運営者 Bitlet 姉妹サービス
使い方 FAQ このサイトについて | login

2004-03-25 第159回国会 参議院 外交防衛委員会 第6号 公式Web版

  1. 会議録情報

    平成十六年三月二十五日(木曜日)    午後一時開会     ─────────────    委員異動  三月二十四日     辞任         補欠選任      尾辻 秀久君     月原 茂皓君      桜井  新君     愛知 治郎君      岩本  司君     櫻井  充君  三月二十五日     辞任         補欠選任         櫻井  充君     岩本  司君     ─────────────   出席者は左のとおり。     委員長         山本 一太君     理 事                 佐藤 昭郎君                 舛添 要一君                 齋藤  勁君                 高野 博師君                 小泉 親司君     委 員                 阿部 正俊君                 愛知 治郎君                 荒井 正吾君                 河本 英典君                 月原 茂皓君                 中島 啓雄君                 矢野 哲朗君                 岩本  司君                 佐藤 道夫君                 榛葉賀津也君                 若林 秀樹君                 荒木 清寛君                 吉岡 吉典君                 大田 昌秀君    国務大臣        外務大臣     川口 順子君    副大臣        外務大臣    阿部 正俊君    大臣政務官        外務大臣政務官  荒井 正吾君    事務局側        常任委員会専門        員        田中 信明君    政府参考人        警察庁警備局長  瀬川 勝久君        防衛庁運用局長  西川 徹矢君        外務大臣官房長  北島 信一君        外務大臣官房外        務報道官     高島 肇久君        外務大臣官房審        議官       西宮 伸一君        外務大臣官房文        化交流部長    近藤 誠一君        外務大臣官房領        事移住部長    鹿取 克章君        外務省北米局長  海老原 紳君        外務省中南米局        長        島内  憲君        外務省欧州局長  小松 一郎君        外務省中東アフ        リカ局長     堂道 秀明君     ─────────────   本日の会議に付した案件 ○政府参考人出席要求に関する件 ○在外公館名称及び位置並びに在外公館勤務  する外務公務員給与に関する法律等の一部を  改正する法律案内閣提出衆議院送付)     ─────────────
  2. 山本一太

    委員長山本一太君) ただいまから外交防衛委員会を開会いたします。  委員異動について御報告いたします。  昨二十四日、桜井新君が委員辞任され、その補欠として愛知治郎君が選任されました。     ─────────────
  3. 山本一太

  4. 山本一太

    委員長山本一太君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────
  5. 山本一太

    委員長山本一太君) 在外公館名称及び位置並びに在外公館勤務する外務公務員給与に関する法律等の一部を改正する法律案を議題といたします。  本案の趣旨説明は既に聴取いたしておりますので、これより質疑に入ります。  質疑のある方は順次御発言願います。
  6. 愛知治郎

    愛知治郎君 自由民主党の愛知治郎と申します。  本日は、この外交防衛委員会でこの質問機会をいただいたことに、委員長を始め理事の各位の皆様、本当にありがとうございます。  何だかこう、ちょっとほかの委員会と比べて、座ったままということで違和感を感じるんですけれども、頑張って質問をさせていただきたいというふうに思います。  私自身川口大臣にこうやってやり取りをさせていただいたのは、当選して間もないころ、環境委員会質問をさせていただいて、私自身も当選したばかりですので、自分の考えというか、いろんなことを申し上げさせていただいたんですが、その際、川口大臣は非常に一年生の私のお話に耳を傾けていただいて、それを環境行政の施策に反映をしていただいて、私自身は、ああ立派な方だな、すごくそういういろんな人の声に耳を傾けてくださる方なんだなというふうに川口大臣を、そういう方なんだなというふうにとらえさせていただきました。また、環境行政においては、特に川口大臣大臣を務めているときのその芽が着実に今育ち始めて、非常にいい形で環境行政動いていると、私自身は少なくともそう思っております。  ですから、いろんなことがありますけれども、川口大臣に関して言えば、少なくとも私は、最大限のというか、私自身にとって、非常にこの国にとっても有益な方というか、すばらしい方だなと高く私自身評価をしております。  それで、最初、これはちょっと質問通告になかったんですけれども、やはりちょっと聞きたい、個人的に聞きたいことでもありましたので。環境大臣であったときと、今こうやって大変な国際情勢の中でいろんな問題がある中で外務大臣をやられて、その御感想というか、どういう問題があるのか、率直な御意見を聞かせていただければ幸いかと思います。お願いします。
  7. 川口順子

    国務大臣川口順子君) 私も環境庁長官をいたしておりましたときに愛知先生環境委員会質疑をさせていただいたことをよく覚えております。一年生議員でとおっしゃられましたけれども、私も一年生大臣でございまして、一生懸命仕事をさせていただいたわけですけれども、引き続き私は今毎日を一年生、相変わらず一年生でございますので、初心に、毎日これ初心ということでやらせていただいております。  それで、環境大臣外務大臣の違いということですけれども、環境大臣のときにも結構、京都議定書の細目の交渉がありまして、国際会議に出ていた回数という意味ではかなり多かったわけでございます。そのときも今も与えられた仕事の大変さという意味では全く変わらないと思っております。  多分その唯一の違いは、環境大臣のときには、一秒たりとも連絡が付かないような状況自分を置いておかなければいけないというその切迫性が多分違っていたということだと思います。何かあれば直ちに官邸に飛んでいけるような状況に常に自分を置いておかなければいけないということが、外務大臣になって環境大臣との最大の違いであるかなと思っておりますけれども、その他のことについては、それぞれのポストで全力投球をするということで私は大学を卒業して以来ずっと仕事をしてきておりまして、今もそういうつもりでやっております。
  8. 愛知治郎

    愛知治郎君 ありがとうございます。  これも後でちょっと質問したかったんですが、今触りだけちょっと質問させていただきたかったんですけれども、要は大臣外務大臣は特にそうなんですけれども、環境大臣のときもいろいろ海外に出ていっていろんな交渉事をしなくちゃいけない、今も特にそういうニーズというか、それがメーンの仕事だと思うんですが、やはりいろんな問題の中で国内での拘束というか、やらなければいけないことが、課題が山積していると思うんですけれども、これはやはり役割分担で、大臣は主要な交渉事に当たっていただきたい。そのサポートのためにもちろん副大臣とかいろんな政務官、様々なスタッフが支えていると思うんですけれども、外交でどのようなことが行われているか、どういうスタンスで交渉をしなくてはいけないのか、どういう事情があるのかということがなかなか国民皆さんに伝わってこない。  我々もそうですけれども、よく分からない部分があって、外交ですのですべてお話しするわけにはいかないと思うんですけれども、もう少し広報の面でしっかりとした体制を取れれば、大臣がどんどん外に出ていってその交渉事をできると思うんですね。それを一人で全部やられるというのはとてもじゃないですけれども難しいと思うので、この点、ちょっと質問通告なかったんですけれどもお話を聞かせていただきたいというふうに思います。
  9. 川口順子

    国務大臣川口順子君) パブリックディプロマシーという言葉が使われているわけですけれども、この時代にあって、外交についても国際的な外交活動と同時に、それを国内できちんと御説明をしていくことというのは非常に重要であると思います。国会における御説明、それから一般国民に対しての御説明、それぞれ重要だというふうに思っております。  まだまだ改善をしなければいけない点というのは多々あるというふうに毎日自戒をいたしておりますけれども、一般国民への説明という意味では、外務省、これは私は環境大臣のときに始めたことでもありますけれども、タウンミーティングという形で年に何回かやっておりまして、ついこの間の土曜日に横浜で、日米関係を今回はテーマにタウンミーティングをやらせていただきました。直接にお話、二時間ですので、全員の方とお話をするというわけにはいかないのが残念ですけれども、横浜の場合には約五百人ぐらいの方が集まっていただいて、フロアから質問を出していただいて直接に御議論をさせていただいたというのは、私なりに大変に楽しいことでもございます。  引き続き、国会議員の方が国民を代表してここにいらっしゃるわけですので、きちんと説明責任を果たしていきたいというふうに思っております。
  10. 愛知治郎

    愛知治郎君 ありがとうございます。  ちょっと時間の関係で、貴重な時間なんで、まずはこの法案についての質問に移らさせていただきたかったんですが、在外公館新設廃止移転等、いろいろこうされていますけれども、先ほどの話に通ずるところでもあるんですが、我々、日本国にいる我々にとってみれば、ほとんどどういうふうな形でどのような活動が行われているのか分からないと。それから、その移転等廃止等、いろんな面に関してもちょっとどのような状況で決められているのかが分からないということがございますので、その点についてちょっとお伺いをしたいと。どのような方法で、またどのような情報に基づいて開廃等移転等を行われているのか、お聞かせください。
  11. 川口順子

    国務大臣川口順子君) まず、私からざっと申し上げて、必要でしたら後で補足をするようにしたいと思います。  まず、役所でございますので、定員と、それから予算の範囲内でやっていかなければいけないということでございます。  それで、新設だけをしていくわけにいかないということなんですけれども、新設をし、そして廃止をするときのその基準が何かということですけれども、幾つかのその基準を作りまして、それに基づいてそれぞれの候補地をかなり客観的に評価をしてやっております。  どういうことが考え方のその基準かということを申し上げますと、一つは、日本とその国、あるいはその地、都市の関係緊密度政治面経済面あるいは文化面、いろいろございますけれども、それが一つの固まりです。それからもう一つが、その国あるいはその地域のやはり重要度世界における重要度政治経済文化、いろいろありますが、重要度です。それから三つ目に、日本人がそこの国あるいはその地域にどれぐらい行っているか、そして日本企業がどれぐらい進出をしているかということであります。四つ目のグループとしては、その国あるいはその地域日本以外の国の在外公館がどれぐらい置かれているかという判断です。それからその次に、要望がどれぐらいあるか、その国からの要望がどれぐらいあるかということでして、それらの点を並べまして評価をして、それで決めているということでして、その国からの要望もありますし、日本の当然、在留邦人ですとか、それからその企業に、進出をしている企業からの要望というのもございます。そういうようなことをやっております。
  12. 愛知治郎

    愛知治郎君 ありがとうございます。  一番、一番私が心配をしておるのは在留邦人方々ですね。何かあったらやはり大使館なり領事館なりに、頼りにしていると思うんですけれども、その点だけ十分な御配慮をいただいて、また、何かあったときにそこで頼もうと、助けを求めようと思っていた方が、突然そこがなくなってしまっていたということになると非常に現地でも困ると思うので、その広報の面、どういうふうになっているのか皆さんにはしっかりとお伝えするということだけは十分な配慮をしていただきたいというふうに思います。ちょっと時間がなくなってしまいましたので、この点はお任せするとして。  次に、手当についてちょっとお伺いをしたかったんですが、やはり国益を図るために十分な活動が必要だと思うんですけれども、その土地によって活動の幅は様々でありますし、物価の問題もありますし、十分な活動ができる、するための資金というか、活動のための体制が整っているのか。また、国によって事情が違いますので、どのようにその基準を決めているのか。概要で結構ですので、お伺いしたいと思います。
  13. 川口順子

    国務大臣川口順子君) 今、決め方については官房長からお話をいたしますけれども、基本的な考え方として、きちんと外交活動をやっていただくと、大使にやってもらうということが重要でございますので、それなりに配慮を十分に行って、問題があればそれに対して対応をしていくという努力を重ねていきたいと思っております。
  14. 北島信一

    政府参考人北島信一君) 答弁させていただきます。  基本的には、在外公館には、各館ごとのそれまでの活動実績を踏まえまして交際費等資金が定期配賦されているということでございます。それから、必要に応じて臨時に増額配賦をするということももちろんしておりまして、在外公館公館長出納官吏責任の下に支出が行われているということですけれども、同時に、大使を始めとします在外職員には、外国での勤務や生活の立ち上げ、外交活動のための基盤整備といった、国内勤務する場合よりも追加的に様々な経費が必要となるということで、こうした経費に充当するために在勤基本手当支出されていると、そういうことでございます。
  15. 愛知治郎

    愛知治郎君 もう一つ大事なところなんですけれども、結局、我々は、どういうふうな活動が行われているか、それからどういう事情に基づいてやられているのかよく分からないというところがございますので、その活動資金面含めて適正かどうか、チェックの体制というのはどのようになっているのか、行っているのかいないのかも含めてお伺いしたいと思います。
  16. 川口順子

    国務大臣川口順子君) これも具体的なことは官房長からお話をさせていただきますけれども、いろいろな外務省に関して起こった不祥事等もございまして、この監察査察をきちんとやっていくことは大事だというふうに考えております。特に、十三年の九月の末から、公認会計士それから弁護士の外部専門家、この方に入っていただきまして、それから今法務省から検事の方に監察査察官ということで出向をしていただいております。  現在までに、実績としまして、これは特別に集中的に査察をいたしまして、百八十九全部で公館がありますけれども、そのうち百二十、これに対してそういった形で集中的な査察を行っております。
  17. 北島信一

    政府参考人北島信一君) 大臣から申し上げました査察の実施でございますけれども、当然のことながら、それに加えまして日本会計法令に基づいて、在外公館から定期的に本省会計報告を提出させると、本省において適切に支出が行われているかどうかということを検査した上で会計検査院関係書類を提出すると、会計検査院による在外公館実地検査、そうしたものも行われているということで、在外公館における経費支出の実態については注意深くチェックする体制が取られているということでございます。
  18. 愛知治郎

    愛知治郎君 確認なんですけれども、ペーパーだけ見ても分からないというのがありますけれども、それは現地に行って調査というのはしておるんでしょうか。
  19. 川口順子

    国務大臣川口順子君) 先ほど申し上げた百二十の査察というのは、公認会計士も含め、そういう方も含めて現地に行って、大使及び公館大使館員人たち等に直接に面接をして、それで査察をやっている。それが百二十既にやって、できるだけ残りも早く終わらせたいと思っております。
  20. 愛知治郎

    愛知治郎君 先ほどちょっと日にちのこともおっしゃられたと思うんですけれども、それは川口大臣になられてからのことですか、その査察を行っているというのは。
  21. 北島信一

    政府参考人北島信一君) 在外公館査察、これは昔から外務省でやってきておりますけれども、一連の不祥事を踏まえてその体制強化したということでございます。  具体的には、外部から、法務省検事でございますけれども、外務省監察査察官ということで来ていただきまして、なおかつ公認会計士の方の参加を得て査察をするというふうに体制強化したというのがここ数年来の話でございます。
  22. 川口順子

    国務大臣川口順子君) 今のに追加しまして、百二十やったと言いましたけれども、十五年度、昨年度、十四年度というのは私が来てからですけれども、十四年度には五十公館、そして十五年度には四十二。したがいまして、百二十のうちのほとんど、九十幾つは私が来てからということであります。
  23. 愛知治郎

    愛知治郎君 しっかりとそうやって取り組んでいただいているということは本当に有り難い話なんですけれども、先ほどの広報という話をしましたが、やはりその実績部分も、こうやって取り組んでいるんだと、国民皆さんの信頼にこたえるべくこういうことをやっているんだということをしっかりと伝えていただかないと、悪い面だけ出てもしようがないんで。実績実績ですので、私自身は、川口大臣とても評価していますし、期待もしておりますので、その点ではしっかりと伝えていただきたいということでございます。お願いでございます。  もう一点、川口大臣が本当に大きな……
  24. 山本一太

    委員長山本一太君) もう大体時間終了しましたよ。簡潔にお願いします。
  25. 愛知治郎

    愛知治郎君 分かりました。  最後になりますけれども、民間大使、これは川口大臣がやると言って、今着実に動いているようですけれども、これの概要、どうなのか、うまくいっているのか、そうじゃないところ、まだまだ課題があるのか。もう時間がなくなりましたので、その点だけお伺いして、質問を終わりたいと思います。
  26. 山本一太

    委員長山本一太君) 簡潔に御答弁お願いします。
  27. 川口順子

    国務大臣川口順子君) 民間大使六名、他省庁から九名、合計十五名が外務省外で、比率一二・三%。それから、外務省の中でⅡ種、Ⅲ種、Ⅰ種以外の人、この人たちが約二〇%、こういう比率で今登用しておりまして、これはいろいろな評価あるいは改善すべき点をしながら今後引き続き続けていきたいと思っています。
  28. 愛知治郎

    愛知治郎君 ありがとうございます。  また、この機会いただければ、もっと質問したいことがありましたので、よろしくお願いします。  ありがとうございました。
  29. 岩本司

    岩本司君 民主党・新緑風会の岩本司でございます。国民皆様方に分かりやすい質問をさせていただきますので、分かりやすい御答弁、どうぞよろしくお願いいたします。  本法律案の中から、まず在カンザスシティー総領事館廃止についてお伺いいたします。  今はないんですけれども、以前、私も家がアメリカにありまして、今でも親戚はカリフォルニアに住んでいますけれども、よく十四、五年前までは行っていたんですけれども、日本では想像ができないような犯罪があるんですね。私の記憶にあるのは、その中でもアフリカ系ギャングメキシカン系ギャングの闘争がありまして、朝、信号機の上にどちらのリーダーか分かりませんでしたけれども、そういうリーダーの頭、首から切って掛けてあったり、それ地域、地元の新聞ではそういう報道とかされるんですが、そういう想像できない犯罪が多いわけです。恐ろしいなと僕思ったんです、銃も持っていますしね、合法的に。  昭和五十四年に、一九七九年ですね、カンザスシティー総領事館を開設した際に、その当時政府は、広大な地域シカゴ管轄させるには十分に目が届かないということでカンザスシティー総領事館を置いたわけですけれども、この一九七九年から二〇〇四年まで約二十五年たっていますけれども、この間、犯罪の数というのは現地はどうなんですか、増えているんですか。またさらに、九・一一のテロの後、また別な意味でそういう治安の問題を心配される現地の方、日本人方々もいらっしゃると思いますけれども、お願いします。
  30. 海老原紳

    政府参考人海老原紳君) 今の犯罪の件数でございますけれども、今カンザスシティー総領事館管轄地域、六州ございますけれども、この六州で見ますと、一九七九年に五十七万三千六百八十六件でございます。それで、ちょっと二〇〇〇年までの統計しかございませんけれども、二〇〇〇年で五十六万八千七百八十五件ということで大きな変化は認められておりません。
  31. 岩本司

    岩本司君 大きな変化がないということで、今度はシカゴ管轄するようになるわけでございますけれども、犯罪変化はないかも分かりませんけれども、元に戻すということで十二州をトータル的にシカゴ管轄するということで生じそうな問題点というのはございますですか。
  32. 海老原紳

    政府参考人海老原紳君) シカゴ総領事館は、その後二州をデトロイト総領事館ができましたときに移管をいたしておりますので、現在四州を担当しておりまして、これに今カンザスシティー総領事館が担当しております六州を入れまして、全部で十州を担当するということになります。  もちろん、問題点がないかということでございますけれども、それはいろんなところに総領事館があればあった方がいいというふうには思いますけれども、この今回の総領事館カンザス総領事館廃止、これは我が国における行財政事情を踏まえまして、限られた予算定員の効率的な運用を図るという観点から、全世界在外公館設置状況の見直しを行う中で、グローバルな視点に立って新たな必要性が生じている地域における在外公館新設を行うために行うということでございます。  政府といたしましては、これに伴いまして、シカゴ総領事館人員強化を含む体制強化、あるいは領事出張サービスを含むシカゴ総領事及び館員の管轄地域十州への出張機会の増加などによりまして、在留邦人等に対する領事事務、あるいは我が国とこの管轄となります中西部諸州との関係強化のための事務に大きな影響がないように最大限努力をいたしたいというふうに考えております。
  33. 岩本司

    岩本司君 総予算があって、どこかを新しく造ればどこかをつぶさなきゃいけないというような御事情があるとは思いますけれども、先ほど答弁の中で、出向いていってサービス強化を図るということがございましたけれども、具体的に、この法律案ではカンザスシティー総領事館廃止されるわけですけれども、ノースダコタ、サウスダコタ、ネブラスカ、カンザス、ミズーリ、アイオワ州のどういう具体的にフォローアップというのをされるんですか。出向いてっておっしゃいましたけれども。具体的に。
  34. 海老原紳

    政府参考人海老原紳君) 今私が申し上げましたのは、領事関係出張サービスを主として念頭に置きまして出張ということを申し上げましたわけでございますけれども、これは、シカゴ総領事館に領事担当の者がおりますので、邦人の保護等に関連いたしまして、必要に応じましてなるべく管轄地域を回ることによって、向こうから総領事館の方に来れない場合についても対応できるようにということを念頭に置いております。
  35. 岩本司

    岩本司君 コスト削減という意味も含まれているとは思うんですけれども、出向いて、具体的に出向いていくという話ですが、一つにまとめた後にその人数はどうなるんですかね、職員さんの数というのは。キープしたままですか。これは国民皆さんにちょっと示していただきたいと思うんですが。
  36. 北島信一

    政府参考人北島信一君) 先ほど北米局長から答弁申し上げたとおり、シカゴ総領事館仕事が増えますので、シカゴ総領事館の職員につきましてはその増員を図りたい、そういうふうに考えております。
  37. 岩本司

    岩本司君 ということは、単純にシカゴ総領事館カンザスシティー総領事館方々を合わせるということじゃなくて、合わせた数プラスまた更に増やすということですか。
  38. 北島信一

    政府参考人北島信一君) 共通する部分、例えば官房関係仕事、会計とか通信とか、そういった部分は二つ足した人数よりは減らすことができると思っています。そういうことが節約、合理化につながるわけですけれども、同時にそれ以外の部分について増員するということで、現時点においては具体的に何人ぐらいまで増員できるか、これは今検討しているところでございます。
  39. 岩本司

    岩本司君 ちょっと分かりやすくお答えいただきたいんですが、合わせた数よりも増えるわけですか。
  40. 北島信一

    政府参考人北島信一君) 二つの総領事館の、つまりシカゴとキャンサスの総領事館の現在の職員数を足したものよりは少なくなります。
  41. 岩本司

    岩本司君 ありがとうございます。  それで、このフォローアップなんですけれども、田舎と言っちゃ、英語に換えますとカントリーサイドといいますか、ノースダコタ、サウスダコタ、ネブラスカ、カンザス、アイオワ、ミズーリ、こういうところに日本人レストランってあるじゃないですか。ああいう日本人レストランが、ジャパニーズレストランが私はすごく重要な役割を果たしていくと思うんですね。人がやっぱりそこに集まりますから。そこのレストランの経営されている方というのはもうそこに住み着いていますからね。企業人であれば転勤があったり、そういうのは人事異動があるんですけれども、そこに根を張って生きていらっしゃる日本人方々なんですね。ですから、そこに、例えば留学生にしても、そこのおかみさんですとか御主人さんにいろいろ地域事情を聞いたり、いろいろ相談したり、コミュニティーというか、ネットワークの拠点みたいに、外務省の方は御存じのとおり、なっているわけです。  ですから、そういう人が集まって情報交換をするような場所と、もうくまなく、何というんですか、シカゴに移ったからといっても、一々そんなジャパニーズレストラン全部回れと言っているわけじゃないんですけれども、そういうところと電話でもたまに交換し合うような、何か緊急事態とか何かあったら出張所のような役割をそういう日本人レストランのようなところにやっていただくというのは私は重要なことだと思うんですね。いかがですか。
  42. 鹿取克章

    政府参考人鹿取克章君) 今御指摘がございましたように、在留邦人方々がどこにおられるか、そういう特に重要な場所はどこであるか、そういうネットワーク作りは我々としても重要と考えておりますので、今後、邦人保護あるいは領事サービスの分野においてはそういう点についてもますます考慮していきたいと考えております。
  43. 岩本司

    岩本司君 日本国内でも子供たちが児童虐待とかで子供一一〇番の家とか、こうステッカーとか家に張ってあるように、ステッカーを張るということじゃないんですけれども、そういうフォローアップをお願いしたいと思います。  次に、在重慶総領事館新設についてお伺いいたします。  中国はもちろんもう広い、中国も広いわけですけれども、瀋陽の領事館の事件があったものですから、一般国民皆さんはこれまた新設するのと、そういうイメージがもう強くあるわけですね。たまたまだったかもしれませんけれども、あの映像、御記憶に新しいかと思いますけれども、何というんですか、門のところでどたばた劇があっているのに私たちの仕事はビザの発行ぐらいしかありませんと、ほか関係ないみたいな、そういうイメージを与えてしまっているわけです、日本に、国民に。国民だけじゃない、世界にもそうなんですけれども。  それで、確かに今中国は急激な、急速に発展しておりますから、私もこれ必要だとは思いますけれども、私がお伺いしたいのは、今政府がビジット・ジャパンと、日本皆さん来てくださいと声を大にして、もう小泉総理も一生懸命おっしゃっていますけれども、これ一つの例ですが、私の選挙区福岡でございまして、王貞治監督のダイエーホークスがあるんですけれども、そこのドーム球場に中国から百五十人の企業の褒賞ツアー、頑張った方々を会社側が招いて褒賞ツアーで百五十人来られているんです、福岡に。  これ、調べましたら、面白いデータなんですけれども、その百五十人の中国の方々が四泊五日されて、百五十人の中の二十人の方が、なんと百万円以上のお買物をされているんですよ。で、その中のまた一人が五百万円以上のお買物をされているんです。もう景気が悪いときに商店主さんですとかそれはもうそれは有り難い話で、これはもうビジット・ジャパン、どんどん日本に来ていただいてお金を落としていただきたいという思いが、もう全国の御商売されている方々が本当関心を持って、また期待もされているわけでございますが、これは外務省じゃなくて国土交通省の責任とかそういうことじゃなくて、どのように、法務省もそうですよ、ビザの問題で、法務省外務省、国土交通省、どのように連携を図っているのかちょっと大臣お願いします。
  44. 川口順子

    国務大臣川口順子君) ビジット・ジャパン、これは大変に重要な国の施策ですから、外務省としても外務省の役割はきちんと果たしていかなければいけないと思いますし、それをやるときにほかの省庁と連携をすることが重要だということも今政府の中で話をきちんとしております。また、現に連携もしています。  それで、ビジット・ジャパンの関係外務省としてすべきことというのをおっしゃったそのビザの関係ということもありますし、それから在外公館においてビジット・ジャパンのプログラムあるいは日本の観光地等についてきちんとした情報をその国の人たちに与えるということもあると思います。  それらはやっていきますけれども、連携でなかなかこれは、非常に難しい問題は、片方でお客様を増やす、日本への観光客を増やすということは大事な政策であり、同時に日本の安全といいますか、犯罪に対してどのように対応するかということをきちんとするということも重要であります。  で、なかなかその辺をどこでバランスを取るかということについての各省間で議論を引き続きしていくということであると思いますけれども、ビザについては、外務省法務省、警察と話し合いながらこれを進めていますし、そして外向きの話については国土交通省と、あるいは国土交通省を中心とした話をしてやっていくということで、連携を強めることによってそういった問題についてのいいバランスが取れるというふうに思っていますし、また日本国民に対して、そういったトレード関係があり得る、あるとは申していませんが、あり得る問題についてはきちんと議論をして、尽くして、コンセンサスを作りながらやるということも大事だと思っています。  外務省としては、できるだけ観光客を増やしたいというふうに考えています。
  45. 岩本司

    岩本司君 目標が一千万人というふうに聞いておりますけれども、現在一千五百万人以上の日本人が海外に旅行、観光行かれているんですけれども、この連携をしようというようなのは、そういう、具体的にそういう話合いですとか、いつこういう会議をするとかいうのは、具体的にこれありますですか。
  46. 高島肇久

    政府参考人高島肇久君) このビジット・ジャパン・キャンペーン、実は実施本部というのが度々開かれておりまして、つい最近も一回開かれました。そこで各省が持っている情報の交換をいたしますけれども、外務省の場合は、特に在外公館で今こういう企てをしているといったような企画の紹介ですとか、それから具体的に、外国の例えばエージェントなどがこういうふうな問い合わせをしてきているといったようなことを御報告して、皆様の参考に供しているというようなことがございます。  それから、先ほど大臣から話がありましたように、現地の推進会はもう既に重点地域でどんどん立ち上がっておりまして、韓国でも、またニューヨーク、ワシントンでも各省関係方々、それから業界の方々も集まってビジット・ジャパン・キャンペーンをどんどん推進しようという動きがあっています。  それともう一点あえて申し上げますと、四月の一日から、このビジット・ジャパン・キャンペーンの重点地域であります香港を対象に、香港の特別行政地域のパスポートを持っている方、また香港にお住まいのイギリスの方でイギリス海外市民のパスポートを持っていらっしゃる方に対してビザの免除をいたすことになりましたけれども、これも法務省、警察との綿密な打合せの上で可能になりまして、私たちとしてはこうしたビザ免除もどんどん広げていきたいというふうに考えております。
  47. 岩本司

    岩本司君 本題に戻りますけれども、香港ではそういう計画があると。ほかにも三か所の領事館がございますけれども、具体的にパンフレット、日本の案内とか、パンフレットを置いているだけとかそんなのじゃなくて、具体的に何かアクションを起こされているんですか。
  48. 高島肇久

    政府参考人高島肇久君) 広報文化センターというのがいろいろなところにあります。そこを中心にもっと日本の魅力を海外に広めたいということで、正にパンフレットだけでは到底駄目だということで、今様々な企画を立てております。  これに実はビジット・ジャパン・キャンペーンで国土交通省の御協力もいただきながら、例えば在外公館でビジット・ジャパン・キャンペーンを現地で広めるためのレセプションを開こうとか、そういうようなことも今準備をしておりますので、今までよりはるかに日本の魅力、日本の情報が外に出ていくようになる、私たちもそれを努力しなければいけないと思って、大体海外広報課を中心にいろいろな企てをしておるところでございます。
  49. 岩本司

    岩本司君 確認をさせていただきたいんですが、広州、上海、瀋陽、香港、この四領事館で、ちゃんとそのビジット・ジャパンにちゃんと参加して仕事をしていくということで間違いございませんですか。
  50. 高島肇久

    政府参考人高島肇久君) そのようなことで連絡を取り合って努力をするようにということは徹底しているつもりでございます。
  51. 岩本司

    岩本司君 先ほどの企画の中で、私は日本の伝統や文化や、そういうのを映像でどんどん中国の国民皆様にアピールしていく必要があると思うんですね。もう春の時期だったら桜ですとか、もちろん富士山もそうですけれども、日本のいいところを。それともう一つ重要なことが、私は、例えばの例ですけれども、日本の子供たちが中国の旗を振っていらっしゃいと言っているところですとか、若しくは中国の子供たちと日本の子供たちが、例えば映像を通してですから分かりやすく、着物を着ていてもいいですよ日本は、チャイナドレスでもいいですよ中国は。分かりやすく、仲良く子供たちが遊んでいるような映像を、私はもう是非ともどんどん発信していただきたいというふうに思います。  また、領事館内にそういうブースみたいなのってあるんですか。
  52. 高島肇久

    政府参考人高島肇久君) 私もすべての総領事館を見たわけではございませんので、なんですけれども、大体重立ったところには映像を見せるための例えばビデオの装置、それから古いところでは映写の装置があるように見受けております。  それからもう一つ現地方々にやはり理解をしていただくためには、現地の例えばテレビクルーだったり新聞報道関係者に日本に来てもらって、日本の魅力を自分たちで取材して流してもらうことが、これが一番効果的だと考えておりまして、例えば香港のフェニックステレビのチームを呼んだり、それから、例えば観光関係者の、観光関係報道を担当している人たち日本に来てもらったりという招待作戦を今展開しているところでございます。
  53. 岩本司

    岩本司君 本当にもう、是非ともお願いします。  瀋陽の領事館問題というか、もう事件といいますか、あれが本当にもう、日本国民皆様にもう信用をなくしていますからですね。また新たに──それは笑い事じゃないですよ、それ、本当。笑うところじゃないですよ。是非ともこれ、新設するわけですから、真剣に取り組んでいただきたいというふうに思います。  次に、在勤手当、これ、他の委員の方と重複を避けますけれども、昨年、在勤手当の見直しに着手されております。平成十四年八月の外務省改革行動計画に基づいてですね。  在勤基本手当は一割弱の削減されているんですね、一割弱、昨年は。今回、再び増額となっておるわけであります。もう一点、子女教育手当、これが昨年度は六歳から四歳、支給対象年齢を二歳引き上げておるわけでございますけれども。これ、在外職員の御家族の皆さん、これは日本に、日本で生活している国民皆さんにはちょっと目に見えない御苦労もあると思うんですよ。ただ、この国内の厳しい経済財政事情の中から、こういう中で、民間のサラリーマン、公務員、給料の手当が削減される中で、これ、国民の目から見て手厚く何か、もう手厚くしているんじゃないかと、そういうふうに感じられると思うんですが。  私は、先ほども他の委員の方がおっしゃいましたけれども、透明性の向上といいますか、もちろんその給料というのは公開とかされていますが、私が申し上げている透明性の向上というのは、図るべきだというのは、現地の御家族の方が子供を育てたりする中で生じている問題、こういう問題があるとか、こういう御苦労されているとか、それを何か発信できないものかなと、情報をですね、そういうふうに感じているんですけれども、いかがでございますか。
  54. 川口順子

    国務大臣川口順子君) 幾つかのことに触れたいと思うんですけれども、まず事実関係としまして、増えているとおっしゃられた予算ですけれども、これは在勤基本手当、これは見掛け上、前年度比一・三%増になっていますけれども、これは為替レート、ユーロが高くなったということを反映したものでありまして、実質でいきますと、昨年の人事院の勧告を踏まえて二・六%の削減、円ベースではなっているということでありまして、見掛け上の話、ごめんなさい、実質上は削減が行われているということでございます。それで、在勤諸手当全体の予算額は前年度比で一・八%減ということになっているということです。  それから、おっしゃられた子女教育手当の加算、この限度額ということですけれども、これは、前回改定されたのは平成四年度、今から十年前のことでして、それ以来改定がなかったわけですけれども、その間に現地の学校における経費が増えてきて、その職員の人たちが自己負担をしている人の数が非常に増えてきているということを反映をして負担の緩和ということを行いました。それで、六万三千円から九千円引き上げるということで考えていまして、おっしゃったように、今みんな非常に厳しい生活状況にあるわけでして、このことも、国内であれば義務教育ですから無償で教育受けることが可能なわけでして、海外にいるからそういうわけにいかないということです。したがって、そういうことの手当ですが、義務教育に当たる、そこだけ、これを行うということでございます。  それから、透明性の問題、これは重要なことであると私どもも考えています。今何をしているかといいますと、在外公館のこの名称位置法に基づきまして、外人審、外務人事審議会、これに、ここで御審議をいただいて、勧告をいただいているということが今やっていることですけれども、改定を、在勤手当の額の改定をするというときに、どのような透明性を与えるか、その透明性を一層向上することが大事だと考えておりまして、したがいまして、これから在勤手当に関するその基礎資料となる各種データ、情報を集めているわけですけれども、その基礎となるデータを外務省のホームページ上で公開をする、していくということを考えております。
  55. 岩本司

    岩本司君 大臣、ありがとうございます。  質問の内容を聞いていただければお分かりいただけると思いますけれども、反対じゃありませんから。賛成でございます。民主党は何でも反対じゃないんですよ。賛成するところは賛成しますし、もっと、これじゃ足りないと、もっとやるべきだと言いますんで、是非よろしくお願いいたします。  それでは、もう時間の関係で、最後に、領事のシニアボランティアについてお伺いします。  私、これはもうすばらしいことだと思うんですけれども、民間の視点を取り入れるべく、海外在住の、海外駐在の経験のある中高年の民間人の方を採用してボランティアとして働いてもらうと。この領事シニアボランティア制度でございますけれども、この進捗状況と、また民間人採用の規模、それと、もし問題点が生じているのであれば問題点、これ併せて国民皆様にお示しいただきたいと思います。
  56. 鹿取克章

    政府参考人鹿取克章君) このシニアボランティア制度については私どもも、今先生から御指摘がありましたように、大変期待をしておりますし、また重視しております。今までのところ、御承知のとおり、十名が派遣されております。今後どのように発展させていくかということは、まだ規模の面では、今確たる、まだ決定はしておりませんが、この十名の方々の御活躍を踏まえましてまた拡大していくと、こういうふうに考えております。  今までのところ大きな問題点というのはまだ出ていないと思います。我々の方は、今、先般も出張しまして、一部の方々とお会いしましたけれども、そして皆様とお会いして、既に貴重ないろいろな提言は得ております。やはり、例えばでございますが、申請用紙でしばしば間違いが出るところがあるので、そういうところは親切にもっと教えなくてはならない、あるいは言葉遣いで、やはり役所用語が出てくるときがありますので、そういうのはできるだけ避けるようにとか、いろいろやはり皆さんの目線から、我々、貴重なアドバイスあるいは指導を得ておりますので、既に四か月、まだ四か月しかたっておりませんが、非常にいい面が既に出ていると思います。  我々としては、これを踏まえて、また更に検討し発展させていきたいと考えているところでございます。
  57. 岩本司

    岩本司君 ありがとうございます。  ちょっと指摘したいんですけれども、これは大使館総領事館の窓口業務に対する批判を受けてから、昨年から始まった制度でございますけれども、指摘といいますか、国民皆様が興味あるのが、大体どのぐらい進んでいるかということで進捗状況を今お伺いしましたけれども、何か国ぐらいで進められているんですか。これ、ちょっとお示しいただきたいと思いますが。
  58. 鹿取克章

    政府参考人鹿取克章君) 今十か国で、十か所で進めております。  今申し上げますと、タイ、韓国、上海総領事館、香港総領事館、フィリピン大使館、シドニー総領事館、ニューヨーク総領事館、ロサンゼルス総領事館、英国大使館、フランス大使館、以上でございます。
  59. 岩本司

    岩本司君 ありがとうございます。  また、これに併せて、今、年金で海外で生活されている方が増えているというふうに聞いているんですよ。私もテレビで、ニュースで見たことあるんです。東南アジアの方ですとか、あと、カナダですとか、リタイアされた方がですね。こういう方々もそういうボランティアで僕は働いていただいてもいいんじゃないかなと思うんですよね、もう年金生活ですから。しかも、海外で。この間、テレビ見ていましたら、毎日ゴルフをしています、ゴルフに飽きましたと言っているような方もいらっしゃるわけですよ、リタイアされた方で。そういう方々もボランティアで参加していただくように積極的にアプローチをしていただきたいんですが、いかがでございますか。
  60. 山本一太

    委員長山本一太君) 時間ですから簡潔に御答弁願います。
  61. 鹿取克章

    政府参考人鹿取克章君) いろいろな観点から検討させていただきたいと思います。
  62. 岩本司

    岩本司君 ありがとうございました。  終わります。
  63. 高野博師

    ○高野博師君 それでは最初に、尖閣諸島の魚釣島に中国人活動家が上陸して逮捕された事件についてお伺いしたいと思います。  事実関係について簡単にお尋ねいたします。
  64. 瀬川勝久

    政府参考人瀬川勝久君) 事実関係につきまして御報告いたします。  昨二十四日の早朝でございますが、尖閣諸島の魚釣島に中国人の活動家グループが上陸をするという事案が発生をいたしました。沖縄県警察におきましては、海上保安庁の輸送支援を受けまして所要の人員を尖閣諸島に派遣をいたしました。そして、昨日午後七時過ぎまでに、上陸をいたしました中国人男性七人を出入国管理及び難民認定法違反で逮捕したところであります。  七人の身柄でございますけれども、海上保安庁の巡視船で搬送いたしまして、本日午前九時四十五分に那覇港に到着をいたしました。現在、沖縄県下の警察署に留置され、所要の捜査を行っているところでございます。    〔委員長退席、理事佐藤昭郎君着席〕
  65. 高野博師

    ○高野博師君 出入国管理法違反等で逮捕されたんですが、これは国内的な手続、法的な手続に従って対応するのか、それとも強制送還ということになるんでしょうか。
  66. 瀬川勝久

    政府参考人瀬川勝久君) 現在、正に我が国の法律であります出入国管理及び難民認定法で捜査をしておりまして、今後、この法律の定める手続に従って措置されていくものと考えております。
  67. 高野博師

    ○高野博師君 ということは、国内的にこれは検察に送検をするということになるんですか。
  68. 瀬川勝久

    政府参考人瀬川勝久君) 法律の定めに従って措置されるということで、具体的にどうなるかという見通しにつきましては現時点、申し上げるのは適当でないかと思いますけれども、一般的に申し上げますと、何といいますか、出入国管理難民認定法違反で捜査を遂げまして、私どもとしてはこれは検察庁に送致をするということになります。その後、これは検察庁においてその身柄等の措置につきまして判断をされるということが通常の処理であろうというふうに思います。
  69. 高野博師

    ○高野博師君 中国の海洋調査船が頻繁に領海を侵犯しているということ、そういう事実がありますが、毅然と厳然と国としては対応していただきたいと思うんですが、実は、もう数年前に、これは当時の池田外務大臣のときに、私は竹島については日米安保条約が適用されるのかと聞きましたらば、現時点では韓国の施政下にあるので、領有権は日本にあるけれども韓国の施政下にあるので日米安保条約は適用されないと、こういう答弁をされまして、こういうあいまいな態度というのが竹島に埠頭を建設させ、そして切手の発行までさせてしまったということではないかと思うんですが、それではこの尖閣諸島については日米安保条約というのは適用されるんでしょうか。  僕はかつて聞いたことがあると自分では記憶しているんですが、念のため確認しておきたいと思います。
  70. 西宮伸一

    政府参考人西宮伸一君) 尖閣諸島が我が国固有の領土であることは歴史的にも国際法上も疑いのないところでございます。現に、我が国はこれを有効に支配しております。  ただいま御説明ございましたが、七名が魚釣島に不法上陸する事態が発生したことは我が国といたしまして極めて遺憾であり、関係国内法令に従って厳正に対処しておるところでございます。  お尋ねの日米安保条約との関係につきましては、政府といたしましては、日米安保条約第五条は、我が国固有の領土であり、かつ我が国の施政権の下にある尖閣諸島に適用されるとの立場でございます。  この点に関しまして、現地時間でございますが、二十四日、アメリカの国務省の副報道官も質問に答えまして、尖閣諸島は一九七二年の沖縄返還の一環として返還されて以来日本政府の施政の下にある、日米安保条約第五条は、同条約が日本国の施政の下にある領域に適用される旨規定されていることから、同条約第五条は尖閣諸島に適用されるというふうに述べております。  正に、これはお尋ねの点につきまして日米両政府の見解が一致しているということを示すものであると考えております。
  71. 高野博師

    ○高野博師君 ありがとうございます。  それでは、別な文化関係についてちょっと二、三お伺いしたいと思います。  外務大臣の所信の中には文化という言葉は一度も出てこないんでありますが、日本外交において文化政策というこの位置付けでありますが、大きな四つの柱の一つだと言われていますが、この文化政策という位置付けを、外交の中における文化政策という位置付けについて大臣の所見をお伺いしたいと思います。
  72. 川口順子

    国務大臣川口順子君) おっしゃるように、文化交流というのは我が国外交政策の柱の一つであります。文化、そして、文化交流、安全保障、対外経済関係、そして経済協力といった柱の一つであるというふうに位置付けています。  現実にもかなり文化のための政策はやっていまして、例えばロシアとの間では昨年交流の年でありましたし、ASEANとの間もずっとそういうことをやっております。いろいろな国との関係文化交流というのは実際に相当にしっかりと位置付けられ、かつ実施されているというふうに考えています。  特に近年、インターネット等が発展をしてきて、情報の交流が大変に盛んになってきたという状況の中で、文化の交流は国民国民を結び付けるという意味でも重要であると私は考えております。
  73. 高野博師

    ○高野博師君 ただ、政府文化関係予算というのは漸減の傾向にありまして、二〇〇三年度の予算だと、日本政府は二百七十三億円、国際交流基金が百八十四億円と。しかし、アメリカの七百三億円、イギリスは約十倍の三千百二十億円、フランスは六倍、約六倍の千八百九億、ドイツも二・七、八倍という状況で、一概に比較は、単純に比較はできませんが、国としてやっぱり文化政策という点においては非常にほかの国と比べると弱いんではないかなと。  まず、物を売ったりとか、製品を売ったりとか、あるいは国際的なプロジェクト取るというその前にやっぱり文化を前面に出して入っていく、文化を通じて相互の理解を深める、あるいは日本に対する信頼性を高める、そういう何か戦略があってもいいかなと思うんですが、この辺はどういう認識でしょうか。
  74. 川口順子

    国務大臣川口順子君) 予算が減ってきているということは、今政府全体の予算が減ってきているということでやむを得ない部分もございますけれども、ODAの予算文化交流の予算、これについてはきちんと、せめて下げ止め、そして反転させて増やしていくという方向に持っていけないかというふうに私としては考えております。    〔理事佐藤昭郎君退席、委員長着席〕  文化交流というのは、日本がこれから日本自身世界に発信をしていくときに非常に自信を持って発信できる部分であると私は思っています。いわゆるソフトパワーという言い方がありますけれども、この間アカデミーの助演男優賞をもらいそびれましたけれども、黒澤とか小津とかいうところから始まる映画もそうですし、最近ではアニメ、そして音楽、そして日本料理というところから始まって、例えば大江とか川端とかそういった文学、あるいは特許の件数、RアンドDの予算、これは国全体としてですね、そういう分野で日本世界に誇るものをたくさん持っているわけです。そういった日本全体をソフトなパワーで表現をしていくということにもっともっと力を入れていいというふうに私は思っておりますし、今後引き続きそういった方向で予算も含めいろいろな知恵を出していきたいと思っています。
  75. 高野博師

    ○高野博師君 私が聞きたいことはもうお答えをいただいたようなので。  今、先ほど大臣がおっしゃられたように、アニメとか漫画とか若い人のファッションとか、世界的に大変注目を浴びて、受け、集めているんですが、これはやっぱり日本の大衆文化が成熟しているということが背景にあるのかと思うのですが、そういう意味で、もっと文化というものを前面に出していただきたいなと思いますし、正にハードパワー、これが日本のハードパワーによる安全保障ではなくて、その側面的な環境を作っていくという意味では非常に重要な点ではないかと思いますが、是非そういう面での文化政策をやっていただきたいと思います。  もう一つは、教育の関係で、あるいは研究、教育研究の分野で、例えば中東の問題、あるいは中央アジア、こういう分野において日本の教育研究、特に研究機関というのは非常に後れているのではないか、層が浅いのではないかと思っておりますが、ここについては特にお伺いしませんが、是非そういう分野でももっと充実をさせていただきたいと、担当が外務省かどうか分かりませんが、これはお願いをしておきたいと思います。  せっかく中南米局長においでいただいているので、ちょっとブラジルの話を、予算委員会でもやったんですが、お伺いしたいと思いますが。  これからメキシコともFTAが結ばれると、世界的ないろんなこのFTAが促進される中で、人と金と物、特に人の動きがありますし、いろんな人もこれから恐らく入ってくるだろうと、労働力として。そういう中で、日本はやっぱり文化的には同化主義を取らないで多文化主義と。いろんな国の人々がそれぞれ固有の文化を持っている。それを法的にきちんと保護してあげるということをやらないといけないのではないか。外国人が入ってきて、いろんな問題がありますが、私は国づくりのパートナーとしての外国人という位置付けがこれから必要ではないかと、こう思っております。  そこで、ブラジルなんですが、ブラジルには日本から二十四、五万人移住をして、今ブラジルでは日系社会、百五十万人ぐらいの日系社会を作っておられる。そこでは大変評価され、信頼されている日系社会なんでありますが、しかし向こうでは犯罪等の問題は全くなかったわけでありますが、今、日本に来ている日系人、その子供たちが学校、就学適齢期にある子供が三万七千人いる。しかし、実際にはこの二万三千人、約六割の人が正規の教育を受けていない。不登校というよりも不就学の子供が一万六千人もいると、こういう状況でありまして、横須賀の少年院には九割はブラジル人の子供だと。  これは大変悲しい事実でありまして、やはり日本の教育の問題、これは外務省ではないと思いますが、日本が移住したときには向こうの国に大変お世話になって、今度は向こうから、中南米から来たときは日本では全くそれを受入れ体制ができていないと。これは大変な私は問題であるし、この現実は大変悲しいなと思っておりまして、何とかこれは国として、そういう教育も含めて受入れ体制をきちんと作るべきではないかと思っております。  移住については、昨日もいろんな質問がありました。私は日本外務省の移住政策が間違っていたとは思いません。ドミニカばかりでなくて、ブラジルもメキシコも、いろんな国でも日系社会が二つに分かれたり、いろんな問題は起きておりますが、日本政府としては私は精一杯やってきた面は、そこはきちんと認識すべきではあると思っておりますが。  若干話が前後しますが、日本にいるブラジル日系人の子供に対してもう少し何かできないのかということについて、せっかくですから局長に、島内局長にお伺いしたいと思います。
  76. 山本一太

    委員長山本一太君) ほぼ時間来ておりますので、手短に御答弁をお願いします。
  77. 島内憲

    政府参考人島内憲君) 現在、二十七万人のブラジル人の方々日本の各地で活躍されているわけでございますが、ただいま先生御指摘のように、子女教育の面で様々問題が起きていることはそのとおりでございます。  それで、こういった課題については、文部科学省それから地方自治体、民間団体がそれぞれ取り組んでいるところでございますが、外務省としても日ブラジル友好関係の観点から、両政府で協力して取り組んでいくことが非常に重要と考えておりまして、ブラジル政府との各種協議においてこの問題について話し合っているところでございます。  さらに、平成十二年から、十二年から外務省主催で在日ブラジル人問題に関するシンポジウムを毎年行っていますが、今月十日に、在日ブラジル人子弟の教育問題に関するシンポジウムを開催したところでございます。
  78. 高野博師

    ○高野博師君 ありがとうございました。  終わります。
  79. 小泉親司

    ○小泉親司君 日本共産党の小泉でございます。  在外公館法は賛成でございますので、二つの問題について限りまして、今日は短い時間ですので質問をさせていただきたいと思います。  まず一つは、イージス艦の、アメリカイージス艦の日本海配備問題について質問をいたします。  アメリカ海軍省のイングランド長官は、昨日ワシントンでの国家ミサイル防衛会議で演説をいたしまして、今年の九月からイージス艦を日本海に派遣すると。引き続きこのイージス艦を日本海に常駐させるということを言明されております。この点について、昨日の総理の会見ですと、前もって計画していたことというふうな発言をされておられますが、私、そこで三つの点についてまずお尋ねしたいと思います。  一つは、日本政府はこのイージス艦の配備をいつからアメリカから聞いているのか、この点が一つ。二つ目は、このアメリカのイージス艦が日本海に配備される、この目的はアメリカとしてはどういう目的でやるんだということを外務省としては聞いておられるのか。三つ目は、このイージス艦が常駐配備されるということになりますと、当然前進基地として日本の在日米軍基地を根拠地にするということが考えられますが、このイージス艦はどこに具体的には配備される、つまり在日米軍基地に配備される計画なんですか。  まず、この三点についてお尋ねをいたしたいと思います。
  80. 海老原紳

    政府参考人海老原紳君) ただいま小泉委員からお話がありましたように、イングランド海軍長官が、弾道ミサイル防衛の当初の運用能力の配備を加速する大統領令の一部としてと、海軍は本年九月から、その後ほぼ継続的に長距離監視及び追尾を行う母体としてミサイル駆逐艦を日本海に配備するというふうに言われたというふうに承知をいたしております。  先ほど、小泉総理が前からの計画だということをおっしゃったという話がありましたけれども、これは、ブッシュ大統領が二〇〇二年十二月に声明を発表いたしまして、ここで米軍が、米国それから海外展開中の米軍部隊、同盟国を防衛するミサイル防衛能力の初期配備の運用を二〇〇四年及び二〇〇五年に開始するということを述べたということで、以前より計画されていたものであるというふうに申されたのだというふうに思っております。  今の三つの御質問でございますが、政府がいつから知っていたのかということでございますけれども、これは御指摘の今の米軍艦船の運用を含めまして、米軍の運用の一々につきましては、その詳細は申し上げる立場にないということでございまして、政府としていつから知っていたとかいうことも含めまして、我が方としてコメントは差し控えさせていただきたいと思っております。  目的ということでございますが、先ほど御紹介いたしましたイングランド米海軍長官の中に、弾道ミサイル防衛の配備を加速する大統領令の一部としてということ、それから長距離監視及び追尾を行う母体としてということを目的として述べておられるというふうに承知をいたしております。  在日米軍の、失礼、日本の施設・区域への配備があるのかどうかという御質問につきましては、我々といたしましては、そのような点については一切承知はいたしておりません。
  81. 小泉親司

    ○小泉親司君 これまでもアメリカが新たな兵器を配備するとき、つまり部隊を配備するとき、これは事前に日本外務省日本政府に事実上事前通告をしていたというのはこれまでの経過からも明らかなわけで、昨日、私、外務省からお聞きをしたら、二十五日のいわゆるイングランド長官の講演で知ったと。私はそんなことはないだろうと言ったんですが、今の北米局長の御答弁は、日にちは言えないけれども事前にこの配備計画については知らされていたということはお認めになるんですね。
  82. 海老原紳

    政府参考人海老原紳君) 先ほど私が申し上げましたのは、そういう事前の通報等も含めまして、もちろん日米間で同盟国といたしまして密接な安全保障問題についての協議というのは行っているわけでございますけれども、具体的な個々の艦船等の配備についてどのようなやり取りを事前に行っていたかということも含めて、米軍の運用については政府としてコメントをしないというのが基本的な立場であるということを申し上げたわけでございます。
  83. 小泉親司

    ○小泉親司君 常駐配備をされると、これはイングランド長官の文言から私は明らかだと思いますが、その点は確認できませんか、一言だけで。申し訳ない、時間がないので。
  84. 海老原紳

    政府参考人海老原紳君) 長官が本年九月から、その後は継続的にというふうに声明で言っておられるということから判断するという以外は、我々は承知いたしておりません。
  85. 小泉親司

    ○小泉親司君 私は、これ周辺に配備されて、常駐配備だということは、私も文言からははっきりしているんじゃないかと、継続的にとおっしゃっているから。ということになると、当然これは第七艦隊ないしは在日米軍に属することになる。これは、私は必然なんじゃないかなと思っておりますが、その点は北米局長はどう思っておられるんですか。
  86. 海老原紳

    政府参考人海老原紳君) これは米軍の運用、特に指令系統の話をおっしゃっているんだろうと思いますけれども、その点につきましても、我々としては承知はいたしておりません。
  87. 小泉親司

    ○小泉親司君 あなた方、都合悪いことになるとなかなかはっきり明らかにしないんだけれども、実際にこういう配備があるということについては、私は、外務省はこれは知らされていないと話は今までの経過からしましておかしい話で、私、こういう問題についてなぜ明確にできないのか。特に、あなた方自体も、別に防衛庁も今ミサイル防衛は重要だといってイージス艦に配備をするということもこれは研究として認めている話なわけですから、その点はなぜ私はこういう点をはっきりと言えないのかというのは、非常に私は国会でのこういう議論を軽視しているんじゃないかなと思います。  そこで、もう一つだけお尋ねしますが、今アメリカ、米軍はイージス艦に御承知のとおりのミサイル防衛の一環としていわゆるスタンダードミサイル、SM3を配備しておりますが、今度のいわゆるイージス艦の、この米イージス艦の日本海配備はミサイル防衛システムの一環だと。しかも、一番始めの配備なわけですね、日本海が。それはイニシアル、つまり当初のミサイル防衛の運用能力を高めるためにやるんだと長官言っておられますから、一番始めに日本海に言わばミサイル防衛の一環としてのイージス艦が配備されるんですが、ということは、この配備される艦艇にはSM3といういわゆるミサイル防衛の一環のミサイルが搭載されているというふうに理解してよろしいんですね。
  88. 海老原紳

    政府参考人海老原紳君) ちょっと繰り返し的な答弁になって恐縮でございますけれども、イングランド長官がおっしゃった弾道ミサイル防衛の当初の運用能力の配備を加速する大統領令の一部としてということを申されているという以上について、この艦船の装備等について私から申し上げるのは適当ではないと思います。  ただ、ミサイル防衛そのものにつきましては、これは日本の防衛政策上も極めて重要な課題であるということで、米国とともに取り組んでいくことは日米同盟の信頼性の強化にも資するものだということで、我々としてもこれを支持しているということでございます。
  89. 小泉親司

    ○小泉親司君 つまり、あれなんですか。ミサイル防衛艦のイージス艦が日本海でうようよするというと言葉が何だけれども、配備を常駐されるということは認めると。しかし、今回のミサイル防衛艦がいわゆる弾道ミサイルの一部のシステムとして展開されるんじゃないんだということをおっしゃっているわけですか。そこの点を私ははっきりさせていただきたいと思います。
  90. 海老原紳

    政府参考人海老原紳君) 今ちょっと細かな資料が参りましたんで、そこを、先ほどのイングランド長官のスピーチを補足させていただきますけれども、こういうふうに長官は述べておられます……
  91. 小泉親司

    ○小泉親司君 ちょっと済みません。私、読んでいるから、私の質問だけに、申し訳ない、お答えください。
  92. 海老原紳

    政府参考人海老原紳君) そうですか。はい。  これは、基本的には、ですから今おっしゃったSM3ブロック1ミサイルを持つイージスミサイル防衛システム巡洋艦の改修を含むということでございますので、基本的にはおっしゃったようなミサイル防衛能力を持った艦船であるというふうに考えております。
  93. 小泉親司

    ○小泉親司君 私は、こういうやはり新しいイージス艦、特にミサイル防衛の装備を搭載した、私は、ですから配備される艦艇はスタンダードミサイル、SM3配備済みのものとなるというふうに理解していいと思うんですよね。  その点は、何ですか、北米局長としても今長官の言葉というふうなことにしたわけですけれども、外務省としてはそういうものだということは確認できるんですね。
  94. 海老原紳

    政府参考人海老原紳君) 今のその長官の発言以上、我々が何らかの判断をするという材料はございません。
  95. 小泉親司

    ○小泉親司君 私は、この米軍のイージス艦の日本配備というのは、私はアジアや日本周辺の特に緊張を激化させるものだというふうに思います。  その意味で、現在特に進められている朝鮮半島をめぐる六者協議でも、昨年八月には平和解決のプロセスの中で状況を悪化させる行動を取らないということや、お互いの信頼関係強化させるということが六者協議の合意、いわゆる共通認識という中でも取り決められていることでありまして、私はこういうふうなイージス艦の配備は軍事緊張を激化させるものであって、これは許されるものじゃないと。  その点で、私は日本政府としてどういう態度をお取りになるのか。私は、日本政府としてこういうふうな配備はちょっと緊張を激化させるという点をきちんとやはりアメリカ政府に物を言うべきだ、こういうふうに思いますが、外務大臣、いかがでございますか。
  96. 川口順子

    国務大臣川口順子君) 先ほど局長から申しましたように、このミサイル防衛というのは日本の防衛政策上の極めて重要な課題であるというふうに考えていまして、アメリカと一緒に取り組んでいくということであります。それが日米同盟関係の信頼関係強化に資するというふうに我々としては考えているわけです。  それで、北朝鮮を刺激をするかということでございますけれども、北朝鮮の核の問題について、これはアメリカの立場も日本の立場も非常に明確であります。基本的に、基本的にといいますか、基本的なというのは取り消しますけれども、この核問題についてアメリカは平和的に解決をするということを言っているわけでございまして、その立場を変えたというふうに我々は考えていないし、そのようには承知をしていないわけです。  したがいまして、北朝鮮につきましても、これについては第三回の六者会談、六月末までに開かれる六者会談に出席をしているということであって、今般の米海軍の長官の発言がこの北朝鮮の六者会談の進展、会合の進展に直ちに影響を与えるということはないというふうに考えています。
  97. 小泉親司

    ○小泉親司君 ということは、日本政府としては、こういう配備については緊張を激化させるということはアメリカ軍には伝えないと、こういうふうな態度に終始されるということなんですね。
  98. 川口順子

    国務大臣川口順子君) 緊張を激化するというふうに考えていないということです。
  99. 小泉親司

    ○小泉親司君 私は、こういう新型のイージス艦、特にこれはアメリカの様々な文書の中でも、アメリカが大変抑止的な戦略、特に最近では前方抑止で非常に前方に出て抑止体制を取ると、言わばブッシュ政権が志向しているような先制攻撃戦略の大変重要な一環としてこういうミサイル防衛艦の配備を進めているという点では、私はこういう配備はまかりならないということを申し上げて、大変短い時間なので、残念ではございますが、質問を終わらせていただきます。
  100. 大田昌秀

    ○大田昌秀君 社民党の大田でございます。よろしくお願いいたします。  まず最初に、二〇〇四年度予算在外公館の警備員が大幅に増員されましたけれども、この増員された人たちはどこどこに配備される予定ですか。
  101. 北島信一

    政府参考人北島信一君) 警備の関係でございますが、在外公館警備対策官、これは在外公館の本館でございますが、御指摘のように、平成十五年度の定員は二百四十五名でございましたが、これが平成十六年度につきましては二百六十四名ということで大幅な増員を認めていただく方向でございます。基本的には、中東を中心に治安状況の悪いところ、そこを重点的に増やすということで考えております。
  102. 大田昌秀

    ○大田昌秀君 今、警備員の増員のほか、在外公館でどのような警備強化策を取っておられますか。
  103. 北島信一

    政府参考人北島信一君) 在外公館の警備につきましては、昨年十一月のイラクにおける外務省職員殺害事件も踏まえまして、全在外公館における警戒レベルを更に高めるように、警備強化、安全対策強化につきまして改めて指示をするということとともに、人的、物的両面からなし得る限りの警備強化を行い、安全確保に万全を期するように努めていくということでございます。  具体的な警備対策状況の詳細につきましては、館員の安全確保の観点から差し控えさせていただきますけれども、例えばテロ関連情報の収集分析、それから監視警戒態勢の強化といったことに加えまして、先ほど御指摘のありました警備要員の増員、防弾車の増車、コンクリートブロックの増設置等、人的、物的両面からの可能な限りの警備強化に努めているということでございます。
  104. 大田昌秀

    ○大田昌秀君 現在、バグダッドの日本大使館の業務はどういう内容になっていますか。
  105. 堂道秀明

    政府参考人堂道秀明君) バグダッドのイラク大使館でございますけれども、安全確保に最大限配慮をしなければならないという極めて厳しい環境の中にありますけれども、現在、数名が勤務しておりまして、イラクの政治プロセスの動向を含む現地状況の把握やイラク側のニーズの把握などに努めております。
  106. 大田昌秀

    ○大田昌秀君 これは外務大臣にお伺いしたいんですが、今朝の朝日新聞をお読みになったと思いますけれども、例の辺野古の問題について先日、防衛庁長官にはお伺いしましたが、外務省の対応、この普天間の代替施設についてアメリカのラムズフェルド国防長官がちょっといら立っていて、別のところにしたらどうかというようなことをしたという新聞報道がなされているわけですが、これは事実ですか。
  107. 川口順子

    国務大臣川口順子君) そのような打診を受けたということはございません。
  108. 大田昌秀

    ○大田昌秀君 もし打診を受けた場合にどうなさいますか。
  109. 川口順子

    国務大臣川口順子君) 打診を受けたことがないので、そういう前提でそのお話をすることは難しいということですけれども、政府の立場は、前から申し上げているように、平成十一年の閣議決定に従って、地元の公共団体、地方公共団体の方々お話を、協議をしながら、これをきちんとやっていくということが政府考え方であるわけです。
  110. 大田昌秀

    ○大田昌秀君 先日も問題にいたしましたけれども、下地島空港を作る場合の条件があったわけですから、その辺りは是非外務省としても十分に認識していただきたいと思います。  北米局長にちょっとお伺いしたいんですが、これは通告してございませんけれども、先日、英文の、都市型ゲリラ訓練施設と違いの問題について英文で教えていただいて、ありがとうございました。  今、地位協定についてアメリカの方で協議中だと理解しておりますけれども、平成七年十月二十五日に日米合同委員会で合意された、いわゆる殺人又は強姦という凶悪な犯罪の特定の場合に、日本国が行うことがある被疑者の起訴前の拘禁の移転についてのいかなる要請に対しても好意的考慮を払うという言葉がありますね。これ、英文見ますと、シンパセティックコンシダレーションとなっていて、どうも日本外交はアメリカに追随ばかりしているということがよく批判されるわけなんですが、この主権国家の日本国内において、犯罪を犯した国の方からシンパセティックコンシダレーションを払うというそういう表現というのは、これは非常におかしい。日本語で好意的配慮を払うというふうになっているわけです、外務省の訳は。これについてどうお考えでしょうか。
  111. 海老原紳

    政府参考人海老原紳君) 確かに九五年の合同委員会合意では、今のような、殺人又は強姦という凶悪な犯罪の特定の場合ということで、被疑者の起訴前の拘禁移転を要請した場合には、米側はいかなる場合にも好意的な考慮を払うというふうになっておりまして、この英語は、今、大田委員がおっしゃいましたように、シンパセティックということになっております。  このシンパセティックという言葉でございますけれども、これはひとつ一例を挙げさせていただきますと、シンガポールとの間で新たな時代における経済上の連携に関する協定が、これは二〇〇二年でございますけれども、国会の御承認もいただいて締結をされておりますけれども、ここでも、「要請を受けた締約国は、当該要請に対し十分かつ好意的な考慮を払うもの」とするという一文が六十六条にございますけれども、これもシンパセティックコンシダレーションという言葉になっておりまして、この言葉自体が、さっき大田委員がおっしゃいましたようなニュアンスを持つというふうには我々は考えておりません。
  112. 大田昌秀

    ○大田昌秀君 これは一般的に私の判断では、上下関係を示すような、同情的という上下関係を示すような感じがいたします。  時間がないので省きますが、防衛施設庁にちょっとお伺いしたいんですが、おられますか。──おられません。じゃ、結構です。  パレスチナ問題について、実はせんだって、エジプト、シリア、イランの在京イスラム各国の大使と意見交換した際に、パレスチナ問題の解決というのが非常に重大だという、重要だということが話が出ましたけれども、今外務省としてはこのパレスチナ問題の解決に向けてどのような外交政策を取っておられるんでしょうか。
  113. 堂道秀明

    政府参考人堂道秀明君) このパレスチナ問題については、私どもとしましても大変重要な問題であり、我が国の中東外交上もそのかぎになる問題だと承知しております。  現在、いわゆるロードマップに従ってその二国間、国家のその構想を進められておりますが、残念ながら、これについては行き詰まりを見せております。また、先般のヤシン師の殺害がございまして情勢が緊迫をしていると。こういう中で、私どもとしましては、関係諸国との連絡を緊密にし、何とかこのロードマップに復活するような外交努力をすべきと思っております。  同時に、そのパレスチナの人民に対しても救済の手を差し伸べるべく、援助等について引き続き努力していきたいと考えております。
  114. 大田昌秀

    ○大田昌秀君 終わります。  ありがとうございました。
  115. 山本一太

    委員長山本一太君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。  本日はこれにて散会いたします。    午後二時三十一分散会