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榛葉賀津也君 さようでございます。ゴールデンウイーク、正に始まろうとしていた。しかし、私が背筋が凍ったのは、この日はサダム・フセインの誕生日でございまして、我々の中では中近東で必ずこの日にテロが起こるんじゃないかというふうな心配をしていたわけでございます。そして、心配をしている、そろそろ今日も終わるなと思っている夕方、羽田空港に
不審者が突っ込んだというニュース速報が入ってまいりまして、私、正直、やられたと思ったんですが、幸か不幸かこの
不審者は麻薬中毒の単独犯で、テロリストではなかったわけでございますが、全くもってこの羽田空港側、国土交通省と警察庁の対応に疑念を持たざるを得ない
事件でございました。
時間がございませんので私の方からざっと
事件の経緯をお話ししますが、夕方の十八時五十八分、容疑者の男が羽田空港内の貨物地域で女性の車を強奪いたしました。ところが、この女性が警察に通報したのが十三分後なんですね、十三分後。この貨物地域にいる空港職員が、女性が車を奪われた模様だというふうに空港事務所の安保防災課に連絡したよりも後にこの女性が通報しているわけでございます。そして、現場に駆け付けた防災課員が警備員に、警察へ通報した。そして、ところが、警備員は警視庁にこれを通報しなかったんですね。
容疑者が十九時二十五分、東京空港署前を通りまして
国際ターミナルの方向に走行いたしまして、制止しようとした署員を無視してターミナル裏にあるフェンスを破りまして制限区域に侵入いたしました。このとき、容疑者に車をぶつけられた男性が交番に駆け込みまして、このとき初めて警察が
事件を知るわけでございます。パトカー三台がこの男が突っ込んだ制限区域内に入ったのは、何とその十分後なんですね。そして、警視庁は
事件を空港に連絡すらしていなかったということでございます。
十九時二十九分、この容疑者が二台目のリムジンバスをこの制限区域内で奪うわけでございますが、警備員からバスが事故を起こしたというふうに連絡が行っているんですが、空港側はこれは単なる事故だというふうに
認識しているんですね。
更に三分たった十九時三十二分、バス会社から初めてバスが乗っ取られC滑走路に向かったと連絡が入りまして、空港側はここで初めて
不審者の侵入に気が付くわけでございます。
十九時三十六分になりまして管制官が全航空機の運航を停止し、A、B、Cと三本ある滑走路を閉鎖したと。何とこの運転停止まで、制限区域に
不審者が侵入してから十分以上、女性の車が強奪されてから四十分が経過しているんですね。
そして、この容疑者は三台目のパトロールカーを奪うんですが、そして、これ何とC滑走路を横断して海の方向に向かっているわけでございます。そして、そのC滑走路には正に時を同じくして航空機五機が着陸、そして、反対側のA滑走路には七機が離陸をしていたと。計十二機がこの
事件が起こっている最中に離発着を繰り返していた。航空側と警察側の通報、連絡が全く取れていなかった。しかも、このエアポートという極めて重要な場所においてこのようなことが起こった。
この時期、我々党内においても有事法制の
議論、どのようにして
国民保護の問題を考えるかという
議論をしていた真っ最中でございまして、しかもゴールデンウイークを前に、イスラム過激派のテロを警戒して、当時はフェーズEという最も厳戒体制に入っていたわけでございます。これはもう信じられないというよりももう漫画だと思うんですが、これは警察庁と国土交通省それぞれに反省点をまずお伺いしたいんですが。