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2004-03-25 第159回国会 参議院 共生社会に関する調査会 第5号
公式Web版
会議録情報
0
平成
十六年三月二十五日(木曜日) 午後五時開会 ─────────────
出席者
は左のとおり。 会 長
狩野
安君 理 事 有馬 朗人君
大野つや子
君 中原 爽君
神本美恵子
君
羽田雄一郎
君
山本
香苗
君 林 紀子君 委 員 有村 治子君 大仁田 厚君 小泉 顕雄君 後藤 博子君 清水嘉与子君
南野知惠子
君 橋本 聖子君
岡崎トミ子
君 千葉 景子君 森 ゆうこ君
弘友
和夫君
吉川
春子
君
福島
瑞穂
君
高橋紀世子
君
国務大臣
法務
大臣
野沢
太三
君
厚生労働大臣
坂口
力君
国務大臣
(
内閣官房長官
) (
内閣
府
特命担
当
大臣
(
男女共
同
参画
))
福田
康夫
君
国務大臣
(
国家公安委員
会委員長
)
小野
清子
君
事務局側
第三
特別調査室
長 岩波 成行君
政府参考人
内閣
府
男女共同
参画局長
名取はにわ
君
警察庁生活安全
局長
伊藤 哲朗君
総務省自治行政
局長
畠中誠二郎
君
法務省民事局長
房村
精一
君
厚生労働省雇用
均等・
児童家庭
局長
伍藤
忠春君 ───────────── 本日の
会議
に付した案件 ○
共生社会
に関する
調査
(「
共生社会
の
構築
に向けて」のうち
配偶者
か らの
暴力
の
防止
及び
被害者
の
保護
に関する
法律
の
見直し
に関する件) (
配偶者
からの
暴力
の
防止
及び
被害者
の
保護
に 関する
法律
の一部を
改正
する
法律案
に関する件 ) ─────────────
狩野安
1
○
会長
(
狩野安
君) ただいまから
共生社会
に関する
調査会
を開会いたします。
共生社会
に関する
調査
を
議題
といたします。 「
共生社会
の
構築
に向けて」のうち、
配偶者
からの
暴力
の
防止
及び
被害者
の
保護
に関する
法律
の
見直し
に関する件について、
質疑
を行うことといたします。
改正案
の
起草
に先立ちまして、
理事会
の
申合せ
により、私から
調査会
を代表して
質疑
をいたしたいと存じます。 昨年二月に、
調査会
の
理事会
の下に
配偶者
からの
暴力
の
防止
及び
被害者
の
保護
に関する
法律
の
見直し
に関する
プロジェクトチーム
が設置されました。この
プロジェクトチーム
の現在の
メンバー
は、
座長
を務める自由民主党の
南野知惠子委員
、副
座長
を務める民主党・新緑風会の
神本美恵子理事
、公明党の
山本香苗理事
、
日本共産党
の
吉川春子委員
、
社会
民主党・
護憲連合
の
福島瑞穂委員
、みどりの
会議
の
高橋紀世子委員
であり、
会長
及び
理事
も随時
出席
、
発言
をしてきたところであります。
プロジェクトチーム
の
活動経過
、さらには
配偶者暴力防止法改正案
の骨子の
内容
につきましては、これまでも本
調査会
に
報告
がなされてきたところでありますが、
プロジェクトチーム
の
メンバー
の方々の御尽力により、このたび
配偶者暴力防止法改正案
がまとまりました。 そこで、
改正案
の
起草
に先立ちまして、
理事会
の
申合せ
に基づき、私から以下の点について
関係省庁
に質問をさせていただきます。 まず、
保護命令関係
についてであります。 このたびの
法改正
の焦点の一つが刑法上の
脅迫
を
保護命令
の
対象
となる
暴力
とするかどうかでありましたが、今回は見送られております。そこで、
脅迫
を
保護命令
の
対象
とすることができない
理由
、さらには、次回の
法律見直し
に向けて、
脅迫
を
保護命令
の
対象
とすることについて、
保護命令
の
保護法益
の
在り方
を含めて
検討
をしていく意思があるかどうか、
法務省
にお伺いいたします。
野沢太三
2
○
国務大臣
(
野沢太三
君)
保護命令制度
は、
被害者
の
生命
又は
身体
の安全を確保するために、
裁判所
が
刑罰
で担保された
接近禁止命令
などの
保護命令
を簡易迅速に発するという特別な
制度
でございます。このような
保護命令
の発令の要件となる
行為
に
脅迫
を含めることとしますと、例えば夫婦の一方が、ぶん殴ってやるというような感情的な
発言
をしたにすぎない場合でも
脅迫
に含まれ得ることになりますので、このような場合に、現に殴るけるなどの暴行を加えているという切迫した場合と同様に
刑罰
で担保されている
保護命令
を発するということには問題があると考えられます。 なお、
加害者
の
行為
が
脅迫
にとどまっている場合であっても、
被害者
の
生命
又は
身体
を守るために
保護命令
を発することができるようにすべきであるとの御
意見
があることも承知しておりますが、これまで
身体
的な
暴力
を振るっていない
加害者
が今後はそのような
行為
に及ぶのかという予測的な判断を適正かつ簡易迅速に行うことは、
制度
的に困難であるという問題もございます。 そこで、
法務省
といたしましては、ただいま申し上げましたような
問題点
を踏まえながら、
保護命令制度
の
保護法益
の
在り方
を含めて、必要な
検討
を行ってまいりたいと考えております。
狩野安
3
○
会長
(
狩野安
君) 二点目は、やはり
保護命令
の
関係
でありますが、
見直し
において、
被害者
に対する
保護命令
の効果を減殺させないために、
被害者
の同居の
子供
への
接近禁止命令
を
裁判所
が出せるようになりますが、その際に、
離婚調停等
に基づく
子供
への
面接交渉権
との
関係
がどのようになるかを整理しておく必要があると思います。 この点については、個別の
裁判官
が十分承知しておくことも必要であると考えますが、その
関係
の整理について
法務省
にお伺いいたします。
房村精一
4
○
政府参考人
(房村
精一
君) ただいまのお尋ねの点は、最終的には、
配偶者
による
行為
が正当な
理由
に基づくものとして、付きまといあるいは
徘回
に該当しないこととなるかという点であろうかと思います。 まず、
家事審判等
によって
面接交渉
が認められた後に
子供
への
接近禁止命令
が認められた場合、これはその
面接交渉
が認められていることを前提といたしまして、その後の
事情
の
変更等
を考慮した上で
子供
への
接近
の
禁止
が命令されているということでございましょうから、
配偶者
がさきに認められました
面接交渉権
、
面接交渉
に従ってしたとしても、それは、そのことをもって直ちにその
面接交渉
が正当な
理由
に基づくものとは言えない、
接近禁止命令
の方が優先するという具合に考えられます。 一方、これとは逆に、
子供
への
接近
の
禁止命令
が発せられた後に
家事審判等
によって
面接交渉
が認められたという場合、この場合は、
家事審判
の過程で、当然、
子供
への
接近禁止命令
が発せられていた
事情等
を十分調べまして、その後の
事情
の
変更
を考慮した上で
面接交渉
を認めるということになろうかと思いますので、その認められた態様で
面接交渉
するということは原則的に正当な
理由
に基づくというもので、
子供
への付きまとい又は
徘回
には該当しないこととなると考えられます。
狩野安
5
○
会長
(
狩野安
君) 三点目は、
ストーカー規制法
との
関係
についてであります。
DV被害者
の
親族
や
支援者
の
安全確保
、
恋人間
の
暴力
に関しては、
現行
の
ストーカー規制法
を適切かつ迅速に
運用
することにより
十分対応
が可能であるとのことでありますが、その
対応
に向けての決意、また
DV法
においては
電話
、
ファクス等
による
被害者
への
接触
は
接近禁止命令
の
対象
とはされておりませんが、
ストーカー規制法
では
規制
の
対象
とされています。
電話
、
ファクス等
による
加害者
からの
接触
により
被害者
が多大な恐怖に襲われている事例があることからも、このような
接触行為
についても
ストーカー規制法
の適切かつ迅速な
対応
が必要と考えますが、この点についても併せて
警察庁
にお伺いいたします。
小野清子
6
○
国務大臣
(
小野清子
君)
ストーカー規制法
におきましては、
ストーカー行為者
が、好意の感情を抱いている者だけではなく、その者と
社会生活
において密接な
関係
を有する者に対しましても付きまとい等を行っている場合にも
規制
の
対象
としておりまして、
恋人
はもちろんのこと、
親族
や
支援者
も
社会生活
において密接な
関係
を有する者として、そのような者に対する付きまとい等も
規制
の
対象
となります。 さらに、同法におきましては、
連続電話
、
連続ファクス等
の
行為
を付きまとい等と
定義
をしておりまして、したがいまして、
親族
、
支援者
又は
恋人
に対する付きまとい等や
連続電話
、
連続ファクス等
による付きまとい等については
ストーカー規制法
を適用できる場合が多いと考えられております。 こうした場合に、
ストーカー規制法
に基づきます
警告等
の
措置
や同
法違反
での
検挙措置
などを積極的に講じているところでございまして、今後とも、
被害者
や
関係者
の
保護
のために、
ストーカー規制法
を迅速、的確に
運用
するよう督励してまいりたいと思っております。
狩野安
7
○
会長
(
狩野安
君) 四点目は、二次
被害防止
のための
職務関係者
への
研修
の
徹底
であります。
警察
官や
配偶者暴力相談支援センター
などの
職務関係者
が
DV
に対する
理解
が十分でないままに
被害者
と接し、その
言動
によって
配偶者
からの
暴力
を受けている
被害者
の心を更に傷付けるということも少なくありません。このような二次
被害
の
防止
に向けた
職務関係者
への更なる
研修
の
徹底
が必要となりますが、この点に関し、
内閣
府、
警察庁
、
法務省
及び
厚生労働省
の取組について
確認
をしておきたいと思います。
名取はにわ
8
○
政府参考人
(
名取はにわ
君)
職務関係者
が
配偶者
からの
暴力
に対する十分な
理解
がないため、
被害者
が更に精神的に傷付くこと、傷付くようなことはあってはならないことと考えております。
内閣
府におきましては、
配偶者暴力防止法
第二十三条第二項に基づき、
全国
の
配偶者暴力相談支援センター
の
職員
を
対象
に
連絡会議
や
研修会
を開催し、
支援者
による
講演等
を通じ、
被害者
の
立場
に立った
対応
を行うよう促しているところであります。今後もこうした
研修
に、より一層力を入れてまいりたいと考えております。
小野清子
9
○
国務大臣
(
小野清子
君)
配偶者暴力
の
被害者
が
警察
における
相談受理
や
事情聴取
に際しまして更なる
精神的被害
を受けることのないように、
被害者
の心情に
配慮
した
対応
を行うことは極めて重要でございまして、その意味からも、
警察職員
に対する
研修
は非常に重要であると
認識
をいたしております。 このために、各
都道府県警察
におきましては、
配偶者暴力
の
相談受理
に当たる
職員等
に対しまして、
配偶者暴力
の
被害者
の
心理的特性
、次に
被害者
の
精神的負担
の軽減やプライバシーの
保護
など、
被害者援助
の
実施
に当たり留意すべき
事項等
についての
研修
を
実施
するなど、
被害者
が二次
的被害
を受けることのないように
研修
を
徹底
するように努めております。
警察庁
におきましても、これらの
職員
に対しまして年一回、二週間掛けております
研修期間
でございます。
全国レベル
の専修、
専門教育
を
実施
いたしまして、
心理臨床家等専門家
によりますカウンセリングの講習や
裁判官
によります
講義等
を
実施
し、
研修
の更なる
徹底
を図っているところと承知をいたしております。 今後とも、
被害者
の
立場
に立った適切かつ有効な
被害者援助
を行うことができますように
警察職員
に対する
研修
を更に
徹底
するように督励してまいります。
野沢太三
10
○
国務大臣
(
野沢太三
君)
DV被害者
は
配偶者
からの
暴力
によりまして
心身とも
に傷付いており、
相談
、
捜査等
にかかわる
職務関係者
の不適切な
言動
で更に
被害者
が傷付いたり、あるいは
加害者
の
暴力
の悪化を招いたりしないよう、
被害者
への
対応
や
事務
の取扱いに当たりきめ細かな
配慮
をすることが必要であると考えているところでございます。 このため、
法務省
では、
職員等
に対して
DV防止法
の
趣旨等
について周知しているほか、
法務省
の
研修施設
である
法務総合研究所
又は
矯正研修所
において各種の
研修
を行っているところでございます。具体的には、検察官及び
検察事務官
に対する
研修
において、
配偶者
からの
暴力
の
被害者
を含む
犯罪被害者
の
保護
を適切に行うための
講義等
を
実施
しており、
講師
については
被害者保護業務
の
経験者
に依頼するなどしております。また、
法務局
、
地方法務局
の
人権擁護担当者
や
人権擁護委員
に対する
研修
においても、
DV防止法
についての
講義
や
DV
に関する
講演
を
実施
しているところでございます。
法務省
としましては、今後ともより充実した
職員研修
を行うなどして、
配偶者
からの
暴力
の
特性等
の
理解
と
被害者
の
人権
の尊重、
被害者
の安全の
確保等
のための
配慮等
について一層の
周知徹底
を図ってまいります。
坂口力
11
○
国務大臣
(
坂口力
君)
現行
のこの
DV法
にも明記をされておりますとおり、
被害者
に対します適切な
支援
を行いますためには、
職務関係者
に対する
研修
が重要であると思っております。 このため、
厚生労働省
におきましても、
都道府県
などの
職員
に対しまして、
全国会議
などがありましたときにその場をおかりをして、そして
DV被害者
に対します適切な
対応
の仕方というものを指導しているところでございます。 また、
都道府県
におきましても、
婦人相談所等
の
職員
に対しまして、
DV
に精通した
司法
、医療、
心理学等
の
学識経験者
を
講師
としてお招きをいたしまして、
DV
の
特性
やあるいは
法律
的な知識に関する
理解
を深めるための
専門研修
を
実施
しているところでございます。
平成
十五年におきましても、四十一
都道府県
において行ったところでございます。 今後とも、
職務関係者
に対しまして十分な
研修
に努めてまいりたいと思っております。
狩野安
12
○
会長
(
狩野安
君) 五点目は、
DV被害者等
に関する
住民基本台帳
の
情報
の非
開示
についてであります。 現在
総務省
は、
研究会
を開催して
DV被害者等
の
保護
のための
住民基本台帳閲覧等
に関する
ガイドライン
を
策定
中であり、この三月末までにはその
内容
が確定すると聞いておりますが、
研究会
の動向、
策定
される
ガイドライン
の
内容
、さらには
DV被害者等
の
情報
の
開示
についての制限が間違いなく行われることの
確認
について
総務省
の答弁を求めます。
畠中誠二郎
13
○
政府参考人
(
畠中誠二郎
君) お答えいたします。 御
指摘
のとおり、
総務省
では、
ドメスティック・バイオレンス
、
ストーカー被害者保護
のための
住民基本台帳閲覧
・
写し
の
交付
に係る
ガイドライン研究会
を昨年十一月から開催しておりまして、その
報告書
を年度内、つまりこの三月中に取りまとめる方向で今
検討
して作業しております。
報告書
の要旨は次のとおりでございます。
市町村長
は、
ドメスティック・バイオレンス
、
ストーカー被害者
の申出に基づきまして、
住民基本台帳
の一部の
写し
の
閲覧
、
住民票
の
写し等
の
交付
、戸籍の付票の
写し
の
交付
について
加害者
から請求があった場合に、不当な目的があるものとして応じない、つまり
閲覧等
を拒むという
内容
になる予定でございます。
総務省
におきましては、この
研究会
の
報告書
に基づきまして、
事務処理要領等
の
改正
など
所要
の
措置
を講じ、
地方公共団体
において統一的な
運用
が行われることによりまして、もって
ドメスティック・バイオレンス
、
ストーカー被害者
の
保護
が図られるよう努めてまいりたいというふうに考えております。
狩野安
14
○
会長
(
狩野安
君) 最後に、
加害者更生
についてであります。
DV被害
を
社会
から根絶していくためには、
被害者
の
保護
や
自立
に向けた政策的、
司法的対応
もさることながら、
暴力
を振るう
配偶者
が二度と
暴力
を振るうことがないよう、そのための
プログラム
の
研究
や開発が重要であります。既に諸
外国
では、法的な強制により
加害者
に
プログラム
を受講させています。
司法制度
が異なっている我が国において、にわかに諸
外国
の
制度
をそのまま導入することは難しいものの、その
調査研究
を更に進めていくことは重要であると考えますが、
内閣
府の見解を伺いたいと思います。
名取はにわ
15
○
政府参考人
(
名取はにわ
君)
会長
御
指摘
のとおり、
配偶者
からの
暴力
の
防止
と
被害者
の
保護
のためには、
保護命令制度等
の活用により
被害者
の安全を確保するとともに、
配偶者暴力防止法
第二十五条に基づき、
加害者
の
更生
のための指導の
方法
に関する
調査研究
を進めることが必要と
認識
しております。
内閣
府におきましては、いわゆる
加害者更生プログラム
につきまして、諸
外国
におきます
加害者更生プログラム
の実態を
調査研究
いたしまして、それを踏まえまして、その
内容
や
方法等
につきまして
調査研究
を行っているところでございます。 今後は、この
加害者更生プログラム
が本当に有効なのであるかどうか、また具体的な
実施
をどうするのかということ等も含めまして更に
検討
していく必要があると考えております。
狩野安
16
○
会長
(
狩野安
君) ありがとうございました。 以上で
調査会
を代表しての
質疑
を終了いたします。 よろしくお願いいたします。 ─────────────
狩野安
17
○
会長
(
狩野安
君) 次に、
配偶者
からの
暴力
の
防止
及び
被害者
の
保護
に関する
法律
の一部を
改正
する
法律案
に関する件を
議題
といたします。 本件につきましては、
配偶者
からの
暴力
の
防止
及び
被害者
の
保護
に関する
法律
の
見直し
に関する
プロジェクトチーム座長
の
南野知惠子
さんから
会長
の
手元
に
配偶者
からの
暴力
の
防止
及び
被害者
の
保護
に関する
法律
の一部を
改正
する
法律案
の
草案
が提出されております。
内容
はお
手元
に配付のとおりでございます。 この際、まず
提案者
から
草案
の
趣旨
について
説明
を聴取いたします。
南野知惠子
さん。
南野知惠子
18
○
南野知惠子
君
配偶者
からの
暴力
の
防止
及び
被害者
の
保護
に関する
法律
の一部を
改正
する
法律案
の
草案
につきまして、その
趣旨
及び主な
内容
を御
説明
申し上げます。
配偶者
からの
暴力
の
防止
及び
被害者
の
保護
に関する
法律
は、
平成
十三年四月に本
調査会
が
立法化
を行った
法律
であります。その附則においては、
法施行
後三年を
目途
として
検討
する旨の
規定
が設けられておりますが、その三年を待たずに昨年二月に、
調査会
の
理事会
の下に
配偶者
からの
暴力
の
防止
及び
被害者
の
保護
に関する
法律
の
見直し
に関する
プロジェクトチーム
が設置され、
学識経験者
、有識者及び
政府関係者等
からのヒアリングや
メンバー
間での討議を重ねるなど、今日まで精力的に
法改正
に向けての
検討
を行ってまいりました。その結果を踏まえ、各会派の総意をもちまして、本
草案
の
起草
、
提案
に至ったものであります。
平成
十三年十月の
配偶者暴力防止法
の
施行
以降、各
相談機関
において
配偶者
からの
暴力
に関する
相談件数
が増加するなど、
配偶者
からの
暴力
が重大な
人権侵害
であるとの
認識
が高まる一方、悲惨な
暴力事件
は後を絶ちません。 本
草案
は、これらの
状況
にかんがみ、
配偶者
からの
暴力
の
防止
及び
被害者
の
保護
のための
施策
を推進するため、「
配偶者
からの
暴力
」の
定義
を拡大するとともに、
保護命令制度
の
拡充
、国の
基本方針
及び
都道府県
の
基本計画
の
策定
、
市町村
による
配偶者暴力相談支援センター
の
業務
の
実施等
の
措置
を講ずるほか、
被害者
の
自立支援等
について定めることとしております。 以下、本
草案
の主な
内容
について御
説明
申し上げます。 第一は、「
配偶者
からの
暴力
」の
定義
の拡大であります。 「
配偶者
からの
暴力
」の
定義
を、
保護命令
に関する
部分等
を除き、
身体
に対する
暴力
又はこれに準ずる
心身
に有害な影響を及ぼす
言動
をいうものとすることとしております。なお、これに伴いまして、
法律前文
について
所要
の
改正
を行うこととしております。 第二は、
保護命令制度
の
拡充
であります。 元
配偶者
に対する
保護命令
及び
被害者
の子への
接近禁止命令
を可能とするとともに、
退去命令
の
期間
を二週間から二か月間に拡大し、
退去命令
の再度の
申立て
を認めるほか、
保護命令
の再度の
申立手続
の
改善等
を行うこととしております。 第三は、
市町村
による
配偶者暴力相談支援センター
の
業務
の
実施
であります。
市町村
は、
当該市町村
が設置する適切な
施設
において、
当該
各
施設
が
配偶者暴力相談支援センター
としての機能を果たすようにすることができることとしております。 第四は、
被害者
の
自立支援
の
明確化等
であります。 国及び
地方公共団体
の責務を
規定
し、
主務大臣
は
配偶者
からの
暴力
の
防止
及び
被害者
の
保護
のための
施策
に関する
基本方針
を、
都道府県
は
基本方針
に即して
基本計画
を定めなければならないこととするとともに、
配偶者暴力相談支援センター
の
業務
として
被害者
の
自立支援
及び
関係機関
との調整を明記するほか、
配偶者暴力相談支援センター
が
業務
を行うに当たっては、必要に応じ、
民間団体
との連携に努めるものとしております。 このほか、
警察本部長等
の
援助
、苦情の適切かつ迅速な
処理
及び
外国人
・
障害者等
への
対応
について
規定
しております。 なお、
改正
後の
法律
の
規定
につきましては、本
法律
の
施行
後三年を
目途
にその
施行状況等
を勘案し、
検討
する旨の
規定
を設けております。 以上が本
法律案
の
草案
の
趣旨
及び主な
内容
であります。 何とぞ
委員各位
の御賛同をお願い申し上げます。 以上でございます。
狩野安
19
○
会長
(
狩野安
君) 本
草案
に対し、
質疑
、御
意見等
がございましたら御
発言
願います。──別に御
発言
もなければ、本
草案
を
配偶者
からの
暴力
の
防止
及び
被害者
の
保護
に関する
法律
の一部を
改正
する
法律案
として本
調査会
から提出することに御
異議
ございませんか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
狩野安
20
○
会長
(
狩野安
君) 御
異議
ないと認めます。よって、さよう決定いたしました。 なお、本
会議
における
趣旨説明
の
内容
につきましては
会長
に御一任願いたいと存じますが、御
異議
ございませんか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
狩野安
21
○
会長
(
狩野安
君) 御
異議
ないと認め、さよう決定いたします。 この際、
福田内閣官房長官
から
発言
を求められておりますので、これを許します。
福田内閣官房長官
。
福田康夫
22
○
国務大臣
(
福田康夫
君) ただいま提出されました
法律案
の
策定
に取り組んでこられた
委員各位
のこれまでの御
努力
に心より敬意を表します。 本
改正法案
が成立した後は、新たな
配偶者暴力防止法
の効果的な
運用
に
政府一体
となって最善の
努力
をいたしてまいる所存でございます。
狩野安
23
○
会長
(
狩野安
君) 本日はこれにて散会いたします。 午後五時二十八分散会