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国務大臣(
石破茂君)
テロ対策特措法に基づきます
対応措置に関する
基本計画の変更について御
報告を申し上げます。
テロ対策特措法に基づきます
基本計画の変更が四月二十二日の安全保障会議を経ました後、四月二十三日、閣議において決定をされました。
具体的には、
基本計画上の協力支援活動等を外国の領域で実施する
自衛隊の部隊等の
派遣期間を六か月間延長し、本年十一月一日までといたしますとともに、インド洋に展開しております諸外国の艦船数が当面は現状の水準で推移することが見込まれること等にかんがみ、現在の運用態勢に即して協力支援活動を外国の領域で実施する
自衛隊の部隊等の規模等を変更することといたしました。
なお、併せて、私が定めております実施要項につきましても
基本計画に沿った所要の変更を行いました。
次に、今回の
基本計画の変更に係る背景について御
説明申し上げます。
テロとの闘いでは、これまでの成果として、世界各地で多数のアルカイダ構成員と、アルカイダ幹部として知られている者の約三分の二が死亡又は拘束をされております。また、軍事面での成果のみならず、新憲法の制定を始めとする
統治体制整備のプロセスが進展するなど、テロリストの温床であったアフガニスタンの復興に向けた成果も上げておるところであります。
しかし、依然としてウサマ・ビンラデン、ムラー・ムハンマド・オマルといったアルカイダ、タリバーンの指導者はいまだ捕捉をされておりませんし、また、アフガニスタン国内におけます、おきますテロ攻撃も発生をしておりますほか、昨年十一月のトルコにおける爆弾テロ、本年三月のスペインにおける列車に対する爆弾テロなど、アルカイダの関与が疑われておりますテロが、テロが世界各地で発生をしており、依然としてアルカイダの脅威は高いものと考えております。
なお、
国連安保理監視グループも、先般、アルカイダが依然として国際社会の安全と平和に大きな脅威として存在し、イスラム過激派の中に世界規模でネットワークを
維持している旨を発表していると
認識をいたしております。
このようなテロの脅威に対し、米軍等は、アフガニスタンの南部から東部の国境地帯を中心に、アルカイダ、タリバーンの残党の追跡、掃討を継続しております。また、国境のパキスタン側では、パキスタン軍が
政府の
統治の及びにくい部族地域に往来、潜伏していると見られるテロリストに対する掃討作戦を強化しております。さらに、米軍等はアラビア海等において、テロリストや武器弾薬等の関連物資が海上を移動することを阻止することによりテロの脅威が拡散することを防止するための活動、すなわち不朽の自由作戦、OEFの海上阻止活動、MIOを継続しています。
このように、インド洋上におけるものも含め、テロとの闘いは長く続くものであり、この点は現時点でも変化はなく、各国が依然として足並みをそろえてこの問題に取り組んでおる
状況にございます。
政府といたしましては、このような
状況にかんがみ、残存するアルカイダ等によってもたらされている国際テロの脅威は今も除去されていないことから、国際テロ根絶のための取組に寄与すべきとの考えの下、これまでに実施してきた協力支援活動について、期限が切れる五月二日以降も継続することとし、また、インド洋における諸外国の艦船数の水準等にもかんがみ、前述したとおり、
基本計画において所要の変更等を行ったところであります。
次に、これまでに実施いたしました特措法に基づきます
自衛隊の活動実績について申し上げます。
協力支援活動につきましては、現在、海上
自衛隊の補給艦「とわだ」及び護衛艦「みょうこう」、「さみだれ」がインド洋北部において活動中であり、これらの艦艇を含め
派遣されました艦艇はこれまで延べ三十三隻に上ります。これらの艦艇により、平成十三年十二月二日以降本年四月二十五日までの間に、米、英、フランス、カナダ等の艦艇に艦船用燃料を三百六十六回、約三十五万一千キロリットル提供し、その額は、総額は概算値にして約百三十三億円となっております。
また、航空
自衛隊については、C130H型輸送機等により、平成十三年十一月二十九日以降本年四月二十五日までの間に、計二百三十二回の国内及び国外輸送を行っております。
なお、このような活動につきましては、
政府広報、
防衛庁ホームページ等を通じ広く
国民にお知らせをさせていただいておるところでございます。
このような、
我が国による
テロ対策特措法に基づく主体的な努力は、国際的なテロリズムの防止や根絶のための国際社会の取組に積極的、主体的に寄与するとの意義を有しますことはもちろん、結果として
日米安保体制を緊密かつ実効性のあるものとする上でも極めて重要な意義を有するものと考えております。平成十五年五月の
日米首脳会談を始めとする様々なレベルの場に、レベルの様々な場におきまして、米国等から謝意の表明がなされる等、国際社会から高い評価、賞賛を得ているところでございます。
最後に、
防衛庁といたしましては、
テロ対策特措法に基づく
基本計画が今般変更されたことを受けまして、更に一層国際テロ根絶のために国際社会の一員として責任を果たし得るよう、また、
国民の期待にもこたえることができますよう、全力を尽くしてまいりたいと考えております。
委員各位の御理解、御協力をお願い申し上げます。
以上であります。