○
国務大臣(
石破茂君)
先生から何度も御
指摘をいただきました。
私
どもとして、とにかくこれを減らせと。もう数が減らせばそれでいいという話じゃなくて、もう限りなくゼロに近づける。一人でも自殺があってはならない。そして、自衛隊の自殺者というものは一般社会に比べれば少ないのだで済む話ではないのであって、自衛隊の自殺者はもう目に見えて少ないというところまで持っていけないものかということで、ずっとやってまいりました。
〔理事舛添要一君退席、
委員長着席〕
平成十五年度、つまりこの間終わりました
平成十五年度は七十四名であって、十四年度の七十八名に比べて四名減ったということであります。今年の自殺者について申し上げれば、五月十九日時点で申し上げると、昨年の同時期と比べれば三名減っているということですから、少なくとも増加傾向には歯止めが掛かるかもしれないという、だからいいと言うつもりはありませんが、とにかくもう、少しでも減らせということで、これはある
意味、人事教育局を中心に全力を挙げてやっておるところでございます。これはもう全力を挙げてという言葉を使っても別に私は過言ではないと思っています。
もう近年の特徴というのは、もうこれも
先生からも御
指摘をいただいたことでございますが、借財による自殺が増えてしまったと。病苦でありますとか家庭でありますとか職務でありますとか、そういうのはあるんでしょうが、もちろん数は把握をしておりますが、借財が増えたのはこれはなぜなのだろうと。
私も昔、銀行員をしておったことがありまして、個人貸付けというのも担当したことがありますが、国家公務員というのはやたらめったら信用が高うございまして、貸してくれるということがございます。これは、また、自衛隊の部隊というのはそんなに町中、繁華街にあるわけではございませんで、どちらかというと離れたところにある。そうすると、ほかに楽しみない、気分転換できるところもない。そうすると、例えば、何というふうには申しませんが、いわゆる射幸性のあるといいますか、かけ事のようなものにどうしても行ってしまうということがある。その辺をどうするんだという問題がございます。
いじめについてでございますが、私は、いじめはあるのかと聞いて、うちにはありますなぞということはなかなか申告としては上がってまいりません。それはもう組織としてそういうものだと思っております。それは私
どもに限ったことではございません。
もっと悪いことには、いじめられている方は、いじめられた、いじめられたという意識は強いのですが、いじめている方にとってみれば、そんなにこいつをいじめているんだという意識がない。だけれ
ども、いじめられている方にしてみると、物すごくいじめられたということになってしまう。そこに物すごいギャップがあって、おまえ
たち、いじめているだろうと言っても、いやいや、もうそんなことはありませんと言う。本当に何の罪悪感もなくそういうような返事が返ってくる。
とするならば、どうするかというと、これも今、人教局で検討しておるところでございますが、部外者カウンセラーというのをやっています。部内者ですとどうしても、あの上官に相談すると、また
自分のいろいろなことに差し支えがあるのではないかと。ですから、部外者カウンセラーにどうやって相談できるようにするか。しかし、
先生おっしゃいましたように、じゃ、聞いた部外者カウンセラーがそうか、そうかと聞いただけでは解決しないので、これがじゃ、どうもおたくの部隊ではこういうことがあるみたいだよということを言う場合に、これが個人のプライバシーの
保護との間で問題にならないのか。例えば、A二曹が、B三曹がいじめられているみたいだよということを、相談を受けた部外者カウンセラーが部隊に対してフィードバックするということがどうやってプライバシー
保護という点で担保されるかという問題もございます。しかし、やはり部外者に相談をするということが
一つあるだろう。
もう
一つは、部隊別に見ますと、そういうのが、いじめとか自殺とかいうのが減っているところを見ますと、やはり地区病院との連携がうまくいっている。地区病院があって、そこに精神科のきちんとしたお医者さんがいらっしゃって、地区病院と部隊との間がうまく回っていて、なおかつ個人の、何というんでしょう、告げ口とか、何というんでしょう、そういうことにならないようにするシステムというものを作るというのが大事なのだというふうに考えております。
現状、本当に全力を挙げて取り組んでおりますが、なおいろんな学者の
先生方あるいは現場の
皆さん方の意見を聞きながら、とにかく目に見えて減ったという数字を示さなければ、これは
責任を果たしたことにならないと痛感をしておるところでございます。