○
政府特別補佐人(秋山收君) お尋ねの昭和五十五年の稲葉誠一議員に対する、
質問主意書に対する答弁書、あるいは今お尋ねにありました平成二年十月二十六日の
外務大臣の答弁などが関連の答弁でございます。
五十五年の
政府答弁書におきましては、いわゆる国連軍は個々の事例によりその
目的、任務が異なるので、それへの参加の可否を一律に論ずることはできないが、当該国連軍の
目的、任務が武力行使を伴うものであれば、自衛隊がこれに参加することは憲法上許されないと
考えていると述べておりまして、またここにいう参加という
言葉につきましては、この平成二年の
外務大臣の答弁で、当該国連軍の司令官の指揮下に入り、その一員として武力の行使に関連する行動をすることを
意味するものであるというような
趣旨の答弁がございます。
これらの答弁、いわゆる国連軍、これは多国籍軍にも当てはまるものと
考えておりますが、その
目的、任務が武力の行使を伴うものである場合には、ただいま申し上げたような
意味での参加をすることは憲法との関係で問題があるということを明らかにしたものでございまして、そのような
考え方は現在も変わっておりません。
なお、申し添えますと、この答弁のいわゆる多国籍軍と申しますのは、その後の累次の答弁でも明らかにしておりますとおり、いわゆる湾岸多国籍軍のようなものを典型例として念頭に置いているものでございます。
お尋ねの、御
質問は、
イラクに関して近々行われることが予想されます新たな国連
決議を想定してのものと
考えますけれども、仮にこれにより多国籍軍と呼ばれるものが設けられることとなった場合に、憲法との関係で、これに参加すること、
我が国として参加することの可否を含め、
我が国がいかなる対応においてこれに関与することができるかにつきましては、先ほどの私の前任の答弁にもありましたように、一般論として従来からお答えしておりますとおり、多国籍軍にもいろいろな類型のものがあり得るわけでありますので、当該具体の国連
決議の内容、それから当該多国籍軍の
目的、任務、それから編成など、具体的な事実関係に沿いまして、まあ一番の根本は、
我が国として武力の行使を行わず、また
我が国の
活動が他国の武力の行使と一体化しないことがいかに確保されるかということを含めて、
基本として検討されるべきもの、そういうものを
基本として検討されるべきものであると
考えております。
〔
理事舛添要一君退席、
委員長着席〕
したがって、平成二年当時の答弁とそれから津野前長官の答弁とは、念頭に置いております多国籍軍が湾岸多国籍軍的な、平和の回復を軍事的手段によって達成しようとするものを、のようなものを念頭に置いているか、あるいは多国籍軍にもいろいろな類型があり得るのだということを念頭に置いて答弁しているかの違いでありまして、その間に矛盾が生ずるというようなものではございません。