○佐藤道夫君 引き続いて私から、
防衛庁長官、
川口外務大臣にお尋ねしたいと思います。
今、率直に言いまして永田町はもう大変な大騒ぎでありまして、未納三兄弟だけの問題かと思ったら、そうじゃなくて、官房
長官それから我が党の菅代表もそういう問題に巻き込まれて、一体どういうことになるのかと
国民は興味津々と眺め、永田町
方向を向いてにやにや笑いながら眺めている
状況で、さるマスコミの
関係者によると、未納三兄弟、そんなものじゃないんですよと、未納五十兄弟と。うそか本当か分かりません、五人に一人はとなるとこれは百兄弟にもなる、なりかねないことなんでね、いささか問題だなと。しかし、それはまあ別にこの
委員会とは
関係ございませんのでね、
一つの。
そのほかに、国際的には、アメリカ軍のイラク捕虜の虐待問題、それが大変な今
世界的な問題にもなっておって、捕虜を裸にして首に縄を巻いて、そしてアメリカ軍の兵士が引き回すと、それからむちでたたいてみたり、もうやりたい放題のことをやっていると。ブッシュ大統領は誠に申し訳ないと、しかし、これ軍がやったことではないと言い逃れをしておりましたけれども、ラムズフェルド
長官は、いや軍の問題だということをはっきり言っておりまして、もう少し事実
関係を明らかにして、この問題もいずれ当
委員会において私の考えも述べさせていただきたいと。
一言だけ申し上げますけれども、アメリカ軍というのは
世界一規律がはっきりしている軍隊であったことは間違いないわけです。太平洋戦争のときに、我が
日本軍が中国大陸で捕虜の虐殺、それから
一般人の処刑、こういうことを平気でやっていた、この問題を取り上げたのがアメリカ、戦争後の話ではありますけれども、そして厳しい対応をしたと。あれを見ておって、私まだ子供でしたけれども、さすがアメリカは違うと、そういう感慨を持って見ておりましたが、どうもいささか
世界の支配に慣れ切っちゃって、イラク人だとか
日本人もそういう目で見られているかどうか、こんなものはもう人間じゃないという思いが彼らの間に浸透しつつあるのかどうなのか、もう少し国連その他できちっと
議論をして、そして再発
防止のために各国がアメリカに協力をして、やるべきことをやってほしいと、こういう考えを持っておりますが、それはまたいずれの機会といたします。
私は、この問題、こういう問題を離れて日中
関係を取り上げてみたいと思います。
考えてみれば、中国問題というのは
我が国にとって一番大変な問題なんですよね。イラクの問題、遠い遠い向こうの話ですけれども、中国というのは目と鼻の先におって、何かというと、やっぱり中国政府あるいは中国人が
日本に対していろいろなことを申し入れてくると。それに対してどうこたえていくか。日中外交、大変重要な問題だというふうに考えているわけです。
そこで、
日本と中国の間でいろんな問題が引き起こされておりますけれども、この前、実は先月の三日、四日、土曜、日曜ですか、そこにおられる
外務大臣が中国訪問をしてこういう問題、いろんな問題について話し合ってきたということなので、その訪中の感想も、またどういう
意見をお互いに述べ合って、どういう
方向になったのか。とてもこれは解決は不可能だということであきらめちゃったのか、いや、もう何回もこれから会議をしてきちっとお互い理解し合うと、そういうことで手を打ったのか、本当にその外交の中身を話してもらえればと、こう思うわけであります。
外務省の官僚に聞きますと、それは外交上の秘密ですと楽しそうな顔をして答えるんですよね。あなた方に話すような問題ではないと、外交上の秘密ですよと。これは、十九世紀、二十世紀の初めごろならば、外交の秘密というのは
一般市民が口を出すようなことではなかったわけですけれども、もはや二十一世紀、そんなことではないわけで、外交権の主体はだれか、言うまでもなく
国民ですからね。
国民の前にきちっとこういう問題を、こういう問題について今中国の
関係者と
議論をしておって我が方はこういう
意見を述べておる、それに対して中国側の回答はこういうことだと、これでよろしゅうございますかと。それを聞いて
国民は、いや、まだ不十分だと、もっとこういうことも突っ込んで
議論してこいと、これが本当の民主主義国の
議論、外交だと思うんでありまして、外交の、外交の秘密なんという言葉はもう使わないようにしてください。何でもかんでも話せと言っているわけじゃなくて、常識のある主権者である
国民に対してどんなことを回答すべきかということを常に考えて行動もしていただきたいということです。よろしく
お願いします。
そこで、中国の外交問題、今当面問題になっている三つ四つのことを取り上げて、この前中国に行かれた
外務大臣のお考えも聞いておきたいと思います。
まず、尖閣列島問題なんですね、尖閣列島。あれは明治以来
我が国固有の領土ということを、
日本人はそう考えて処理してきましたし、もう明治のころに沖縄にも、沖縄県にもあそこは編入されておる。それから、
日本の漁業基地として利用されていたわけでもあり、工場を建設する、それから居住施設も造る、そこで漁民が行ってあそこで活躍をしておる沖縄県の一部だったわけですよね。
ところが、三十年ほど前に、五十三年でしたかな、何か国連の調査団が石油の資源、石油資源を発見したということが報道をされるや途端に、中国と台湾が、これは我々の領土だと、こういうことを言い出しましてね、つい最近も中国人が何人かあそこに上陸をして
我が国の司法官憲に逮捕されましたけれども、どういうわけかこれはすぐ釈放して、かほどさように中国との紛争は起こしたくないという政府の考えもよく分かりますけれども、
国民から見ますと、一体何なんだと、
日本の外交というのは中国のためにやっているのかと、こんな皮肉を言う人もおりまして、そして、そういうこともありまして四月の三日、四日の
外務大臣の訪中と、こういうことにもなったんだろうかなと、こう思っております、おるわけですけれども。
その際に、当然尖閣列島の問題が取り上げられて、お互いいろんな
議論を、それぞれの国の考えを述べる、これは当たり前のことですから別にどうだこうだというわけじゃなくて、
我が国の主張、それに対する中国側の回答がどういうことだったのか。差し支えない限り話してもらえれば、それから両国の話合いに解決の道があるのか。これは未来永劫解決なんかないと、顔を合わせりゃすぐわあわあわあわあ
議論をするだけだと、こういうことなのか、その辺のところを
外務大臣、いかがでしょうかね。外交の秘密なんということを言わないで、きちっと述べて回答をしていただければと思います。