運営者 Bitlet 姉妹サービス
使い方 FAQ このサイトについて | login

2004-04-27 第159回国会 参議院 外交防衛委員会 第15号 公式Web版

  1. 会議録情報

    平成十六年四月二十七日(火曜日)    午前十時開会     ─────────────    委員異動  四月二十二日     辞任         補欠選任      榛葉賀津也君     浅尾慶一郎君  四月二十三日     辞任         補欠選任      浅尾慶一郎君     榛葉賀津也君  四月二十六日     辞任         補欠選任      阿部 正俊君     小泉 顕雄君      荒木 清寛君     渡辺 孝男君      吉岡 吉典君     小林美恵子君  四月二十七日     辞任         補欠選任      桜井  新君     有村 治子君      月原 茂皓君     西銘順志郎君      矢野 哲朗君     野上浩太郎君      小林美恵子君     吉岡 吉典君     ─────────────   出席者は左のとおり。     委員長         山本 一太君     理 事                 舛添 要一君                 齋藤  勁君                 高野 博師君                 小泉 親司君     委 員                 荒井 正吾君                 有村 治子君                 河本 英典君                 小泉 顕雄君                 中島 啓雄君                 西銘順志郎君                 野上浩太郎君                 岩本  司君                 佐藤 道夫君                 榛葉賀津也君                 田村 秀昭君                 若林 秀樹君                 渡辺 孝男君                 小林美恵子君                 吉岡 吉典君                 大田 昌秀君    国務大臣        外務大臣     川口 順子君        国務大臣        (防衛庁長官)  石破  茂君    副大臣        防衛庁長官   浜田 靖一君        外務大臣    逢沢 一郎君    大臣政務官        防衛庁長官政務        官        中島 啓雄君        外務大臣政務官  荒井 正吾君    事務局側        常任委員会専門        員        田中 信明君    政府参考人        内閣官房内閣審        議官       増田 好平君        警察庁刑事局長  栗本 英雄君        警察庁警備局長  瀬川 勝久君        防衛庁防衛参事        官        大井  篤君        防衛庁長官官房        長        北原 巖男君        防衛庁防衛局長  飯原 一樹君        防衛庁運用局長  西川 徹矢君        防衛施設庁建設        部長       河野 孝義君        法務省刑事局長  樋渡 利秋君        外務大臣官房審        議官       山口 壽男君        外務大臣官房領        事移住部長    鹿取 克章君        外務省総合外交        政策局長     西田 恒夫君        外務省北米局長  海老原 紳君        外務省中東アフ        リカ局長     堂道 秀明君        文化庁文化財部        長        木曽  功君     ─────────────   本日の会議に付した案件 ○政府参考人出席要求に関する件 ○防衛庁設置法及び自衛隊法の一部を改正する法  律案内閣提出衆議院送付) ○地中海漁業一般委員会に関する協定の改正の受  諾について承認を求めるの件(内閣提出) ○千九百九十二年の油による汚染損害の補償のた  めの国際基金の設立に関する国際条約の二千三  年の議定書締結について承認を求めるの件(  内閣提出) ○千九百七十三年の船舶による汚染の防止のため  の国際条約に関する千九百七十八年の議定書に  よって修正された同条約を改正する千九百九十  七年の議定書締結について承認を求めるの件  (内閣提出) ○外交防衛等に関する調査  (テロ対策特措法に基づく対応措置に関する基  本計画の変更に関する件)     ─────────────
  2. 山本一太

    委員長山本一太君) ただいまから外交防衛委員会を開会いたします。  委員異動について御報告いたします。  昨二十六日、荒木清寛君、阿部正俊君及び吉岡吉典君が委員辞任され、その補欠として渡辺孝男君、小泉顕雄君及び小林美恵子君がそれぞれ選任されました。     ─────────────
  3. 山本一太

  4. 山本一太

    委員長山本一太君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────
  5. 山本一太

    委員長山本一太君) 防衛庁設置法及び自衛隊法の一部を改正する法律案を議題といたします。  本案の趣旨説明は既に聴取いたしておりますので、これより質疑に入ります。  質疑のある方は順次御発言願います。
  6. 齋藤勁

    齋藤勁君 おはようございます。民主党の齋藤です。  外務大臣、体調は大丈夫ですか。どうですか。御健康に気を付けてください。  防衛庁長官年金で、年金であなたが注目を浴びていますけれども、ちょっと一つだけ。  総理が言ったんだけれども、うっかりしていたんでしょうと、うっかりしていたんでしょうと、年金未納について。あれは、総理というのは即答に答える天才みたいなものなんでしょうけれども、やっぱり全国民に与える影響というのは、私は、その言葉というのは、幾ら即答で答える天才的な総理とはいえ、うっかりしていたんでしょうというのは私は国民的には受け入れられない、実は総理らしからぬ発言ではないかと思うんですが。  このことで別に、年金委員会じゃ、厚生労働委員会じゃありませんから、どうですか、長官、御自身のことも含めまして。
  7. 石破茂

    国務大臣石破茂君) 総理がおっしゃいましたことについて私が言及すべき立場にはなかろうと思っております。  先週の金曜日の衆議院厚生労働委員会お答えをいたしましたように、農林政務次官宮澤内閣でございますが、このときの期間、五か月であったかと思います、ちょっと正確ではございませんが、と、おととしの防衛庁長官就任以来の分、先生御案内のとおり、私どもふだんは国民健康保険に入っているわけですが、政務次官とか副大臣政務官あるいは大臣になりますと、これが共済の保険に切り替わると。それと年金との手続が混乱をいたしまして、こういうことが起こりました。  それは本当に不注意としか言いようがございません。年金未納というようなつもりも全くなく、もう私自身、固く毎月毎月払っているというふうに信じておったのでございますが、そういうような複雑な手続がございますので、そのことにもっときちんと注意を払うべきであったと。委員の御指摘をいただければ全くそのとおりであって、国民皆様方にそういうような思いを抱かせたことは大変に申し訳がないということであります。  総理の御発言について、私コメントする立場にございません。  このようなことがないように、閣僚としても、また国会議員としてもきちんとやっていかねばならないと反省をいたしております。
  8. 齋藤勁

    齋藤勁君 このことは、いわゆる主戦場が今、衆議院厚生労働委員会の法案に関連することでありますのでそこにゆだねさせていただきますが、是非、今神妙なるある意味では御発言があったと思いますので、十分注意をしていただければというふうに思います。  さて、今日の防衛庁設置法及び自衛隊法の一部を改正する法律案につきましては私ども賛成でございます。この機会に、それぞれ、内外の状況につきまして、幾つ課題等について指摘をさせていただきまして、両大臣からの説明を求めさせていただきたいというふうに思います。  最初にイラク情勢でございますが、昨夕、昨晩からですね、そして今朝にかけましても幾つかの複数の報道で出ておりますが、アメリカが、新たな国連安保理決議案について、イラク統治評議会が三月に採択したばかりの基本法の大部分を廃止をすると、米軍指揮下での多国籍軍法的地位を明確にするなど、イラク暫定政権権限を大幅に制限する内容になるとの見通しを伝えたということで、これは報道によるところになっております、ワシントン・ポストですけれども。  これらにつきまして、外務省の方では、これらの情報と、日米政府間でのこの新決議案に対するやり取りというのはされているんでしょうか。
  9. 川口順子

    国務大臣川口順子君) 先ほど齋藤委員がおっしゃった、基本法の大部分を制限するということについて、報道は知っております。  そういうことが事実であるかどうかということですけれども基本的に、今国連ブラヒミ特使といいますか特別顧問イラクから出られて、国連事務総長にどういう御報告をするかということですけれども、そのときにイラク人たちがどれぐらいを、今後統治期限権限が六月三十日をもって移転されたときに、何をイラク人たち自分たちでやろうと考えているかということが基本になるべきだというふうに思います。基本法というのは、イラク人たちが、そういう意味で異なる考え方を持っている各派合意をしたということでありますから、それが基本にあるんであろうというふうに考えております。  ただ、幾つか決まっていないことがありまして、それは、どのように暫定政権を作っていくかというようなことについては基本法については触れていないわけですけれどもブラヒミさんがその話をイラクのいろいろな人と話しながらやっていっているということであります。その結果としてどのような報告を出されるかということを見たいというふうに思っています。  米国との間ではいろいろな意見交換をやっておりますけれども、その基本法の大部分を制限するようになるといった情報については今接しておりません。
  10. 齋藤勁

    齋藤勁君 まだ一部の報道ですから、十分これからの米政府の、ある意味では内容について受け止めて、ある意味ではコメントすべき内容かも分かりませんが、ここの報道を見る限り、今イラク治安状況、そして先般、イギリスのブレア、そしてブッシュ大統領と、国連、そして総理大臣国連という言葉をあえてまた強調し始めましたけれども、この国連主導ということになりますと大変、この報道を見る限り大変逆行するというふうに私も判断せざるを得ないと思うんですが、なかなか、大臣としての今この時点でのコメントというのはなかなか難しいのかも分かりませんが、私どもと同じような、この報道を見る限りというある意味では冠を付けた場合、この今回のこの決議案ワシントン・ポスト報道というのは私は逆行するんではないかというふうに思いますが、そういうような観点というのは示せませんか。
  11. 川口順子

    国務大臣川口順子君) 基本法というのは、先ほども申しましたように、イラクの異なる各派合意をしたものですから、その意味というのは大きいというふうに思っております。  それで、ただ、基本法は全部をまだ定めていない。基本法と一体化するような暫定政権作り方等については、今、ブラヒミ特別顧問イラク人たちと接しながら国連としてのアドバイスを与えているということで、この間、そのテンタティブな考えということでは意見が出てきたわけですけれどもブラヒミさんのそのお話では、あれは取りあえずのものであって、今後イラク人たちと話をしながら修正をされていくということを言っているわけです。そういったことがどのような形で出てくるかということをきちんと見ていかなければいけないと思います。  大事なことは、イラク人が何を、どういうことを自分たちでやるつもりであり、どのような政府を作るかということをきっちり踏まえることであって、国連主導というふうな言葉がありますけれども、これも往々にして誤解を招きやすいのは、国連の前に、これは昨日、総理もおっしゃっていらっしゃったと思いますけれども、まずあるのはイラク人考え方であって、国連はそれを支援する立場ということであると思います。  そのイラク人たちのその考え方を引き出す、あるいはまとめるということについて、ブラヒミさんがかなり今熱心にやっていらっしゃるわけですので、その力を、その結果として何が出てくるかということを注視をしたい。基本法は、私が今考えますところでは、そのイラク人考え方基本にあるというふうに思っております。それに更に付け加える部分というのもあるだろうというふうに思っているわけです。
  12. 齋藤勁

    齋藤勁君 なぜこだわるかというと、この報道というのは、新決議案について、米軍指揮下での多国籍軍の駐留を正当化するために法的地位を明確にする、人権擁護主権日程に関する項目を除いて基本法を廃止する、イラクの大量破壊兵器開発問題については、UNMOVICを解体し、米政府調査団最終報告策定権限などを与えるということになるわけですね。  だから、今大臣がおっしゃった、イラク人によるイラク人のということは、これもまた基本であることは間違いないんですけれども、ここは相当逸脱をするんではないかというふうに私は、この表現を見る限りですね、思いますから、あえて、一ワシントン・ポストからの情報入手であるけれども、あるけれども、私は私なりの、やっぱりこれは今の流れと違うんではないでしょうかというふうに思いますので、そういう立場に立ってコメントは、一紙といえどもこれは全国民見ているわけですから、そういったやはり指摘というのはすべきではないかというふうにあえてお話しさせていただいているつもりですけれども
  13. 川口順子

    国務大臣川口順子君) 非常に正確に申し上げて、イラク人たち考え方基本にある、その考え方基本法に表れていると思っております。  基本法ができた当時から、例えば今後それについて付け加えていくと、付け加えていくといいますか、アネックスといいますか、合体して一体不可分になるという部分についての議論はまだなされていないわけでして、それが今後どうなるかということは見ないといけないというふうに思っております。  それで、おっしゃった三つのうちの法的な、多国籍軍の法的な地位ですけれども、これについては今後引き続き議論をしていかなければいけない部分であると思います。どのような形で、国連としても、国連が守られなければイラクでやっていけないわけですから、じゃ、だれが国連を守るのか、だれがイラク治安を守っていくのかということについてはきちんと国連の、恐らく安保理決議で位置付ける必要がある。これはそもそもこれからイラク人たち国連ブラヒミさんが話しながら、イラク人がどこまでやっていくかということを見極める、結果として出てくる話であると思いますが、今、国際的な常識では、イラクイラク軍が、あるいはイラクの警察が全部やれるというふうには考えていないと思います。  したがって、米英軍を中心とする多国籍軍がこれについて大きな役割を果たしていくということになります。ただ、そのときには米英軍はもはや占領軍ではないわけでして、これをどう位置付けるかというのは一つ課題であるというふうに思います。  それから、人権を除いた基本法部分、これについては何をもって、非常に分野が広いものですからよく分かりませんが、基本法に代表されるようなイラク人考え方というのが尊重されるということは前提であり、それを変えることができるというのはイラク人。もちろん、過去のいろいろな国連役割の中で、国連安保理決議をもってかなり統治を行ったということは過去において実際にあると思いますけれども、今回そうなるかどうかということについては分からない。これをまず決めるのはイラク人考え方イラク人ブラヒミさんの話し方、話合いの結果を見ていかないといけないと思っております。  UNMOVIC、これをどのように今後やっていくのかということについても、これは基本法基本的に今まで触れられていないわけでございますから、正に安保理国連の中でこれは議論されていくということであって、仮にアメリカが何かワシントン・ポスト報道されるような意見を持っているとしたら、それは今の段階では、持っているのかどうか存じませんけれどもアメリカ意見ということであるということだと思います。
  14. 齋藤勁

    齋藤勁君 引き続き推移を見させていただきたいと思いますが、こういう方向でなければ私はいいと思いますが。  さて、別な質問ですけれども、ちょっと防衛庁長官、お願いします。  連休にオランダの方に行かれるというような事前に情報が入りまして、また取りやめられたということでまた昨日伺ったんですが、行くのはオランダの方ですから、サマーワとのいろんな、現地オランダ軍治安についていろいろ、オランダ軍を配置をしているという関係での連携のことで、そういう話に行かれるのかなというふうに思いましたが、取りやめた理由はどういう理由ですか。
  15. 石破茂

    国務大臣石破茂君) オランダへ参りましてカンプ国防大臣と会談をしたいということで用意をいたしておりました。その理由は今委員から御指摘をいただいたとおりでございます。  ただ、同時に、これは私ども海外出張は、それと同時に、仮に現地不測事態不測事態というのはいろんな事態がございます。そのときに適時適切に対応しなければいけない。もちろんそういうことがないように万全を期しますが、それでも不測ということは起こり得ることでございまして、そちらに重点を置くべきであろうと、こういう判断でございます。  いずれにいたしましても、これはオランダとの意思の確認、また連携の強化、情報の共有、これを常に図ってまいらねばならないという認識には変わりはございません。
  16. 齋藤勁

    齋藤勁君 我が国でもイラクに対します自衛隊派遣に際しまして、今日なおもいろいろ世論の様々な動きがあることは承知をそれぞれしていると思うんですが、オランダ国内世論というのはどういうふうに大臣は受け止められていますか。あるいは政府なり、政府は今派遣する立場でしょうけれども、私自身野党ですけれども、例えば議会内でどういうような声があるのだとか、受け止められていますか。
  17. 石破茂

    国務大臣石破茂君) これは私個人の感想ですが、日本と同じような状況かもしれないなという認識は持っております。  つまり、オランダにおきましても野党の方々、政権交代可能なという意味でも日本と似ているということかもしれませんが、そこにおいては派遣に反対であるというような議論が行われております。そしてまた、現地におけるオランダ軍役割、あるいは危険をどのように回避をするか、そのためにどのような装備を持っていくべきか。例えて申しますと、今年の一月ぐらいであったかと思いますが、ヘリコプターを増派をするかどうかということについてオランダ議会で随分とやり取りがございました。それから、派遣目的、そして安全の確保、そういうことについて日本と非常に似た議論が行われているというふうに承知をいたしております。  あと付け加えて申し上げれば、オランダ兵士が住民に対して発砲をしたということがございました。この兵士をどのように取り扱うかということにつきましても、議会内あるいは世論も加えまして大きな議論があったと承知をいたしております。
  18. 齋藤勁

    齋藤勁君 オランダ国防相は、引き続きオランダ軍サマーワに駐留していくかどうかということについて、日本自衛隊との連携というのを非常に考慮して発言しているというのは私も報道で知っております。一方、オランダ国会の中でも、野党労働党議員が、状況は平穏だとする政府説明と食い違って、平穏だとする政府説明と食い違ってきているのではないだろうかと、こういうこと、与党からも、毎日国会情報提供をしろと、こういうことであって、いずれにしても今のお話ありましたいろいろ事件発生後、そしてまた昨日ですか、イラク人一人が死亡した発砲事件がありましたけれどもオランダ国内として、大変ある意味ではこの軍の配備について様々な緊迫した私は議論がされているのではないかというふうに思いまして、そういった一環で行かれるのかなというふうに思いまして。  これはあれですか、率直に言うと、これまで撤退云々、クウェートに向けて一時撤退、そしてまた治安状況が安定すればまた私はサマーワに行くべきではないかと、個人的な発言特別委員会でもしたことがあるんですけれども我が国自衛隊撤退とかいうことについては、オランダ協議の上、オランダ協議の上ということで、オランダ軍日本自衛隊日本政府協議の上ということで、両方が単独でいくということは、単独で結論を出すということはあり得ないということなのかどうか。もう一つ日本政府オランダ軍と、この治安と、私たちのこれは人道復興支援ということで、任務は基本的に違いますけれども、このことについて両政府で、お互いの行動について何か連携をしましょうということについて文章等約束事を取り交わしたことがあるのか、取り交わしているのかどうか。二つお聞きをしたいと思います。
  19. 石破茂

    国務大臣石破茂君) 後段の方からお答えをさせていただきますと、文章において我々の防衛庁オランダの国防省においてそういうような取り交わし、書類面を取り交わしたということはございません。ただ、カンプ国防大臣、あるいは先般来日されましたオランダ外務次官ともお話をいたしましたが、これはこういう認識でおります。オランダ治安維持を行う、我々は人道支援を行うと。役割は違うけれども日本役割日本がきちんと果たしてくれることがオランダ治安維持に大変にプラスになるのだと。そして、オランダ治安維持をきちんと行うことがまた日本人道支援をより広範に行うことになるのだと。これはコインの表裏と言っても車の両輪と言ってもいいのですが、そういう形で行われているということについて日本オランダ政府の間には完全な認識の一致があるところでございます。  撤退についてどうかというお話でございますが、撤退につきましては、これは派遣をしておるのも主体的な日本政府判断に基づいて派遣をしておるわけでございまして、撤退ということがある場合に、いろんなケースが考えられますが、法の要件を満たさなくなった、あるいは目的が成就した、いろんなケースがございますけれども撤退について両国間で協議をするという必要はございません。ただ、連絡をするということはこれは当然のことでございます。協議という形が予定をされているわけではございません。  他方、状況のいかんにもよりますが、オランダ治安維持を担当している、そして、治安維持をされて、両々相まって日本人道復興支援目的が果たされるわけでございます。そこで、オランダ撤退をするということになりますと、ではその治安というのはどうなるのかという問題は、これは一般論として生じてくるお話だろうと思っております。  繰り返しになりますが、治安維持と人道復興というのは車の両輪であって、両々相まってサマワの地域の人々、ひいてはムサンナ県を中心といたしますイラク南東部がより良い状況になっていく、そのために両国とも全力を尽くそうという思いに現在のところ何ら変わりはございません。
  20. 齋藤勁

    齋藤勁君 戦闘地域、非戦闘地域の話になりますと、何か水掛け論、最近なっていますので、このことについて、時間の、ある意味では大臣とやっていますと無駄なんと言うと失礼かも分かりませんが、とにかく緊迫した状況が南部にも、そしてこのサマワにも、私は、過日、我が自衛隊の宿営地付近にも迫撃砲が撃たれて、幸いにも、不幸中の幸いというか、外れた、あるいはオランダの宿営地に対しても撃ち込まれて、そしてオランダ軍も一時外出禁止ということで、大変、今回のイラク人一人射殺したことも含めて、もう戦闘地域とか非戦闘地域なんというそんな状況ではないというふうに私は思っておりまして、今大臣の答弁ですと、いろいろ連絡は取り合うけれども主体的に判断できるということですから、是非最高責任者として、私は、生命に支障がない、隊員にですね、そういう、無事でありたいということはだれもが願っていることですから、そういったやはり適宜私は対応をすべきであろうかというふうに思いますので、そのことを申し上げさせていただきたいというふうに思います。  それから、過日、報道陣が四月十五日、報道陣四社十人、タリル空港からクウェートまで空輸をされました。そして、このタリル空港まで自衛隊車両により陸上輸送されておりますけれども、この陸上輸送というのは、この法的根拠というのはどこにあるんでしょうか。
  21. 北原巖男

    政府参考人北原巖男君) 齋藤勁先生にお答え申し上げます。  まず、若干長くなりますが、サマワにつきましては……
  22. 齋藤勁

    齋藤勁君 短くて、短くていいです。長くなると時間がありませんから、短くていいです。そのことだけです。
  23. 北原巖男

    政府参考人北原巖男君) ああ、そうですか。はい、分かりました、はい。  まず、御承知のように、当時の状況でございますけれども、頻発、外国人による、外国人の拘束事件が発生いたしまして、イラク全土で邦人が拘束されるおそれが生起しておりました。そうした事態が生起しておりました。そしてさらに、サマワと、今御指摘の私どもの宿営地のサマワとその他のイラクの都市間、これには商用航空便が運航されておりませんでした。また、陸路でサマワから国外へ移動することにつきましては、自らを防護する手段を持たない民間人にとりまして困難な状況になっておりました。このために、サマワに取材員が所在する報道各社からのクウェートへの出国の希望がございました。そうしたことも踏まえまして、外務大臣から防衛庁長官に対して自衛隊機による邦人等の輸送に係る措置について依頼がなされたわけでございまして、先生御指摘のように、今月十五日、C130輸送機一機によりまして、サマワに滞在する邦人記者十名をタリル飛行場からクウェートのムバラク飛行場まで輸送したところでございます。  そこで、お尋ねのサマワからタリル空港までの自衛隊車両によります報道陣の陸上輸送についてでございますが、今私申し上げたような状況におきまして、邦人の記者の方々をサマワ宿営地からタリル飛行場までの間、陸上自衛隊の車両により陸上輸送を行ったわけでございますが、これはイラク人道復興支援特措法に基づきまして自衛隊が行っております対応措置を円滑かつ効果的に行う上で必要な広報活動の一環として行ったものでございまして、C130によるこの輸送が行われている状況におきまして、サマワで自衛隊人道復興支援活動を取材していた邦人記者の方を対象にして陸上輸送支援を行うことによって安全にサマーワでの取材活動を終了させるといったことは、今申しました自衛隊対応措置を円滑かつ効果的に行う上で必要なものであり、今申しましたような必要な広報活動の一環として行ったものでございます。
  24. 齋藤勁

    齋藤勁君 多分、必要な広報活動とか、そういう程度なんだろうなと、法律的な根拠は。それしか言えないんじゃないかというふうに、あえて意地悪な別に、駄目だとか、やっちゃったことは駄目だったとか、この人道上のことを私は非難しているわけじゃないんですね。  このC130の方は、自衛隊法百条の八を初めて適用されたと思うんですね、こちらの方は。こちらの方の陸上輸送というのは法的根拠が何々にあってやったということではないということだと思うんですね。だんだん時間なくなりますから、要は私はここでは、本人たちが退避したいと、本人たちがですね。会社の指示に従って、あるいは本人の判断、あるいは自衛隊の方の現地の方も相談してそうしたということを、これは双方であろうと思うんですが、言ってみりゃ退避をせざるを得ない状況というのは、先ほど来から言っています、サマワ地域の様々な状況になって、大臣がずっとこの法律から今日まで言っている、もう非戦闘地域じゃないんじゃないんですかということを、一緒にいたわけですから、この報道陣の人たちは。そういうことを私は指摘せざるを得ません。  それから、あと残りの時間で、ちょっと行ったり来たりするかも分かりませんが、昨日、神奈川県の横須賀、沢田市長が外務省を訪問しております。地元新聞は一面に、沢田市長と海老原北米局長の写真が一面に載っているんですが、これは、いわゆる横須賀におきます空母の母港化に関する問題でありまして、原子力空母配備ノーということで、横須賀市長は後継艦も通常型をと、後継艦も通常型をということで、この間、十二号バースにつきましても、これは通常型ということを想定をしてきたんだということで、こういうことで外務省に申入れをしてありまして、これ報道によりますと、局長は市長の意向を受け米側に申入れをしたいというふうに約束をされたということですが、この横須賀市長の申入れに対し、外務省として、そしてこういうふうに米側に申し入れるということについての考え方についてお尋ねしたいというふうに思います。
  25. 川口順子

    国務大臣川口順子君) 今御質問の中にありましたように、昨日、沢田横須賀市長が海老原局長のところにお見えになられて、二〇〇八年に退役をする予定のキティーホーク、これの後継艦についての御要請があったわけでございます。そして、その中で、いかなる措置を講じてでも通常型空母を配備すべきであると、キティーホークの退役後ですね、ということをお考えであるということをおっしゃられまして、通常型空母が後継艦として配備されるように米側に申し入れ、協議をしてほしいというふうにおっしゃられたわけでございます。    〔委員長退席、理事舛添要一君着席〕  我が方として、米側がキティーホークの後継艦について何らかの決定を行ったということは承知をしていないということでございますけれども、横須賀市長の申入れがあったわけでございますので、これを、米国側に対しこの申入れをお伝えをし、申し入れ、そして米側とは協力をしていくということになるというふうに考えております。  アメリカ政府との間では、日本における今後の米艦船の展開に関する米側の政府のいかなる決定につきましても我が国政府との緊密な協力の下で行われるということにつきましては、米側との間で確認をいたしているわけでございます。
  26. 齋藤勁

    齋藤勁君 緊密な連携をしていただきたいと思いますが、この横須賀市長の退役後についての大臣あての要請というのは極めて重いものだと思っておりまして、私も横須賀市から文書をいただいておりますが、この退役後についてはいかなる措置を講じても同じく通常型空母を配備すべきであるということを主張しております。このことが多くの日本国民の共感の下に、より強固な日米関係を構築することができるんではないかというふうに思いますので、是非そういった緊密な連携と話合いの中で、このことを十分尊重して対応していただきたいということを申し上げさせていただきます。    〔理事舛添要一君退席、委員長着席〕  次に、私もこんなことで逮捕されるのかねなんというふうに思いましたけれども、この方たちと私自身、これはいろいろ面識はないんですけれども、二月ですか、二月に、立川市の防衛庁宿舎で自衛隊イラク派遣反対ビラを配ったとして住居侵入で三人逮捕、そして起訴されている。今公判中なそうですけれども。これは参議院の予算委員会でも四月に、つい先日、ごめんなさい、三月ですか、やり取りをされているんですけれども瀬川局長ですね。──いらっしゃいますね。  こういったことが、率直に言って、ビラを配ることが、この前の参議院の予算委員会の答弁ですと、内容ではない、ビラの内容じゃないんですよというふうに言っておりますが、どうも私なんか、これずっと見ていても、このビラの内容が不適当であるということでいろいろ捜査して逮捕したんじゃないかというふうに思わざるを得ないんですけれども、立入りに至る経緯、立入りの目的、態様、被害者の感情を総合的に考慮いたしまして強制捜査を実施をした、さらに前後にわたり同住居に侵入するというような状況ございましたし、明確な住居者の制止意思に反した形で行われたということも確認された、さらに組織的、計画的な犯行だろうというふうに判断をするということですが、随分大仰だなというふうに思うんですけれども。これは私は大問題だなというふうに思いますが、少しやり過ぎじゃないんですか、率直に言って。  また、別な指摘もありますよ。アムネスティ、これ日本で初ですけれども、アウン・サン・スー・チーさん、例のミャンマーの民主化運動の、この方たちに対しては、アムネスティは良心の囚人ということで今までこの解放について努力をしてきましたが、このビラ逮捕の三人についてはアムネスティから、これは不名誉な、日本にとって、良心の囚人に認定をということで言われていまして、国際的にもこれは大問題になってきていますけれども。  残り余り時間がありませんけれども、何で組織的とか計画的な犯行だということで判断をしたのか、今の捜査内容等につきまして話せる範囲で御説明いただきたいというふうに思いますけれども
  27. 瀬川勝久

    政府参考人瀬川勝久君) ただいま御指摘の事件でございますが、御指摘にもございましたけれども、これは三名の被疑者が共謀の上、自衛隊イラク派遣反対を訴えるビラを防衛庁立川宿舎各室玄関ドア新聞受けに投函する目的で、平成十六年の一月十七日でございますが、自衛官らが居住する同宿舎の敷地、その階段、各室玄関前まで立ち入り、もって正当な理由なく人の住居に侵入したというものであります。  強制捜査に当たりましては、私ども、立入り場所の状況、立入りに対する被害者側の対応、立入りに至る経緯、立入りの目的及び態様、被害者感情、被害感情などの事情について総合的に考慮して判断したものでございまして、御質問にございましたが、警察といたしましては、ビラの内容いかんということではなくて、ただいま申し上げました行為の態様等から判断して、違法行為に対しましてあくまでも不偏不党、厳正公平な立場で取締りに当たっておりまして、法と証拠に基づきまして、裁判官の発する令状によって所要の捜査を行ったものであります。  なお、本件につきましては、三月十九日に起訴され、現在公判中でありますので、詳細はお答えを差し控えさせていただきたいと思います。
  28. 齋藤勁

    齋藤勁君 このビラには連絡先とかメールアドレスも書かれているんじゃないんですか。証拠を隠滅したり逃げたりするなんというおそれはなかったというふうに私は思います。  それから、組織的とか、いろいろ謀議だとか言っていますけれども、ビラの内容ではないというのは、ビラの内容じゃないですよというのは今答弁ありましたけれども、例えば、ある会社が、広告会社が、この地域一帯を毎月一回定期的にチラシを投げ込みしましょうということで宣伝部員が相談をして、これがある意味じゃ会社としての組織的じゃないですか、計画的にやった。そういうことについてはこれ、じゃ、同じような類型として逮捕して起訴されるんですか。
  29. 瀬川勝久

    政府参考人瀬川勝久君) 個別の事案につきましては、その事案の状況によりまして個々に判断されるべきものというふうに考えております。  本件につきましては、警察といたしましては、あくまでも本件の行為の態様等から判断しまして、法と証拠に基づきまして違法行為であるということで、裁判官の発した令状によりまして捜査を行ったものでございます。
  30. 齋藤勁

    齋藤勁君 いや、ですから、瀬川局長が組織的、計画的な犯行だろうというふうに言われるから、それでビラの内容とは違います、ビラの内容判断をしたんじゃないんですというふうにおっしゃっているから、組織的というのは、一つの公人として、ピザ屋でも、いろんな商売、そば屋さんでも何でも、ダイレクトメール要するに戸別にポストへ入れるんだということを組織的に計画的にやった場合というのは、ビラの内容とか何かじゃないわけですから、これは取り締まらないと私は不手際になると思いますよ、これ、住居侵入罪の点でいって。いかがですか。
  31. 瀬川勝久

    政府参考人瀬川勝久君) 重ねての御質問でございますけれども、本件につきましては既に三月十九日に公訴が提起をされておりまして、現在公判中でございますので、この場での私からの詳細のお答えは差し控えさせていただきたいと思います。
  32. 齋藤勁

    齋藤勁君 率直に言って表現の自由の私は濫用だと、表現の自由を私は侵すものだと思いますし、それから何というんですか、一つの見せしめ的逮捕というふうにも私は思うんじゃないかと思いますが、逮捕権の私は濫用だというふうに思わざるを得ません。先ほど、アムネスティの良心の囚人に認定するという不名誉なことを、報道私も接しまして、もううなるどころか恥ずかしい思いを率直にせざるを得ません。やり過ぎとか何かそういう以前の問題だと思いますので、私はそういった点について強く指摘をさせていただきまして、私自身の時間が終わりますので終わりたいというふうに思います。
  33. 若林秀樹

    ○若林秀樹君 民主党の若林でございます。  川口大臣、顔色も良くなられて、公務に復帰されたということでございますので、御心労、お疲れの何分の一は私にも責任があるのかなと感じておりますが、そこは政府の閣僚そして議員という立場で今日もまた厳しい意見も言わなきゃいけないんではないかというふうに思っておりますので、よろしくお願いしたいと思います。  まず、昨日なんですが、議員をしておりますといろんな陳情を受けるんですが、昨日は子供の陳情というんですかね、実は、聞くところによりますと世界百八十か国で世界じゅうの子供たちに教育をというキャンペーンをやっているそうで、ちょうど四月は子供のロビー活動をする日だそうでございまして、昨日は数名のお子さんたちが来られて、いまだに一億以上の人が初等教育さえ受けられない状況の中で、政府としても積極的に支援してほしいという申入れがありましたので、改めて、政府のODAの立場、あるいは自衛隊イラクでやっていること等をお伝えしながら御理解をいただきましたけれども、今日この場で御披露させていただきたいと思いますので、復興援助、開発援助の本当の社会の基本はやっぱり教育ではないかなと思っておりますので、引き続きの御支援をよろしくお願い申し上げたいというふうに思っております。  石破長官、下向いていらっしゃいますけれどもイラク自衛隊もそういう中学校等の修理を行ったというお話も伺っております。今、もうイラクに行って三か月たったわけですが、もちろん民主党の立場は御存じだというふうに思いますが、改めて、行って感じられたこと、課題だと思ったこと、安全で任務を遂行する上で当初想定しなくて向こうへ行って分かったこと、あるいは他国ができて自衛隊ができなくて困ったこと等、何かざっくばらんにお話をいただければ、何かそれで言質を取るということはしませんので、御感想をいただければと思います。
  34. 石破茂

    国務大臣石破茂君) 一番もちろん感じましたのは、派遣する前から予想はしていたことですが、期待度と実現度のこの差をどうやって埋めるか、これが一番大変だと今でも思っています。  やはり、イラクのサマワの子供たちに絵をかいてごらんというと何だか高層ビルの絵をかくとかいう話もありまして、サマワがきっと日本が来るんだからこんなになるんだとか、みんながトヨタ自動車とか日産自動車とか勤められて、みんなに職があって、日本のような社会が到来するのだというような、ある意味で過大な思いがあったかもしれない。しかし、この法律の御説明のときから申し上げておりますように、自衛隊というのは自己完結性を持ってということは、裏返せばそんなに雇用というものが創出できる組織ではないわけですよね。  なぜ自衛隊が行くかといえば、それは自己完結性を持っており、そして給水にしても浄水にしても、学校の補修にしても公共的な施設の補修にいたしましても、医療活動にいたしましても、それは自衛隊でなければできないんであって、逆に申し上げれば自衛隊が活動する期間て短ければ短いほどいいわけですよね、自衛隊じゃなくてもできる状況が生まれたということですから。そこのところにどうしても矛盾がある。ここをどうやって解決をするかということで日々指揮官たちは悩み、そして我々も外務省と一緒になってどうしたらいいのだということを考えておるところでございます。  ただ、悩んでいても仕方がないので、何ができるんだ。法律上何ができる、イラク特措法上何ができる、あるいはODAで何ができるということですね。外務省とよく連絡を取りながら、短期的にできるもの、中期的なもの、長期的なもの、やはりきちんとしたビジョンというものを示していかないとこれはまずいのではないかという認識を強く持っています。  それからもう一点は、やはりこれも想像していたことではありますが、部族社会というものの複雑性ということ。我々は民主主義の世の中に生きておりますから、地方行政にいたしましても国の政治にしてもそうですが、民主主義的なプロセスによっていろんなことが決まっていく。しかし、イラクにおいては決してそうとは限らないということでございます。  私、本当に、先般いったん帰ってまいりました佐藤一佐から報告を受けたのですが、その中でなるほどねと思いましたのは、例えば我々が学校を直すという場合も、イラクのサマワの教育局に、どこを直したらいいですかと、優先するのはどれですか。そして、我々が全部やるわけじゃございませんので、地元のいろんな会社、業者に役務をお願いする場合があるんですが、どこを使いましょうかということで、我々が勝手にこの学校とか、我々が勝手にこの業者さんとかいうことではなくて、やっぱり地元の方々のコンセンサスを得ながらやっていくということに自衛隊は物すごい配慮をいたしております。そういうような細かい配慮というものが自衛隊が今でもイラクにおいて期待値を持たれている一番の理由だと思っていますけれども、それがどれだけ広がっていくかなということ。  そしてもう一つ、時間を取って恐縮ですが申し上げれば、危険を回避をするために現地の方々からの情報が適宜入ってくる、この体制はもっと充実をさせていかねばならないなというふうに思っておるところでございます。
  35. 若林秀樹

    ○若林秀樹君 ありがとうございます。  イラクは別として、将来自衛隊派遣され、復興人道支援に貢献できるということにおいて、私は、自衛隊の自己完結型能力というのはあるんだろうと。ただ、今の自衛隊というのは、例えば与えられた条件の中で、水を一日何リットル作ってくださいという、そういう目的ごとにはすごい機能はたけているんだろうなと、能力はあるんだろうなと思いますが、一方、じゃ水を作る、じゃこの社会はどういう構造でだれが一番困っているのか、どういうふうに分配したら一番公平にいくのか。それと健康、保健との関係とか、ある部分、やっぱり自衛隊の自己完結でありながらも民生部門トータルとして復興援助をどうしていくかというビジョンと能力というものがやっぱり今後求められていくんではないか。  むしろ、治安というよりは日本型の日本らしい自衛隊のやっぱり貢献度という意味において、いわゆる民生部門という意味での能力、ノウハウ、様々な部分というのは必要ではないか、そういうのが今日のテーマであり、防衛庁設置法の一部改正にもつながっていくんではないかな、そんな意識をやはり持っているということをお伝えしておきたいというふうに思います。  その意味で、次の質問はPKOなんですが、今後の世界的に見たPKOのニーズをどう見通し、どう今回の防衛力の見直しに反映させているのかということについてお伺いしたいと思います。  余談ですけれども、あさってシリアに行きまして、榛葉賀津也委員と二人でゴラン高原へ行って、PKOの活動も含めて訪問したいというふうに思っておりますので、その辺についてお考えを伺えればと思います。
  36. 石破茂

    国務大臣石破茂君) シリアに若林、榛葉議員、お出ましということでありまして、現地の方でも活動をきちんと御説明をし、そしてまたいろいろ御理解いただくようにと申しておるところでございます。御訪問、本当に心から有り難く御礼を申し上げる次第でございます。  PKOがこれからどうなるかという御質問でございます。それは今、いわゆる一般法とか申しておりますが、そういう検討、議論政府の部内でもいたしております。これを今どういうふうに位置付けるべきなのか。すなわち、結局、自衛隊法上の我々の任務というのは、先生御案内のとおり、本来任務と付随的な任務に分けられている。  本来任務というのは、防衛出動のほかに治安出動、警護出動、海上警備行動、災害派遣、原子力災害派遣、領空侵犯措置とか、いろいろあるわけでございます。これがあくまで本来任務ですよと。例えばPKOもそうでございますし、あるいは土木工事の受託でありますとか、教育訓練ですとか、南極観測ですとか、国賓の輸送ですとか、そういうものは本来任務ではありませんで付随的任務です。こういう整理をいたしておるわけでございます。  これも先生とも議論をさせていただきたいのですが、それじゃPKOというものを付随的任務ではなくて本来任務にすべきなんでしょうかというお話が出てきますね。本来任務の中にも主たる任務と従たる任務とございまして、じゃ本来任務だけれども主たる任務は、あくまで自衛隊というのは国防でございますから、防衛出動ですから。そうすると、本来任務だけれども従たる任務というふうに位置付けましょうかとか、論理的にはそういうような展開になってくるのかなというふうに思っております。  私ども、国際貢献というよりも、日本として果たすべき国際的な責任として、貧困でありますとか、あるいは紛争が終わって停戦状況が続いているそれの維持ですとか、やっぱり日本としてそういう果たすべき国際責任を果たしていかなきゃいけないんだというような認識で私自身はおります。  それじゃやっぱり本来任務だよねということになったとして、あとはこれ、また大綱の中でどういうふうに議論をされるか、これ今、私が予断を持って申し上げるべきことではございません。政府の中全体で議論をすべきことでございますし、国会においてもいろいろ御教示をいただきたいと思いますが。  じゃ、予算の中でどう位置付けるべきなのか、あるいは装備の中でどう位置付けるべきなのか。お金は無限ではございません。そして、国の独立と平和、国民の生命、財産をまず第一義的に守らなければならないとするならば、この我々の防衛予算の資源配分というものを法的に、じゃ本来任務に位置付けたとして、じゃどのようにしていくべきなのだろうか。  我々が今、本来任務で持っておりますものを、決して余りがあるわけでも何でもございません。また、テロ特やイラク特が、これはPKOでやっているわけではないのは委員も御案内のとおりでございますが、その本来任務で持っておりますところのいろいろな装備というものを何とか繰り回しながらやっているという状況にございます。  それを、じゃこれから先どのようにしていくべきなのか。精神論として、あるいはあるべき論として、日本は国際的な責任をもっともっと果たしていかねばいけない、そのとおりだと思っております。じゃ、物的な、人的な、この我々の限られた資源をどのように配分をしていくことが日本国として望ましいのか、それをこれから先政府でも議論をしていくことになりますし、国会の場におきましても御議論をお願いをいたしたい、御教示をお願いしたいと思っております。
  37. 若林秀樹

    ○若林秀樹君 ありがとうございます。  すぐに簡単に出る答えじゃないというふうには分かっておりますので、引き続きの議論が必要なのではないかなと思っております。  次に、川口大臣にお伺いしたいと思いますが、改めて、六月末にイラクの主権移譲に向けて、成功のかぎというんでしょうか、何をしなければいけないのか、そしてそのときに日本役割は何なのかということについて端的にお伺いしたいと思います。  私の問題意識は、例えばスペインが六月末の主権の移譲を見て判断すると言いながらも結局は早めに撤退を表明したと。やはり六月末になっても、今の状況では本当にやっぱりこれまでとは違う国連主導の主権移譲ができるのかということに対して、ある程度、見限ったという言葉は良くないかもしれませんけれども、そういう判断を下していったんではないかなというふうに思いますので、今の米国の方針転換も含めまして、どうしていったら本当に一番成功していくのかということについてのお考えと、日本役割についてお伺いしたいと思います。
  38. 川口順子

    国務大臣川口順子君) まず、スペインが何をもって撤退をすることにしたか、これはスペインの判断でございますので、全く私としてはコメントができません。  それで、この六月三十日に向けて、今非常に国際社会がこれを成功させることの重要性を認識しながら、求心力が高まった形で動きを始めているというのが私のむしろ今の状況についての認識であります。  それで、かぎを一つに絞るというのは難しいと思いますけれども総理が今までおっしゃっていらっしゃるように、イラク人たちがどのような形で暫定政権、六月三十日よりも七月一日以降の政権をやっていきたいと考えるかということが一番のかぎであると思います。そしてそれを、これは国連の支援を受けながらその体制を作っていくということですから、ブラヒミさんがどのような形でそれを引き出し、そして国際社会の協調作りにつなげていくかということであると思います。  この前、私は二十一日の日に、アナン事務総長と、それからストロー外務大臣とこういった点について電話で話をいたしました。それで、国連安保理を作ることに向けての動きというのは既に議論が始まっているということでございますので、私としても、国際協調を作っていくために日本としても支援をしたいということをそのとき申し上げたわけですけれども、中山総理特使が今日にも御出発になられて、アナン事務総長とその話をし、ブラヒミさんともお会いになることになっています。そういった過程で、ブラヒミさんの考えをよく聞き、日本として支援をすることをしていく、そして、国際社会が協調していくことが大事ですので、協調作り、これを日本としてやっていくということが重要であると思っています。
  39. 若林秀樹

    ○若林秀樹君 ありがとうございます。  いずれにしても、本当に今イラク情勢は予断を許さない大変な状況だというふうに思います。それでも、にもかかわらず、米国の主要な同盟国であるフランス、ドイツあるいはインド、パキスタン等がやっぱり傍観をしていると。万が一何かあったらそれはもうフランスも、ドイツへの影響というのもあるにもかかわらずそうなっているという、なぜそうなんだということがきちっとやっぱり冷静に考えていく必要があるんではないか。  私は、やはりアメリカが、国連主導で、方針転換をした。しかし、本当の意味国連に任せて、イラク人の意思をきちっと反映する方向で本当に転換するのかどうかということに対してまだ国際社会も半信半疑なんではないかというふうに思うところでありますので、そういう意味では、私はやっぱり米英がきちっと方針転換をして、これまでの戦争、攻撃と占領政策がどうだったのか、やっぱりきちっと総括をして、それを国際社会にやっぱりアピールする。それを日本としてやっぱり後押しをしていく、そこの中に入っていくということが重要ではないかなというふうに思っていますので、そういう流れの中で、是非、日本としての役割を、きちっとやっぱり米国の同盟国として意見を言うべきところは言っていくということが必要ではないかなというふうに思いますので、またコメントを求めますとまた時間が長くなりますので、是非とも積極的な役割を主権移譲に向けて果たしていただきたいなというふうに思っております。  改めて、残りの時間はこの間の引き続きの質問をさせていただきたいというふうに思います。  外交官殺害事件の真相解明ということでありますので、私は、冒頭申し上げたいんですけれども、これまで別に外務省の皆さんと闘っているわけじゃなくて、外務省員が亡くなった、その真相解明をはっきりさせたいということでやっているだけですから、是非とも私のこれまでの質問あるいは提出した資料に対して真摯にやっぱり対応していただきたいなというふうに思っております。  その上で、米軍、この間のテレビ報道、ペトロイヤス少将のテレビの発言について、つまり、彼らはティクリートじゃなくてモスルに来ようとしていた、ヘリを提供しようとしていたんだけれども、彼は運転する方向を、方針を選んだと、それは悔やまれるというところで、これについての回答はいまだに受け取っていないんですけれども、この間の衆議院外務委員会発言を総合しますと、やはり奥、井ノ上両外交官はティクリートの復興支援会議に出ると、ペトロイヤス少将は何か勘違いではないかということで、あくまでその会議に出てバクダッドへ戻るということだというふうにおっしゃっていましたので、その理解でいいか、簡潔に堂道局長、お願いします。
  40. 堂道秀明

    政府参考人堂道秀明君) お答え申し上げます。  大筋は委員指摘のとおりでございます。私どもも、御指摘いただきまして、ペトレイヤス空挺師団長の発言について再度確認いたしましたけれども、そのような発言をそのTBSの番組でなさっております。  他方、私どもとしまして、これまで判明したところでは、両名はティクリートの会議に出席するということでございまして、主催者側にも確認したわけでございますけれども、同名がこの会議に出席する旨事前にその連絡を受けていたと。あるいは奥大使、井ノ上書記官及び運転手ともにティクリート宮殿内に宿泊することが、事前に主催者側と調整していたということでございます。そういう意味で、私どもとしましては、二十九日はモスルではなくてティクリートに向かっているというふうに承知しております。  他方、ペトレイヤス師団長の発言の背景でございますけれども、奥大使とこのティクリートの会合の翌週の十二月の四日にもこのモスルでの草の根無償の署名式並びに支援プロジェクトの発掘、形成のために赴くことを計画していたということから、奥大使とペトレイヤス師団長の双方の間でモスル行きについて話合いをした可能性はあるということでございますので、この師団長の発言もそのようなことが念頭にあって行われたのではないかと思われます。
  41. 若林秀樹

    ○若林秀樹君 ペトロイヤス少将と直接この件については確認されましたでしょうか。
  42. 堂道秀明

    政府参考人堂道秀明君) 私どもの理解は今申し上げたとおりでございますけれども、念のためペトレイヤス師団長にも接触して確認をするというふうに今手続を取っているところでございます。まだ本人とは連絡が取れておりません。
  43. 若林秀樹

    ○若林秀樹君 私は、やはりペトロイヤス少将が奥大使と親交があって、覚えているわけですよね。その日にヘリコプターを提供したにもかかわらず、そういう事件があったということは、うろ覚えとか記憶が定かでない、そういうレベルじゃないですよ。これは明らかに、やっぱり友人に対して例えば車を提供して、こっちへ来るときにそこで事故があったら忘れるわけがないんであって、英語でもですね、ウイ・オファー何とかって、特定しているんですよ、ザ・デイで特定しているわけですよね。私はやっぱり、ペトロイヤス少将のやっぱり記憶が定かであり、はっきり覚えているからああいう発言になったんではないかなというふうに思いますので、その意味で、やっぱり是非とも本人と確認をしていきたいと思いますし、私はまだその疑問は解けない感じがしております。  その上でお伺いしたいんですが、この二日間の会議において、三時に二日目は終了するということになっているんですが、その後はすぐにバグダッドへ戻る予定だったんでしょうか。
  44. 堂道秀明

    政府参考人堂道秀明君) この奥大使の日程についてはEメール等でいろいろ調整をしていたと、あるいは電話で調整をしていたということがあると思いますけれども、奥大使についてはこのティクリットの会合の後、バグダッドに一たん戻ってくるというふうになっていたというふうに承知をしております。
  45. 若林秀樹

    ○若林秀樹君 当時の報道等を見ますと、せっかくティクリートに行くんで、そのほかも前後してですね、草の根無償等の案件の候補地探しに行ったんではないかと、そういう予定を組んでいたんではないかということがありましたが、そういう予定はあったんでしょうか。
  46. 堂道秀明

    政府参考人堂道秀明君) 先ほど申しましたとおり、一たんバグダッドに戻ってきてから翌週にモスルに行くということについては、その計画をしていたということについては承知しておりますが、それ以外については、そのような日程があったというふうには承知しておりません。
  47. 若林秀樹

    ○若林秀樹君 いずれにせよ、ないということであれば、いずれにせよ、そういうないという、出張の予定書というのがあるというふうにこの間答弁されていましたので、その提出について御検討をお願いしたいと思いますが、よろしいでしょうか。
  48. 堂道秀明

    政府参考人堂道秀明君) 検討いたします。
  49. 若林秀樹

    ○若林秀樹君 その上で、資料をちょっと配っていただきたいんですけれども。    〔資料配付〕
  50. 若林秀樹

    ○若林秀樹君 まだまだ質問したいことはいろいろあるんですが、冒頭申し上げましたように、この間、この委員会の中で、当時の復興会議の会議の次第、参加者名簿、そして後で付け加えたんですが、招待状のコピーを出してほしいということで申し上げました。  私は、公式の場で申し上げてそちらも了解をしたという意味においては、その日のうちに、もう存在するわけですから、持ってくるのかなというふうに思いましたところ、全然来ない。で、翌日に催促をして出てきたのが、ファクスで送られてきたのはこの「ティクリート会議関連」ということであります。これ、見ていただきたいと思うんですが、ほかの方も。  私は、会議の次第、スケジュールを要求したんです。そして、来ない。ファクスでわざわざ送られてきたのがこの概要であります。ちょっとひど過ぎないですか。会議の次第を要求して、あると言って送ってきたのはこの日本語のこれだけですよ。  私は、やっぱりこういう、私も英語はある程度分かりますし、会議の次第と表のページに書いてあって、中は概要ですから、ほとんど私はこれは作ったに等しいんではないか、会議の次第そのものはないんではないかと思わざるを得ないです。いかがですか。
  51. 堂道秀明

    政府参考人堂道秀明君) この二十九日、三十日のティクリットでの国際機関、NGO復興会議でございますけれども、この会議の組織といいますかオーガニゼーションにつきましては、後で判明したことでございますけれども、Eメールなどを使ってその連絡を取っていたということがございます。これはまあやむを得ないことでございまして、郵便もない、電話もなかなか通じないというところで、そういう作業を行っていたということでございます。この会議につきましては、日程につきましては、このとおりの日程でございます。  他方、出席者につきましては、この出席者名簿とかということでございますけれども、この出席者名簿についても、言わば個人の情報を含むということから、私どもとしましては、一応これらの出席された方に対して、資料として提出することについての了解を求めました。その作業に若干時間を要したわけでございます。  これにつきましては、奇異に感じられることもあると思いますけれども、これらの個人名を出すということについては、現地の情勢等から、それについては一応了解を取った上でやるということで私ども考えさせていただいたわけであります。
  52. 若林秀樹

    ○若林秀樹君 後半の部分は私、聞いていませんので。  まず、会議の次第を出していただきたいと言ったにもかかわらず、出てきたのは会議の概要で、それも日本語で作ったようなものであります。何で会議の次第が出てこないのかと、そのことを言っているんで、それに対して明確に答えていただきたいと思います。
  53. 堂道秀明

    政府参考人堂道秀明君) 私ども承知していますのは、この日程、こういう日程だったということと、あと招請があったということだけでございまして……
  54. 若林秀樹

    ○若林秀樹君 会議の次第と言っているんですよ、それはあると言ったじゃないですか、この間。存在するって。
  55. 堂道秀明

    政府参考人堂道秀明君) 会議の次第といいますのは、このいわゆるアジェンダというふうに理解しますが、このアジェンダはこういうことであったということでございます。
  56. 若林秀樹

    ○若林秀樹君 だから、会議の次第の、じゃ、原語での英語で出していただきたいと思いますが、これ、私これ以上こういうことはもうやっていられないですね。  で、更に申し上げましょうか。  この二十九日の正午から昼食というのは、前いただいた資料から十一時五十分になっていました。二時十五分からの五時までのブリーフィングというのは、前いただいていたのは二時になっていました。もう次第はない、出てくる会議の概要の時間は変わる、もうとてもじゃないけれども、私はこういう形で審議はできないですよ。これまで何度となくいろんなことを、同じ聞いても分からない、聞けば分かることさえ分からない、出てくる資料はない、出てきたのはこれ。  その出席者名簿も、ティクリート宮殿に泊まるということまで言っているわけでしょう。そうであれば、その名簿を出していただきたいというのは、ほかの人はいいんですよ、それは幾らでも個人情報、名前を隠したりいろんなことができるわけですから、はっきり奥、井ノ上さんがそこの会議に出席した、いたという出席者名簿を出してもらう、出さない。  私は、委員長、私これ以上こういう形で審議できないですよ、本当に。私も真摯に、まとも、まじめにいろんなことを聞こうとしている。毎回出ても変わる、答えない、時間は変わる、資料提出もこれですから、私はやっぱりこういうことではこれ以上審議は私はできないと思いますけれども、いかがでしょうか、協議していただけないでしょうか。
  57. 山本一太

    委員長山本一太君) 今の件について、堂道中東アフリカ局長、御答弁まずお願いします。
  58. 堂道秀明

    政府参考人堂道秀明君) 英文の資料を提出します。  一点、この会議の日程につきましては、先ほど時間が変わっているじゃないかという話を言われましたけれども、直前まで調整していた形跡がございますので、この点についても分かるようにきちっと資料を提出させていただきたいと思います。
  59. 山本一太

    委員長山本一太君) ただいまの件につきましては、理事会において後日協議をいたしますが、外務省の方はできるだけ正確な資料を出すように心掛けていただきたいと思います。
  60. 若林秀樹

    ○若林秀樹君 だんだん時間がなくなってきたんですけれども、もうあきれ果てて、何かもう質問する気なくなっちゃうんですよ。  例えば、この間でも、最初の通報を受けた際の時間ですよね、警察が。それと米軍に通報があった時間だけこの間はっきりして、じゃ何時に現場に警察が行ったのか、負傷者を何時に病院に運んだのか、いつ医師が一緒にいて奥さんは亡くなったのかという基本的な死亡時間、これ聞けば分かることですよ。これ、だってイラクの警察と連携してやっているんでしょう。ティクリート病院というのはちゃんとした病院なんですよ。そういうことをいまだに明らかになっていないということ自体がやっぱりおかしいですよ、どう見ても。  こういうことは、ずっとこうやって聞いているというのは、それ自体私はもうおかしいというふうに思いますし、これ以上こういう形でやるんだったら私は強くやっぱり抗議したいというふうに思いますので、改めて大臣、この事件について、私は真相解明は必要だと思います。  私は同じ立場です。外務省立場それから国会議員のための、この真相解明したいわけです。是非ともそういう第三者の調査委員会を、この間の御趣旨は分かりますけれども、ある一定期間、もう五か月たっているんですから、区切りを付けて委員会を作っていただきたいと思います。その回答を求めて私の質問を終わります。  大臣です。大臣、お願いしますね。
  61. 川口順子

    国務大臣川口順子君) 改めて事務当局にはきちんとした形で、疑惑を招かないようにできるだけまとまった形で資料を提出するようには指示をします。  その上で、第三委員会というのは、この間申しましたように、今の時点ではこれになじむというふうには私は考えておりません。ただ、外務省として、これはこの前申し上げたかと思いますけれども、できるだけ早く全体をまとめた形でお話をするべきだというふうに考えておりまして、それは今いろいろなことがあってちょっと予定よりも遅れておりますが、できるだけ早くというふうに思っています。  それから、若林委員のおっしゃる幾つかのことについて、こういうことが分かってしかるべきだというふうに考えていらっしゃるのはよく分かりますけれども、このようなイラクの事情で、分かることについてはもうできるだけお話を申し上げているということを是非御理解をいただきたいというふうに思っています。
  62. 若林秀樹

    ○若林秀樹君 終わります。
  63. 小泉親司

    小泉親司君 外務大臣おられるの。──私は、自衛隊法及び防衛庁設置法改正案、いわゆる防衛二法について質問をいたしますが、私どもは防衛二法は反対でございます。その理由は討論の中で明確に申し上げます。そこで、防衛二法に関連して幾つ防衛庁長官に質問をさせていただきたいと思います。  まず一つは、いわゆる日米安保条約に基づきます日米共同対処、この問題について幾つかお尋ねをしたいと思います。  有事法制法案の、法案の審議に入るわけじゃありませんが、今回の有事法制法案は、大変日米共同対処、日本が武力攻撃を受けた場合の日米共同対処について定めているというふうなばかりではなくて、大変米軍の支援する中身が大変色濃く出されているものじゃないか。例えば、米軍円滑化法、私どもは米軍支援法と呼んでいますが、米軍支援法それから公共施設利用等法案、ACSA改定案、こういうのが大変米軍支援として非常に強く出されていると思います。  そこで、私一つだけお尋ねしたいのは、この米軍円滑化法、いわゆる支援法案の中で、アメリカ合衆国の軍隊の規定としまして、武力攻撃を排除するために必要な行動を取っているアメリカ合衆国の軍隊を支援するということが法案の中に明記されている。これは私、日米安保条約の共同対処の条項を見ましても、こういう条項というのはない。自衛隊の側の自衛隊法という問題を見ましても、この項目、こういう文言はない。そこで、私お尋ねしたいんですが、武力攻撃を排除するために必要な行動と、これは一体どういうものなのかと。  例えば、これまで政府は、日本が武力攻撃を受けたときは米軍はやりだと、自衛隊は盾だと、こう説明してきました。そこで、やりということになると、当然米軍の行動というのは、例えば日本の方が武力攻撃を受けた場合に敵地攻撃を行う、米軍が敵地攻撃を行う、更には核兵器を使用する、こういうものもその意味では武力攻撃を排除するために必要な行動と、こういう点では排除されていないというふうに私は理解しておりますが、その点、防衛庁長官、いかがお考えでございますか。
  64. 石破茂

    国務大臣石破茂君) 先生御指摘の、この米軍行動円滑化法案におけるアメリカの行動とは何ですかと、こういうことになりますと、結局我が国に対する外部からの武力攻撃が発生をしましたと、そういう事態において、当該武力攻撃を排除するために必要な武力の行使を含む武力攻撃事態等における日米安保条約に従って行われる武力攻撃を排除するために必要な合衆国軍隊の行動と、こういう何というか、無味乾燥というか身もふたもないというか、そういうようなお答えにならざるを得ません。  で、じゃ、そのときに先生のお言葉をかりれば、敵地攻撃であるとか核攻撃であるとか、そういうことは含むのかね、含まないのかねとこういうことですが、これは先生、安全保障条約日本語でも英語でもお読みになり御理解をいただいた上での御質問かと思いますが、結局のところ、日米安全保障条約というのは日本も合衆国も国連憲章というものを基本にしておるわけでございます。そういたしますと、結局、何をやるのだということは国連憲章第五十一条の範囲内ということになると思います。それがどこでも無制限に何でもかんでも広がるかといえば、それは集団的自衛権、個別的自衛権、この場合には合衆国が集団的自衛権を行使することになるはずでございますが、それはどうしても国連憲章五十一条の枠の中にとどまるべきものというふうに私は考えております。
  65. 小泉親司

    小泉親司君 私は、国連憲章五十一条だとおっしゃいましたけれども、例えば個別的自衛権の範囲として、自衛隊が武力攻撃を受けた場合については、敵地攻撃は自衛権の範囲内と説明してきた。さらには、小型核兵器の使用は、これは自衛権の範囲内だと説明してきた。ところが、これまでの政府説明でも自衛隊というのは、御承知のとおり、敵地攻撃を行う事実上の能力は持っていない、それから核兵器を、使用する核兵器は持っていない。当然のこととしてこれまでその点については、自衛隊は論理的に可能であっても現実的に可能性はないと。しかし、日米ガイドラインにおいては、米軍はやり、つまり機動打撃力を使用するものは米軍であると、これは日米ガイドラインと明確になっているわけですね。そうなってくると、機動打撃力の保持として個別的自衛権の行使、集団的自衛権の行使、こういうものの中に、私が質問しているのは敵地攻撃や核兵器の使用、こういうものが排除されているのか、しないのか。私は排除されるべきだというふうに思いますが、長官、そこのところをはっきりさせてください。今、長官がおっしゃっていることは、私も分かって質問しているのは長官も御承知のとおりだと思います。そこのところを明確にしてください。
  66. 石破茂

    国務大臣石破茂君) 当然、その合衆国は日本国憲法第九条の適用を受けませんので、それは排除されないということでございます。法的に言えばそういうことに相なります。  日本国は、先生いみじくも御指摘になりましたように、法的に駄目とこういうふうに書いてあるわけではございません。少なくとも、明文的に書いてあるわけではありません。ただ、現在のところは能力的にそれを有していないし、それは合衆国の能力にゆだねるのだということはもう何度も答弁をしておるとおりのことでございます。  そういたしますと、これはもうアメリカはじゃ野方図に何でもやっていいのかねと言われれば、それは憲法の九条の適用は受けませんが、国連憲章五十一条の必要最小限ということにはとどまるべきものである、それは日米安全保障条約に明らかに示されているとおりであるということになろうかと思います。
  67. 小泉親司

    小泉親司君 排除されないというお答えでしたが、私、そこでもう一つだけちょっと、ちょっと法案に入っちゃうようであれなんだけれども、入るつもりはないんだけれども一つだけお聞きしたいのは、そうすると、例えば今度の米軍支援法、円滑化法などで自衛隊が米軍を支援することになっている。まあ言葉で言えば、法案の言葉で言いますと、行動関連処置と言っている。そういうふうな核使用や敵地攻撃などを行う米軍も支援する対象、つまりそのときの、そのアット・ザット・タイムで支援する対象と行動関連処置を実施するというふうに理解してよろしいんですか。
  68. 石破茂

    国務大臣石破茂君) それは今この武力攻撃事態というのは、もうそのときに何が起こるか千差万別、よく今からこういう場合、こういう場合ということを申し上げることはできません。しかし、その場合に米軍の行動が国連憲章五十一条にもありますように、必要最小限ということであるとするならば、それはいろんな事態が考えられ得るということだと思っております。  それは、ただ先生、自衛権ですから、例えば敵地攻撃能力ということも自衛権の範囲内にとどまるということは論理的にはあることでございます。日本がその能力を持っておらない、またそういうことができ得るとしても、私どもは自衛権の行使の三要件というような話をいたしましたが、アメリカはそれとはまた別でございますけれどもアメリカだってそれは自衛権に基づいて行動をするということでございますし、それは必要最小限にとどまるべきものでございますから、今この場合はどう、この場合はどうということを断定的に申し上げることは必ずしも適切ではないと思っておるわけでございます。
  69. 小泉親司

    小泉親司君 そこで、次にお尋ねしたいのは、アメリカの陸軍省の戦略研究所で、ウィリアム・ラップ中佐が日米同盟の将来という論文をお書きになっている。これはもうアメリカンセンターといういわゆるアメリカ大使館の附属と言うと失礼ですが、属するセンターで公表しておりますからもうお読みになっていると思いますが、この中でラップ中佐は、今後十年間の日米同盟を占う三つの問題があるんだと。一つは、日本が原子力空母の母港化を決定するかどうか、二つ目は、統合されたミサイル防衛を配備する決定をするかどうか、三つ目には、沖縄の基地問題の解決ということを挙げておられます。  そこで、原子力空母の問題については、先ほど同僚委員からも質問がありましたが、この中でラップ中佐は、日本は横須賀基地で、キティーホークの代替として原子力空母カール・ビンソンという名前を挙げまして、カール・ビンソンの受入れを行うかどうか、これが重要なんだと。日本が核カード、核兵器のカードを使ってカール・ビンソンの配備にためらいをするなら、日米同盟に劇的な否定的影響を及ぼすことになると、こういうふうに言っておられます。  その点について、まず防衛庁長官はこのラップ中佐の見解についていかがお考えでございますか。
  70. 石破茂

    国務大臣石破茂君) これは、この論文の冒頭に書いてありますように、これは私個人の見解であって米政府の見解ではないと、こう言っております。これは、私どもの関連の研究所なぞでもいろんな論文を出しますが、これは個人の見解であって日本政府あるいは自分の所属する組織の意見ではないということを言っておるわけでございまして、個人の方の意見についてどう思うかと、こうお尋ねをいただきましても、これも私も個人であれば幾らでもお答えをいたしますが、防衛庁長官として個人の御意見に一々論評することはいかがかなと思っておりまして、もしできれば、そういうことを踏まえて先生のお尋ねということであれば、またお答えのしようもあろうかと思います。
  71. 小泉親司

    小泉親司君 私、決してこの問題というのは、このラップ中佐自体が個人的に見解を及ぼしたものじゃないことは、例えば原子力空母の母港化の問題については、もう御承知のとおり、ファーゴ太平洋司令官が最も能力の高い空母に代替するということを明らかにしているとおりだと思います。  このラップ中佐の特徴というのは、名前を挙げて、防衛庁長官おなじみのカール・ビンソンという原子力空母を配備すると。この名前を挙げているというところは大変私は重要なんじゃないかと。その点でこういうカール・ビンソン、原子力空母の配備が私はアメリカ政府部内でも、何遍もこれ、カール・ビンソン来ていますから、その意味ではこういう配備が政府部内で既に検討されているのじゃないかという非常に大いなる疑問を持っております。  そこで、先ほどもお話がありましたが、横須賀市長は、この点について昨日、新聞報道によりますと海老原局長とお会いになった、そこで通常型を後継機、通常型空母を後継空母にすべきだという提案をされておられるそうですが、私自身は、正直、市長の見解とは若干異なる見解を持っておる。これは、横須賀、空母そのもの、空母化という問題について私どもは反対しておりますので、それが通常型かどうかというのは一つありますが、ただ、やはり原子力空母を配備するというのは、地元の横須賀市長自身も大変危惧の念を抱き反対している。  外務省としては、こういうやはり問題については、米政府から要請があったら、こうした市長の反対という立場でも、これは強行されて受け入れられる、こういう御見解なんでございますか、外務省
  72. 海老原紳

    政府参考人海老原紳君) ただいま小泉委員からお話のありましたように、昨日、沢田横須賀市長が私のところへ来訪されまして、川口大臣あての要望書を持ってこられました。内容的には今、小泉委員がおっしゃったとおりでございますけれども、いずれにせよ、先ほど大臣からも御答弁申し上げましたように、米国はキティーホークの退役後の後継艦につきましては何らの決定も行っていないということでございますし、我が国と密接な協力の下に今後この問題についても対処するということが確認されておりますので、外務省といたしましても、今般の横須賀市長の申入れのあったことも踏まえまして、米側と協力を進めていきたいというふうに考えております。
  73. 小泉親司

    小泉親司君 私、こういうやはり地元の市長が言っていること自体は非常に重く受け止めるべきで、その点では、やはりこうした原子力空母の後継というものについての、を強行すべきじゃないということだけを申し上げておきたいと思います。  このラップ中佐の論文ではミサイルの防衛問題についても言及しておりまして、何と言っているかというと、北朝鮮や中国からハワイへの弾道ミサイル攻撃が日本の上空を例えばそのミサイルが通過する場合、日本が集団防衛、要するに集団的自衛権行使のことの意味でだと思いますが、集団防衛を遂行しようとせずに、その結果としてミサイルの通過を認めるようなことになると、日米同盟は終わりになるというようなことも言っておられる。  この点で、私は、ミサイル防衛が大変、集団的自衛権の行使という問題と密接に関係している、ミサイル防衛の私は本質だというふうなこととも考えておりますが、そういうことを表しているんじゃないかというふうに思います。  そこで、私、これを聞いても防衛庁長官、同じような答えになると思いますので、一つだけ聞きたいのは、実は四月二十日に古庄海上自衛隊幕僚長が集団的自衛権について記者の質問に答えておられまして、その中で、海幕長は、集団的自衛権の行使はいずれの段階かで認められるべきだという御見解ですかと、御見解ですかというのは私が言っているんですが、というふうに聞かれて、当然ですねって、そうでなければ、もちろん今の法体系の中で任務が決まればその中で我々がやるわけだが、まあ当然だということを言っておられる。  防衛庁長官は、こういうやはり海幕長という、言わばまあ軍人と言うとなんですが、文民でない人がこうした発言をするというのは大変妥当なものだというふうにお考えなんですか。
  74. 石破茂

    国務大臣石破茂君) 会見の中でも海幕長が述べておろうかと思いますが、一つは、今の憲法の考え方に基づいていろいろな自衛隊の行動というのは決まっておるわけでございますが、今不都合があるかと言われて、何ら不都合はないというふうに申しております。それからもう一つは、政治に意見をするというつもりは毛頭ないということも申しております。その上で、将来的な問題としてどうなのかと問われたときに、個人的な感想としてそういうことを申し述べたというふうに承知をいたしておるところでございます。  これはもう、海幕長も、私も大変に信頼をしておる幕僚長でございますけれども、彼として政治に対して意見をするとか、そういうことで申し上げたものでもございません。将来的にどうなのかと言われれば、それは個人的な見解として、そういうこともあり得るが、政治に対して意見を申し述べているわけではないということも明確に申しているとおりでございます。
  75. 小泉親司

    小泉親司君 私は、やはりこうした海幕長という軍人が集団的自衛権の行使を当然視するような発言を行うことは私は重大な問題だと思います。その意味で、事実関係をはっきりさせて、防衛庁長官も明確な態度を取るべきではないかというふうに思います。    〔委員長退席、理事舛添要一君着席〕  そこで、もう一つお聞きしたいのは、北富士演習場に今防衛庁が建設をしておりますイラクの宿営地を模擬した施設を建設する、この問題についてお尋ねをしたいというふうに思います。  防衛庁に聞きますと、北富士演習場の廠舎西地区に約、面積は二百五十メーター掛ける四百五十メーターの、正にイラクの現在のサマワに設置している宿営地を模擬した施設を造ると。ここで、言わば警備要領に係る訓練を行うんだと。その訓練の練度の評価、確認を行うというふうなために建設するというふうにされております。  この問題については、今現地の市町村でも大変大きな問題になっておりますが、私、この、についてどういう目的でこういうふうな施設を設置しようとしているのか。  そこで、忍野村の村長さんが対策特別委員会に提出した資料によりますと、防衛庁説明として、この施設は宿営地における自衛隊が敵襲を受けたときなどを想定して、それに対し隊員が適切に行動するよう宿営地の模擬施設を建設するものであるというふうな説明をこの施設の目的としてされておりますが、その点について間違いはございませんか。    〔理事舛添要一君退席、委員長着席〕
  76. 石破茂

    国務大臣石破茂君) 詳細について申し上げることは必ずしも適切ではないと私は思いますが、それは私どもはありとあらゆるケースは想定をいたします。例えば、つまりテロ、襲撃の可能性はゼロではないということは法案審議のときから申し上げております。今でもそうです。ゼロだなぞということを申し上げたことはありません。  そのときに訓練をやっておかなければ、それは被害を避け得ない場合もございましょう。やはり、私は被害を本当にゼロに近づけて、そして無事に任務を遂行するという意味からも訓練をやるというのは当たり前のことだと思っていますし、それが図上のあるいは机上の訓練のみならず、このようにして宿営地を模したものにおいて行われるということは、隊員の安全を確保する上からも必要なものだと思っています。
  77. 小泉親司

    小泉親司君 私が質問しましたのは、防衛庁自体が、防衛施設庁ですか、正確にはね、が説明した横浜防衛施設局施設部施設企画課長等が説明した、いわゆる自衛隊が敵襲を受けたときも想定した訓練をやるんだと、この点については間違いないんですねと、それもお認めになっているんだろうと思いますが、その点一つだけ、長々と要りませんので。
  78. 石破茂

    国務大臣石破茂君) 私は、申し訳ありませんが、課長が、そういうお答えをいつどのような文章で、文章といいますかね、せりふで、せりふでというのも変かな、申し上げたか、いつ何日何時にどなたにどういうような立場の者が申し上げたか、ちょっと詳細のものを持っておりません。  しかしながら、私は一般論としてそういうようなお答えをするということはあり得ることではないかと思っておりますし、そのことが不適切だったとは思っておりません。
  79. 小泉親司

    小泉親司君 実際、この訓練場を見ますと、私も写真持っておりますが、今日別に理事会の許可を得ていないのであれですが、大変広大な土地を、言わば完全にサマワと同じ状態を作ると。私が、バラス、今バラス張ってありますけれども、バラスを張るのかとか、ちゃんとした宿営地を、テントを張って、みんなコンテナも運び込むのかと聞きましたら、そういうこともやるんだと。事実上ほとんどと言っていいほどイラクの宿営地を完全に模写すると。  今行っている部隊が実際に訓練をして行ったわけだけれども、どこで訓練したか知らないけれども、北富士が初めてだと。しかも、今度の北富士の特徴というのは、いわゆる富士訓練センター、これはどういう訓練センターかとお聞きしましたら、実際にビームライフルを持って撃つと。その撃ったものが当たったかどうかというのが全部機械的にコンピューター化されているんでしょう。そういうものが分かるような施設と一体となってこの宿営地の警備要領、訓練をやるんだというような御説明でありました。  そうなってきますと、今度はいわゆる陸上自衛隊の今ローテーションの問題が非常に問題になっておるわけで、そういう訓練場を作るということになったら、イラクに行く部隊が必ずそこで訓練すると。この点については、先ほど防衛庁長官は、イラクの陸上自衛隊の派兵について若干一時的なニュアンスのような発言も、まあこれは前からされておりますけれども、こういうことを言っておりますが、実際にこういう訓練場を作るということになると、事実上こうした陸上自衛隊の派兵の恒常化というふうなことが当然視野に入れておやりになっておられるということになるんですか。そこのところが私はお聞きしたいところであります。
  80. 石破茂

    国務大臣石破茂君) 先ほども若林委員の御質問でしょうか、お答えをいたしましたが、それは早ければ早い方がいいのです、イラクから撤退をするのは。別に私どもはそこに長くいて何か利益を得ようとか、権益を拡大しようとか、そのようなことでやっておるわけではございません。自衛隊が行かなくても、イラクの人々が医療や水やあるいは学校や、そういうことがきちっと享受できるようになるという日が一日も早からんことを願っております。  ただ、さはさりながら、さはさりながら、それがいつということは分からない。早いように国際社会全体で努力はしていかなければいけないけれども、それまでどれぐらい掛かるのか分からない。だとするならば、これはローテーションを、どれぐらいローテーションをさせるかということ、問題もございますが、行く隊員たちには少なくともできるだけ現場に近い状況を作って、できるだけ現場に近いようなシミュレーションをやらせたいと思っています。訓練というのはそういうものだと私は聞いておりまして、幾ら図上で、机上でやっても現場では役に立たないことがございますので、私は常に訓練というのは抜き打ちでやるのがよろしいと。できるだけ実際に起きるであろうことと近いものをやるのがよろしいということを私は旨としておるところでございます。恒常化ということにはなりません。
  81. 小泉親司

    小泉親司君 警備要領の練度の評価、確認を行うための訓練を実施すると。もうこれは防衛庁の発表文書ですからそのまま読みましたが、そういうことはあれなんですか。例えば、この間、防衛庁長官議論してきましたいわゆる部隊行動基準、こういうものにおける武器の使用、この問題についてもここで具体的に訓練の形としておやりになるのかどうなのか。  もう一つは、時間もないので、もう一つは、私は、この問題について地元の自治体の了解をしっかりと得ていないというところは非常に重大な問題だと思います。この意味で、いや、それは入会地の北富士演習場の使用協定の中に入っていないんだと、ちょっと枠なんだと言ったって、完全に隣接しているわけですから、そういうところで特殊なというか、言わば特別の訓練を施すような訓練場を作るというのは、これは自治体の了解を得てやらないのは私は重大な問題で、自治体自体もこれは一方的通告だと言っておられるのは非常に重大な問題だと。その意味で、私はこのような施設の建設はやめるべきだということを申し上げたいと思います。  その二点について長官にお尋ねいたします。
  82. 石破茂

    国務大臣石破茂君) 訓練の内容は申し上げられませんが、でもこれも法案のときから申し上げました。ROEというのは紙で見たって何にもならない。それが、頭で覚え、そして体が動くようにならないとROEの意味はないというふうに申し上げておりますので、それを隊員がきちんと習得できるようにというふうに行うのは当たり前のことでございます。  それから、もう一点、地元の御理解のお話でございますが、入会権にも先生御言及いただきましたけれども、そういうことです。  ただ、地元の方々に私どもがきちんとした御理解を得なければならないということは、それは当然の話でございますが、この地域は北富士演習場内国有入会地の使用に関する協定の対象地域には含まれておりません。形式論理で申し上げればそういうことでございます。しかし、私どもがやっておりますことについて常に地元の御理解を得るべく努力をしたいということは、一般論として申し上げるべきことかと思います。
  83. 小泉親司

    小泉親司君 私は、こういう施設をやはり作るというのは自衛隊派兵を恒常化させるものだと、その点で私はこういうふうな施設の建設はやめるべきだと。特に、地元もこれは一方的通告で、こういう訓練を、敵襲などを想定しているような訓練を、幾ら実際に武器は撃たないと、ライフルは撃たないと言ったとしても、こういう施設を作るのは問題だということを私、最後に申し上げて、質問を終わります。
  84. 大田昌秀

    ○大田昌秀君 社民党・護憲連合の大田でございます。よろしくお願いします。  まず最初に、自衛官の定数変更に係る防衛庁設置法一部改正に関連して防衛庁にお伺いいたします。統合幕僚会議の要員を今回百五十五人増員することになっていますが、その理由について御説明ください。
  85. 飯原一樹

    政府参考人(飯原一樹君) 事務的な数字でございますので、私の方から。  百五十五人の内訳、主な内訳でございますが、高度なネットワーク環境の整備等の推進のために六十五名、それから情報本部に自衛官九十名の増員を行うことということで、両方合計しまして御指摘の百五十五人の増員を図っておるところでございます。
  86. 大田昌秀

    ○大田昌秀君 同じく防衛庁にお伺いします。  一九七六年に制定された防衛、いわゆる旧大綱と、一九九五年十一月に制定された新大綱の基本的な違いについて御説明ください。
  87. 飯原一樹

    政府参考人(飯原一樹君) 旧大綱でございますが、昭和五十一年という年度でございますので、極めて冷戦のさなかでございました。それに対しまして、平成七年でございますか、の新大綱は冷戦が終結をした後ということでございまして、その前の大綱と比べますと、合理化、効率化、コンパクト化ということを図りまして、多様な事態にも対応できるような形になっているということでございます。
  88. 大田昌秀

    ○大田昌秀君 その旧大綱と新大綱の防衛の基本的な方針についていま少し御説明をお願いします。
  89. 飯原一樹

    政府参考人(飯原一樹君) 基本的には、五十一年の大綱も平成七年の大綱も基盤的な防衛力を整備するという考えで、具体的ないわゆる脅威を認定をせずに、独立国として必要最小限の防衛力を整備するという考えの下で整備をされているという点においては共通でございますが、先ほど申し上げましたように、周辺の環境、冷戦構造の崩壊ということを踏まえまして、内容的には合理化、効率化、コンパクト化を図っていくということでございます。
  90. 大田昌秀

    ○大田昌秀君 その新大綱、昨年度辺りからまた見直しが始まっていると聞いていますけれども、その見直しの根拠、理由は何ですか。
  91. 飯原一樹

    政府参考人(飯原一樹君) これは一つは、御承知のとおり、九・一一テロという事態も発生いたしました。また、我が国の例で申し上げれば不審船それから弾道ミサイルの発射といったような事態も生じておりますので、より、平成七年と比べますとより、冷戦型の対応よりはより多様な事態に、テロ、ゲリラ、それから災害も、阪神大震災というのを経験いたしましたし、そういったこと、多様な事態に対応できるように、また国際任務の拡大ということを踏まえて我が国の防衛力をどのように整備していくかと。  これまた庁内では在り方検討という形で検討してまいりましたが、正に本日、総理の官邸の方で有識者懇を開催されるという段取りになっておりますので、そうした議論の中で、私ども防衛庁の中でも、次の新大綱を本年中に作ると昨年の閣議決定で決まっておりますので、検討を進めていきたいというふうに考えております。
  92. 大田昌秀

    ○大田昌秀君 防衛庁長官にお伺いしますけれども、ミサイル防衛システムの導入方針についての長官基本的なお考えをいま一度確認させてください。
  93. 石破茂

    国務大臣石破茂君) これは、弾道ミサイルに対しまして国の独立、平和、国民の生命、財産を守るためにほかに代替手段のない唯一のものだというふうに考えております。そしてまた、まさしく向こうが撃たなければこちらは撃たないわけでございまして、これほど専守防衛というものにかなうものもないであろうというふうに考えております。今まで技術的には極めて難しいと言われておりましたものが、技術的に実現可能な段階に入ったということも踏まえまして、平成十六年度予算でこれを盛り込み、御審議をお願いし、成立を見たところでございます。  私どもは、この予算の成立を受けまして、この弾道ミサイル防衛というものが実現に向けて近づきますよう、真摯にかつ着実に努力をしてまいりたいと考えております。
  94. 大田昌秀

    ○大田昌秀君 陸上自衛隊の定数の充足率の推移を見ますと、二〇〇〇年が八六%、八六・〇三%、二〇〇一年が八七・六二%、二〇〇二年が八九・三二%、二〇〇三年が八九・五一%であり、今回の定数削減で二〇〇四年度は九一・二九%となりますが、その推移を見ますと充足率が低いように思いますが、その理由は何ですか。
  95. 飯原一樹

    政府参考人(飯原一樹君) 御承知のとおり、今御指摘のとおりです。充足率が八割台という状況が続いてまいりましたが、実態を申しますと、そのことによりまして平素の部隊の運用や教育訓練などに支障が生じていたところでございますが、現防衛大綱におきましては、常備自衛官の定数を削減し、他方、充足率の向上、基本的には定員イコール実員という形にすることによりまして、と同時にまた即応予備自衛官制度を導入することによりまして即応態勢を整備するということを図っているところでございます。
  96. 大田昌秀

    ○大田昌秀君 合理化、効率化、コンパクト化と言いながら、二〇〇四年度予算では、今年度だけでも千六十八億円も掛かる弾道ミサイル防衛の配備と総額一千五十七億円に上る一万三千五百トンという大きなヘリ搭載護衛艦を建造するというふうになっておりますが、これはむしろ自衛官の数を減らしながら自衛隊の強大化というものにつながるのではないかと思われますが、いかがでございますか。
  97. 石破茂

    国務大臣石破茂君) 弾道ミサイル防衛につきましては、先ほど申し上げましたように、強大化でもなければ、弾道ミサイルの脅威に対してそれしか手段がないということですから、私ども国民に対する政府の責任としてこの整備を行うということでございます。  また、御指摘の一万三千五百トン級の一六DDHにつきましては、これは私ども、任務のいろいろな多様化に伴いまして、これはテロ特のときにも御議論いただいたところでございますが、今持っておりますDDHではこれは十分ではないと、居住性もそうですし、あるいは司令部機能もそうですし、耐用性もそうでございます。そういうようないろいろと拡大をしていきます任務の上において必要な船ということでお願いをし、予算をお認めをいただいたものでございまして、全体的に合理化、効率化、コンパクト化と、こういう流れは大綱に従って私どもは着実に実施をしておると思います。  しかしながら、そうかといって、私どもは国際的な責務の履行に必要なもの、あるいは国の平和と独立を守るために必要なもの、これは防衛大綱の枠の中できちんと整備をするのが政府の責任だと心得ております。
  98. 大田昌秀

    ○大田昌秀君 政府は、四月二十日、現行の防衛計画の大綱の見直しに取り組むため、小泉首相の私的諮問機関として設置する安全保障と防衛力に関する懇談会のメンバーを発表いたしましたけれども、そこでお伺いしますが、この懇談会に諮問する政府基本的な方針といいますか、それはどういうものでございますか。
  99. 増田好平

    政府参考人増田好平君) お答えいたします。  我が国の安全保障をめぐりましては、先ほども防衛庁の方から触れていただきました昨年の十二月十九日の閣議決定にもありますように、大量破壊兵器等の拡散の進展とか国際テロというような問題が大きな課題になってきております。こうした課題に対し、我が国としてより適切に対応していくというためには、我が国の安全保障とまた防衛力の在り方について幅広い観点から総合的な検討を行うことが必要だと考えております。このために、正に内閣総理大臣が安全保障や経済等の分野の有識者の方々の参集を求めまして御意見をいただくこととしまして、安全保障及び防衛力に関する懇談会を開催をすることとしたものでございます。  政府といたしましては、この懇談会における御議論も踏まえまして、本年中には新たな防衛計画の大綱を策定してまいりたいと考えているところでございます。
  100. 大田昌秀

    ○大田昌秀君 四月二十三日付け産経新聞によりますと、日本政府高官は二十一日、産経新聞の記者団に対して、SACOの最終報告について、普天間飛行場を移転させるという主要点は変わりはないが、米国防総省が進める駐留米軍再編計画に伴う日米間の協議でSACOの内容については見直しが行われる可能性があると報じられておりますが、これは事実でございますか。
  101. 海老原紳

    政府参考人海老原紳君) 今、大田委員がおっしゃいました報道承知をいたしておりますけれども政府高官と書いてありましたけれども日本政府高官なのか米国の政府高官なのかよく分からないというようなこともありまして、実際にこの人がどういう人かということも全く分かりませんので、ちょっと我々として責任を持ってコメントをするということはできないということでございます。  ただ、いずれにいたしましても、SACOの最終報告につきましてはこれを着実に実施していくということで、日米間では閣僚レベルを含めまして累次の機会に確認をされております。
  102. 大田昌秀

    ○大田昌秀君 この種の報道について、これまで外務省はしばしば我々が関知していることでないという趣旨のことをおっしゃっているわけですが、この問題は非常に重要な問題で一般的にとても関心を持たれておりまして、心配する人たちもたくさんいるわけですから、このような報道がなされるとすれば、それが事実であるかどうかということを確認されて、事実でないとすれば事実でないということを明らかにしていただかないと、いたずらに、基地を抱えている地域の人々を不安に陥れるということになるわけなんですが、もしこのSACOの内容について、今後、アメリカのトランスフォーメーションの関係で見直しが行われるという立場を米軍が取るとすれば、それに対して外務省はどのような対応をなさるおつもりですか。
  103. 海老原紳

    政府参考人海老原紳君) 米国は今、米軍のグローバルな軍事体制の見直しを行っております。沖縄を含めまして、在日米軍もこの見直しの例外ではないというふうに考えております。  ただ、SACOの最終報告につきましては、先ほども申し上げましたように、この着実な実施が最善であって、このために最大限の努力を行うという点につきましては日米間で意見を一致しているところでございまして、これを見直すということについては想定し難いというふうに考えております。
  104. 大田昌秀

    ○大田昌秀君 防衛施設庁にお伺いします。  辺野古海域のボーリング調査に対して、多様な生物がすむ海を踏み荒らすことになるとして、地元住民を始め自然環境団体が猛烈に反対して騒ぎが起こっておりますけれども、防衛施設庁は、この地元住民、反対している人たちに対して、具体的に環境問題なんかについて説明され、あるいは工事の内容について説明されて、納得のいくような説明の仕方をされていますか。と申しますのは、絶えず地元の意向を尊重して何でもやるという趣旨のことをおっしゃっていながら、なぜこのような騒ぎが起こるんですか。
  105. 河野孝義

    政府参考人河野孝義君) お答えいたします。  普天間飛行場代替施設に係る現地技術調査は、代替施設の建設場所が非常に複雑な地形である、海底地形であることから、設計に先立ち、護岸構造等の検討が適切であるか技術的に確認するために必要なデータの収集を目的として、昨年から地形及び気象調査に着手し、地質及び海象調査につきましては、去る四月七日、沖縄県から海底の使用に係る公共用財産使用協議の同意が得られ、所要の準備が整ったことから、今月十九日から同調査のための現地作業に着手したところであります。  地元の関係者の方々に対しましては、現地技術調査内容等につきまして、昨年一月に開催された第一回代替施設建設協議会の後に名護市議会や、市議会議員や地元行政区等の方々へ説明したところであり、また昨年十一月から十二月にかけて……
  106. 山本一太

    委員長山本一太君) 時間が来ておりますので、手短に御答弁をお願いします。
  107. 河野孝義

    政府参考人河野孝義君) はい。地質及び海象調査に係る作業計画につきましても、名護市議会議員や地元行政区の方々等に説明するなど、同調査の実施について御理解を得るべく努力を傾注してきているところであります。  今後とも、関係機関とも緊密に連携しつつ、本調査を整々と実施してまいりたいと考えております。
  108. 大田昌秀

    ○大田昌秀君 終わります。     ─────────────
  109. 山本一太

    委員長山本一太君) 委員異動について御報告いたします。  本日、矢野哲朗君が委員辞任され、その補欠として野上浩太郎君が選任されました。     ─────────────
  110. 山本一太

    委員長山本一太君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。  これより討論に入ります。  御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
  111. 小泉親司

    小泉親司君 私は、日本共産党を代表して、防衛庁設置法及び自衛隊法の一部を改正する法律案に対し反対の討論を行います。  反対の理由は、改正の内容アメリカへの戦争支援を強めるからであります。  政府は、自衛隊を効率化、コンパクト化するものと説明しています。陸上自衛隊は二千九十三人削減したものの、航空自衛隊及び海上自衛隊、さらに統合幕僚会議の定員を増員しております。即応予備自衛官も千三百三十六人増員し、依然として自衛隊は強い戦力を保持したままであります。これらは、アフガニスタンやイラクの戦争に見られるように、アメリカの戦争への参戦・協力体制を強めるものであることはほかなりません。  また、改正内容にある第八師団の改編は、部隊の機動力と火力を強化し、北九州や沖縄などの隣接地域での機動的な展開と戦闘作戦ができる態勢を作り出すものであります。  小牧基地への管制部隊新設は、小牧基地の航空作戦能力を飛躍的に強化させるものであります。中部国際空港の開港に伴って自衛隊と民間空港の共同使用は解消され、小牧基地は文字どおり自衛隊専用の基地となります。  これらの新設によって小牧基地の航空輸送機能は飛躍的に高まり、航空輸送の一大拠点となることは明らかであります。現に、C130はイラクへの米英占領軍支援の中心的役割を果たし、既に小牧基地への空中給油機を配備することも決定されております。小牧基地が海外派兵能力を一層増大し、周辺事態を始めとしたアメリカの戦争支援の拠点とさせることを容認することはできません。  イラクの戦争反対の動きに見られるように、平和を目指す世界的な流れが大きくなっているときにこうした軍備強化をするなど時代錯誤、世界の大勢に逆行するものと言わざるを得ません。  大幅な軍縮を行うことを強く要求をいたしまして、以上の問題を指摘し、反対の討論といたします。
  112. 山本一太

    委員長山本一太君) 他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。  これより採決に入ります。  防衛庁設置法及び自衛隊法の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕
  113. 山本一太

    委員長山本一太君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  114. 山本一太

    委員長山本一太君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────
  115. 山本一太

    委員長山本一太君) 次に、地中海漁業一般委員会に関する協定の改正の受諾について承認を求めるの件、千九百九十二年の油による汚染損害の補償のための国際基金の設立に関する国際条約の二千三年の議定書締結について承認を求めるの件及び千九百七十三年の船舶による汚染の防止のための国際条約に関する千九百七十八年の議定書によって修正された同条約を改正する千九百九十七年の議定書締結について承認を求めるの件、以上三件を一括して議題といたします。  政府から順次趣旨説明を聴取いたします。川口外務大臣
  116. 川口順子

    国務大臣川口順子君) ただいま議題となりました地中海漁業一般委員会に関する協定の改正の受諾について承認を求めるの件につきまして、提案理由を御説明いたします。  この改正は、平成九年十月にローマで開催された地中海漁業一般委員会の第二十二回会合において採択されたものであります。  この改正は、地中海における海洋生物資源の保存、管理及び最適利用を促進すること等を任務とする地中海漁業一般委員会に自主的な予算を導入すること等を目的とするものであります。  我が国がこの改正を受諾することは、同委員会の活動を資金面からも積極的に支援することを通じ、地中海における漁業に関する国際協力の促進に貢献し及び我が国の漁業の安定した発展を図るとの見地から有意義であると認められます。  よって、ここに、この改正の受諾について御承認を求める次第であります。  次に、千九百九十二年の油による汚染損害の補償のための国際基金の設立に関する国際条約の二千三年の議定書締結について承認を求めるの件につきまして、提案理由を御説明いたします。  この議定書は、平成十五年五月にロンドンで開催された国際海事機関の外交会議において採択されたものであります。  この議定書は、千九百九十二年の油による汚染損害の補償のための国際基金による補償が十分でない場合に補償を行う追加的な国際基金を設立すること等を内容とするものであります。  我が国がこの議定書締結してその早期発効に寄与することは、我が国における汚染損害の被害者の保護を一層充実させるとともに、我が国が世界有数のタンカー保有国及び石油輸入国である事実にかんがみ汚染損害に係る国際協力を一層推進する見地から有意義であると認められます。  よって、ここに、この議定書締結について御承認を求める次第であります。  次に、千九百七十三年の船舶による汚染の防止のための国際条約に関する千九百七十八年の議定書によって修正された同条約を改正する千九百九十七年の議定書締結について承認を求めるの件につきまして、提案理由を御説明いたします。  この議定書は、平成九年九月にロンドンで開催された千九百七十三年の船舶による汚染の防止のための国際条約に関する千九百七十八年の議定書によって修正された同条約の締約国会議において作成されたものであります。  この議定書は、船舶による大気汚染の防止のための規則について定める附属書をこの条約に追加することを内容とするものであります。  我が国がこの議定書締結することは、海洋環境の保全等及びそのための国際協力の促進に資するとの見地から有意義であると認められます。  よって、ここに、この議定書締結について御承認を求める次第であります。  以上三件につき、何とぞ、御審議の上、速やかに御承認いただきますようお願いいたします。
  117. 山本一太

    委員長山本一太君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。  三件に対する質疑は後日に譲ることといたします。     ─────────────
  118. 山本一太

    委員長山本一太君) 次に、外交防衛等に関する調査のうち、テロ対策特措法に基づく対応措置に関する基本計画の変更に関する件を議題といたします。  まず、本件について政府から報告を聴取いたします。石破防衛庁長官
  119. 石破茂

    国務大臣石破茂君) テロ対策特措法に基づきます対応措置に関する基本計画の変更について御報告を申し上げます。  テロ対策特措法に基づきます基本計画の変更が四月二十二日の安全保障会議を経ました後、四月二十三日、閣議において決定をされました。  具体的には、基本計画上の協力支援活動等を外国の領域で実施する自衛隊の部隊等の派遣期間を六か月間延長し、本年十一月一日までといたしますとともに、インド洋に展開しております諸外国の艦船数が当面は現状の水準で推移することが見込まれること等にかんがみ、現在の運用態勢に即して協力支援活動を外国の領域で実施する自衛隊の部隊等の規模等を変更することといたしました。  なお、併せて、私が定めております実施要項につきましても基本計画に沿った所要の変更を行いました。  次に、今回の基本計画の変更に係る背景について御説明申し上げます。  テロとの闘いでは、これまでの成果として、世界各地で多数のアルカイダ構成員と、アルカイダ幹部として知られている者の約三分の二が死亡又は拘束をされております。また、軍事面での成果のみならず、新憲法の制定を始めとする統治体制整備のプロセスが進展するなど、テロリストの温床であったアフガニスタンの復興に向けた成果も上げておるところであります。  しかし、依然としてウサマ・ビンラデン、ムラー・ムハンマド・オマルといったアルカイダ、タリバーンの指導者はいまだ捕捉をされておりませんし、また、アフガニスタン国内におけます、おきますテロ攻撃も発生をしておりますほか、昨年十一月のトルコにおける爆弾テロ、本年三月のスペインにおける列車に対する爆弾テロなど、アルカイダの関与が疑われておりますテロが、テロが世界各地で発生をしており、依然としてアルカイダの脅威は高いものと考えております。  なお、国連安保理監視グループも、先般、アルカイダが依然として国際社会の安全と平和に大きな脅威として存在し、イスラム過激派の中に世界規模でネットワークを維持している旨を発表していると認識をいたしております。  このようなテロの脅威に対し、米軍等は、アフガニスタンの南部から東部の国境地帯を中心に、アルカイダ、タリバーンの残党の追跡、掃討を継続しております。また、国境のパキスタン側では、パキスタン軍が政府統治の及びにくい部族地域に往来、潜伏していると見られるテロリストに対する掃討作戦を強化しております。さらに、米軍等はアラビア海等において、テロリストや武器弾薬等の関連物資が海上を移動することを阻止することによりテロの脅威が拡散することを防止するための活動、すなわち不朽の自由作戦、OEFの海上阻止活動、MIOを継続しています。  このように、インド洋上におけるものも含め、テロとの闘いは長く続くものであり、この点は現時点でも変化はなく、各国が依然として足並みをそろえてこの問題に取り組んでおる状況にございます。  政府といたしましては、このような状況にかんがみ、残存するアルカイダ等によってもたらされている国際テロの脅威は今も除去されていないことから、国際テロ根絶のための取組に寄与すべきとの考えの下、これまでに実施してきた協力支援活動について、期限が切れる五月二日以降も継続することとし、また、インド洋における諸外国の艦船数の水準等にもかんがみ、前述したとおり、基本計画において所要の変更等を行ったところであります。  次に、これまでに実施いたしました特措法に基づきます自衛隊の活動実績について申し上げます。  協力支援活動につきましては、現在、海上自衛隊の補給艦「とわだ」及び護衛艦「みょうこう」、「さみだれ」がインド洋北部において活動中であり、これらの艦艇を含め派遣されました艦艇はこれまで延べ三十三隻に上ります。これらの艦艇により、平成十三年十二月二日以降本年四月二十五日までの間に、米、英、フランス、カナダ等の艦艇に艦船用燃料を三百六十六回、約三十五万一千キロリットル提供し、その額は、総額は概算値にして約百三十三億円となっております。  また、航空自衛隊については、C130H型輸送機等により、平成十三年十一月二十九日以降本年四月二十五日までの間に、計二百三十二回の国内及び国外輸送を行っております。  なお、このような活動につきましては、政府広報、防衛庁ホームページ等を通じ広く国民にお知らせをさせていただいておるところでございます。  このような、我が国によるテロ対策特措法に基づく主体的な努力は、国際的なテロリズムの防止や根絶のための国際社会の取組に積極的、主体的に寄与するとの意義を有しますことはもちろん、結果として日米安保体制を緊密かつ実効性のあるものとする上でも極めて重要な意義を有するものと考えております。平成十五年五月の日米首脳会談を始めとする様々なレベルの場に、レベルの様々な場におきまして、米国等から謝意の表明がなされる等、国際社会から高い評価、賞賛を得ているところでございます。  最後に、防衛庁といたしましては、テロ対策特措法に基づく基本計画が今般変更されたことを受けまして、更に一層国際テロ根絶のために国際社会の一員として責任を果たし得るよう、また、国民の期待にもこたえることができますよう、全力を尽くしてまいりたいと考えております。委員各位の御理解、御協力をお願い申し上げます。  以上であります。
  120. 山本一太

    委員長山本一太君) 以上で報告の聴取は終わりました。  午後一時に再開することとし、休憩いたします。    午後零時三分休憩      ─────・─────    午後一時開会
  121. 山本一太

    委員長山本一太君) ただいまから外交防衛委員会を再開いたします。  委員異動について御報告いたします。  本日、桜井新君、月原茂皓君及び小林美恵子君が委員辞任され、その補欠として有村治子君、西銘順志郎君及び吉岡吉典君がそれぞれ選任されました。     ─────────────
  122. 山本一太

    委員長山本一太君) 休憩前に引き続き、外交防衛等に関する調査のうち、テロ対策特措法に基づく対応措置に関する基本計画の変更に関する件を議題といたします。  これより質疑に入ります。  質疑のある方は順次御発言願います。
  123. 榛葉賀津也

    榛葉賀津也君 民主党・新緑風会の榛葉賀津也でございます。  私も、冒頭、私の趣味ではないんですが、長官のうっかり問題について若干触れざるを得ないという状況になってまいりまして、年金問題、長官はうっかり、うっかりミスということで滞納をされたということですが、長官を尊敬する私としては大変がっかりしたわけでございまして、これ税金だったら脱税ということになるわけですが、さきの、先日の石破長官の会見の要旨を拝読させていただきまして、十数分の会見の中で五回うっかりという言葉を使われて、この期間を見ても恐らくうっかりだったんだろうなというふうに思いますが、この質疑応答の内容を見ますとね、大変ユニークだというか、なるほどという思いがいたします。  どのように滞納したかということですが、理由はよく分からないんですけれども、確認してみてもですね、私もそういうことを自分自身やっているわけじゃないということで責任逃れをするわけでも何でもないんですけれども、あなた払ってませんよって言ってもらえないんですねということで、記者の方が自動引き落としではないんですかということの問いに対する長官の回答が、まあ自動引き落としなんですけれども、例えば我々国民健康保険に入っているじゃないですか、それが副大臣大臣になると、それが役所の年金に切り替わるわけです、その期間だけ、ただそこで何らかの勘違いをして一緒に年金の分も止めちゃったみたいなことらしいんですよと。  その後、若干の年金説明があった後、ところがこの場合、年金と健康保険は全く仕組みが違うんですけどね、健康保険の場合には、私が思うにですよ、健康保険の場合には政府の役職に就くたびに健康保険を止めて役所の年金に切り替えるということをやって、何かそのときにうっかりしてそちらの方もそうなんだという単純な勘違いとかいうみたいな事務的ミスなところで、ということで、最後に長官が、誠に申し訳ないと。ですから、もしもし払っていませんよと言ってもらえればすぐに払ったんですけれども、そういう仕組みがないのですかねというふうに長官はおっしゃいました。  我々民主党は、だからこそ、このようなうっかりミスがないような一元化した法案を作らなければならないと、衆参合わせて申し上げているわけでございまして、この長官の問答集は、正に民主党の年金改革のパンフレットにそのまま使ったら大変国民に分かりやすい答弁でございまして、良識ある大臣でさえも、まあ中川さんはちょっと私、非常に遺憾に思っているんですが、良識ある石破長官でさえもこういうふうなうっかりがある。総理に至っては開き直りまして、いや、国民にも一杯いるんじゃないですか、こういううっかりしている人はと言うことぐらいですから、だからこの制度を変えなきゃいけないと、うっかりミスがないようにきっちりと、ひとしくあまねく平等に年金を払い、また給付もいただくという制度にしなければならないということを、あえてこの外交防衛委員会で私の所感を述べましたが、長官、やはり年金は一元化してうっかりミスがなくなるようにということでよろしいでしょうか。
  124. 石破茂

    国務大臣石破茂君) 所管外のことでございますので、大臣としての発言としてはいかがかと思いますが、いずれにしても、うっかりしてはいけないということなんだと思っています。  これは委員も御案内のとおり、国民健康保険というのは、日ごろは国民健康保険ですね、国会議員というのは。ところが、政務官や副大臣大臣になりますと、それは共済年金に切り替わる。  私も今まで一、二、三、四、四回、政府の役職をやらせていただいておりますが、そのたんびに役所へ行って共済保険に切り替わるという手続をする。そのときにその国民年金の書類もなぜか一緒に付いてくる。それを持っていくと、お役所の方でそういう形でその両方とも、つまり国民健康保険が共済に替わるという手続と同時に、国民年金の資格というものもなくなるというような、そういうようなことでありますが、そういうことは本当はないのですけれども、そのときにやっぱり我々国民の側としてもきちんきちんとこれで大丈夫ですかという注意義務、特に閣僚なぞというのはもっともっと注意義務を持たねばならないということで、これは委員指摘のように、じゃ一元化にすることだけがその道なのかといえば、うっかりミスを防ぐ道なのかといえば、必ずしもそうではない。やはり国民の側もきちんともっと注意をするのだし、役所の側としても、これ、あなた、その国民年金の方は止めちゃいけませんよというようなことも言っていただくということが必要なのではないか。私は、必ずしもそれが一元化の議論に飛ぶとは理解をしていないところでございます。  これは、先生がこれをそのテキストにしようとおっしゃるのは、なかなかつらいところがございまして、だから私は一元化だというふうに申し上げているわけではなくて、やはりうっかりミスということでおわびをして済むことだとは思いませんが、今後とももっと注意をしなきゃいかぬということだと思っております。一元化の議論には必ずしも結び付くものだと思っておりません。
  125. 榛葉賀津也

    榛葉賀津也君 他の大臣の回答を拝見いたしますと、まあプライバシーの問題だからとか、個人情報だから答えられないとおっしゃっている方もいる中で、正直な石破長官が正直に御答弁されたということだというふうに思いますが、我々外交防衛委員会はこの場所である種この国の形をどうしたらいいのかと、イラクに対してもアフガニスタンに対してもそうですが、むろんPKOもそうでございます。海外に対してこの国の外交を通じてこの国がどういう在り方、どういう国の形を作っていくんだということを議論しているつもりです。そして、正にこの年金問題もやはり職種によって損得がある制度、そしてその人のライフスタイルによって年金の額が変わったり、不安に思う度合いが増したり減ったりとするような、そういった国の形というものは、私はやはり見直す必要があるのではないかなというふうに思います。  私の家内などは今日まで一号になったり二号になったり三号になったりと、その時期時期によって年金の態様が変わるわけでございまして、やはりこういった問題は、私、同じ国の形を考える我々国会議員としてきっちりと議論をする必要があろうかというふうに思いますが、これは本題ではございませんので、このイラク、アフガニスタンのテロ対策特別措置法に関する質問に入りたいというふうに思います。  まず、燃料の調達の実績についてお伺いしたいわけでございますが、先ほど大臣から御説明がありましたとおり、これまで総供給量が三十四万五千二百キロリットルと、供給総額が百三十一億二千万円ということですが、これは日本が米、英、カナダ、フランス等に艦船に給油しているNATOの規約によるF76という船舶用のディーゼル燃料なんですが、この燃料の調達は直接防衛庁が行っているのでしょうか。
  126. 大井篤

    政府参考人大井篤君) この燃料の調達におきましては、海上自衛隊の方で日本のいわゆる商社に契約をして現地で納入すると、こういう方式を取っておるわけでございます。
  127. 榛葉賀津也

    榛葉賀津也君 どこの商社でございますか。
  128. 大井篤

    政府参考人大井篤君) 従来から私どもといたしまして、どのような企業にこのテロ特措法関係で契約をしているかということにつきましては、従来から商業上の利益その他を害するということもあって、私どもとして公表は差し控えさせていただいておるところでございます。
  129. 榛葉賀津也

    榛葉賀津也君 商業上の利益にかかわるから商社の名前を公表できないんですか。
  130. 大井篤

    政府参考人大井篤君) 従来から個別企業の名称でございますが、これが公になることによりまして当該企業の正当な利益等を害するおそれがあるということで、公表を差し控えさせていただいているということでございます。
  131. 榛葉賀津也

    榛葉賀津也君 何社ぐらいの商社と契約を結んでいるんでしょうか。
  132. 大井篤

    政府参考人大井篤君) この商社につきましては、現在二つの商社に対して行っているということでございます。
  133. 榛葉賀津也

    榛葉賀津也君 実際の購入価格についてですが、リットル当たり平均幾らくらいの燃料を買われるんですか。
  134. 大井篤

    政府参考人大井篤君) 今までの総供給量を参考にいたしまして、いわゆる平均価格ということで申し上げますと、リットル当たりの平均単価でございますが、約三十八円ということになっております。
  135. 榛葉賀津也

    榛葉賀津也君 リッター当たり三十八円と。この価格は適正な価格なんでしょうか。
  136. 大井篤

    政府参考人大井篤君) 私どもといたしまして、当初、供給可能ではないかということでお話をした商社でございますが、大体十八ぐらいございます。商社だけでは、石油会社等も含みますけれども、そういった中で実際にあの地において供給ができ得るというものといたしまして最終的に二社になりまして、その二社の競争によりまして価格を決定し、それ以降につきましては競争価格にその後の原油価格の変動等を加味して決定されているということでございます。
  137. 榛葉賀津也

    榛葉賀津也君 この購入方法は、FOBとか様々あるんですが、どんな方式で買われているんですか。
  138. 大井篤

    政府参考人大井篤君) 私どもがその契約の相手方にお払いしている価格の中には、いわゆる油代だけではなくて航海中の貨物の保険であるとか、あるいは運賃であるとか輸送料とか、そういうものが入っておりますので、概念的にはCIF価格という理解でよろしいかと思います。
  139. 榛葉賀津也

    榛葉賀津也君 FOB価格というのが港でただ石油を渡すタイプの購入方法でございまして、今おっしゃったCIF価格というのは保険料であるとか運賃であるとか様々な単価が加わった総合的な、手数料も入った価格なんですが、これ一部ではCIF価格、現地考えますと、自分の持っている若干の石油に関する知識を比べましても、これ大体二十円台後半ということが通常の価格なんですが、これリッター当たり十円くらい変わってきてしまうんですよね。これでも適正な価格とお考えですか。リットル当たりですよ、変わるのが。
  140. 大井篤

    政府参考人大井篤君) この価格につきましては、委員も先ほど御指摘がありましたように、特別な規格の艦船用の軽油ということになるわけでございます。この軽油につきましては、私どもの契約相手方がいわゆる現地の製油所との間で契約を結びまして、いわゆる発注をして生産をしてもらう。しかも、大体幾らになるかということがかなり変動することがありますので、基本的には二か月ごとに概算で契約をして、あと実績でお払いをするということになっております。  で、そういったことを勘案いたしますと、私どもといたしまして今行われている契約価格の、先ほど三十八円というお話をいたしましたけれども、その価格について適正なものであるというふうに考えております。
  141. 榛葉賀津也

    榛葉賀津也君 この石油というのは極めて市場性の高い商品なんですよね。で、今おっしゃいましたこのアフガン・テロ掃討作戦直後の二〇〇一年十二月から、例えば二〇〇四年の一月までを見ましても、OPECのバスケット価格で十七・六一ドル、これパー・バレルなんですが、から三十一・五四ドル・パー・バレル、これが二〇〇三年二月の段階ですが、十四ドルも変動しているんですよ。そして、前月と今月との差でも、大きいところでは四ドル四十四セントぐらい一か月で変わるんですよ。それを二か月単位で、これ三十四万五千二百キロリットル、一円当たり、通常の燃料よりも十円くらい高い価格でやっていると。  これだけ市場性の高い商品でこういった二か月単位の取引の在り方というのは、これ言葉に語弊があるかもしれませんが、ある種業者がぼったくりで利益を上げるようなことになりかねない物すごい大きい金額なんですよ。こんなおいしい商売、私の知っている限り、石油ビジネスにおいてこんなビジネスはあり得ないと思うんですが、その辺の、これ税金ですからね、コストパフォーマンスに対する意識、それから石油という極めて、今まで防衛庁が扱ってこなかった商品を、一日一日でどんどん変わるわけですから、それをこのようなやり方で購入しているということに、これ問題意識感じませんかね。
  142. 大井篤

    政府参考人大井篤君) 油の価格につきましては、委員指摘のとおり、言わば原油価格についてはかなり日々変動するものであるわけでございます。私どもといたしましても、そういった価格変動というものを織り込みながら契約をしているということでございます。  したがいまして、非常に昨年のように非常に価格が高い局面におきましては、先ほど言いました三十八円ということではなくて、より高くなることもございますし、変動はしておるということでございます。
  143. 榛葉賀津也

    榛葉賀津也君 それでは、価格の設定はいつを基準に価格を設定するんですか。
  144. 大井篤

    政府参考人大井篤君) 現在私どもが契約をしております価格の算定でございますが、最初十八ぐらいの会社に声を掛けて、最終的にその地域において供給が可能な会社として二社あったわけでございますが、その二社に競争させて、その競争価格をベースにいたしまして、その後の原油価格の変動をプラスマイナスして基本的には決定をしているということでございます。
  145. 榛葉賀津也

    榛葉賀津也君 方法は分かりました。この点についてはまた後ほど質問をしますが、この価格の設定というのは、入札価格、ごめんなさい、入札予定価格というのは、防衛庁、定めているんですか。
  146. 大井篤

    政府参考人大井篤君) 通常の入札と同じように、私どもとしては予定価格というものを算定いたしまして、結局その予定価格を下回らないと私どもとして契約ができないという通常の契約の仕組みと同様になってございます。
  147. 榛葉賀津也

    榛葉賀津也君 予定価格はお幾らなんですか。
  148. 大井篤

    政府参考人大井篤君) 従来から、その予定価格を幾らかということにつきましては、具体的にはお答えは差し控えさせていただいております。
  149. 榛葉賀津也

    榛葉賀津也君 どうしてですか。
  150. 大井篤

    政府参考人大井篤君) これにつきましては、いわゆる私どもとして契約の手のうちを相手方に示すということになりますので、私どもといたしましては基本的には原油価格の変化を織り込んで当初行った競争入札の価格、それをベースにその後の原油価格の変動を織り込むというような形で計算をしておるところでございます。
  151. 榛葉賀津也

    榛葉賀津也君 先ほども言いましたとおり、従来の防衛庁が購入する、例えば防衛庁の契約本部等で様々な物品を契約するわけですが、極めて異質な今までにない商品を扱うわけで、そして極めて変動性も高いし市場性が高いという中で、これ二社による競争入札とおっしゃいましたが、もうこれも釈迦に説法ですが、この二社による競争入札なんというのは、もう普通一般で言ったらもう談合の温床なんですよね。しかもリットル当たり十円ぐらい変わるときもあるということは、これキロリットル、一キロリットル、千リットルですから、利益にしたら、三十四万五千キロリットルですから、恐ろしいビジネスなんですよ。そして、それが税金で購入をし、その商社の名前も公表できなければ予定価格も公表できないというのは、これ納税者の立場からすると全く理解できないのですが、この辺の透明性なりアカウンタビリティーというのは、防衛庁、どのように御認識なんでしょうか。
  152. 大井篤

    政府参考人大井篤君) 防衛庁といたしましては、油の調達の問題につきましてかねて談合等の御指摘を受けたこともございます。そういった反省に立ちながら適切な調達というのを心掛けているわけでありますけれども、今回こういった油の調達そのものというのは、国内でおきますれば通常に行われている調達であるわけですけれども、いわゆるインド洋において供給をするというものになりますと、その地の製油所との契約によって私どもの契約相手方が調達し、それを我が方の船に積み込むと、こういう一連の行動に対しまして対価を支払うという形になっておるわけでございます。その意味においては、通常の私どもの艦船燃料の調達とは違っているかなというふうに思っております。
  153. 榛葉賀津也

    榛葉賀津也君 これ、二か月に一度契約されるということですが、二か月に一度、どれくらいの量を契約されるんですか。
  154. 大井篤

    政府参考人大井篤君) 詳しい資料は手元にないわけでありますが、いつ何どき幾ら供給するかということがあらかじめ明らかでないわけでありますので、いわゆる製油所の確保であるとか、あるいは運ぶ船の確保とか、そういうことがありますので、およその見積りのリットル、キロリッターどのくらいかということを示して、このぐらいのものを例えば二か月において調達できるようにしてほしいというようなことを相手方に申し入れていると。その間、実際は例えば一万のところが八千キロリッターになるということもあると思います。そういった形で二か月後に精算をしていくというやり方を取っているわけであります。その意味においては、若干のリスクといいますか、そういうものが乗ってきているというふうには考えられると思います。
  155. 榛葉賀津也

    榛葉賀津也君 直近の契約はいつで、その直近の契約では一体何リットルが契約をされたのでしょうか。
  156. 大井篤

    政府参考人大井篤君) 手元にあります資料でございますが、十六年の四月でございますけれども、約でございますが六千キロリットル、それから回数にいたしまして十回、金額にいたしまして約二億円という数字が出ております。
  157. 榛葉賀津也

    榛葉賀津也君 これは何日くらい前にこの、では六千キロリットルが欲しいというようなオーダーが来るんでしょうか。
  158. 大井篤

    政府参考人大井篤君) 具体的にどの量の油を、例えば米軍であるとかあるいはイギリスの軍であるとか、そういうところに供給するかということにつきましては、具体的には運用上の問題ではありますけれども現地自衛隊、海上自衛隊との間でお話がなされ、それが集計されていくというような性格のものであるというふうに考えております。
  159. 榛葉賀津也

    榛葉賀津也君 私が聞いたのは何日くらい前にそういった報告が来るんですかということです。ですから、調達して準備をする時間はどれくらいの猶予があるんですかということです。
  160. 大井篤

    政府参考人大井篤君) 具体的にどのくらい前かということについては承知しておりませんけれども、いずれにいたしましても、契約を請け負った企業につきましてはそれだけのものを準備しなければなりません。というのは、一つには用船等の契約もございますし、また製油所の生産の委託でありますとか、あるいは場合によってはタンクの問題も出てくるかと思います。そういったものについて間に合うような時間を勘案して契約を行っているということでございます。
  161. 榛葉賀津也

    榛葉賀津也君 これ、やはりある程度やはり時間が掛かると思うんですよね。これ、バンカープライスでやるのかカーゴプライスでやるかとか様々な問題もあるんでしょうが、これだけ市場性が高くて、これだけ変動性があって、極めて特殊のこういった燃料を取り扱う際の私はもう少し透明性をきっちりするべきだと思いますし、これ、相当税金が有用に使われているかどうかという疑問も実はあるわけでございまして、ただ、詳しいことについては公表できないということですので、これはあれでしょうか、この作戦が終わりまして、インド洋上においての自衛隊の活動が終了した際には詳細について公表してくださいますでしょうか。
  162. 大井篤

    政府参考人大井篤君) イラク特別措置法という特別な法律に基づき活動を行っているがゆえに、私どもとしてどのような会社から購入し、またどのような港といいますか、そういうところで納入をしているかということについて従来から公表を差し控えているわけでございますが、そういったいわゆる私どもとしての懸念する事項、こういうものがなくなりました場合においては当然明らかにできるものだというふうに考えております。
  163. 榛葉賀津也

    榛葉賀津也君 ありがとうございます。  それでは、次の質問に移りたいと思いますが、活動の必要性について若干お伺いしますが、現在、海上、陸上で捕捉したテロリストというのは一体、数にすると、どれぐらいになるんでしょうか。
  164. 石破茂

    国務大臣石破茂君) 数が何名、陸上何名、海上何名ということは公表されておりません。また、これに参加をしておりますどの国ともこれを公表しておらないところでございます。したがいまして、私どもといたしましても、公表しておらないことを我が国のみが公表するわけにはまいらないというお話かと思います。  ただ、これは最新の数字で申し上げますと、数ではございませんが、三月までに無線照会は七万九千回行ったと、立入検査は八千二百回行ったということでございます。  また、昨年の十二月から本年三月までの立入検査の結果、複数のダウ船、ジャンク船みたいなものですが、複数のダウ船からテロリストの資金源となっていると見られる大量の大麻、ヘロイン、覚せい剤が押収をされ、乗組員を抑留するというような成果が上がっておるわけでございます。また、これも例えばで恐縮ですが、昨年十二月から本年一月まで、間の三件で、乗船しておった三十人の乗組員を勾留ということでございます。  これ以上のことがなかなか申し上げられないのは、恐縮でございますが、冒頭申し上げたような理由に基づくものであります。
  165. 榛葉賀津也

    榛葉賀津也君 海洋上でアルカイーダを捕捉したという実績はあるかないかだけお伝えください。
  166. 石破茂

    国務大臣石破茂君) アルカイダですね。
  167. 榛葉賀津也

    榛葉賀津也君 捕捉した実績があるかないかだけ。数ではなく。
  168. 石破茂

    国務大臣石破茂君) 先ほど十二月から一月、三十人と申しましたが、五十人の間違いです。  勾留した乗務員の中にアルカイダの関与の疑いがある者が含まれていたということでございます。
  169. 榛葉賀津也

    榛葉賀津也君 これ、継続の必要性の判断は、だれがどのように行うんでしょうか。
  170. 石破茂

    国務大臣石破茂君) これは我が国が主体的に行うものでございます。  全体のオペレーションを継続するかどうかということについてお尋ねがあるとするならば、これは、合衆国でありますとかイギリスでありますとか、そういう国々がどうするのかということを決める、つまり、私どものような後方支援活動を行っている国は実際にその捕捉に当たります艦船の後方支援という形で行っているわけでございますから、実際にそういう活動を行っている国々がそれぞれ主体的な判断に基づき連絡を取り合い、協議して決めることになるというものであります。
  171. 榛葉賀津也

    榛葉賀津也君 この海上阻止活動に参加している国の数と規模の推移を見ますと、だんだん減ってきているんですね。この活動自体とこの推移の、必要性と相関関係というものを見ると、そろそろこの作戦の意味合いも変わってくるんじゃないかなというふうに思うんですが、長官、この相関関係の御認識、どのように感じていらっしゃいますか。
  172. 石破茂

    国務大臣石破茂君) 確かに御指摘のように、二〇〇二年の五月であれば、アメリカの船は四十隻出ておったと、アメリカ以外は十五か国、六十隻出ておったということでございますが、本年三月になりますと、アメリカの船は三隻、アメリカ以外は七か国、十二隻、都合十五隻というふうになるわけでございます。  そうしますと、やはり船の数は減っているということでありますが、一つは、そのずっと継続した活動によりまして、海路を使って逃亡するテロリストというものが減ってきたということは定性的にはあるのだろうと思っています。もう一つは、やはり長い期間この活動を継続するということは、それはどの国の海軍でもできるものではございません。私どもでもかなりぎりぎり一杯無理して回しておりまして、そういうようなローテーション的に厳しくなった。二つの理由に基づくものかと思っております。
  173. 榛葉賀津也

    榛葉賀津也君 アフガニスタンをずっとウオッチしている専門家によりますと、この海上阻止活動に参加している国からは、日本の補給艦の、その補給のスケジュールに合わせるのが大変だというような御意見もあるようですが、私、これを考えますと、この補給活動が従来の軍事的な必要性から、日本が、DDR等が正直思うように機能していないというようなことで、それでも日本はインド洋上でこれだけのことをやっているんだよというある種政治的なパフォーマンスの要素が、パフォーマンスという言葉が適切でないかもしれませんが、政治的な意味合いの方が極めて高くなってきているように思いますが、政治家として石破長官はこの現実を、そして各国からのこういった日本の補給ペースに合わせるのが大変だといったような声に対してどのようにお考えですか。
  174. 石破茂

    国務大臣石破茂君) その御指摘は以前も委員からちょうだいをして、私、海外の大臣、海外の大臣といいますか、フランスでありますとかあるいはイギリスでありますとか、そういう我が国が補給を実施している国の大臣と話しますたびに、委員のそういうような問題意識というものを念頭に置きながら、我々が行っている補給活動というものがどのような責任の果たし方をしておるか、他国にとっても有益なものなのかということは問うております。  これは委員の方がよく御案内かと思いますが、彼らはお世辞というのをめったに言いませんので、日本大臣よいしょしたって仕方がない話でございまして、日本の補給活動というのは本当に役に立っている。つまり、彼らとしても、委員が御指摘のような事情が仮にあるとしても、どの国も遊びや冗談であんなとこまで船は出さないものでございます。気象環境が非常に過酷なこともどの国もよく存じておるわけでございまして、日本の、仮に委員のお言葉を括弧付きで引用さしていただければ、日本の政治的なプレゼンス、意思表明のためにお付き合いをするほど海外の海軍は酔狂ではないのではないか。私、言葉が適切でなかったらお許しをいただきたいと思います。
  175. 榛葉賀津也

    榛葉賀津也君 私もそのとおりだと思いまして、だからこそ、この的確な引き際も含めまして、現地の過酷な任務に就いていらっしゃる自衛官のことを考えましても、大変必要な政治判断をどこかでしなければならないんだろうというふうに考えていますが、その自衛官の任務状況ですが、最も頻繁にこの派遣を、派遣に従事している自衛官の任務状況というのはどのようになっているんでしょうか。
  176. 石破茂

    国務大臣石破茂君) これは自衛官、人間の方の官で申しますと、二回派遣された者は七百五十名、三回参りました者が百十名、四回参りました者は十名、派遣された隊員は延べ六千六百三十名でございます。平均しますと、一回当たりの派遣日数は百三十日間ということに相なります。  今度は船の方でございますが、一番長いのは「ときわ」と申します補給艦でございます。この乗員では、三回連続で行った者が二十名、一回目は百七十七日間、二回目は百七十七日間、三回目は百七十八日間、つまり五百三十二日間、インド洋に派遣をされておるという状況であります。
  177. 榛葉賀津也

    榛葉賀津也君 これは、年間百三十日間インド洋上にいるということは、これ大変過酷な自衛官の任務状況でございまして、相当な疲労がたまっているというふうに思います。  自衛官というのは長期訓練がなく任務に当たっていますから、これ最長でも洋上訓練は二週間ですか、というふうに把握をしていますが、それが今回の実戦においては半年間のミッション、正にコールドターキーのように行けということでやっているわけで、年間で百三十日、ずっとインド洋にいらっしゃる方々が百人以上いらっしゃるということですから、これ相当な疲労とストレス、これ極度に達していると、私、想像するに難くないんですが、昨年では、この護衛艦内で無許可の飲食が相次いで発覚したり、また休日に停泊している湾岸諸国で事故に遭ったりというようなこともあるわけですが、私はこういった事故を起こしてしまった自衛官を、この任務状況を見るととても責めることができないと。まあ、長官はこの組織のトップとして、そうではないんだ、自衛官として規律を守るのは当然だと言うことは組織の長として当然でしょうが、長官でさえもうっかりすることがあるくらいでございますから、この方々は百三十日もずうっとインド洋にいて、これ恐ろしい状況だと思うんですよね。  ただ、私が海外のあちこちで海外のそれぞれのお立場の方々の御意見を聞くときに、例えば東ティモールであり、例えばゴランであり、非常に自衛官のパフォーマンスは高い、評価は高いと。何げなく日本の自衛官がやっていることでも海外の軍隊から見るとエクセレントだという評価を極めてもらっていると。  そういったレベルの高い日本の自衛官でさえもこういった飲酒をするだとか基本的なミスを犯してしまうというのは、これ正にそういう過酷な条件に我々が追いやってしまっているんではないかということを考えなければならないんですが、長官、一年間に百三十日もずっとインド洋にいるというような状況、この任務について長官、どのようにお考えでしょうか。
  178. 石破茂

    国務大臣石破茂君) 結局、先生、それは我々の海上自衛隊は、ブラウンウオーターネービーとは言いませんけれども、外洋海軍として設計をしているものではございません。遠洋までずうっと出ていって長いミッションをやるということを想定をして船も造っておりませんし、部隊の編成も行っておりません。しかしながら、いつも御説明をしておりますように、長時間真っすぐ走っていって、同じ距離、同じ方向を保ったまま六時間なぞということができる、そういうような能力を持った補給艦を有している海軍というのが世界じゅうにそんなに多くございませんので、したがって我が国がその任務分担を行っているということなのかと思っております。  元々、このようなことを想定して補給艦の隻数を決めたわけではございません。したがいまして、相当の無理が来ていることは私自身よく承知をいたしております。しからば、それでは日本国の平和と独立を守るための海上自衛隊の活動に支障が生じているかといえば、そうだとは認識をしておりません。これは本当に私も細かくその点は海上自衛隊に聞いておりますけれども、ぎりぎり一杯、何とかやっているということですが、先生御指摘のような飲酒のような事案が起こっていることも重く受け止めております。  今、「ましゅう」といいます一万三千五百トン型の補給艦が就役をいたしておりまして、これが錬成訓練中でございますけれども、やがてこの補給艦の新造あるいは就役ということが実現をいたしますと、このような無理なサイクルということはなくなってくると思っております。ですから、そこに至るまで、「ましゅう」ももう就役をしておりますので、実際に任務に就ける日もそう遠くないと思っておりますが、それまで何とかぎりぎり頑張っていきたいと、そして国の防衛に支障がないようにしたいと考えております。  ですから、先ほどの若林委員との議論でもいたしましたが、一体、国際任務というものを考えたときに、どのような装備、編成であるべきなのかということも併せて議論をいたしませんと、足らぬ足らぬは工夫が足らぬみたいな、さきの大戦みたいな話になっちゃいまして、そうしますと必ず無理が来る、そういうことがあってはならないと常に認識をしておるところであります。
  179. 榛葉賀津也

    榛葉賀津也君 先ほど、引き際という言葉を私、使いましたが、イラク問題もありまして、この引き際というのが大変難しくなり、またそのタイミングを失っているのではないかというように感じるわけですが、やはりいつ、どのような形で撤退するのかということはある程度示しておく必要があるんではないかと。  現在の我々日本の対応というのは、現場の状況を変えるほどの力、実は持っていないわけで、アメリカを中心とした、行われている現場の結果によってどう判断するかというようなことになろうかと思うんですが、この日本のインド洋上での活動の引き際というものを、長官、どのようにお考えですか。
  180. 石破茂

    国務大臣石破茂君) それは、引き際は、やはり目的が達成されて、先ほどの説明でも申し上げましたが、アルカイダの脅威というものが目に見えて皆が実感できて除去できたなと。それでもテロですから、みんながもう収まったと思ったらまた起こるのかもしれませんけれども、やはり今収まっているということは、逆に言えばきちんと海上阻止活動をしているから収まっているんではないかという理屈も成り立つわけでございます。その辺は非常に難しい判断かと思います。
  181. 榛葉賀津也

    榛葉賀津也君 長官、今収まっているとおっしゃいましたが、私はアルカイダのテロは、さきのサウジにしろスペインにしろ、そして東南アジアにせよ、実は拡散をしているというふうに思っていまして、この問題を見ましても、引き際を誤ると正に大変なミッションになり大変な御負担を自衛官に押し付けることになるのではないかと、やはり違ったアプローチの仕方というものを政治的、外交的にも考えていく必要があるだろうというふうに考えております。  最後に、時間がなくなりました。やはり、誤解を恐れずに言いますと、言わばなし崩し的にこれが延長延長と、途中、法改正も入りましたが、こういった長官報告委員会で聞いて、我々がガス抜き的にと言ったら大変語弊があるかもしれませんが、こうやって質疑をして、はい、これでおしまいとなっているわけですが、最初の国会国会承認は最初の一回だけでございました。やはり大変な税金を使って、そしてある種自衛隊に任務を任せる形の中で、現場の状況や石油の取引内容を拝見いたしましても分からないこともある。シビリアンコントロールの点からもやはり私はきちっと国会承認をしていくということで、そもそものこの法律の在り方に私は問題があったのではないかということを指摘をさせていただきまして、私の質問を終わりたいと思います。
  182. 大井篤

    政府参考人大井篤君) 先ほど私の答弁の中で、テロ特措法と申し上げるべきところをイラク特措法と間違えて申し上げましたので、訂正させていただきます。
  183. 田村秀昭

    ○田村秀昭君 初め、外務大臣、お体が回復されたというふうに聞いておりますので、初め十分間ぐらいちょっと質問をさせていただきます。  米国がなぜイラク戦争を始めたのか、その真の理由は何かということを、もちろん大量破壊兵器を開発しているからとかいろいろあると思うんですが、本当のアメリカがなぜイラク戦争を始めたかということについて外務大臣としてはどのようにお考えになっておるのか。一般の説明じゃなくて御自分でお考えになっていることをお聞かせ願いたいと思います。
  184. 川口順子

    国務大臣川口順子君) 私が個人としてどのように考えているかということは、私が今まで申し上げてきたことで正にございまして、何ら新しい部分というのはございません。  これは、もし必要であれば繰り返し言いますけれどもイラクが度重なる国連決議の違反をやってきたということであります。そして、そのことを受けまして、これは安保理決議イラクの重大な違反、これを決定をし、そしてその武装解除の義務をどのように果たしていくかということでその武装解除の実務、これを担保をする、そしてその地域の平和を解決するために必要なこととして行われたということであります。
  185. 田村秀昭

    ○田村秀昭君 米国が関与する、イラクに関与する期間ですけれども、マイヤー統合参謀本部議長は自分の一生を懸けてというふうにも言っているし、ペース統合参謀本部副議長は、アメリカのテロ作戦はざっと十年から十五年ぐらい掛かると証言、これは議会で証言、集中審議、議会における集中審議で証言をしているわけですが、ですから、十年から十五年ぐらい掛かるオペレーションだというふうにアメリカは考えているようですが、日本もずっとこれに付き合うということになるんじゃないかなと私は思うんですが、同僚の質問にもございましたように、いろいろ富士山のところに何か同じオペレーションを作っているとか、なぜ作るのかという質問もありましたけれども、こういう長期間ですから当然作るんじゃないかなと私は思うんですが、いかがなものでしょうか、外務大臣
  186. 川口順子

    国務大臣川口順子君) おっしゃった関与の意味、何をもって関与というかということをどう理解するかということ次第だと思います。  占領軍という意味での米軍の関与ということでいえば、これは基本法を決定をし、六月の三十日に政治プロセスとして統治権、主権がイラクに移るわけですから、それをもって占領は終わるわけでありまして、占領軍としての米軍のイラクにおける関与、これは、それをそこまでということであると思います。  それでは、米軍がその後、引き続きイラクにいるということがもはやないかどうかということでいえば、国連決議の一五一一もいるということを想定をしているわけですし、今後できるであろう新たな安保理決議がどのような形でそれを決めていくかということにまた依存をすると思います。  それから、より広くテロあるいはWMDの不拡散という観点からいえば、これは長い、長丁場の戦いでありますから、アメリカ日本も相当に長い期間、この問題には関与をしていくということになると思いますし、イラクの復興、人道復興支援ということからいえば、これも日本は相当に長い間いろいろな形で関与をしていくということが期待されているわけですし、我が国としての国際的な国際社会における日本の責務でもあろうかというふうに思います。
  187. 田村秀昭

    ○田村秀昭君 五分たちましたので、十分間だけ御質問させていただきますので、あと二問だけ。  イラクで民間人が解放されて良かったんですけれども、どのようにしてだれが解放してどういうふうにしたのかなんということは何にも説明がされていないんですが、ですからいろんな、自己責任を果たせとかいろんな意見が出てくるので、政府はもうちょっと、どうやって解放をしたのかということを説明された方がいいんじゃないかなと思うんですが、何となく説明するのが外務省は嫌なのかどうかよく分かりませんが、もうちょっと説明された方がいいんじゃないかなと思うんですが、いかがですか。
  188. 川口順子

    国務大臣川口順子君) イラクで五人の日本人の人質になられた方が無事にああいった形で解放されたということについては、私も国民の皆さんも、御家族の方もちろんですけれども、あるいは世界のほかの国々の人たちもみんなほっとしている、喜んでいるということであります。この解放に至る過程で本当に多くの関係者、イラクの関係者、その他の国の関係者、その他の国に大勢の方にお世話になって大変に有り難いと思っています。特にイラク・イスラム協会、ここについては、解放の最終的な解放のところで大変にお世話になっているわけです。    〔委員長退席、理事舛添要一君着席〕  それで、いろいろなことを御説明をしていくということは基本的に大事だと思っていますけれども、この人質事件についていえば、まだ他の関係、ほかの国々の人質の方がいらっしゃるということでもありますし、イラクの中でこれに対して力を尽くしてくださった方々、それぞれの方の立場あるいは安全、場合によっては安全ですね、そういったことにも影響が及ぶ話でもあります。それから、考えたくもありませんが、こういった事件がまた将来とも起こらないとも限らない。  いろいろな可能性を考えますと、やはりどのような形でどのような方にお願いをして政府として努力をしたかということについては、申し上げられないことがたくさんあるということを御理解をいただきたいと思います。
  189. 田村秀昭

    ○田村秀昭君 それと、この避難勧告ですね。そんなところ入っちゃいけないよということをもっと強く、きちっと分かりやすく、正確に、行かない方がいいんじゃないかなんて、そんなことじゃなくて、行ったらもう知りませんよということをきちっともう、外務省しか言うところないんだから、もっときちっと言われたらどうですかね。これからもそうだと思うんですよ。これからも行きたいという人がいたら、パスポートも出さない、行くなと、もうそれでも行くんだったらもう勝手にしろ、知らぬよという強い態度をお取りになる方が、べきだと思うんですがね、いかがですか。
  190. 川口順子

    国務大臣川口順子君) 今、田村委員がおっしゃったような御意見がたくさんあるということもよく承知をしています。  外務省としては、外務省のその置かれた立場といいますか、しなければいけない業務の中で可能な限り強い言葉で退避を勧告をさせていただいていますし、その都度、いろいろなことが起こるたびに危険情報、スポット情報を合計三十回近く出させていただいているわけです。  徹底をするということについて十分でないという御意見もございますけれども、これも、単に外務省のホームページでこれを言っているだけではなくて、旅行社業界と連携を取ったり、各都道府県のパスポートの発行のする場所でそういったアナウンスをしたり、あるいはヨルダンの邦人の泊まりそうなホテルにそういったアナウンスを出すことをお願いをしたり、考えられることを極力やっているわけでございまして、この上どういうことが可能かどうか、これは是非いろいろな国民の方々にもお知恵をいただきながら、やるべきことをきちんとやっていきたいというふうに考えております。
  191. 田村秀昭

    ○田村秀昭君 ありがとうございました。外務大臣外務大臣、退席されて結構です。ありがとうございました。    〔理事舛添要一君退席、委員長着席〕  それじゃ、防衛庁長官にお尋ねしますが、まず、新防衛計画、新防衛大綱というんですか、計画の大綱を見直す、一九七六年と九五年に改定されたやつを今回また見直すということですが、見直すんですか。
  192. 石破茂

    国務大臣石破茂君) 見直すことを昨年末の閣議で決定をいたしております。  本年中、平成十六年中に新しい大綱を策定をいたします。
  193. 田村秀昭

    ○田村秀昭君 新聞報道なんですが、戦車とか火砲を三割削減をすると。内容まだ何にも決まっていないのに削減が先にありきというのは、これはおかしいんじゃないかなと思うんですが、こういう報道に対して、これは報道だからマスコミが勝手に報道しているのでそれはいい、報道したい人は報道してもいいけれども防衛庁はそういうことを考えているわけじゃないと思いますが、いかがですか。
  194. 石破茂

    国務大臣石破茂君) 三割という数字は確定をいたしておりませんが、国会答弁でも何度か申し上げておりますが、戦車、火砲等は削減という方針は決まっております。
  195. 田村秀昭

    ○田村秀昭君 それはどのくらい削減するんですか。
  196. 石破茂

    国務大臣石破茂君) これは、何割ということは決まっておりません。  これは、委員おっしゃいますように、単に削減ありきだということでもございません。また、これも私が申し上げる、委員のような権威に申し上げることではありませんが、どれだけ削るかということと同時に、どこに配置をするか、また輸送能力はどうするかということの総合的な勘案の中で決まってくることでございますので、今ここで何割戦車を削減する、何割火砲を削減するということが断定的に申し上げられる状況にはございません。
  197. 田村秀昭

    ○田村秀昭君 分かりました。そうすると、これから検討に入ると、そういうことですね。分かりました。  次に、度々、選挙の前になると国防省にするというようなことを言う人がいるんだけれども、選挙が終わるとずっとやめてしまう、もうそういうことを言わなくなるというのは、何か選挙目当てで、そういうことを言うと自衛隊の票が入ると思っているのかどうか知らないけれども、もう慣れっこになっていますから、そういうことを言っても僕は自衛隊は票を入れないと思いますけれどもね。長官の御決意はいかがなもんですか。
  198. 石破茂

    国務大臣石破茂君) これは、橋本行革のときに、政治の場にゆだねると、こういうような結論を出しました。ということは、閣法では出さないと。政治の場でお願いするということをあのときに整理をいたしました。  そういたしますと、今議員立法という形でお願いをしておるわけでございまして、これが一日も早く成立するように防衛庁としては心から期待をしているところであるというのが公式的なお答えでございます。
  199. 田村秀昭

    ○田村秀昭君 私は、やっぱり内閣総理大臣が決意されないと国防省にはならないし、防衛庁長官が職を賭しておやりになればこれは国防省になると私は思っておるんですが、そういう考え方は間違いですか。
  200. 石破茂

    国務大臣石破茂君) これは、職を賭すのは、私はいつでも賭しておるつもりでございますが、これもう先生御案内のとおり、私ども、内閣府の外局として存在をしておりますので、単独で法律は出せるわけではございません。これは内閣府の長たる内閣総理大臣が出すことになります。  ただ、これは橋本行革のときにそういう整理をいたしておりまして、やはり国権の最高機関であり、唯一の立法機関でありますがところの国会において法律を議員立法として提出をされ、そしてそれが本当に与党のみならず野党の方々の多くの賛成も得て、例えば有事法制がそうでありましたように、本当にそれが必要性があるということを先生方が御認識をいただいた場合には、これは総理大臣の決意あるいは防衛庁長官の職を賭してというものよりもはるかに重い意味付けを持つのではないかと私は個人的には考えております。
  201. 田村秀昭

    ○田村秀昭君 是非、普通の国になるためにも、防衛を携わるところがエージェンシーなんというのはどこの国にもない話で、それでF15だ、エイジス艦だ、九〇式戦車だなんてのを持っているということ自身が東南アジアから見たら脅威ではないだろうかと。もっときちっと、持っているものにふさわしい、内容にふさわしい位置付けというのもすべきだろうと私は思っておりますので、よろしくお願いしたいと思います。  イラクの件についてちょっとお尋ねしますけれども自衛隊の番匠君とか、先遣隊長とか、佐藤二佐が一生懸命おやりになっているんですが、イラクの人の雇用や何かを自衛隊にやれと言われても、私はできないと思うんですね。だけれども日本から来た人に、自衛隊であろうが何だろうが、みんな頼もうと思っていると相手は思う、イラクは思っているんで、そういう点、もっと政府全体としてこれに取り組む必要があるんではないかなと。番匠一佐に雇用をさせろと言ってもそれは難しい話だと思うんですが、長官もそういうのをお困りではないだろうかと思うんですが、政府全体として取り組むということはできないんですか。
  202. 石破茂

    国務大臣石破茂君) これ、先般も答弁いたしましたが、もう一度繰り返して申し上げますと、これを何とかしないと大変なことになるという認識は強く持っています。  自衛官はあちらこちら、学校を直す、あるいは病院で医療の指導を行う、あるいは道路の修復、外へ出ているわけですね、安全が確保されます限りにおいて。そうしますと、現地の人にとっては、もう自衛隊員だろうが外務省の職員だろうが、とにかく日本人と見れば陳情が始まるわけでありまして、おれを雇ってくれとか、ここの学校を直してくれとか、そういう陳情が始まる。  やっぱり大事なことは、そこで聞いたことをそのままほっぽらかさないということなんだろうと思っています。我々の選挙でもそうですが、地元で陳情を受けてそのまま何もしないでいると、次は大体票が入らないとしたものでありまして、やはり、その聞いたことができるできないは別にして、きちんとした答えが出せる体制というものをどう作るか。  これは、法律上自衛隊にできることには限界がございます。自衛隊が一杯雇用を創出するというのもなかなか難しゅうございます。そうしますと、外務省のODA、これは草の根無償も含みますが、それをどうやって機動的に対応できるようにするか。しかし、国民の税金でございますので、かわいそうだといってはここに何かをやり、こっちで気の毒だといっては何かやりということになりますと、税金の使い道としていかがなものかということに相なります。  その辺りを、しかし、私は何度も同じことを申し上げているのですが、現地人たちの信頼をつなぎ止めておくということが自衛官の安全を確保するためにどうしても必要なことでございますので、その辺りの、納税者に対してもきちんと説明のできます機動的な運用の仕方というものを外務省皆様方ともよく協議をしながらやっていきたいと思っております。  今のイラク特措法の中では、これは国会で認めていただいた法律でございますのであれこれ申し上げることはいたしませんけれども、やはり自衛隊のできることには限界があるし、その中で常にベストを尽くしているというのが今の状況であり、今後もそうだと思っております。
  203. 田村秀昭

    ○田村秀昭君 ちょっと時間はまだありますけれども、最後の質問とさせていただきます。  ミサイルディフェンスというものが、今防衛庁着手されていると思うんですが、これはみんなアメリカにお金だけ払うという話で、でき上がったものが来るだけの話で、日本の防衛産業の育成にはならないので、長官は、日本の防衛産業の育成に責任を持つ、これは国が責任を持つということで、防衛庁長官が一番責任があるんで、その点については、防衛産業の育成ということについてどのように対策を立てられておるのかお尋ねして、私の質問を終わります。
  204. 石破茂

    国務大臣石破茂君) BMDシステムの一通りの装備に八千億から一兆円掛かるというふうに考えております。それは、海上配備型のSM3と、それからパトリオットを組み合わせて行うわけでございますが、この中で、国産とそして外国製の比率、あるいはライセンス国産というものを行うかどうかも含めまして、現在確たることを決めておりません。  先生御指摘のように、国内産業、防衛産業の育成というのはとても大事なんだと思っております。技術的にできることは国内でやるべきだということもございますが、そうしたときに、これ、とんでもなく高いものに付いた場合に、本当にそれで納税者に対して、今防衛予算というものも抑えて抑えてやっておりますので、ミサイル防衛予算というものが別枠になっておりません。私はこれは別枠にすべきだとも考えておりませんが。その中で、どうしたら納税者に対して一番誠実な、なおかつ防衛産業というものもきちんと維持できるような分担になるか、そしてライセンス国産というものをどう考えるか、これはまた技術の権威であります委員の御意見も承りながら、一番いい方法というのを見付けていきたいと考えておるところでございます。
  205. 田村秀昭

    ○田村秀昭君 終わります。
  206. 小泉親司

    小泉親司君 テロ特措法の延長問題について質問をさせていただきますが、アフガニスタンへの海上自衛隊艦船の派遣については、私どもはテロ特措法自体は反対でありますので、もう事実上アフガニスタンの海上自衛隊の給油活動などというのはもうやめて、直ちに撤退すべきだということを要求をまずしておきたいと思います。  主にイラクの問題について幾つか質問させていただきます。  まず外務大臣にお尋ねいたしますが、今、御承知のとおり、イラク戦争の交戦国の重要な一つを構成していましたスペインが撤退を開始したと。私、調べてみますと、撤退した国二か国、撤退開始一か国、撤退表明ないしは撤退を示唆した国六か国。例えば、撤退を示唆したと言っている意味は、ポーランドがミレル首相などが、スペインなどの撤退に目をつぶってはいられないとか、ノルウェーのペターセン外相が、六月末までのイラク派遣部隊の任期の延長計画はないと、こういうことを言っておられる。  やはり私は、今はスペインを始めとして多くの国々が撤退を示唆し、表明していると。特に、この点について川口外務大臣に私ども本会議で質問させていただきましたときに、大臣は、各国それぞれ様々な事情があるんだと、こうおっしゃっている。ところが、私はやはりこの問題というのはまず何よりも有志連合がきしんでいると、正に破綻しているというふうに私は考えておりますが、その点いかがお考えなのか。  特に、スペインの首相の演説を見ますと、スペインの首相の演説の中では二つの大きな理由を挙げているんですね。一つは、国連が政治的、軍事的なコントロールを何しろ果たすべきなんだと、その点での国連決議ができないんだと、できる見通しがないんだということが第一の理由。二つ目の理由では、挙げているのは、我々は反テロ活動をやめたわけじゃないと、国際的な合法性をもってこの活動をするんだという二つの理由を私は挙げておられるかと思います。  その意味で、国連の政治的、軍事的コントロールをきちんとやるという点では、現在進めているのは占領軍を中心とした枠組みですから、事実上、占領軍の活動じゃこれ以上続けられないということを私は事実上表明したことにほかならないと思いますが、そういう点も私はスペイン撤退外務大臣が言う様々な事情の中に私は入るんじゃないかと思いますが、その二点、まずお尋ねしたいと思います。
  207. 川口順子

    国務大臣川口順子君) スペイン及び我々が把握していますところではホンジュラス、そしてドミニカ、ここが撤退をするということを発表をした、決定をし、発表をしたということを承知をしております。それから、そういう国もある一方で、イラクに引き続きいるということを明確にした国もあるわけであります。  今、国際社会で動いていることというのは、六月三十日までの期間というのが山場であるという認識を皆共通に持って、そして、そこを乗り切ってイラク人たち統治権限を六月三十日に移譲をする過程を、プロセスをどのように作っていくかということが大事だ、ここについて意見の一致が見られ、そしていろいろな国がこれについての協力を、協調しコミットをしているということだろうと思います。  ですから、そういった撤退をするということを決めた国がある一方で、国際社会全体としては、先ほど別な委員の方にも申しましたけれども、求心力が強まっているというか高まっている、そういう状態にあるというふうに考えています。  国連決議、これについての動きもございますけれども、私がつい数日前アナン事務総長とお話をしたときには、これについての議論も始まっているというふうにおっしゃっていらっしゃったわけでございまして、これを、きちんと国連決議を、これを国際社会が協調してできるということが非常に望ましいと日本としては考えていますし、これに対して協力をしていく、貢献をしていくということが我が国としてやるべきことであると考えています。
  208. 小泉親司

    小泉親司君 今、六月三十日以降のイラクの政権、主権移譲後の問題についても少し触れられましたが、私は、アメリカの米下上院ないしは軍事委員会で、二十日から二十二日にかけて、イラク政権移譲後のイラクをどういうふうにするのか、アメリカのかかわり方をどういうふうにするのかという議論が行われておるわけですね。  これは外務省ももう当然のこととしてお読みになっていると思いますので、私は、そこの中で、例えばウォルフウィッツ国防次官補は、例えば四月二十日の米上院軍事委員会の中で彼自身が言っているのは、大きく言って二つのことを言っている。一つは、イラクが政権移譲後も、イラク軍、いわゆるそれはイラク人の軍隊ですね、イラク軍については多国籍軍の指揮の下に置かれる。多国籍軍については、私も何遍も外務大臣議論してきましたが、多国籍軍法的地位、つまりCPAオーダーの十七号、これは裁判権の刑事、民事あらゆる権利を米英占領軍には免除するという特権を定めたものでありますが、そういうものも全部この政権移譲後であっても引き続き存続するんだと。しかも、そのCPA、我々は、つまり米英占領軍は、主権のイラク政府との国際的な協定を交渉するまでそれは法的拘束力をもって駐留するんだというふうないわゆる方針を、アメリカの方針を明らかにしております。私は、それが今度の、先ほど同僚委員が取り上げた国連決議に非常に色濃く反映しているというか、そのままの方針が反映されているというふうに思います。  その点、外務省としては、こういう動向、アメリカのブッシュ政権が六月三十日のイラク主権の移譲後も依然として多国籍軍と称して米英占領軍を駐留させる、しかも、ウォルフウィッツ国務長官の証言でいきますと、十万人以上を駐留すると言っておりますから、現在約十三万八千ですか、と言われておりますので、事実上ほぼ同じ規模の占領軍を駐留させる、私はこれでは主権移譲とは言えないんじゃないかと。例えば、イラクの国は日本の約面積で一・二倍弱でありますから、そこに十万もの軍隊が存在するなんというのが、なぜ主権をそれで全部返すようなことになるのか。  しかも、イラク軍の指揮権が全部多国籍軍に存在するなどというのでは、これでは占領そのものじゃないかと私は思いますが、こういう点、外務省としては、ブッシュ政権の方針を確認されておられるんですか。その点について外務大臣としてはどのような御見解をお持ちなんでしょうか。
  209. 川口順子

    国務大臣川口順子君) 六月三十日以降にどのような形の暫定政府ができるか、その暫定政府が持つ権限というのがどのようなものになるかということについては、今、正にブラヒミ特別顧問イラク人たちと話をしながらいろいろ議論をしているということであると思います。  小泉総理がずっとおっしゃっていらっしゃるように、六月三十日以降のイラクの暫定政府の在り方、これについては、まずイラク人が決定をするということであると思います。そして、そのベースとして、イラク人統治議会でこの前、採択をしたといいますか、合意をした基本法、これがベースとしてあるわけです。  それで、国連決議がこういうふうになっているとおっしゃられましたけれども国連、新しい国連決議内容というのは、今、正に議論が始まっているわけでして、だれもこれについて、こうである、仕上がりの姿を予断をするということはできない、決まっていないというふうに考えます。  六月三十日以降に多国籍軍が引き続きイラクの中にいるであろうということは、これはその基本法でもパートナーという書き方をしているわけですし、それから国連決議においてもこれは想定をされている、一五一一においてですね、想定をされているということですから、国際社会の、これもこの前、別な委員に申しましたけれども、常識として、イラク統治権限イラク人に渡った後で、多国籍軍といいますか、外国の軍隊がイラクから一切いなくなるということは全く考えられていないと申し上げてもいいと思います。国連イラクの中で活動するためにも、これはブラヒミ特使も、特別顧問も言っていらっしゃいますけれども国連は守られなければいけない、そのためにはイラク軍だけでは十分ではないというふうにみんなが考えているわけです。したがって、外国の軍隊がいるであろうということは常識的に今考えられていることだろうと思います。  米国がそれについてどのような考え方をしているか。これは今後、米国はいろいろな考え方を今の時点で今後のイラクの在り方についてしている、いろんな考え方があると思いますけれども、それは国際社会で、イラク統治権限イラク人が持った後のイラク政府の在り方ということは、今後、イラク人考え方をベースに、ブラヒミさんのその努力と相まって今後形を見せてくると、そういうことであると思います。
  210. 小泉親司

    小泉親司君 外務大臣、大分お疲れなので、私の質問について十分に御理解いただけないのかと思いますが、私は国連決議のことについては何にも聞いておりません。私が言っているのは、ウォルフォウィッツが四月二十日に米上院軍事委員会アメリカの方針について説明をしているが、そういうことについては外務省として了解をしているのかと、その点についてどう考えるのかと。  私が何遍も申し上げたのは、ウォルフォウィッツは、大きく言うと三つのことを言っている。一つは、多国籍軍は今後十万以上を配備する、二つ目は、イラクの軍隊は多国籍軍の指揮下に入る、三つ目は、多国籍軍については国連決議一五一一で決まっている話であるし、しかも、先ほど言いましたCPAオーダー十七号、この特権は引き続き多国籍軍、でなくて、失礼、米英占領軍は供与されるという三つを言っているんです。  そういう方針はあなた方はお認めになるんですか、そういうアメリカの方針については了解しているんですか、このことをお聞きしているんです。ちょっと簡潔に言ってくださいね。
  211. 川口順子

    国務大臣川口順子君) それについての正にお答えをするために、今、国際社会でどういう手順で物事が動こうとしているかということを申し上げるということが一番早道のお答えだと思いましたので、国連決議にも含め、一五一一等の今までの決議も含め、触れさせていただいたということであります。
  212. 小泉親司

    小泉親司君 ということは、国連決議一五一一では、御承知のとおり、統一した指揮の下にある多国籍軍に対し、イラクにおける安全と安定の維持に貢献するあらゆる必要な処置を取る権限を与えると、こうしておりますが、そうしますと日本、この多国籍軍が果たして今の米英占領軍に当たるかどうかというのは国際的にいろんな見解の相違がございます。ということは、日本政府としては、米英占領軍、今の占領軍は一五一一に基づく多国籍軍だというふうに考えておられるんですね。その点について、一言だけで結構ですから、そう考えておられるんですね。
  213. 川口順子

    国務大臣川口順子君) まず、一五一一で、これが六月三十日をもって終わるということは想定されていないということは先ほど申し上げたとおりであります。そして、これは米国の言っていることですけれども、米国によれば、多国籍軍米英軍を含むイラクに駐留している各国軍隊が参加をしているということを言っている、そういうことでございます。
  214. 小泉親司

    小泉親司君 ちょっと不鮮明なんですが、そうすると、多国籍軍というのは、通常いうCTJF7、つまり合同機動部隊、第七合同機動部隊、これが具体的には多国籍軍と、これは米英占領軍のことですが、そういうことに、いわゆるコアリションのことですが、そういうことだということなんですね。(「CJTF」と呼ぶ者あり)あっ、CJTF、失礼、コンバインド・ジョイント・タスク・フォース・セブン。
  215. 川口順子

    国務大臣川口順子君) 米軍によりますと、多国籍軍の統合された司令部というのは、CJTF7、これを指すという、そういう説明を受けております。
  216. 小泉親司

    小泉親司君 私も、多国籍軍はCJTF7だというふうに、これ以外存在しませんから、そうだろうというふうに思います。  今、連合軍はイラクを三つに分けて統治しておりますね。一つは、アメリカ中央軍の指揮下でバグダッドなどの北西部、それからポーランド軍の指揮下で中南部、イギリス軍の指揮下での南東部。自衛隊は主に南東部におりますが、自衛隊というのは多国籍軍なんですか。自衛隊というのは、南東部、多国籍軍南東部、これに入っておるんですか、どうなんですか。
  217. 川口順子

    国務大臣川口順子君) これは委員よくお分かりでいらっしゃるように、我が国自衛隊というのはあくまでも我が国の指揮の下にあるということであります。日本自衛隊は、安保理決議一五一一に基づく多国籍軍の統合された司令部の指揮下にはないということであります。これについては、もう累次確認をしてきているということであります。
  218. 小泉親司

    小泉親司君 私、今、皆さんに資料をお配りいたしました。  その資料によれば、明白に今度、実は多国籍軍、CJTF7のホームページが変わりました。どういうふうに変わったかというと、防衛庁長官うなずいておられるからこれは見ておられるんだなと思いますが、そのあれによりますと、いわゆる多国籍師団、南東部の師団、これはイギリスに率いられ、イギリスの指揮の下に数か国の派遣部隊によって構成される、それには次の国が含まれる、こういうところで日本というのを挙げております。これは今までのホームページにはこういうことは存在しませんでした。つまり、イギリスの指揮の下の多国籍軍南東部に所属しているということをいわゆる多国籍軍、CJTF7のホームページがこれ明白にしたと思います。  外務大臣は、いつもこういう問題について取り上げますと、日本は連合の一員だが連合軍の一員じゃないと、指揮の下にはないと、確認したから大丈夫だと私に何遍も言いました。私は何遍も質問したんですが、一つは私たちが実際に連合軍司令部に確認したときに、連合軍の方は占領軍の指揮の下に入りますよと言った。そのときどうなのかと質問したら、同じことを言われた。続いてホームページの中に、イギリスの指揮の下に自衛隊は活動しているという記述がある。さらには、私はシミタールという連合軍の機関紙を示しまして、ここに日本人が連合軍に参加をしたということで初めて明確に書いて、しかも防衛庁長官ともこれやり取りしましたが、バグダッドの司令部にも参謀として自衛官が入っている。こういうふうな活動を見ても、これどんどんどんどん連合軍だということがますます深く私はこれ証明されてきたと。  外務大臣は、いつもこういうふうな私が実証的なものを出しますと、いや、確認したから大丈夫と言うけれども、確認したらどんどん出てくるんですから、一体どんな確認をして、どこが問題でこういうふうなことが出てくるんですか。今までは連合軍のページは一番、あなたにお渡しした、今資料をお渡しした一番初めの頭にジャパンと書いてある。二つ出てくるんです、ジャパンというのが。上の方は前から書いてありまして、今まではそのジャパンをクリックすると日本自衛隊のホームページに入れたんだけれども、現在はその機能がまだ新しくなったとみえてない。ということは、それが変わっていないということなんです。変わっていないということは、今度はさらにイギリスの南東部多国籍軍の中に日本というのが今度は明記されて、イギリスの指揮下に入っているということが明記された。これは全く新しいことで、私は、これは外務大臣は本当に何遍も確認した云々かんぬんと言っているけれども、これはごまかし以外の何物でもないんじゃないかということをこれ証明したものだと思いますが、外務大臣、この事実はお認めにならないんですか。
  219. 川口順子

    国務大臣川口順子君) 小泉委員とはこの点について今まで何回か議論をさせていただいておりますけれども、先ほども申しましたけれどもイラク特措法に基づいて派遣をされている我が国自衛隊は、これはあくまで我が国の指揮下で活動をしているということであります。それで、シミター紙の報道ですとか、幾つかの報道について、委員は今までそれを提起なさって、これもその一つでありますけれどもアメリカの国防省に確認をいたしました際には、これは報道資料としての分かりやすさを出す、簡便な表現をするということもあるんだという説明を受けておりまして、そういったことであろうかと思います。  いずれにしても、確認を今までしてきているということを申し上げたのは、これは本当に確認をしてきておりまして、例えば一月の二十五日、CPA、そして一月の二十八日は国防省に確認をしておりまして、自衛隊は連合の司令部の指揮下に置かれない、連合軍には該当しないと、そういったことを確認をしてきているわけです。
  220. 小泉親司

    小泉親司君 しかし、私が指摘したホームページは、今お渡ししていますので、このことは事実として、これ私は議論の問題じゃなくて事実の問題だと思うんですよ。事実そういうことが私が指摘したことが書いてありますね。一言だけ私お尋ねします。それについて、時間もありませんからお答えください。書いてありますね、まず事実関係として。私の言っていることは間違いじゃないでしょう。
  221. 川口順子

    国務大臣川口順子君) ちょっとお時間をいただいて読みます。  ただ、この部分だけ読んで何かコメントをするということではない、ホームページ全体を読まないといけないと思いますけれども、いずれにしても説明についてはそういう先ほど申し上げたようなことでありますし、我が国我が国立場については確認をしてきているということであります。
  222. 小泉親司

    小泉親司君 いや、私は総理とも言って、総理は何て、私に何と言ったかというと、小泉さんはそんなに、首相の方じゃない、僕の方ですよ、小泉さんは何でそんなに何遍も取り上げるんだと。私はこれ大事な問題だから取り上げているんですよ。取り上げていて、何遍も取り上げているのに、連合軍の方は、いや日本は連合軍の一員だ一員だと言っているのに、外務大臣はいや違う違うと、確認した確認したと言ったって、また出てきたじゃないですか。私はそういうふうなでたらめな説明国会を乗り切れるのかと。これ自体は事実上もう占領軍の一員だということをあなたも、CJTF7がこれは明白に国連決議の多国籍軍であり占領軍だということを認めているんですから、その下の指揮下にあるとちゃんと書いてあるんだから、これは私は隠しようのない事実なんじゃないかと。  もう外務大臣お読みになったと思いますが、その私が指摘している事実は、事実だけで結構です、議論は後でいたしますが、それはお認めになりますね。そういうことが書いてあるということは。
  223. 川口順子

    国務大臣川口順子君) 全体のコンテクストは分かりませんけれども、いただいたこの一枚の紙、これだけについて言いますと、最初の日本が入っているところ、これについては指揮系統については触れていない。それで、逆にスタビリティーオペレーションズに貢献をしているというふうに書いてあります。ということが一つです。  それから……
  224. 小泉親司

    小泉親司君 ちょっと済みません、議論の時間が私限られているので、そういうこと分かっておりますので、議論していますから、今まで。
  225. 川口順子

    国務大臣川口順子君) ということが書いてある。  それから二番目のところについて言えば、ここだけの文章で言えばUK、イギリスですね、イギリスの下で、イギリス、恐らくこれはイッツはイギリスだと思いますので、イギリスの指揮下で幾つかの国が参加をしているというふうに書いてある。  ただ、日本側の意見は先ほど申し上げたとおりで、我が国はこれらの指揮下にはないということであります。  それから、我が国がやっているのは、これは石破長官に伺っていただければと思いますけれども、正に人道復興支援をやっているということであります。これらは連合軍に確認済み、国防省に確認済みであるということであります。
  226. 小泉親司

    小泉親司君 いや、私が説明していますように、私は別に間違ったことを説明しているんじゃないんですよ。前段は前からありますよと言っているんです。あるけれども青く、昔青かったんです。青いところ、そこをクリックするとさっきも言ったように自衛隊に入れた。今は青くありません。今度青くするんでしょうけれども。  続いて、南東部のところに初めて日本が入った。そこには指揮権のことがちゃんと書いてあるんですよ。ということは、私はこれはもう外務大臣としてそういう事実があるということはお認めになったというふうに私も思います。  そこで、もう一つだけ私、お尋ねしたいので、さっき人道支援と言われたけれども、この前も防衛庁長官人道復興支援ということを言っている。しかし、人道復興支援といっても今、非常に自衛隊人道復興支援も限られている。限定されているというのは私も、給水活動においても医療支援においても公共施設の整備においても、私はそれは大変限定的で非効率だということを指摘してまいりました。  最近、地元紙のアッサマーワという新聞が世論調査をやりまして、自衛隊の活動はサマーワ市にとって有益かという問いに対して、有益だというふうに答えた人は四三%、以前の調査が八六%と聞いておりますから大幅にダウン、半分以下になったと。しかも、いいえと、有益かと、いいえと答えた人は五一%、これ過半数を占めた。これ防衛庁長官、なぜこのような結果になったんですか。これは正に人道復興支援活動が非常に非効率で有益じゃないということをサマーワの市民たちも感じ始めた、こういうことなんじゃないかと思いますが、いかがでございますか。
  227. 川口順子

    国務大臣川口順子君) ちょっとその前に。  念のためですけれども、認められ、外務大臣がこれを認めたというふうに先ほどおっしゃったので、あえて念のためですが、この記事はそう書いてあるけれども、我々の立場はそうでないということは先ほど改めて念を押させていただいたとおりであります。
  228. 石破茂

    国務大臣石破茂君) 先生が御指摘になりましたアッサマーワでございます。これは設問の仕方にもよりますが、日本自衛隊の活動はサマーワ市にとって有益かと、こういう問いに対しまして、有益であると答えた人が四三%、いいえと言った人は五一%と、こういう結果でございます。どういうようなサンプルでどのようにしてこうなったか私、詳細には承知をしておりませんが、私は多分こういうことなんだろうと思うんですね。  三か月前には八六%の支持を得ていた。それだけの期待値があった。しかし、実際やってみるといろんな困難もあり、あるいは期待値が高過ぎたということもあって、見えないじゃないかと、自衛隊の活動見えないじゃないかと。それはサマワといいましても広いですし、人口も十四万とか十五万とかいうところでありまして、それは、例えて言えば、私の出身の鳥取市なんというのは大体十五万でございますけれども、そこに駐留しているのが仮にあったとして、それがその学校を直し、それから浄水をしといっても、それが、じゃ十五万市民に全部分かるかといったらそれは分からないだろうということなんだろうと思っています。ですから、最初に期待値が高かった分、実際に来てみたけれども、まだおれのところ来ないよ、まだおれのところの学校も良くならないよ、おれのところの水はまだ来ないよというようなことがあるんだろうと思います。  ですから、私は、これで自衛隊のやったことは期待外れというようなことになったとは思っておりませんで、要は実現値を上げるためにこれからどう努力をするかということだと思っておるのでございます。
  229. 小泉親司

    小泉親司君 終わります。
  230. 大田昌秀

    ○大田昌秀君 社民党の大田でございます。お疲れでしょうが、もう最後でございますので、よろしくお願いいたします。  先ほど、外務大臣、六月末の主権移譲の問題について御発言がございましたけれども、主権、末までの主権移譲の可能性については楽観論、悲観論、いろいろありますけれども外務省の見通しとしてはどのような見通しをお持ちですか。
  231. 川口順子

    国務大臣川口順子君) なかなか予測をするということは難しいと思いますけれども、今、国際社会で六月三十日という日にちをずらすべきである、ずらした方がいいと考えている国あるいはグループというのはないというふうに考えております。
  232. 大田昌秀

    ○大田昌秀君 先ほど、同僚議員の御質問に対して、イラクから撤退する国もあるけれども求心力を強めている国もあるという趣旨の御発言がございましたが、改めて確認させてください。現在、イラクに派兵している国は何か国ありますか。そして、そのうち何か国が近い将来撤退するということを言っておりますか。実数を教えてください。
  233. 堂道秀明

    政府参考人堂道秀明君) 現時点でイラク派遣している国は三十七か国ございます。そのうち撤退を表明している国はスペイン、ホンジュラス、ドミニカ共和国であります。
  234. 大田昌秀

    ○大田昌秀君 防衛庁にお伺いいたします。  イラク、サマワ市に駐留しているオランダ軍の宿営地に、現地時間四月二十二日の早朝、迫撃砲が二発撃ち込まれる事件が起こったと報じられておりますが、その実情について御説明ください。簡潔にお願いします。
  235. 西川徹矢

    政府参考人西川徹矢君) お答えいたします。  オランダ、失礼しました、日本の宿営地の方ですね。オランダの方。済みません。  オランダ国防省の発表によりますと、現地時間の二十二日午後、午前三時ごろ、サマーワオランダ軍のキャンプに迫撃砲が今のところ数弾という格好で、発射数が明確にまだ確定されておりません。ただ、そのうちの一発がキャンプ地内に着弾いたしました、ただし被害等についてはなかったと、こういうところでございます。しかし、この迫撃砲弾がどこから発射されたのかということについての事案の詳細というものについては、まだ現在向こうの調査中でございまして、確認がされていないと、こういうことを聞いております。
  236. 大田昌秀

    ○大田昌秀君 着弾地と自衛隊の宿営地とはどれくらい離れていますか。
  237. 西川徹矢

    政府参考人西川徹矢君) 約五、六キロ、数キロというところでございます。数キロというところで。
  238. 大田昌秀

    ○大田昌秀君 数キロというのはもう少し具体的に。
  239. 西川徹矢

    政府参考人西川徹矢君) 済みません。距離的にいいますと五、六キロかというふうに考えていただければいいと思います。
  240. 大田昌秀

    ○大田昌秀君 去る四月七日と八日の陸自の宿営地近くをねらった砲撃事件に続き、今回のオランダ軍宿営地への迫撃砲事件でも防衛庁長官は陸自の隊員に対して一時避難の措置を取られましたが、この法的根拠をお示しください。
  241. 石破茂

    国務大臣石破茂君) この法的根拠といいますか、この現地の指揮官が取りました退避措置というのは、この法律に基づいて行っている行動の一環として行っておるものでございまして、これは申し上げるまでもございませんが、特措法第八条第五項とは全く関係のないものでございます。
  242. 大田昌秀

    ○大田昌秀君 イラク特措法第二条三項の方には関連しませんか。
  243. 石破茂

    国務大臣石破茂君) 二条三項。
  244. 大田昌秀

    ○大田昌秀君 「戦闘行為が行われておらず、かつ、そこで実施される」……
  245. 石破茂

    国務大臣石破茂君) 関係ございません。
  246. 大田昌秀

    ○大田昌秀君 オランダでは、サマワに駐留するオランダ軍約千三百人について、同国国民の約五九%が現在の危険な状況が続く場合撤退すべきだと考えているということが世論調査で明らかになっております。それから、オランダ軍が標的にされた場合に六七%がイラクにとどまるべきではないという回答をしたということが報じられておりますが、もしもオランダ軍撤退した場合に自衛隊はどうするおつもりですか。
  247. 石破茂

    国務大臣石破茂君) それはオランダ軍と連絡を取りますが、しかし基本的にオランダが引いたから引くというお話がストレートに出てくるものではございません。我が国として状況を勘案しながら主体的に判断をするものでございまして、オランダが引いたというようなことも仮定に基づくものでございますし、引くのがどういうような状況で、では代わりにどこが入ってというようなことが全く提示をされませんし、それはその場になってみなければ分からないものでございます。日本として主体的に判断をするものでございますし、それがこの法律の趣旨でございます。
  248. 大田昌秀

    ○大田昌秀君 先ほど午前中の御質問でしたか、御答弁の中で、オランダ軍治安関係を見るというお話がございましたが、その治安関係を担当する側が撤退した場合に、仮定の問題だとおっしゃっていますけれども、空白期間なんかが出るおそれがありますよね。オランダ軍撤退して、それに補充する軍隊がいつ入ってくるかというのがよく分からないわけですが、そういう状況は想定されませんか。
  249. 石破茂

    国務大臣石破茂君) それは仮定のことですので何とも申し上げられませんが、しかし例えば今回スペインが撤退をするという場合にも、ではどこが代わりに入るのかということはやはりきちんと調整をされて行われるものであって、一方的にどんどんいなくなって、現地が、その場所が治安維持する者はだれもいない、現地警察だけでありますというようなことが起こっていいとは、それはスペインだって思っていないでしょうし、仮に、仮に仮定の上で申し上げれば、オランダがそのようなことを思うとは考えられないことでございます。  したがいまして、そのような空白というようなことが生ずるとは想定をいたしておりませんし、あり得ないことと思います。
  250. 大田昌秀

    ○大田昌秀君 外務省にお伺いしますが、最近のファルージャでの状況について、米軍がクラスター爆弾とか劣化ウラン弾、あるいはナパーム弾なんかを使っているということが報じられておりますが、これは事実ですか。それから、イラクの住民の被害ですね、ファルージャにおける被害、それから米軍の被害についてどういうふうに把握しておられるか、教えてください。
  251. 堂道秀明

    政府参考人堂道秀明君) ファルージャにおける停戦、戦闘でございますけれども、今停戦状況にございます。これを確たるものにすべく更に交渉を行っております。  委員指摘の、爆弾を使ったかどうかということについては情報を有しておりません。一般市民等の被害ということについていろんな数字が出ております。例えばUNHCR、失礼しました、ユニセフでは子供が百人ぐらい亡くなったとか、あるいは地域住民が六百人ぐらいという話も出ておりますけれども、確たる数字については把握をしておりません。
  252. 大田昌秀

    ○大田昌秀君 戦争をする場合、被害を受ける、非戦闘員が被害を受けるというような問題について無関心で、それで米軍を、攻撃する側の米軍を支援するということは、これは人道支援という言葉を使う立場からいってもあり得ないことだと思うんですね。当然、人道支援というのであれば、非戦闘員がどういう被害を受けるか、そしてどういう実情にあるかということは絶えず検討して、そして十分な実情を把握した上で、これ以上支援をするかしないかというのを決めるべきであって、そういうことについて全く知らない格好で、ひたすらに米軍を支援すればいいということは主権国家としてちょっとあり得ないと思うんですが、その辺どうお考えですか。
  253. 堂道秀明

    政府参考人堂道秀明君) ファルージャの状況について、私どもも大変懸念をしております。  他方、米軍についても市民に対する被害を最小限にすべきだという認識は高いレベルでも共有されておりまして、ブッシュ大統領も、十三日だったと思いますけれども、無辜の市民に被害を与えないよう最大限注意すると。このような認識については、大統領のみならず現地の米軍においても認識されております。  他方におきまして、ファルージャでございますけれども、外国人の戦闘員もいるということが認識されております。そのために、統治議会など、停戦を行うに当たりましてそういう外国人の戦闘員の排除などについてもファルージャ市民に要求しておりまして、そういう意味で、いろんな力関係が働いていると思いますけれども、停戦に向けての努力がなされているということでございます。  委員指摘の無辜の市民に対して被害を及ぼさないということについては、イラク国民及び米軍についても高い認識を有しており、我が方としても当然のことだと考えております。
  254. 大田昌秀

    ○大田昌秀君 インド洋上での給油活動の意義について改めて確認させてください。  この活動はそもそも、同時多発テロを受けて、国際テロリストの移動や資金源の麻薬密輸を取り締まる米国や英国等の艦船に無償で海上給油しようというのが目的だったと理解しておりますけれども、果たして今日まで米英艦船による海上阻止行動というものが具体的にどのような成果を上げているか、それらの国々から外務省に対して内容について何か報告なりございますでしょうか。
  255. 西田恒夫

    政府参考人西田恒夫君) お答えをいたします。  米軍等がインド洋で行っておりますこの海上阻止活動でございますが、アルカイーダ、タリバーン等の残党が海路を経て逃走するということを阻止すると同時に、武器弾薬あるいは麻薬等の関連物資が海上を移動するということを阻止するというのが基本的な目的でございます。我々が承知をしている限りにおきまして、かかるオペレーションが始まりましてから本年三月まで、既に約七万九千回の無線による照会、あるいはそれに基づきまして約八千二百回の立入検査が実施されたと承知をしております。  最近の具体的な成果についてのお尋ねでございますが、例えば、昨年十二月から一月にかけましては、立入検査を行った船舶より、テロリストの資金源となっていると見られます大量の大麻、これは末端価格で一千万ドルと言われておりますが、さらにはヘロイン、覚せい剤も発見し、これを押収するというような例が三件あったと承知をしております。このような作業を行う過程におきまして、これらの船舶から約五十名の乗組員が勾留をされまして調査が行われておりますが、初期段階の結果として、抑留者の中には、勾留者の中には、失礼しました、アルカイーダと密接な関係を持っている疑いがある者も含まれているというふうに承知をしております。  さらに、最近の事例としましては、本年二月、立入検査を行った船舶から小銃あるいは携帯用の対戦車ロケット等の武器も発見されております。さらに、三月には、約四千八百ポンドにも上ります麻薬が発見されたという事案も現れたというふうに承知をしております。  これらの活動の具体的な実績は、今委員から御質問ございましたけれども、適宜米国からの意見交換を通じて我々が情報提供を受けているところでございます。
  256. 山本一太

    委員長山本一太君) 質問時間終わっておりますので、簡潔にお願いします。
  257. 大田昌秀

    ○大田昌秀君 はい。最後の短い質問だけ。  補給艦「ときわ」は過去二年間で五百日間もアラビア海で過ごしたと聞いていますが、最近二か月の給油実績はわずかでしかありませんが、防衛庁長官、もうそろそろ引き揚げさせるお気持ちはございませんか。
  258. 山本一太

    委員長山本一太君) 簡潔にお願いいたします。
  259. 石破茂

    国務大臣石破茂君) そういう事態が、引き揚げてもいいような事態が早く来るように努力をしなければいけませんが、現在、そのような考えはございません。
  260. 大田昌秀

    ○大田昌秀君 終わります。ありがとうございました。
  261. 山本一太

    委員長山本一太君) 本件に対する本日の質疑はこの程度にとどめ、本日はこれにて散会いたします。    午後二時四十四分散会