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政府特別補佐人(秋山收君) 具体的な判断と申しますよりは、私
どもの立場として一般論をちょっと申し上げさせていただきますが、
我が国の多国籍軍への参加につきまして従来
政府が申し上げましたことを簡単にまとめてみますと、いわゆる多国籍軍については、個々の事例によりその目的、任務が異なるので
我が国がこれに加わることの可否を一律に論ずることはできず、当該国連決議の内容、それから多国籍軍の目的、任務、編成など具体的な事実
関係に沿って、
我が国として武力の行使を行わず、また
我が国の活動が他国の武力の行使と一体化しないことがいかに確保されるかということを基本にして検討されるべきものである。それから、当該多国籍軍の目的、任務が武力の行使を伴うものであれば、
我が国としてこれに参加し当該多国籍軍の司令官の指揮を受けて活動することは
憲法との
関係で問題がある。それから一方、当該多国籍軍の目的、任務が武力の行使を伴うものでなければ、
我が国としてこれに参加することは
憲法上許されないわけではないということでございます。
それで、私の本日の
外交防衛
委員会における答弁は、従前のいわゆる多国籍軍は、湾岸
戦争時のように、のいわゆる湾岸多国籍軍のように、武力の行使をその基本的な目的、任務とするものでありましたが、多国籍軍にもいろいろな類型のものが
考えられるということを踏まえまして、ただいま申し上げた一般論に従いながら個別の
事案に即して検討する必要がある旨を申し上げたものでありまして、従来の
政府見解を繰り返したものでございます。
それで、今の武力、したがいまして、先ほどのお尋ねについてお答えすれば、それが武力の行使、湾岸多国籍軍型の武力の行使を、基本的にそれのみを任務とするようなものでありましたら、
我が国としてこれに参加し当該多国籍軍の司令官の指揮を受けて活動することは
憲法との
関係で問題があると思います。
他方、一般論として、多国籍軍の目的、任務に武力の行使を伴うものと伴わないものと両方があるというようなものについて
考えてみますと、これは従来余り論じられておりませんでしたので、従来の
考え方に沿ってそれを敷衍して申し上げるわけですが、
我が国として、当該多国籍軍の業務のうち武力の行使を伴わない業務に限って、他国の武力の行使と一体化しないということが確保される形で行うことが認められると、かつ
我が国としての活動の期間を通じてそのことが確保されるというような仕組みがある場合に、
我が国としてこのような態様の下に多国籍軍の活動に加わることは否定されるものではないと
考えます。
将来の安保理決議に基づく多国籍軍の活動に
我が国が加わることの可否についても、ただいま申し上げましたような点を考慮して検討されるべきものと
考えます。