○伊藤
基隆君 私は、昨年の八月末に参議院の公式訪問団としてポーランドを訪問しました。ポーランドに対する日本からの投資が低いと、あらゆる行き会った政治家が全部私たちに投資の
拡大ということを言いました。そのときに、在ポーランドの大使が、小野大使でしたか、実はポーランド
政府に対して投資を誘発する、
拡大するための具体的な提言を行っているんですね。条件
整備をしなければ駄目なんだということでの具体的な提言を行っていると。私は、その提言の内容は非常に具体的であって、実行可能であって、それに対して即座にこたえられる
体制というものはあると思うんですが、ポーランド
政府はなかなか重い腰を上げようとしていないように感じます。ただ投資の
拡大をしてくれということを言うだけで。そのことを私も会談の中で言いました。大使からの提言についてもっと真正面から受け止めるべきではないかと、解決すべきじゃないかと。答えはあいまいな答えでありましたけれども。日本へ帰ってきてポーランド大使館との会合のときもそのことを言いましたが、はかばかしくありません。
私は、このポーランド日本大使館の大使の
動向というのは非常に優れていると思います。モスクワの日本大使館もやはり
外務省と一体でありますから、是非それ相応のとかいう以上の力を発揮すべきじゃないかということを感じております。大使館の重要性というのを、今まで何回も外国を訪問して大使と会いましたが、初めてポーランド大使からそういうものを感じましたので、
感想として申し上げておきたいと思います。
次に、
沖縄問題についての基本認識をお聞きいたします。
西銘先生も先ほど
基地問題について触れました。
沖縄のそこにある思いというものが、いつでも
沖縄県人と話すと感じる、そのそれを今日もここで、この席で感じました。
沖縄は、すべての日本人が知っているように第二次大戦末期の四五年三月から我が国で唯一の地上戦の場となりました。島の地形さえも変わったと言われる九十日間の激しい戦闘で、文化遺産のほとんどが破壊され、二十万人もの人命が奪われています。日本守備軍は
本土決戦を遅らせるために出血持久戦を採用したと。これに対する
米軍の掃討作戦によって、非戦闘員である一般住民の犠牲は、軍人を上回る十二万人に達しております。すべての人が知っていることをあえて
沖縄問題を言うときには言う必要があると私は思っておるわけであります。
戦後は日本
本土と
分離されて二十七年間にわたってアメリカの施政権下に置かれました。この間、人権、民主主義、安全が脅かされる象徴的な出来事が頻発しています。今なお頻発しています。一九五五年には、六歳の少女が米兵に暴行、殺害され、当時の人々を震撼させております。また政治の場でも、一九五七年に選挙で当選した那覇市長が米民
政府により市長の座を追われました。一九五九年にはジェット戦闘機が小学校に墜落して百三十八人が死傷するなど、
基地の島で事故が相次ぎました。
私は、郵便局の労働組合、全逓信労働組合の出身でありますが、
沖縄の全逓の亀甲という
委員長がいます。亀甲
委員長は、労働条件の向上を目指してストライキを指導して、全県の労働組合の先頭に立って闘って投獄をされています。民主主義国アメリカの、米民政権によって投獄をされているということも、私たちにとっては非常に重い過去の出来事としてずっと引きずってきております。
沖縄の人々が様々な抑圧や苦しみを受け、理不尽な日々を送った時代としてだれもが記憶していかなきゃならないことだろうというふうに思います。
一九七二年に
本土復帰をしましたが、
沖縄への
基地集中は変わっておりません。現在、在日
米軍施設の七五%が
沖縄に置かれ、
米軍基地が
沖縄本島の面積の一九%を占めています。
沖縄の経済問題の根幹はここにあるというのはだれもが持っている認識であろうというふうに思います。これが簡単に除去できない又は削減できないとするならば、これを補い得る日本
政府の対応、中央
政府の対応というものが、
米軍はもとより、
沖縄の、
沖縄の経済・政治問題に対して力を入れていく必要があるんじゃないかというふうに思っています。
沖縄戦終結五十周年を記念して建設された平和の礎、礎という字をイシジというふうに
沖縄では言うようでありますが、そこには、「
沖縄の歴史と風土の中で培われた「平和のこころ」を広く内外にのべ伝え、世界の恒久平和を願」う。あれだけの激しい戦闘の中で犠牲を受けながら、その培われた平和の心を世界に伝えていこうという
沖縄の心であります。今日では当たり前のように感じられている戦後日本の平和や繁栄が
沖縄県民の痛みや苦しみの上に成り立っているという事実を忘れてはならないと思います。
このような
沖縄の事情について、両
大臣の基本的な認識をお聞かせ願います。
また、昨年十一月、米国
政府は海外駐留
米軍の再編問題について
協議に着手する旨を表明しておりますが、
沖縄県民にとって
米軍基地の削減は悲願とも言えることであります。この再編問題と在沖
米軍基地の削減についてどのように対応される所存か、
外務大臣にはそのことを併せてお聞かせ願いたいと思います。