も急に拡大をいたしております。  このような動きを踏まえまして、今後の方向としては、リスクヘッジのニーズを有する当業者及びリスクを取ることのできる機関投資家などのプロ投資家を中心に構成されるべきものであって、個人投資家にありましては、自己責任の下、主体的な投資判断を行うことができる者が参加するようにするべきと考えます。このため、委託者保護を抜本的に強化し、信頼性利便性の高い健全な市場を整備すべく今回の法改正を提案したところでございます。
  176. 西山登紀子

    西山登紀子君 外国などを見ますと、やはりプロにうんと限られていますよね。日本の場合、非常に異常だというふうに思います。  さらに、最後の質問ですけれども、今回の改正取引所取引、OTC、これを広げようとしているということで、言わば当事者同士の相対という前提で非上場商品取引所にのみ認めていたんだけれども、今度は上場品も認めるということになりますと、この九割が素人だという日本商品取引所が非常にねらわれて、取引所集中原則が揺らいで、監視の届かない投機的な取引が広がる可能性があるのではないか。リスクヘッジではなくて、利ざやの取引や投機の場を無限に拡大させることになるのではないかと思うのですけれども、いかがでしょうか。
  177. 青木宏道

    政府参考人青木宏道君) 御案内のとおり、商品取引所におきます取引といいますのは、当業者あるいは投資家といったような多様な参加者に対して公正な取引機会を提供すると。そういう意味で、取引期間ですとか取引単位あるいは対象の商品といったような取引条件につきまして最大公約数化をいたしまして、大変標準化をした取引を大規模に行う、そこでいろんな思惑がぶつかることによって公正な価格形成を行うというのが基本でございます。  一方、商品取引所におきますそうした標準化した取引では、なかなか実需家であります当業者の多種多様な事業活動のニーズが、こたえるのは難しいと、こういったケースもございまして、これに対応して、当業者同士、あるいはリスクテーカーであります金融機関との間で取引条件を相対の交渉で決めるといったような相対取引がこのところ拡大をいたしてございます。そういう相対取引を効率的に行えるようにするために、相対取引を仲介するサービスのニーズが大変高まっているというのが現状でございます。  したがいまして、これに対応して、今回の改正案におきましては、このような相対取引の仲介の場を商品市場類似施設という形で、一つは許可制の下で認めるということでございます。これは言わばオーダーメードでございまして、この相対取引の仲介業務に限定されたものでございまして、商品取引所におきます標準的な取引とは異なる機能を持っておりまして、むしろ私ども、これは補完をするというふうに考えてございます。そういう意味では、商品取引所が開設する市場が形骸化することはないというふうに考えてございます。  それから、二点目でございますけれども、この商品市場類似施設におきましては、これは法令上、一般投資家参加は全く認めておりません。また、開設許可の要件といたしまして、取引参加するうちの、うち過半数は実需家である当業者であることということを開設の要件として認めておりまして、したがいまして私ども、投機的な取引を助長すると、こういうことにも結び付かないと、かように考えております。
  178. 西山登紀子

    西山登紀子君 私の質問はこれで終わって、緒方委員に。
  179. 緒方靖夫

    ○緒方靖夫君 先週の委員会に続きまして、大阪府食肉事業協同組合連合会、府肉連をめぐる牛肉偽装事件について質問をしたいと思います。  前回の質問で、私は、自らの調査を基にして、浅田満容疑者の率いるハンナングループと指定暴力団山口組や政治家の不透明な関係指摘して、捜査当局にその実態の全容解明を強く要望したところです。その際、指摘した事実はその後マスコミでも取り上げられまして、税金を食い物にする政官業の癒着は許さないという国民の強い批判、その高まりを現在も実感しているところです。  そこで、今日は、前回の質問指摘しました鈴木宗男被告や松岡利勝元農水副大臣との緊密さに加えて、新たに分かった政治家との問題を取り上げたいと思います。  資料の配付をお願いしたいと思います。    〔資料配付〕
  180. 緒方靖夫

    ○緒方靖夫君 お配りしている資料は、政治資金収支報告書を基に、浅田容疑者個人や、彼の率いるハンナングループから資金提供を受けた、受けていた政治家をリストアップしたものです。人数は全部で計六名。いずれも、関係する政治団体や政党支部を通じてパーティー券購入や献金を受けていることが明らかになったものです。  見ていただければ分かるように、現職議員で最も金額が多かったのは、現在衆議院憲法調査会会長を務める中山太郎元外務大臣。この方は計二百五十八万円ですね。中山氏は、一九九五年から二〇〇二年までの八年間、ほぼ毎年欠かさず国際経済懇話会や政党支部を通じて、中核企業のハンナンや南大阪食肉畜産荷受から献金を受けております。南大阪食肉畜産荷受といえば、前回私が質問をいたしましたように、鈴木宗男被告の政治団体が置かれていたその会社ですね。そればかりか、九五年には浅田容疑者個人に九十万円のパーティー券を購入してもらっているなど、関係の親密さがうかがわせられるものになっております。  関係の深さということでは、藤本孝雄元衆議院議員も同様です。藤本氏は、九五年と九六年に政治団体を介して、浅田容疑者個人やハンナン、ハンナンマトラス、関西丸一食品から献金やパーティー券の購入では計三百万円の資金提供を受けております。そのうち百八十万円は藤本氏が橋本内閣で農水大臣を務めていた九六年に受け取っている、このことも判明しております。  そのほか、岡下信子元衆議院議員に百五十万円、鈴木宗男被告に七十万円など、浅田容疑者個人やハンナングループから受けた資金提供の総額は、そこにありますように合計一千五十八万円に上っております。  そこで、中川大臣にお伺いしたいと思います。  この資料にありますように、大臣の政治団体、中川会について調べましたところ、大臣が農水大臣を務めていた九九年に阪南食肉購買事業協同組合から百万円、総選挙があった二〇〇〇年にハンナンマトラスから百万円、合わせて二百万円のパーティー券を買ってもらっております。この点、間違いないかどうかお伺いしたい。  そして、この二つの団体はいずれも浅田容疑者が代表を務めているわけですけれども、浅田容疑者とは、大臣、どのような関係にあるのか、お伺いしたいと思います。
  181. 中川昭一

    国務大臣中川昭一君) いただきました緒方委員のリストの中の私の記述は事実でございます。  私は、平成十一年、多分十月の三日か四日だったと思いますが、それまで農水大臣をやっておりました。そして、毎年大体十一月から十二月に年一回いわゆる政治資金パーティーを東京で開催をしておりまして、平成十一年十二月十五日に阪南食肉購買事業協同組合から百万円のパーティー券を買っていただきました。平成十二年の十一月十七日にハンナンマトラスから百万円のパーティー券を買っていただきました。もちろん、これは政治資金規正法に基づいて届出処理、適正に処理されたものでございます。  それから、私と浅田さんとは直接の面識は多分ほとんどないと、絶対ないと言えるかどうかはちょっと分かりませんが、ほとんどないというふうに私は認識をしております。ただ、父親の生前中に私の父親と浅田さんが非常に親しい関係にあったということはいろんな方から聞いておりまして、まあ、私とはほとんど、少なくとも二人だけでとか何か目的があってお会いをするということはございません。  一つだけ、会ったのは、私の父親の記念碑、記念館を地元に建てていただくときに多大なお世話になったやに聞いております。息子の私がこういう答弁をするのは非常に変なお感じを与えるかもしれませんけれども、当時、私は中選挙区でございまして、そういう形の中で、このいわゆる中川一郎記念館というのがおやじの出生地にあるんでありますが、これの建設にはほとんど私が関与をしない状態で、多くの方々にお世話になって作っていただきまして、そのオープンのときにお会いをした、そして私が息子としてお礼を申し上げたと。そのときに浅田さんもたしかお見えになっていてごあいさつをした記憶がございますけれども、それ以外に私の記憶としては浅田さんにお目に掛かった記憶は今の段階では思い出せないというのが事実でございます。  いずれにしても、この任意団体からこの金額で、ただ農林大臣とか選挙とかいうお話がございましたけれども、そういう趣旨ではなく、毎年同じ、ほぼ同じ時期に年一回やっている十一月、十二月の政治資金パーティーに関して、私と浅田さんを知るどなたかかが、パーティーの券ですから、ばあっと、言葉は悪いですが、ばらまくというか、いろんな方にお願いをする中で、多分父親と仲が良かったということで購入をしていただいたものというふうに理解をしております。
  182. 緒方靖夫

    ○緒方靖夫君 浅田さんというふうに呼ばれましたけれども、顔も知らないということでございますか。
  183. 中川昭一

    国務大臣中川昭一君) ですから、私の父親の記念館のオープンのときにはお会いをしているわけでございますし、写真では知っておりますから、多分、ここにいきなり私とお会いをしたときに浅田さんというふうにぱっと分かるかどうかということについては、ですから、実際に会った記憶で今はっきり申し上げられるのはその一回きりでございます。
  184. 緒方靖夫

    ○緒方靖夫君 それから、ハンナングループから資金提供を受けていたという事実はこの事件だけですか。それ以外にございますか。
  185. 中川昭一

    国務大臣中川昭一君) 届出しているだけでございます。
  186. 緒方靖夫

    ○緒方靖夫君 大臣は、私の前回の質問に対して、今回の事件について、日本の消費者の食品、食肉メーカー、関係業界に対する信頼を損なうもので大変遺憾だと、そういう答弁をされました。  今回の事件で偽装工作を行っていた疑いが強まったとして経理部長や総務部長まで逮捕されている、それがハンナンマトラスという会社なんですよね。このような企業からパーティー券の購入という形であなたの政治団体が資金提供を受けていた、そのことについてやはりこれはまずいことだとか問題だということは感じられませんか。
  187. 中川昭一

    国務大臣中川昭一君) BSEが発生したのが二〇〇一年の九月の十一日に公表されて、もちろん私もそのときに知ったわけでございますけれども、それ以前の九九年と二〇〇〇年のことでございまして、そのとき、時点では私のパーティーに対するパーティー券購入の対価というふうに理解をしておりました。
  188. 緒方靖夫

    ○緒方靖夫君 やはり私は、振り返ってみても、やはり非常に問題が多いというふうに思いますよ。パーティー券を買ってもらっていた。  そして、そのもう一方の阪南食肉購買事業協同組合、この団体についても私、調べてみました。驚くべき実態があったんですね。  それは、法人登記を基にこの団体のあるとされる羽曳野市伊賀六の五の九の所在地を訪ねてきました。写真を撮ってくれましたので、こういう写真なんですね。これがその建物、そしてこれが少し拡大した正面玄関ですけれども、そこには驚くべきことにこの看板がないんですよ。所在がここには確認されてない、登記簿にありながら、そういうことなんですね。そして、その代わりにこの敷地には、ここにありますように、昭栄興業という、そういう看板が掛かっております。ハンナングループの企業しかここにはなかったと。しかも、この昭栄興業というのは、浅田容疑者の実弟で元暴力団の組長の経歴を持つ人物が設立した会社だと。今回の事件でも買上げ申請をした牛肉の焼却施設を大量に受注していた、このことが分かってまいりました。  このように、役所への届出上では協同組合を名のりながら実体は全く不明で、その所在さえも分からない、言わば幽霊団体とさえ言っても過言ではないようなそういうところから、大臣自身、農水大臣の時期はずれていたということを先ほどおっしゃられました。これも私、後できちっと確認したいと思いますけれども、いずれにしても、政治家としてこの時期にパーティー券という形で資金提供を受けていた、このことは問題と思われませんか。
  189. 中川昭一

    国務大臣中川昭一君) その写真のところに私、行ったことありませんし、そのことは何とも申し上げられませんが、いずれにしても、銀行振り込みでパーティー券を買っていただいたということでございます。
  190. 緒方靖夫

    ○緒方靖夫君 どこから振り込まれたんですか。
  191. 中川昭一

    国務大臣中川昭一君) 多分、阪南何とか組合とハンナンマトラスからどこかの銀行を通じて送金されたものというふうに理解しております。
  192. 緒方靖夫

    ○緒方靖夫君 これは事実の問題ですから、理解しているとかそういうことでは困るわけですね。私はやはり大臣として、今大きな問題になっている、そして刑事事件に発展しつつあるこの問題について、やはりきちっとしたけじめが必要だと思います。けじめというのは事実をまず、まず解明するという……
  193. 中川昭一

    国務大臣中川昭一君) いや、勘違いしている。
  194. 緒方靖夫

    ○緒方靖夫君 私の発言中です。  じゃ、勘違いですか、じゃ。
  195. 中川昭一

    国務大臣中川昭一君) どこから振り込まれたんですかと言うから、何々銀行何々支店かという御質問だと思ったものですから、今分かりませんとお答えしたんで、私は先ほど、阪南食肉購買事業協同組合から百万円、平成十二年にハンナンマトラスから百万円、パーティー券の代金として銀行振り込みとして購入をしていただいたということは先ほど申し上げました。
  196. 谷川秀善

    委員長谷川秀善君) 緒方靖夫君、時間が参りましたので。
  197. 緒方靖夫

    ○緒方靖夫君 直前の、直前の答弁でもちゃんとハンナングループと言われていますよ。そのことは分かっているんです。ですから、私は、この問題についてやはりきちっとした形で大臣自身が自らの行ってきたことについて調査して、そしてやはりそれを公表していただきたい。  そして、委員長お願いしますけれども、当委員会でも、やはりこれだけの問題があるわけですから、今これだけ大きな問題になっていて、やはり大臣がこういう、今私が述べたようなことが実際に起こったということを認められたわけですから、この問題について当委員会でもしかるべき形で扱いを協議していただきたい、このことをお願いいたします。
  198. 中川昭一

    国務大臣中川昭一君) 先週の土曜日の朝日新聞にももう既に出ておりますし、私自身も十分自分で調査をいたしました。何かほかにあればお答えをしたいと思いますけれども、私とこのハンナングループですか、浅田さんですか、との関係というのはこれだけでございます。
  199. 谷川秀善

    委員長谷川秀善君) もう時間です。だから、ただいま緒方委員とのお話は後日理事会で協議いたします。
  200. 緒方靖夫

    ○緒方靖夫君 じゃ、終わります。
  201. 谷川秀善

    委員長谷川秀善君) 他に御発言もないようですから、両案に対する質疑は終局したものと認めます。  これより討論に入ります。  御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
  202. 西山登紀子

    西山登紀子君 私は、日本共産党を代表して、商品取引所法の一部を改正する法律案に対し、反対討論を行います。  反対理由の第一は、本法案日本版ビッグバンに端を発した規制緩和の流れを加速させるものであり、国民をより一層投機に駆り立てる、経済の投機化を促進するからです。  商品取引員の許可制度の緩和や取引所市場拡大などは、さきのパラジウム先物市場の高騰に見られるように、商社や銀行、商取会社のもうけの場を拡大し、投機的取引拡大させることは明らかです。先物被害が増加、深刻化している現状をこのまま放置して、これ以上の規制緩和を進めることは許されません。  第二は、委託者保護強化についての一定の改善があるものの、極めて不十分であり、これでは増大する先物被害を根本的に食い止めることはできないからです。ましてや、被害救済に取り組んでいる関係者から切望されていた不招請勧誘禁止を見送ったことは重大です。  そもそも先物取引は、極めて投機性が高く、専門的知識や経験を必要とすることから、一般投資家には不向きな取引であり、当業者、専門家に限るべきです。我が国先物市場は、当業者主義の徹底がなされておらず、参加者のほとんどが一般投資家という諸外国にも例を見ない、異常な構造こそ改善すべきです。  第三は、取引所株式会社化により、取引参加者にとって透明かつ公正、中立な存在であるべき取引所が、株主利益を優先することによってその公共性を弱め、ゆがんだ市場運営に傾斜していくことが懸念されるからです。  最後に、先物業界を丸ごと保護してきた政官財の癒着の構造をきっぱりと断ち切り、例えばアメリカ商品先物取引委員会のような組織、権限を持った監督官庁の設置など、これ以上先物被害を出さないことを最優先にした抜本的制度改革が必要であることを申し上げて、反対討論といたします。
  203. 谷川秀善

    委員長谷川秀善君) 他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。  これより採決に入ります。  まず、商品取引所法の一部を改正する法律案の採決を行います。  本案に賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕
  204. 谷川秀善

    委員長谷川秀善君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定をいたしました。  この際、藤原正司君から発言を求められておりますので、これを許します。藤原正司君。
  205. 藤原正司

    ○藤原正司君 私は、ただいま可決されました商品取引所法の一部を改正する法律案に対し、自由民主党、民主党・新緑風会、公明党及び日本共産党の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。  案文を朗読いたします。     商品取引所法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)   政府は、本法施行に当たり、次の諸点について適切な措置を講ずべきである。  一 商品取引員勧誘行為に関しては、個人委託者保護のため、適合性原則の徹底を始め関係法令を遵守するよう厳格に指導すること。特に、新規委託者保護には万全を期すとともに、契約締結前に交付すべき書面については、商品先物取引の仕組み・リスクについて個人委託者に分かりやすい内容とすること。  二 両建て勧誘、特定売買、向玉等の悪用については厳正に対処するとともに、今後の委託者トラブルの動向を踏まえ、禁止行為の類型やその実効性の確保策について適時適切な見直しを行うこと。  三 商品取引員に対する監督体制については、農林水産省及び経済産業省の緊密な連携を図り、委託者保護に万全を期すとともに、米国の商品先物取引委員会(CFTC)等も参考として、今後の体制強化について検討を行うこと。    右決議する。  以上であります。  何とぞ委員各位の御賛同をお願いいたします。
  206. 谷川秀善

    委員長谷川秀善君) ただいま藤原君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。  本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕
  207. 谷川秀善

    委員長谷川秀善君) 全会一致と認めます。よって、藤原君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定をいたしました。  ただいまの決議に対し、中川経済産業大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。中川経済産業大臣
  208. 中川昭一

    国務大臣中川昭一君) ただいま御決議のありました附帯決議につきましては、その趣旨を尊重し、本法律案の実施に努めてまいりたいと考えております。  ありがとうございました。
  209. 谷川秀善

    委員長谷川秀善君) 次に、特定商取引に関する法律及び割賦販売法の一部を改正する法律案の採決を行います。  本案に賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕
  210. 谷川秀善

    委員長谷川秀善君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定をいたしました。  この際、藤原正司君から発言を求められておりますので、これを許します。藤原正司君。
  211. 藤原正司

    ○藤原正司君 私は、ただいま可決されました特定商取引に関する法律及び割賦販売法の一部を改正する法律案に対し、自由民主党、民主党・新緑風会、公明党及び日本共産党の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。  案文を朗読いたします。     特定商取引に関する法律及び割賦販売法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)   政府は、本法施行に当たり、次の諸点について適切な措置を講ずべきである。  一 近年、ますます悪質・巧妙化している訪問販売、連鎖販売取引等の実態にかんがみ、消費者保護の充実強化の観点から、関係省庁、地方公共団体、警察の連携体制の一層の緊密化を図りつつ、違法行為に対して機動的かつ厳正な行政措置を発動するとともに、そのための取締体制を整備すること。    また、消費者トラブルを防止するため、消費生活センター及び国民生活センターが相談窓口として有効に機能するよう努めること。  二 本改正趣旨及び内容について、消費者、事業者等に対して十分な周知徹底を図り、消費者団体等の協力を得つつ、啓発活動の充実に努めること。    特に、高齢層、若年層に対しては、社会教育、学校教育のより一層の充実を図ること等により、消費者被害の未然防止に万全を期すこと。  三 報告徴収及び立入検査の対象事業者が拡大することに伴い、人員の増強等を図り、本法の適切かつ機動的な執行に努めること。    右決議する。  以上であります。  何とぞ委員各位の御賛同をお願いいたします。
  212. 谷川秀善

    委員長谷川秀善君) ただいま藤原君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。  本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕
  213. 谷川秀善

    委員長谷川秀善君) 全会一致と認めます。よって、藤原君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定をいたしました。  ただいまの決議に対し、中川経済産業大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。中川経済産業大臣
  214. 中川昭一

    国務大臣中川昭一君) ただいま御決議のありました附帯決議につきましては、その趣旨を尊重し、本法律案の実施に努めてまいりたいと考えております。  ありがとうございました。
  215. 谷川秀善

    委員長谷川秀善君) なお、両案の審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  216. 谷川秀善

    委員長谷川秀善君) 御異議ないと認め、さよう決定をいたします。  本日はこれにて散会いたします。    午後三時二十分散会