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2004-04-15 第159回国会 参議院 イラク人道復興支援活動等及び武力攻撃事態等への対処に関する特別委員会 第8号 公式Web版

  1. 会議録情報

    平成十六年四月十五日(木曜日)    午後三時十五分開会     ─────────────    委員異動  四月五日     辞任         補欠選任      大江 康弘君     池口 修次君      山本  保君     荒木 清寛君  四月十四日     辞任         補欠選任      辻  泰弘君     谷  博之君      森 ゆうこ君     大塚 耕平君     ─────────────   出席者は左のとおり。     委員長         清水 達雄君     理 事                 田村 公平君                 常田 享詳君                 舛添 要一君                 齋藤  勁君                 若林 秀樹君                 高野 博師君                 小泉 親司君     委 員                 大野つや子君                 小泉 顕雄君                 後藤 博子君                 田浦  直君                 西銘順志郎君                 野上浩太郎君                 福島啓史郎君                 藤野 公孝君                 松村 龍二君                 三浦 一水君                 森田 次夫君                 山崎  力君                 池口 修次君                 岩本  司君                 大塚 耕平君                 神本美恵子君                 佐藤 道夫君                 榛葉賀津也君                 高橋 千秋君                 谷  博之君             ツルネン マルテイ君                 平野 達男君                 荒木 清寛君                 森本 晃司君                 池田 幹幸君                 吉岡 吉典君                 大田 昌秀君                 山本 正和君    国務大臣        外務大臣     川口 順子君        国務大臣        (防衛庁長官)  石破  茂君    副大臣        防衛庁長官   浜田 靖一君        外務大臣    阿部 正俊君    大臣政務官        防衛庁長官政務        官        中島 啓雄君    事務局側        常任委員会専門        員        鴫谷  潤君        常任委員会専門        員        田中 信明君    政府参考人        防衛庁防衛参事        官        松谷有希雄君        防衛庁防衛局次        長        山内 千里君        防衛庁運用局長  西川 徹矢君        総務省情報通信        政策局長     武智 健二君        外務大臣官房参        事官       鈴木 敏郎君        外務大臣官房領        事移住部長    鹿取 克章君     ─────────────   本日の会議に付した案件 ○イラクにおける人道復興支援活動及び安全確保  支援活動等並びに武力攻撃事態等への対処に関  する調査  (在イラク邦人人質事件に関する件)  (イラクにおける自衛隊部隊活動状況及び  治安情勢等に関する件)     ─────────────
  2. 清水達雄

    委員長清水達雄君) ただいまからイラク人道復興支援活動等及び武力攻撃事態等への対処に関する特別委員会を開会いたします。  委員異動について御報告いたします。  去る五日、大江康弘君及び山本保君が委員辞任され、その補欠として池口修次君及び荒木清寛君が選任されました。  また、昨日、辻泰弘君及び森ゆうこ君が委員辞任され、その補欠として谷博之君及び大塚耕平君が選任されました。     ─────────────
  3. 清水達雄

    委員長清水達雄君) イラクにおける人道復興支援活動及び安全確保支援活動等並びに武力攻撃事態等への対処に関する調査のうち、在イラク邦人人質事件に関する件及びイラクにおける自衛隊部隊活動状況及び治安情勢等に関する件を議題といたします。  まず、政府から順次報告を聴取いたします。川口外務大臣
  4. 川口順子

    国務大臣川口順子君) 八日、イラクにおいて三人の邦人人質になったことを示唆する映像が存在するという情報外務省にもたらされました。  外務省では、直ちにイラク人質事件緊急対策本部を立ち上げ、また逢沢外務大臣アンマンに派遣して、十日、逢沢副大臣本部長とする現地対策本部を設置し、現地における体制を強化しました。  人質を取る行為は、いかなる理由であれ許し難い犯罪行為であり、今回の事件が発生したことは極めて遺憾であります。御心配されている御家族のためにも、今井紀明さん、郡山総一郎さん、高遠菜穂子さんが一刻も早く無事に解放されるよう、御家族の御心痛に思いを致し、外務省としても引き続き全力で取り組んでいく考えです。  本件人質事件をめぐる動きとしては、十一日午前、これは日本時間でございますが、アルジャジーラより三人を拘束しているとするグループが邦人人質を二十四時間以内に解放することを決めた旨の報道があり、その後も本件をめぐっては種々情報がありましたが、現在に至るまで残念ながら人質解放に至っておらず、政府としては本件事件早期解決のために引き続き最大限の努力を行っていく考えです。  そのような努力の一環として、人質の安全かつ速やかな解放を求めた私のビデオメッセージを収録いたしまして、十一日、ロイター及びAPTNにより全世界に向けて配信いたしました。また、CPA及び統治評議会を始め、関係国政府等関係各方面への働き掛けを引き続き全力で行っているところです。  総理からは、チェイニー米大統領エルドアントルコ首相に対し、私からは、シャラ・シリア外相シャース・パレスチナ自治政府外務庁長官ハラズィ・イラン外相ベン・ヤヒア・チュニジア外務大臣に対して直接協力要請を行いました。これら働き掛けを通じて、我が国イラク復興のために協力しているのであり、今回の人質事件がいかなる理由であれ許されない犯罪行為であるとの認識が共有されました。関係国政府等からは、本件早期解決のために可能な限りの協力を得ているところであり、引き続き働き掛けを行っていきたいと考えています。  また、本日、イラクにおいて二人の邦人が拘束されたとの未確認情報外務省にもたらされました。その後の種々報道によれば、十四日、安田純平さんと渡邉修孝さんの二名が拉致されたとのことですが、現在事実関係について確認中であります。  外務省としては、本件について第一報を受けて、対策本部において関係在外公館連絡を取り情報収集に努めています。八日に誘拐された三人の日本人に続き邦人が拘束されていることが事実とすれば、政府としては直ちに解放されるよう全力を挙げて取り組む考えです。  他方イラクにおいては、この事件と前後して、四月六日から十五日にかけて、米国人英国人カナダ人フランス人スペイン人イタリア人ドイツ人ロシア人イスラエル人韓国人中国人等、多数の外国人が誘拐される事件が未確認情報を含め多数報道されております。これらの事件については既に人質が釈放されている例もありますが、未解決とされる事件人質の殺害に至った例も伝えられています。  外務省としては、イラク治安が悪い状況の下、これまで一貫して危機情報退避勧告を発出し、イラクへの渡航はどのような目的であれ見合わせることを、また既にイラクに滞在されている方については直ちに退避するよう強く勧告してきました。  また、昨年の対イラク軍事行動で主要な戦闘の終結が宣言されて以降、二十八回にわたり邦人のための注意速報であるスポット情報を発出し、誘拐も含めテロ攻撃の危険について注意喚起に努めてきました。このような中で、今般の人質事件が発生したことは誠に遺憾なことと考えています。  外務省としては、重要なことは、自らの行動と安全については自ら責任を持つという原則に基づいて各人が行動することであると考えており、特にイラクへの渡航についてはどのような目的であれ絶対に見合わせることを、また、既にイラクに滞在している報道関係者を含む邦人に対しては、イラク退避勧告が発出されていることにつき再度明確に注意を促し、安全な方法で直ちにイラク国外に退避するよう改めて強く勧告いたしております。  以上でございます。
  5. 清水達雄

  6. 西川徹矢

    政府参考人西川徹矢君) 自衛隊活動状況について御報告いたします。  陸上自衛隊部隊につきましては、中学校補修あるいは道路整備を実施して、そしてさらには給水車への給水作業を行ってまいりました。そのほかにも、医療支援活動につきまして、症例検討会に参加したり、あるいは母子病院に供与されました医療器材を利用した診療技術指導、助言を実施してまいりました。  他方サマーワ陸自部隊におきましては、様々な情報がございまして、これに基づき、先週初めより宿営地外での活動を一部慎重に行うことといたしまして、給水活動を中心に復興支援活動を実施してきたところでございます。しかし他方で、活動再開に向けました現地住民の期待も大変大きいこと等をかんがみまして、安全確保に十分配意した上で四月の十三日より、そしてまた昨日十四日より、それぞれこの中学校補修ないし医療支援活動再開を行っているところでございます。  現地部隊におきましては、現地の時間で四月の七日の午後十一時過ぎに、サマーワ宿営地の近傍におきまして迫撃砲又はロケット弾によるものと思われる爆発音が三回ございまして、翌朝来その捜索を実施しましたところ、それぞれの着弾地点を二か所、そして市内におきまして迫撃砲底板でございますが、底板それから弾薬箱りゅう弾一発を確認したところでございます。  また、サマーワCPA付近で発生いたしました爆発事案に関しましては、当方の現地部隊が八日の午後十時半ごろにその爆発音があったことを確認しているところでございます。  このほかに、現地部隊報告によりますと、九日及び十四日にサマーワ市内で小規模でございますがデモが発生して、デモが行われておりますが、いずれも平和裏に終息しておると、こういう報告を受けております。  次に航空自衛隊部隊についてでございますが、一日から十四日までの間、人道復興関連及び関係各国関係機関等の物資、人員の輸送を計五回実施したところでございます。  それから、続きまして海上自衛隊部隊についてでございますが、輸送艦護衛艦、それぞれ一隻が、クウェートにおける任務を終了いたしまして本邦へ帰路にございましたところ、八日の日に両艦とも無事に本邦に帰着いたしました。  最後になりますが、イラク日本人が拉致された事案につきましては、防衛庁といたしましても、今後とも官邸及び外務省等関係省庁と緊密に連携し、人質解放に向けて協力してまいる所存でございます。  以上でございます。
  7. 清水達雄

  8. 鈴木敏郎

    政府参考人鈴木敏郎君) イラク治安情勢について御説明させていただきます。  イラク治安情勢は先週来緊迫しております。CPAが、シーア派指導者の一人であり反米で知られるムクタダー・アル・サドル師が主宰する週刊紙の発行を停止処分としたことや、四月の初めにサドル師の片腕であるヤアコービー師を拘束したことを機に、先週、イラク各地サドル師支持者駐留連合軍との衝突が生じました。  CPA報道官は、昨年四月のホーイ師暗殺の容疑でイラク司法機関サドル師逮捕状を出していることを明らかにしております。また、ブッシュ大統領は、サドル師民主主義を繁栄させる代わりに武力に訴えようとする人物である、これをこのままほうっておく、ほうっておくわけにはいかないという旨を明らかにしております。他方シーア派最高指導者であるシスターニ師は、六日付けでファトワを発出いたしまして、一連の事件対処における占領軍のやり方を非難する、平和的方法を通じて事態の収拾を図ることを求めるとともに、更なる混乱と流血につながる行為を避けるよう求めております。  サマワでございますけれども、七日にサドル師支持者によるデモが行われる予定でございましたけれども、これは中止され、九日及び十四日に小規模なデモ平和裏に行われているという状況がございます。  こうしたサドル師支持者との衝突がある一方で、スンニ・トライアングルに位置しておりますファルージャでは、三月三十一日に米民間人四名が殺害される事件が発生いたしましたが、この後、米軍による掃討作戦が強化されております。ファルージャでの戦闘により、これまでに多数の死傷者が出てきている模様であります。九日にブレマー行政官ファルージャでの作戦行動を一時停止する旨の考えを表明いたしましたが、十一日に午前十時、これは現地時間でございますが、から十二時間の停戦が成立し、その後、統治評議会のメンバーの仲介もありまして、この停戦期限が累次延長されてきております。現在、散発的な戦闘は起きておりますが、停戦は維持されている模様でございます。  ラムズフェルド国防長官は、六日、こうしたイラク国内における状況を踏まえまして、現時点では米中央軍は計画に変更はないとしている、おりますけれども、いつでも増派要請を行うことができるという旨を発言しております。十三日、米国東部時間でございますけれどもブッシュ大統領は、イラク人への統治権限移譲のためには治安確保が必要であり、連合軍はそのために努力している、更なる部隊派遣が必要であれば派遣する、更なる装備が必要であれば提供する、中央軍司令官要請を行えば、彼はそれを得ることができるということを述べております。また、四日、ブレマー行政官は、アラウィ貿易相国防相に任命いたしております。イラク人治安要員の強化、増大というものも引き続き行われてきております。  また最近、外国人拘束事案が頻発しております。このように現地治安情勢については緊迫度を深めておりますけれども、今後とも引き続き、十分に注意を払っていく所存でございます。  最後に、政治プロセスでございます。  三月の末に国連選挙チームが、また四月の初めにブラヒミ国連事務総長特別顧問暫定政府設立支援等目的バグダッドに到着しております。十四日、ブラヒミ特別顧問バグダッドにおいて記者会見を行いまして、現時点における取りあえずの考え方として、五月中に暫定政府を設立することは可能である、国民会議を開催することにつき多くのイラク人からの示唆がある、また国民会議は来年一月の議会選挙までの期間、諮問議会を選出する、来年一月の議会選挙が実施されるためには治安状況が大幅に改善される必要がある等の諸点を述べております。  これらの諸点につきましては、今後更にイラクの人、イラクの人々との間で協議が行われていくものと思われます。  また、ブッシュ大統領は、十三日の記者会見におきまして、予定どおり六月三十日のイラク人への統治権限移譲を実現することについての強い決意も表明いたしております。  イラク治安情勢につきましては以上でございます。
  9. 清水達雄

    委員長清水達雄君) 以上で報告の聴取は終わりました。  これより質疑に入ります。  質疑のある方は順次御発言願います。
  10. 田村公平

    田村公平君 自由民主党の田村公平です。  ちょうど、四月八日の日本時間で二十一時、アルジャジーラという、カタールともいいますし中東のというクレジットが付いておりますが、そこのテレビ局VTRテープ声明文が送られて、三人の方が人質になって、そして日曜日の、三日間たった日本時間でいう同じ二十一時にというタイム、時間を切られての、それからちょうど今日で一週間。御家族並びに関係御身内の方々、大変なつらい思いをなさっていると思いますし、一刻も早くこの事案解決することを願うものでもあります。  ただ、ちょうど北朝鮮に拉致された方々が帰ってきて今日で一年半というふうに報道されております。我が国の主権の及ぶ我が国の領土内で、何の悪いこともしていない、普通の国民として普通に生活しておられた方がああいう目に遭っております。まだ御家族も帰ってきておりません。そのことを思うと、この一週間のしんどさというか、切なさというか、つらさ、そして一年半の、北朝鮮に拉致されてまだ実態がよく分からない、そういうつらさ。日本国政府、特に外務省は、そういう意味では両案に対してもしっかりした対応をしていただきたいということを冒頭申し上げまして、質問に入らせていただきます。  実は総務省にお伺いをしたいんですが、結局、日本マスコミを含めて常に言われているのが、中東アジアの、日本のメディアもそうですが、アルジャジーラというテレビ、ある放送局中東のとか、あるいはその他のアルアラビアとかアブダビだとか、ちょっと私たちが余りよく知らない放送局名前が出てきますし、それから、そういう間接的にしか入ってこないということで、もし総務省の方で把握をしておれば、これらのテレビ局がどういう形のテレビ局なのか、まあ日本的に言えば民放連があってとか、国営放送ではありませんけれども放送法に基づく日本放送協会、NHKみたいなのか、そこいらのことが分かれば分かる範囲で結構ですけれども、お教えを願いたいと思いますが、よろしくお願いします。
  11. 武智健二

    政府参考人武智健二君) お答えをいたします。  アルジャジーラの番組を放送している事業者カタール国アルジャジーラという名称の財団であるというふうに聞いておるところでございます。  また、その他、中東各国におけるアルジャジーラのような衛星放送局について挙げますと、例えばアラブ首長国連邦ではMBC、アルアラビアアブダビテレビ、レバノンではLBC等が存在しているものと聞いておりますが、詳しいことについてはよく承知しておりません。
  12. 田村公平

    田村公平君 じゃ、財団といっても我々が思う日本財団とはちょっと意味が違うような気もするんですが、いずれにしましても余り詳しいことはよく分からないということでよろしゅうございますでしょうか。
  13. 武智健二

    政府参考人武智健二君) お尋ねの財団の性格についても詳しいこと分かっておりませんし、先ほど申し上げましたように、詳細についてはよく承知しておりませんのが実情でございます。
  14. 田村公平

    田村公平君 外務省にお尋ねしますけれども新聞報道マスコミ報道によれば、現在までイラクでいわゆる人質になったという方の、方々人数が、ある放送は六十人とか五十人とか六十二名とか、十八か国だ、十六か国、十五か国、それぞればらばらであります。多分それだけ情報混乱していると思いますけれども確認というのは何をもって確認というのか、未確認というのは何をもって未確認という判断は大変難しいところがあると思いますけれども、今日というよりも昨夕になるんですか、ゆうべ夜中に、新たにまた日本人の方が、これは確認されていないというふうな政府のコメントはマスコミに聞いておりますけれども、そういうことを含めまして、諸外国、何か国で一体政府が把握しておるところのいわゆる人質人数、それから国の数をお教え願いたいと思いますけれども
  15. 鹿取克章

    政府参考人鹿取克章君) お答えいたします。  未確認情報を含めてでございますが、我々が今把握しているのは十八か国でございます。人数は六十人強ということで把握しております。
  16. 田村公平

    田村公平君 じゃ、それ、十八か国、六十人強ということは、十八か国は当然イラク以外の国でありますから、それらの国々とどのような連絡を取っておるのか。もちろん言えない話もあるでしょうけれども、横の連絡を取りながら、情報交換をしながら事態対処に当たっているかどうか。可能な限りで結構ですから、お答えをいただけたらと思います。
  17. 鹿取克章

    政府参考人鹿取克章君) 今私どもは様々な問題について関係国と協議しておりますが、この問題の特殊性先生よく御承知のとおりでございますので、詳細は、恐縮でございますが、差し控えさせていただきたいと思います。
  18. 田村公平

    田村公平君 私、こういうことが起きると、今日実はこの委員会にも同僚議員として常田先生、山崎力先生おられますけれどもフィリピンの中に、まあ一国二制度というんでしょうか、内乱がずっとありまして、南北問題、そして宗教の問題ありまして、ミンダナオの自治州知事兼モロ民族解放戦線議長が是非サンボアンガから彼の生まれ故郷であるソロの方まで来てほしいと、スルー海のところですけれども。  その中にはアブ・サヤフも入っているものですから、かなり、外務省はそういうところに行ってはいけませんよというふうに言われました。それで、自分たちの身の安全を保障してもらうためにミスワリ議長から招待状をいただきまして、それを持ってサンボアンガまで飛んだわけですが、目出帽をかぶってAK47で装備しているかと思えば、ロケットランチャーから手りゅう弾から装備は全くばらばらでありまして、日本の地下足袋をどういうわけか履いている人もいますし、普通のというか、よれよれのスニーカーを履いている人もいますけれども、二十人近い護衛が付いてその地をずっと歩いたわけですけれども。  私なんかの場合はここにまあこうしているということは、三人とも無事に帰ってきたわけですけれども、その後に、九・一一を境にして、フィリピン国軍せん滅作戦に出、そういうせん滅作戦に出たために、たしか湯下大使のときに和平協定ができたと思うんですけれどもフィリピン政府モロ民族解放戦線との間で、そうすると、やっぱりいろんな分派ができて、ちょうど、まんじゅうあんこの入ったまんじゅうを上からごちょんとやると、あんこがどんどん飛び出していって、一種の無統制というか無秩序、カオス、混乱状態になり、その人たちがマレーシアの観光地に来ていた観光客を拉致したり、あるいは、たしかドイツだったと思うんですけれども、取材の記者人質に取ったとか、極めて今の情勢と似たようなことがモロ民族解放戦線の中でも起きたことを考えますと、ある意味でよく無事に帰ってきたなという思いがいたします。  今、こうして考えてみますと、今日また新たに、外務省の言い分ではそれは確認が取れていないからなかなか、しかしもう名前まで実は全部挙がっていますし、一体、今報告にありましたけれども、本当の話、かの地に、何でこんなことを言うかといいますと、外交特権を持っておる外交官が二名殺害されたことも事実であります。犯人もまだ特定もできていません。で、把握しろというのは無理だとは思いますけれども、どうしてそんなに、七十人とか、僕はもっと、下手すると百人ぐらいいるんじゃないかと思います。あるいは周辺国にいる人を入れたらもっといるんじゃないかという気がしますけれども、そこいら、限りなく実数に近いのは七十名なんでしょうか、百名なんでしょうか。
  19. 鹿取克章

    政府参考人鹿取克章君) 今、私どもとしては、このイラク状況を踏まえまして、例えばアンマン館員を、周辺国から館員を派遣して増強して対応すると、そういういろいろな形での努力を続けているところでございます。
  20. 田村公平

    田村公平君 もうちょっといろいろ言いたいことあるんですけれども、余り言い過ぎて人に迷惑掛けるというのは、こういうことを議論していることは恐らく、リアルタイムとはいかなくても、いろんなルートでいろんなところに悪い、プラスの影響にはならないと思う気がするものですから、これ以上言いませんけれども。  私が非常に危惧しておるのは、自分の経験で言わせていただきますと、報道によればタクシーの運転手さんを雇ってと言いますけれども、実はタクシーというのは基本的に日本のようなタクシーではないわけでして、その人がいつ追いはぎに変わるかもしれない。あるいは、泊まっておる一種のたまり場に、私も野宿しながら世界一周したときに、あそこへ行くといろんな情報が集まるよという拠点になるような安いホテルというよりも木賃宿みたいなところがあるんですけれども、そこでいろんな情報を交換しながら野宿しながら世界一周した経験ありますけれども、そういうところですら、日本人というのはとにかくその当時から金持ちと見られていまして、親切な旅館のおやじさんが実は裏に回ると、本人は直接じゃないんですけれども、追いはぎの、強盗というんでしょうか、そういうのに通報していてとか、そういうことが容易に起こり得る地域であるように私は今も思っています。  ましてや、今大臣からも説明ありましたけれどもCPA及び関係の機関にといいますけれども、国境があって国境がないような、金積めば、それは要所要所の幹線道路は検問があるにしても、裏道通れば出入り自由というか、そういうところ、そしてそういう場所にこれからもいろんな人が、決して物見遊山とは言いません、しかし、今度はバクダッドとかそういうイラク国内じゃなくして周辺部でそういう事件が起こり得る可能性も一杯あると思います。今年になって十三回ですか、避難、行っちゃいけないよとか、勧告を出したと言っていますけれども、正確には十四回になるんですか。  それで、そのことももっと周知徹底をしてあげないと、日本の常識はある意味で世界の非常識な部分ありますし、そういう意味ではもっと強い姿勢で、危ないところに行ってくれるなと。多分この一週間、御家族の方もそうでしょうけれども政府関係機関も恐らく寝ていない。時差の関係これあり、限られた人数事態のいろんな、正に確認の取りようのないところでやっておると思いますので、私自身は委員会で、私にもし力があったら自分が乗り込んでいって、相手が分かっておったらぶったたいてでも、三人なら三人、救出する能力があれば行きたいぐらいに思いますけれども、私にはそんな能力もありませんし、本当につらい思いがあります。  ただ、一つ、私はいつも外務省の批判、政府の批判することを与党でありながらやってきていますけれども、ただ一つタイミング良くやってくれたなと思ったのは、テレビ屋、テレビ局に勤務した人間としては、外務省にしては珍しく、大臣がVTRに収まって、それをちゃんとしたメディアを通じて日本国の思いというんでしょうか、意見をきちっと、その相手がどこに、特定できない状況ですから、いろんなグループに分かれているはずですし、どこかでテレビは見ているはず。そういう意味での発信をしたことは私は大変素早くきれいな対応をしたと思っています。  今後とも折に触れて、これはここで議論したって、それはある程度時間差があるし、それからリライトされて出ていった場合は分からないわけですから、政府として相手をつかまえにくいのも分かります。特に、今御説明のありましたように、CPA自体がどうなっていくのか分からない部分もあります。合衆国大統領は、選挙が近いせいなのか、六月三十日ということを一生懸命記者会見でも言っておりますけれども、これも本当に先のことはどうなるか分かりません。  そういうことを含めて、私は、大臣じゃなくても結構ですが、政府、きっちりした取組、それから正確な判断をするためには十分な睡眠時間も取っていただきたい。寝不足続くと必ずどこかでケアレスミス出ます。そのことが人命にかかわることになります。そういう応援体制を含めての取組のことをお伺いして、私の質問を終わりたいと思います。
  21. 川口順子

    国務大臣川口順子君) 人質事件につきましては、先ほど申しましたように、政府として、そして外務省としても最大限の今努力をしつつございます。一日も早い救出をと思っております。  外務省では、この事件が勃発を、起こりまして以降、オペレーションセンターに常時百人、時によってはそれを上回る人数が勤務をいたしておりまして、かなりの人間が徹夜あるいは睡眠時間を削って今仕事をいたしております。邦人保護というのは我々の領事移住部の持っている仕事でございますので、政府内の関係の省庁とも御相談をしながらベストを尽くしております。  先ほどおっしゃっていただきましたけれども、今の時点では、ここで私どもが申し上げることがいかなる犯人グループに対してメッセージの発信になってしまうかということが予断できませんし、十分に、人命が懸かっていることでございますので注意をしなければいけないと思っております。そういう意味で、今の時点では非常に申し上げられることが限られているということもお許しをいただきたい、御理解をいただきたいと思います。  この二番目に起きた、まだ確認を最終的にしておりませんけれども事件というのは私どもが非常に危惧をしていたことでございまして、特に報道陣の方を中心として、この三人の人質事件報道するために大勢イラクに現在いらっしゃるという状況でございます。こういう事件がまた起こってはいけませんし、危険なところでございますので、我々としては、是非、今イラクにいらっしゃる方については早く退避をしていただきたいと思いますし、それから、これから行かれようとなさっている方についてはこれは絶対にやめていただきたいというのがお願いでございます。  引き続き最大限の努力をいたします。
  22. 田村公平

    田村公平君 終わります。
  23. 齋藤勁

    ○齋藤勁君 民主党・新緑風会の齋藤勁でございます。どうぞよろしくお願いいたします。  私も冒頭、三名、そして新たに加わりましたお二人の人命尊重、救出に向けまして、政府、各省が真剣に取り組まれていることについて、まずねぎらいたいというふうに思います。是非頑張っていただきたいというふうに思います。  そこで、先ほど外務大臣から、イラク情勢、とりわけ二邦人拘束情報の件ということで今も答弁もございましたけれども、現在、拉致された模様であるが現在事実関係について確認中であると。これが本日零時三十分、報道関係者からの現時点での説明でございますが、この確認に作業中なようですが、どういう方法で、どういうルートでこの確認を取ろうとしておるのか。  率直に申し上げまして、今の時点で十五時間過ぎようとしておりますが、現地はいろいろな状況があると思うんですが、私ども、ある意味では日本的な感覚で質問するかも分かりませんけれども、首かしげざるを得ません、確認が取れないということについてですね。率直に述べていただきたいと思います。
  24. 川口順子

    国務大臣川口順子君) 十六時間でございますけれどもイラクと時差が五時間ございまして、今イラクで午前の十一時近くになったところということでございまして、夜の間は何もできなかったということでございます。  どのような方法確認をするかということでございますけれども、これはそもそも一番最初は、そのお二人と一緒にいらしたとされる方から日本に対して、日本のある方に対して連絡があったということから始まっているわけでございます。現時点では、その方も含めてコンタクトをすることができない状況でございます。いろいろな方法でできる限り、まず確認をしたいというふうに思っているわけでございます。
  25. 齋藤勁

    ○齋藤勁君 率直に申し上げまして、事情が分からない者にとりましていら立たしい気持ちですね、確認が取れないと。一方で、報道は拉致をされたということがずうっと先行している。我が国政府として確認取れないということしか入ってこないということについて、確認が取れたらどういう救出をするんだということになっていくんですが、そこまで行っていないんじゃないかと思いますね、新たな二人。  それから、さきの三名については、今も触れられておりますが、昨日も、総理も党首討論やその後の記者に対する説明で、さきの三名の方々については大方の情報として生命には支障がない、安全であると、こういう表現をテレビの前でされておりますが、外務大臣もそういう認識に立っているということでよろしいでしょうか。
  26. 川口順子

    国務大臣川口順子君) 三人については今確認できないということでございますけれども、その意味は、先ほど先生がおっしゃられた、総理のおっしゃったことでよろしいかと思います。
  27. 齋藤勁

    ○齋藤勁君 イタリア人四名が拉致をされまして、そのうちお一人が殺害をされたという大変衝撃的なこれまた報道が入ってまいりました。イタリア人が四名拉致をされたときのこの模様がビデオで送り続ける、グループ名が類似をしている、そしてまたイタリア軍の撤退を求めているということなど、非常に酷似していますね、我が国の最初の三名の拉致したときに同じような、同様の。  ここで、イタリア政府日本政府としていろいろ連携を取っていくんだと、こういうような考え方が披瀝されていますけれども、どういう情報交換とかされてきたんですか。
  28. 川口順子

    国務大臣川口順子君) 報道でイタリアと連携を取っていくということがございましたけれども政府としてそのように申し上げたことはございません。  イタリアのケースと日本のケースと、確かに似ていることもあるかもしれませんけれども、また違う部分も多くございます。政府といたしましては、この件について特定のことを予断をして物事を判断するということはしてはならないことであるというふうに考えております。  なお、関係の国々とは、いろいろな国と、先ほど一部の国の名前を挙げましたけれども、連携を取って、連携をといいますか、情報を聞いたり協力をお願いしたり、そういうことをいたしております。そういうことをいたしておりますけれども、具体的に、先ほど例示をいたしましたが、どの国とどのような情報をシェアしているか、あるいは協力を依頼しているかということについては、いろいろなお立場がありますので、先ほど申し上げたように、何か申し上げることが人質の安全にかかわってはいけないということがございますので、今の時点では控えさしていただきたいと思います。
  29. 齋藤勁

    ○齋藤勁君 そうすると、今の大臣の答弁ですと、イタリア政府ともいろいろ話合いをしている、していないとも申し、話していないわけですね、発言されていないわけですね、そういうことしか、域が出ないということなんですね。
  30. 川口順子

    国務大臣川口順子君) この話は我が国だけで解決ができる話だと思っておりません。多くの外国人の方も拉致をされたということがあるわけでございます。また、CPAというのが今イラク治安に責任を持っている責任者でもございますから、CPAイラク政府、いろいろな方とお話をさせていただいています。どの国とどういうことについて協力をお願いをしているかとか、どういう関係者がいるかとかいうことについては、これは非常に人質の安全にかかわる重要な情報でございますので、今の時点では申し上げるのを差し控えたいと思います。
  31. 齋藤勁

    ○齋藤勁君 これは、あらゆるといいましょうか、多くの報道で、先ほど申しました、いわゆる警察能力、警察官ではなくても、このビデオを送り付けるやり方とかそのグループ名だとか犯行の形態が非常に酷似しているということは、一般的にはだれもが判断することじゃないかと思います。  さてそこで、私はなぜ、イタリアの例をお話しさせていただければ、一人亡くなったということはだれもがこれまた報道で知って、これはイタリア政府も認めているわけでありまして、イタリアの政府は、一つは、私は、こういう報道がございます。イタリアは、外務大臣、イタリアの外務大臣は十四日、イタリアの議会で、事件解決方法を探るための代表団をバグダッドに派遣、一方で犯人側との直接交渉やその要求に応じる考えはないことを表明をしていたと、こういうことになっております。一つは、十四日の議会でという、このイタリア議会で、イタリア政府は直ちに代表団をバグダッドに派遣する。我が国は、この三名の救出問題について逢沢副大臣アンマンに行かれているというのはありますが、バグダッドまで入っていると。一方で、犯人側との直接交渉や要求に応じる考えはないけれどもという具体的にアクションを示しているということ。  ここら辺ちょっと、犯行は類似していますけれども政府側の対応としては、私はある意味では、積極性の問題でいえば、イタリア政府というのは最も積極的じゃないかという点を見受けられるということが一つ。  もう一つは、殺害を伝えた、この話は、今、三名の方々の御家族とか、ある意味ではただ単に、お二人の今行方不明ということになると、大変私自身も言うのはつらい気持ちですけれども、事実としてお伝えしなきゃなりませんのは、先ほどいろいろやり取りございました、衛星テレビ局アルジャジーラ、イタリア軍の撤兵について犯行グループと交渉する考えはないと語ったベルルスコーニ首相のコメントが出た直後に人質が殺されたという、こういうふうに伝えているわけでありまして。大変、すべてイタリア人と、拉致をされた、日本人を拉致されたということで、これ同一視をするつもりは完全にないんですが、大変危惧している情報でありますので、先ほど来、冒頭申しました、イタリア政府日本政府はどういうようなやり取りをしているんだろうかと、救出に向けてどういうふうにやり取りをしているんだということが一番最初に実は来た質問でございまして、私は、そういった比較とかを含めまして、より一層の何か積極性を日本政府として国民あるいは家族に示すべきだろうというふうに思いますけれども、その点いかがでしょうか。
  32. 川口順子

    国務大臣川口順子君) イタリア政府が、今委員がおっしゃったような対応をしているかどうかについて私ども確認をしておりませんけれども、いずれにいたしましても、それぞれの国の政府はそれぞれの国の考え方で自分の国の人質事件については対応をしているというふうに思います。  我が国として、逢沢副大臣現地対策本部長としてヨルダンにいらっしゃって、そしてバグダッドには我が方の大使館もございまして、いろいろな可能な限りのあらゆる手段を今講じてこの問題に取り組んでいるわけでございます。日本政府のやり方が決して消極的であるというふうに私は考えておりませんし、今やっている以上のことを、今の時点ではこれ以上のことはできないというふうに考えております。  交渉の仕方、どのようにこういう人質事件に対応するか、これはいろんな考え方があると思います。日本としては一番いいと思う方法を取って今解決に取り組んでいるわけでございます。
  33. 齋藤勁

    ○齋藤勁君 昨日、この間の様々な委員会政府との、この人質事件が起きてからやり取りを、まあ衆議院もそうですけれども、多分想定はしていましたけれども、なかなか答弁いただいている域を出てこないと、今まで。というので、それなりの相手側に対するメッセージは、これは難しいというふうに思いますが、一方で大変、先ほどの田村委員の質問でもございました、長時間になっています、長時間。これは家族、そして新たなまた二人の拉致されたこともあり、国民の非常にある意味ではうっせきした気持ちもありますが、やっぱり国民に対する、私、何をしてきて何をしようとするんだということについて、率直なやっぱり最大限の政府としての情報公開を私は可能な限りすべきだというふうに思いますので、是非そのことを求めさしていただきたいというふうに思います。  そこで、防衛庁長官、このサマワに、この宿営地付近に迫撃砲を撃ち込まれたということでこれも報告をいただいておりますけれども、隊員に対して、隊員各位ですね、隊員、精神的な動揺というのは見られませんですか、大丈夫ですか。
  34. 石破茂

    国務大臣(石破茂君) これは、私ども市ヶ谷と現地、いろいろな回線を使いまして、またテレビ電話も使いまして常に連絡は取っておりますが、動揺は一切ございません。
  35. 齋藤勁

    ○齋藤勁君 そこで、もっとたっぷり時間あって、軍事専門家である石破大臣からいろいろ御教示いただきたいなというふうに思いますが、可能の限り教えてもらいたいんですけれども。  月曜日に衆議院でイラク支援特別委員会がございまして、この迫撃砲の、この防ぐ、防げるかという議論がありまして、大臣が我が党の委員の答弁に対しまして、迫撃砲というのはかなり飛んでいる時間があるわけですねと、放物線を描いて飛びますから。そういたしますと、その間にどうやって被害を極小化できるか、そういうこともきちんと考えるべきものだと私は思っております。しかしながら、じゃ犠牲が生じてからじゃ遅いんだ。先生の御指摘はそのとおりでございます。したがいまして、私どもとしては、どうすれば本当にそのような被害というものを防ぐことができるかということに向けて更に努力をしてまいる責任であるというふうに考えております。御指摘はよく考えてみたいと思っておりますが、私どもとして、そのような迫撃砲に対し、それはもう仕方がないんだというようなことを考えたことはございません。どうやってその被害を防ぐかということが我々の務めだと思っておりますという、これは前原議員に対する答弁ではありますが。  これ、ずっと答弁を読みますと、放物線を描いて飛んでくるから時間があると。それから、被害を最小限とか、こういう防ぐことができるかということになりますと、仕方がないんだということを考えたことがない。何か方法があるんですか、これ、実際。迫撃砲がどこか空飛んできて宿営地でどんかんするときには、未然に防ぐ、何かバリアする方法があるんですか、ちょっと教えてもらいたいと思います。
  36. 石破茂

    国務大臣(石破茂君) 被害に遭うまいと思えば、地下何十メートルかにごうを掘って、そこから出なければ何の被害もないということになりますが、だとすれば一体何のために行ったのかねと、こういうことになってしまいます。  他方迫撃砲というのは、先生も御案内のとおり、面で制圧をするものでございます。ピンポイントでは飛んでまいりません。これは直撃で来るわけではなくて、先ほど先生が御指摘の放物線を描いて飛ぶわけで、射程にもよりますが、何十キロも飛ぶわけではありませんけれども、撃ってから届くまで、弾着いたしますまでにある程度の時間があると。そうすると、その間に退避ということが可能なのかどうなのかということでございます。それも全くできないというものではございません。  もう一つは、私ども宿営地は他国と比べましてかなり広いところに置いております。見晴らしの利くところに置いております。そうしますと、いわゆる見張りというのでしょうか、これは機械的なものも含めてでございますが、かなり見通しのいいところで相手が、迫撃砲というものはそんな簡単に撃てるものではございませんものですから、撃つ兆候というものをどれだけ正確に把握をするか、それが、迫撃砲というのは夕方から早暁にかけて撃たれることが多いわけでございますので、その辺をどのようにきちんと把握をするか、そのための態勢というものをもっと強化することができないか。詳細を申し上げるわけにはまいりませんけれども、そのためにどれだけ視認の能力というものを高くするかということは常に考えておるところでございます。  もう一つは、撃たれて、仮にそういういかなる努力にもかかわらず弾着というようなことになったときに、どうやって被害を極小化するかということがございます。どうやったらば、例えば近くのコンテナに入るとか、ごうの中に逃げるとか、そういうような形で、仮に弾着をしたとしても人的被害というものが極小化できるための手だてというのもございます。そういうようなことで、私ども、ありとあらゆるケースを想定をいたしまして、迫撃砲というものをどうやって予知するか、そしてどうやって避難をするか、被害を極小化するか、そういうことでいろんなケースを想定をしてやっておるわけでございます。  いずれにいたしましても、迫撃砲というのはそんなに命中精度のいいものではございません。命中精度がいいものでないということはそれだけどこに飛んでくるか分からないという面もございますので、その点も勘案しながら議論をし、更に万全を期すべく努力をしておるところであります。
  37. 齋藤勁

    ○齋藤勁君 そういったことについては派遣する前から想定をして研究して行ったということなんですか。
  38. 石破茂

    国務大臣(石破茂君) おっしゃるとおりでございます。
  39. 齋藤勁

    ○齋藤勁君 率直に言って私も軍事専門家じゃないので分からないんですけれども、飛んできて何か逃げるしかないんだったら、飛んでくるといったってあそこで撃っているといえばこれは見張りを増やせばいい話ですけれども、今回も見張りがいたのかいなかったのか。いや想定しているんだったら見張りがいたはずで、いや見張りの以上の遠いところから撃ってきたということになって、しかし、命中の精度が高いか低いかという言い方、高いか低いか、確率というのもあるわけです。  私は、そういった議論が果たして、隊員の生命を本当にきちんと守るという議論が要するに現場で通用する議論なのかどうかということを、防衛庁長官がおっしゃるということで、私は、衆議院の十二日、本当にこういう議論をしているのかなと。ほとんど一〇〇%近くのものがカバーできる、防御できるというようなことが、ある意味では軍事技術的にできるということは、人為的にも含めてできるというならあれですけれども。  私はぞっとするんですよ、率直に言って。ぞっとするんです。だって、着弾したのは数百メートルでしょう、着弾したのが、迫撃砲又はロケット弾というのが宿営地北東数百メートル及び一キロメートル、これはもう場合によったら着弾した。分からなかったわけでしょう。音で、今回の場合は音でどこかに落ちたなということですけれども、おっしゃっていることというのは通用しないんじゃないんですか。
  40. 石破茂

    国務大臣(石破茂君) これは、私も別に軍事の専門家ではございません、可能な限りの勉強をしておるつもりですが。  これ、出ます前に迫撃砲というものは当然想定はしております。そして、実際に行く自衛官たちが様々な議論を行いました。この場合はどうなるのか、予期ができるのか、どれだけの確率で予知ができるのか、そして仮に撃たれた場合にどうやって避難するのかということまで含めてありとあらゆるシミュレーションは行っております。ですから、そういうようなことを考えていなかったわけではございませんし、迫撃砲というものに対する備えというものはやっております。  ただ、世の中に一〇〇%ということはございません。今回も被害は出ておりませんし、先生冒頭お尋ねになりましたように、隊員というものは本当に冷静に、極めて冷静に対応いたしております。動揺があったということもありません。どうやって短い時間でごうに入るかということもあります。これは、我々一般人と違いまして、隊員というのは本当にドンと鳴ってからどれだけの速さでごうに入れるか、安全なところに退避できるかという訓練もこれは行っておると聞いております。詳細は申し上げるわけにはいきませんが。  つまり、どういう場合に何ができるかということで常に考えられる限りの対応をし、また新たな事態が生じた場合に何か欠落した点はないかということも本当に常に検証をしておるところでございます。先生の御心配、よく分かりますが、私どもとして更に万全を期すべく今後とも努力をしてまいりたいということでございます。世の中一〇〇%ということはない、これはもう軍事の常識だと思っております。
  41. 齋藤勁

    ○齋藤勁君 ここで、現実に非常に危険な目に遭っているときに法律を持ち出すというのは、本当はある意味じゃ、私自身はなかなか率直なところ法律がこうだからということで言うのは嫌なんですけれども政府の方が提案して可決した法律ですからあえて言わせていただければ、このイラク特措法、イラク特措法の八条五項、活動を実施している場所の近くで戦闘行為が行われるに至った場合や、付近の状況等に照らして戦闘行為が予測される場合に当てはまる。私は、今回の着弾といいましょうか、宿営地付近に迫撃砲ロケット弾がやはり私は撃ち込まれたということについては、特措法で言う、ここに当てはまり、ここは私は、活動を一時休止又は避難して戦闘行為による危険を回避をする、そして第四項が規定をする、あなた自身が、防衛庁長官活動の中断を命じなきゃならないという事態じゃないんだろうかというふうに思いますが、いかがですか。
  42. 石破茂

    国務大臣(石破茂君) これは、法律の、法案の審議のときから委員とも随分議論をさしていただいて、もうおまえの答弁は分かっているから聞きたくないというふうなことなのかもしれませんが、要は先生の立論からいきますと、現在行われているのが戦闘行為だということに基づいて、だから退避する、そして中断の指示を待つというモードに入るべきだと、こういうような御主張だと思います。  で、戦闘行為というのを、定義をもう一回お許しをいただいて繰り返すとするならば、国際紛争を解決する手段としての国又は国に準ずる組織による組織的、計画的な武力の行使と、こういうことになりますわけで、今サマワで起こっていることがその定義に照らしてみて戦闘行為かといえば、私どもはそのように評価をいたしておりません。  それは、危険なのではないかということと、法的に言う戦闘行為ではないかということは別の概念でございます。重なる部分は当然ございますが、概念としては別のものでございます。したがいまして、国又は国に準ずる組織による国際紛争を解決する手段としての組織的、計画的な武力の行使が行われたという評価はいたしておりません。  そしてまた、危険なのではないかということに相なりますが、危険か危険でないかというのは、普通の一般の民間私人にとって危険な場合と、自衛隊に与えられております権限、装備、能力をもってして危険なのかどうかということもまた別の概念でございます。  先ほど来答弁を申し上げておりますように、自衛隊の権限、能力、装備をもってして危険かといえば、私はそのような判断もいたしておりません。したがいまして、一時休止するなどして中断の指示を待つというようなモードに入るとは考えておらないところでございます。
  43. 齋藤勁

    ○齋藤勁君 自衛隊、この法律議論をしているときに私はそういう議論というのはこういう場ではあったと思うんですが、実際派遣して、今イラク全土、先ほど外務大臣が、邦人渡航を絶対行っちゃいけないと、いかなる仕事に応じてもということですよ。どのような理由があるにせよ退避をしなさいと、どのような理由があるにせよ。  これは、あえてどのような理由があるにせよといったら、これは私があえて言えば、今の隊員の方々治安じゃないんですよ。いわゆる連合軍と一緒じゃないとか、連合軍の私は指揮の下に行われているというふうに思いますが、復興人道支援活動をしているでしょう。復興人道支援というか給水活動を中心に。私は、いわゆる軍か軍隊じゃないかと言ったら、小泉総理は、私たちは国内では軍隊じゃないと、外へ行けば軍隊だってという、これは議論がありますけれども。  ここを今そういう意味ではやり取りをするつもりはなくて、今行っている部隊というのはやっぱり復興人道支援活動にあるという、ある意味では外務大臣が今、日本国民に、ある意味では、もし行くならやめてくださいよと、絶対やめてくださいよと、いる邦人についても回避をしてくださいという私は広域的に解釈しても、今復興人道支援活動をしている自衛隊の隊員の方々にもむしろ当てはまるメッセージではないかというふうに逆に思いながら、逆でも何でもないんですけれども、普通に思いますよ。  ここで私は、隊員の方々に本当に万々が一あったら大変なことになるわけですから、防衛庁長官として、行く前の法律議論をしているんじゃない。行って、今実際に迫撃砲ロケット弾がそば近くに撃ち込まれ、もしあれが当たったときには大変なことになっている状況だったらいたたまれない、だからこそ中断したんでしょう。そうじゃないんですか。だから一時中断をして宿営地内の活動にとどめて、そしてまた状況を見て外へ出て行ったんじゃないんですか。あれがなかったら、三人の人質問題じゃないはずですよ。あのロケット弾迫撃砲ロケット弾のああいった事実があったから一時宿営地内の復興人道支援活動にとどめると、こういうことじゃなかったんですか。
  44. 石破茂

    国務大臣(石破茂君) シーア派の宗教行事としてのアルバインというのが予定をされておったわけでございます、もう終わりましたが。その場合に、これも委員会で答弁を法案のときに申し上げたかと思いますが、サマワがなぜ安全なのかということで、小さな町です。そして、よそ者が入ってくればすぐ分かるということ、実際にそうでございます。そのときにアルバインなぞというものがあってよそからいろんな人がやってくるということになりますと、これは分かりません、簡単には分からない。そういう状況の中で外へ出て活動するということは、安全という面から考えれば必ずしも得策ではないという判断もございました。したがいまして、そういうような状況のときにはなるべく外に出ない方がよいという現地の判断がございました。そのときに迫撃砲事案が起こったということでございます。  では、今どうなのだといいますと、医療活動というものはサマワ母子病院におきまして再開をいたしております。また、学校の補修につきましても、どういうか、状況確認はいたしております。これはもう現地にも私、確認をいたしました。電話もいたしました、どうなのだということ。私は現地状況というのは現地部隊が一番よく知っておると思うのです。そして、そのことをよく確認をしながらこれから先も行っていきたい、安全確保に万全を期すというのは今も全く変わっておりません。
  45. 齋藤勁

    ○齋藤勁君 分かりにくいんですけれども、軍隊であって、私は軍隊でないという、だからこそ実際やっている行動が、実際今の自衛隊の皆さん方の活動というのは外国から見たときに軍隊であっても軍隊でない活動を今しているわけですよ。そこは別に何か私は引っ掛けるつもりで言っているんじゃないんですよ。率直に素直に、復興人道支援活動が私は滞るような状況であるならば、いっとき、いっときでも、防衛庁長官がこの法律に基づいて隊員の生命をきちんと担保するということで、私は、場合によれば、うちの菅代表も言っていますけれども、クウェートに退去をする、そして安全な状況が担保されればまた出ていくということも、私は現実に方針として取られる、考え方として、選択肢としてあるんではないかというふうに思います。  そこで、大臣、もう一つお尋ねしますが、先日、元アメリカの軍医、核医学など専門のアサフ・ドラコビッチ博士が日本で講演をされまして、二度、ここ一年で、昨年十一月にもお見えになっているそうですけれども、いわゆる劣化ウラン弾でサマワ米兵汚染ということで、こういう米専門家が発表したということで報じられておりますけれども、この記事はごらんになりましたか。
  46. 石破茂

    国務大臣(石破茂君) 拝見をいたしております。
  47. 齋藤勁

    ○齋藤勁君 そこで、私は、今年の二月にやはりこの委員会大臣と劣化ウラン弾そして劣化ウランの放射能被害の問題でやり取りをさせていただきまして、これはまた繰り返しませんが、最終的に私は隊員の健康がきちんと守られるということについてきちんと健康調査をすべきであろうという話をしまして、大臣の方は劣化ウラン弾に特化をしてとかいうことじゃなくて、すべての面において健康診断を行う、こういう実は答弁をしておりますが、今回のこの博士の報告によりますと、体調不良でサマワから帰還した憲兵隊員九人が博士が所長を務める民間の研究団体に診断を依頼、尿を検査したところ、四人から劣化ウランが検出された、この結果は米紙でも取り上げられた。あるいは、バスラ、イラクの十都市で市民五十五人の尿を採取し、三十人分を検査、二十二人から劣化ウランを検出したということで、実はこのことが先ほどの、冒頭言いました専門家博士の国内におけます報告であります。  先ほどの、私が、二月の五日の答弁ですべての面で健康診断を行う。この今のすべての面で健康診断を行う、あとタイミングの問題もございますが、こういったことも劣化ウラン、尿から検出されるということも想定して健康診断をされる意思なのかどうか。全く念頭にないまま一般的な健康診断を行うんだということ、このときの二月五日の答弁はそうじゃないかと思うんですけれども、あえて、私はこの劣化ウランということについての危惧を持っておりますので、再度この時点での答弁を求めたいと思います。
  48. 石破茂

    国務大臣(石破茂君) それは、先生、私どもは劣化ウランというもので我々の活動しますような形態におきまして人体に影響があるというふうには認識をいたしておりませんし、諸外国におけるいろいろな公的な調査というものもそのとおりでございます。  しかしながら、一〇〇%ということは世の中にはきっとないのでしょうから、したがって微量ガンマ線測定器でありますとか線量計でありますとか、そういうものを保有をいたしまして、そのような場所には行かない。仮にそれが検知をしなかったとしても、体内に蓄積をされたということがあるならばそれは分かるということで、二重の意味でその劣化ウランというものの影響を受けないように、二重の意味というのは、そういうような報告は受けていないし、世界的にもそうです、しかしながら、そういうような線量計あるいは測定器を持っていくということで、二重の意味で劣化ウランというものに対しての備えというものはしておるわけでございます。  一般的に何か想定していたかということで申し上げれば、それは一般的と申し上げるべきものでございましょう。その中で、尿検査をして、仮に、仮に万々々が一ですね、そういうことがあれば、それは当然分かるということでございますが、現在私どもは、劣化ウランというものに対してきちんとした私どもとしての備えをしておるということでございます。  それは、すなわち劣化ウランに我々の行動の類型において影響があるということを意味しておるわけではございません。
  49. 齋藤勁

    ○齋藤勁君 また時間があるときやりたいと思いますが、是非私は再度長官も研究していただいて、この劣化ウランについて、ああ後でこうすりゃよかったなんということのないように、今、私は、もう現地で大変危険な状況に遭っているということで警告を発しているつもりですので、申し上げさせていただきたいと思います。  残り時間、再びちょっと外務大臣にお願いしたいんですが、今いわゆるファルージャ停戦状態が続いておりますが、先ほどの報告でもございました。この停戦再延長、どういうことが今やり取りとしてされているのか、どういうふうに分析をされておりますか。
  50. 川口順子

    国務大臣川口順子君) 今、イラク治安情勢というのは最重要課題であると思います。ファルージャ、あるいはサドル師の下にある軍といった点で幾つかの問題があるわけでございまして、つい先日ブラヒミさんがおっしゃったように、正に政治プロセスを時間どおりに実施に移すということがイラクのために大変重要な課題でございますので、それを行うためにも治安を今確保する必要があるということだと考えております。  今、その停戦が昨日の二時から四十八時間ということで行われております。今までたしか十二時間という刻みであったのが、長く四十八時間ということになり、そしてそれが守られている状態にあるということについては、この問題が少し鎮静化の方向を今、一時的にかもしれませんけれども、鎮静化をしているということで、非常に結構なことであるというふうに思います。  日本として、この過程については、統治評議会も仲介を行っているわけでございまして、アメリカも非常に自制をしているというふうに考えております。  この政治プロセスを守るということがイラクが今後復興していくための唯一の道であるということであると私ども考えておりますし、私もそういうメッセージを関係者にずっと送り続けております。外務大臣会合をしたときにもそういった話をしていますし、今日、UAEのハムダーン外相と、副首相兼外相と会談をいたしますけれども、そこでもそういうことを言おうと思っております。  そういった関係者の努力、それが引き続き行われて、この治安の維持、事態が早急に鎮静化をし、治安が維持されるということが大変に重要であるというふうに思っております。  個々のどういうことがこれの争点になっているのかということが委員の御質問かと思いますけれども、そういった点については、今いろいろな関係がございますので、控えさせていただきたいと思います。
  51. 齋藤勁

    ○齋藤勁君 私は、もう少し時間があれば、今のイラクの全体といいましょうか、バグダッドファルージャ状況の分析をしながら、いかにしてこれから六月末と言われる統治評議会に主権が移譲される、イラクにされるということが本当に可能なのかどうかということで、昨日のブッシュ大統領記者会見、大変深刻な会見をしておりましたけれども、そんな話をしたかったんですが、一言で言わせていただければ、一言といいましょうか、発言させていただきまして、所感を伺いたいんですけれども、あのブッシュ大統領が、アメリカが言う悪の枢軸国の一つであるイランとの仲介を、これはアメリカ自身は言っていませんが、イラン自身の外相は表明していますね、事実について。このイラクの仲介ということについてどう見るのかと。  それから、今日だと思いますけれども、イギリスのブレア首相が国連のアナン総長、それからブッシュ大統領と会うということで、大変私はある意味では、この米英を中心にした占領軍でございますから、どういうことが話し合われるんだろうかという、このイラクの今の現状を見て、大変ある意味では深刻な率直な意見交換をするというふうに私は見ておりまして、そういった点について、アメリカと日本関係、イギリスと日本関係、外交ルートでどういったことがイランとの今の仲介の問題と米英との関係についてなされているのか。  今日、報告はそこら辺までありませんでしたけれども、ここが極めて私は、今のイラクの現状の中で、ここ近々、今、ある意味ではいい方向に衝突が回避をされたり、そしてある意味ではアメリカ自身、もう米英軍の占領下の統治というのはなかなか難しいと、新たな国連の枠組みの中でしていかなきゃ駄目だというふうな実は状況になってきているんじゃないかと思いますが、今、このイランの仲介の問題、そして米英でどういうふうな話合いがされるんだろうかということについて、日本政府としてどう見ているのか、外務大臣にお尋ねさせていただきたいと思います。
  52. 川口順子

    国務大臣川口順子君) イランはシーア派の国でございます。私も先般、イランのハラジ外務大臣と電話でお話をさせていただきました。その際にも、ハラジ外務大臣から、このイラク状況についてイランとしてどういうことができるかということをいろいろ考えているというお話もございました。  アメリカがイランに仲介を頼んだとか頼まなかったとか、そういったことについて私は新聞で報道を、報道で承知をいたしているということでございますけれども、それ以上のものはございません。  我々としては、先ほど申しましたように、政治プロセスをやっていくしか本当に道はないんですね。それを遅らせるという選択肢はないというふうに日本としては考えておりまして、そのプロセスを、できるだけ治安確保して、また治安確保というのはそのためには必要な条件でございますから、それを確保してやっていくということのために関係国がみんな努力をしている、関係者がみんな努力をしているという今の状況については、そういった努力が実を結ぶように、日本としてもできることをやっていきたいと思っております。
  53. 齋藤勁

    ○齋藤勁君 個人的見解はありますが、その域を政府としての答弁が出ないわけですから、やむを得ないと思いますが。  私は、昨日も党首討論で小泉総理、発言をしていますが、よくテロに屈するなテロに屈するなと。これは、テロに屈するなと言えば、だれもそうだと、そうじゃないなんて言う人はいないと思うんですけれども、罪のない人々を自爆テロに巻き込む、許せないと思います。スペインのように列車爆破事故、許せないと思います。人質も許せない。  しかし一方、他方で、もし理不尽な暴力と言うならば、イラクに劣化ウラン弾あるいはクラスター爆弾、罪のない人々を、一万人以上も殺されるということについて、これはそういう意味じゃ、ある意味ではそういった土俵に立つんじゃないかと。こういうふうにやれば殺し合いであり、これが暴力の連鎖になっていくんではないかと思います。  違う次元に私たちは立たなければ駄目なわけでありまして、そういう意味で私は、元々正当性のない戦争だったというところから元々間違いがあったんではないかというふうに思いまして、こういった話をすると、今の小泉政府ではなかなか違った方針でブッシュ大統領には物を申せないという立場かも分かりませんが、今、今日のイラク状況や、人質が次から次へと拘束されるというのを見て、もう一度ある意味では原点に返った立場に立って外交をすべきではないかというふうに思いますので、そのことを申し上げさせていただきまして、終わりたいと思います。
  54. 高野博師

    ○高野博師君 公明党の高野でございます。  人質問題について若干お伺いをしたいと思います。  人の命を手段として目的を達しようという最も非人道的な卑劣な行為でありますから、この人質というのは正に非難されるべきであって、彼らの要求に屈して自衛隊を撤退させるということはあり得ないと思いますが、今この三人の人質事件に加えてあと二人人質になったかもしれないという情報でありますが、こういう事件が次々と起こると、本来の外交自体が麻痺してしまうんではないかということを危惧しておりまして、外務大臣もアイルランドのASEMの会議、これの出張もキャンセルをされたということであります。今三人の人質事件について硬直状態にあるんですが、これどういうふうに見ておられるのか、推測しかないかもしれませんが、差し支えのない範囲でお伺いしたいと思います。
  55. 川口順子

    国務大臣川口順子君) 御質問は重要な御質問であると思いますけれども、それだけに、それについて今政府がどういうふうに考えているかということを申し上げますと、これはその犯人に情報を送るということにもなりますので、恐縮ですが、お答えは控えさせていただきたいと思います。いろいろな、政府としては関係国関係者に協力を求め、様々な情報には接しております。  それから、私は、政府としましてはこの人質事件政府の通常の仕事に影響を与えるようなことがあってはいけないというふうに考えておりまして、極力ビジネス・アズ・ユージュアルという立場を取っております。私がASEMの出張をやめましたのはこの事件のためではないということでございます。十九日に国会がございますので東京にいるということでございます。
  56. 高野博師

    ○高野博師君 人質解放という情報が流れまして、まだまだ解放されていないんですが、解放のオペレーション自体も相当難しいのではないかと。米軍が相当監視している中で、どこかに人質を連れていって解放するというのは、自分たちの居場所も知られないために、これは相当難しいオペレーションが必要なので、そういう可能性を探っているのかなと推測をしておりますが、ファルージャ停戦の延期の合意というのは事件の打開のきっかけになるのかなということも考えておりますが、この人質米軍とスンニ派武装集団との停戦のための交渉材料に使われないように、これは注意しなくてはいけないんではないかなと思っております。  もう一つは、マスコミ報道情報の管理といいますか、この点について若干お伺いしたいと思いますが、私も若干ゲリラと直接交渉をした経験がありまして、人質事件で。一番注意したのは、情報マスコミに間違って、あるいは本当に難しい段階で漏れるとうまくいかないと。誘拐の目的にもよるんですが、人質の生命にかかわるということでありますので、マスコミ報道をどれだけロープロファイにして過熱しないようにするかと、コントロールと言うとマスコミの方は嫌がると思いますが、そこは極めて事件解決にとっては最大のかぎになるのではないかなと、私は自分の体験からそう思っておりまして、情報が相当錯綜しているということは、カタールアルジャジーラも含めて、政府あるいはマスコミ含めて、そういう認識が若干欠けていたんではないか、欠けているんではないかというふうに私は思っております。  日本での国内の報道はもう恐らく手に取るように相手の犯人側には渡っている、伝わっているという前提に立った方がいいと思います。この報道ぶりによっては、例えば、小泉総理が彼らをテロリストと呼んだからけしからぬというようなこともすぐはね返ってくるような状況もありますので、犯人側を刺激しないように、そして、彼らがまた動揺したり考えがぶれたりしないように、あるいはもっと譲歩させることができるんじゃないかと思い込まさないようにということも含めると、報道の影響というのは極めて大きいと私は思っておりまして、人命の尊重第一というこの大前提に立った上でマスコミの理解も求めるということは、ある意味報道の自粛というのも求めることがあってもいいんではないかなと、こう私は思っております。  こういうやり取りをこういう委員会でやること自体がどうなのかなという私は感じもしますが、まあこれ開かれたんで質問せざるを得ないんでありますが、一つお伺いしたいのは、武装勢力はこの爆弾テロ等の武力行使から人質というか誘拐、外国人のこの人質に戦術を変えてきたのかなという感じがいたしますが、その辺はどういう認識をされているでしょうか。
  57. 鈴木敏郎

    政府参考人鈴木敏郎君) 先生今おっしゃられましたように、最近の、先ほども報告申し上げましたように、この一、二週間の武装勢力による外国人人質の拘束というのは一つの現象と言ってもいいものではないかと思われます。  他方イラクの国内の武装勢力、様々な要素から成り立っているとは思いますけれども、この者たちが従来のような爆弾テロからこういった人質を取る戦略に、あるいは戦術に転換したのかどうかということにつきましては、やはりまだ時もたっておりませんし、確たることは言えないのではないかと思います。むしろ、武装勢力による今後の様々な攻撃というものは、従来のような爆弾テロであるとか、あるいは今回のような誘拐の手段であるとか、そういった様々な格好で脅威が当面継続するんだというふうに考えておくべきではないかというふうに考えております。
  58. 高野博師

    ○高野博師君 小泉総理とチェイニー副大統領の会談が向こうで流れて、それで、今この時点で日米関係を強化というのを打ち出すのは人質事件にとってマイナスではないかという、そういう見方もあるんですが、その点はどう見ておられますか。
  59. 鹿取克章

    政府参考人鹿取克章君) 先生よく御承知のとおり、日米関係はやはり我が国の外交の基軸でございまして、やはり日米間においてあらゆる問題を協議するに当たって、この人質問題について協議するということも極めてある意味では自然なことと考えております。総理からはこの問題についてお話をし、また米側からは協力を惜しまない旨の話がございました。  しかし、私どもとしては、もとより米国、米国ももちろんそうでございますけれども関係国とこの問題について協議をしておりまして、関係国協力を仰ぎながら、是非早期にこの問題を解決したいと、こう考えているところでございます。
  60. 高野博師

    ○高野博師君 ここは余り伺いませんが、たしか政府退避勧告を十四回もこれまで今年に入って出していると。それにもかかわらずイラクに渡ってこういう事件を起こしたということについて、自己責任論がかなり強まっているんでありますが、筋としてはそうなんだとは思いますが、相当家族に対して嫌がらせのファクスとかEメールとかはがきとかというのが殺到しているという、家族も精神的に相当追い込まれているというのは、これは相当行き過ぎているんではないかなと思いますが、これはある意味日本社会の若干暗い部分を反映しているのかなという気もするんですが。  こういう自己責任について、外務大臣も何度か言及されていると思いますが、青山学院大学の袴田教授が論評を書いておりまして、事件というのは予測できたことだと、したがって自ら身を守る力がない場合にイラクに入国するべきではない。それから、善意の行動だからすべて許されるというのは、ナイーブというより独善ではないか、こういうことを言っておられる。それから、テロリストに譲歩することは一見人道的に見えても、多くの日本人がテロのターゲットになるということから、逆に何倍もの犠牲者を生むという意味ではより非人道的ではないか。こういう事件については、目の前の事態に情緒的に反応するだけで、本当の人道主義とは何かを考える、リアルな論理的な思考や、思考力や想像力がしばしば欠いているんではないか、そういう論評を書いているんですが、この自己責任ということについて外務大臣の御意見を伺いたいと思います。
  61. 川口順子

    国務大臣川口順子君) 御家族の方にそういった中傷あるいは誹謗のEメール、電話が行っているということについては、これは大変に遺憾なことだというふうに思います。そういうことはやってはいけないことであろうというふうに思います。  政府といたしまして、この行かれた三人の方、イラクのためにこういうことをやりたいと思って行かれたわけで、通常の状況であれば、これは、そういうことというのは正にイラク復興のために日本人の気持ちを出す、表すという意味で評価をさせていただくところでございますけれども、いかんせん、今は非常に治安が悪い状況であるということを是非踏まえていただきたかったというのが私の思いでございます。  スポット情報を今年に入りましてからも十四回出させていただいているわけでございます。やはり自分の安全は自分で守ることが、あるいは自分で責任を持つことができるかどうかということをきちんと考えていただいて、踏まえていただいて行動をしていただく。今はそういうことが、丸腰の人間がそういうことが安全にできるというところではないという事実を踏まえていただきたいと思います。
  62. 高野博師

    ○高野博師君 イラクが今のような状況治安が相当悪くなっていると。例えば、ロシアなんかも八百人ほどの民間人が特別機で帰国をしていると。各国の民間人の出国も相当今増えているという状況にありまして、石油とか発電プラント、水道、情報通信、様々なインフラ関係に携わっている民間の方々が相当イラクから引き揚げているという状況があります。  そこで、イラク自身が、国際的な協力がなければイラク復興というのはできないわけでありますが、こういう誘拐、人質のような事件が一度起きると国のイメージというのは相当悪くなる、これを回復するのは相当容易でないということなんであります。そこで、今のような状況が続くとイラクというのは正にテロの、テロリストの巣窟になるかもしれませんが、国際的にも孤立するんではないか、そういうことはイラク国民も望んではいないんではないかと思います。  そこで、こういう人質の問題、十二か国で四十人ぐらいという尋常じゃない今状況がありますが、もう少し国際的なアピールをしたらどうかと。すなわち、例えば緊急の国連の安保理の中で、直ちに人質解放しなさいという、あるいは誘拐をやめなさいというような緊急のアピールをすると。そして、国際的な包囲網を作ったわけで、ある意味で国際世論で圧力を掛けていくと。それがすぐ人質解放につながるかどうかは分かりませんが、しかし長期的に、将来的に見た場合に、これはイラク国民にとっても、あるいはスンニ派やシーア派人たちにとっても、将来の国づくりにとっても相当のマイナスになるということをよく認識させる必要があると思うんですが、そういう意味では、この無辜の民間人を人質にするようなことはやめろというアピールを国連としてやったらどうかと思うんですが、その点はどうお考えでしょうか。
  63. 川口順子

    国務大臣川口順子君) イラクにおいてこういった人質事件が起きるということについて、イラクが将来復興した暁にイラク人に対して悪いイメージを持つことになることにつながりかねないとおっしゃられたことは、確かにそういう部分もあるかもしれませんけれども、私どもとしては、そういうことをやっている犯行グループはイラク人たち全部ではなくて、ごく限られた一部の人であるということについても常に思いを致していかなければいけないというふうに思っております。  国連の場等の活用ということでございますけれども、アナン事務総長は八日に、これは我が国として働き掛けをさせていただきまして、イラクの武装勢力の人質となっている三人の日本人の生命に対する脅迫について、深く懸念をし、これらの三人及び誘拐されたその他すべての無辜の民間人の解放要請するという旨の声明を既に出してくださっています。  我が国としては、人質事件の一刻も早い解決のために様々なレベルで、そして関係国関係者、あらゆるルートを通じて、その中には国連も入りますけれども、引き続きいろいろな働き掛けを行っていきたい、解決、一日も早い解決をと考えております。
  64. 高野博師

    ○高野博師君 是非、国連全体として、あるいは本当は国連の緊急総会ぐらいでやるようなことも考えてもいいかと思うんですが、総会は難しいので、安保理で緊急のアピールをするような働き掛けを是非やっていただきたいと思います。  終わります。
  65. 小泉親司

    小泉親司君 まず初めに、日本人人質事件が起きてからもう一週間が経過をいたしました。私どもは、いかなる主張があろうとも、このような無辜の民間人を人質に取るような行為は断じて認めることはできない。その意味でも、大変御家族の方には肉体的にも精神的にも大変御心痛をお察し申し上げたいと思います。その意味で、一日も早い救出を私たち全力を挙げて進めたい。特に、政府にも三人の安全と解放のためのあらゆる努力を払うようにまず初めに求めたいと思います。  そこで、幾つかお尋ねさせていただきます。  昨日の党首討論で、小泉総理大臣は質問にお答えをされまして、ファルージャ事態、これとの関係で、そういう方面と密接に絡んでいる状況があるということを御答弁をされております。その意味は具体的にどういうことなのか、まず初めに外務大臣にお尋ねをさせていただきたいと思います。
  66. 川口順子

    国務大臣川口順子君) 私は、昨日この党首討論の場におりませんでしたので、どういうコンテクストでどういう文脈で総理がおっしゃられたかということについて今つまびらかにいたしておりませんけれども政府といたしましてこの特定の地域の事件とそれから人質事件について直接にリンクがあるという前提で何か申し上げるということは控えさせていただいております。
  67. 小泉親司

    小泉親司君 今、占領軍の発表を見ましても、十二か国四十名の方が人質になっている。この問題については大変その重要な背景にファルージャ事態があるんだということが指摘をされておりますが、その点、外務大臣はこうしたファルージャ事態人質事件と重要な背景にあるというふうに理解しているというふうに考えてよろしいんですか。
  68. 川口順子

    国務大臣川口順子君) 今の時点で何よりも大事なのは、人質の命でございます。一日も早く安全に解放されるということが重要でございます。  我が国として、特定の地域における暴力、イラクでナジャフ、ナシリアといったところでも起きておりますけれども、そういった暴力とこの人質事件との関連についてコメントをさせていただくということは控えさせていただきたいと申し上げているわけでございます。
  69. 小泉親司

    小泉親司君 ファルージャ事態についても先ほど同僚委員からも質問がありましたが、私、この事態をどういうふうに日本政府として見るのか、この事態にどのような見解を発するのかというのは非常に重要な問題じゃないかというふうに思います。  そこで、総理は昨日、外務大臣は参加されておられないということですので、総理の御答弁を正確に言いますと、ファルージャ事態について、やはり、ちょっと長めに読みますと、私は、実際、戦闘状況について、どういう戦闘方法がいいかという知識もございません、しかし、治安の回復、イラクに安定した政権を作るために各国が今努力している云々かんぬんと言われまして、ファルージャ事態については、やはり戦闘状況において大変遺憾な状況が起こっているのは事実でありますというふうに言われているんですが、この政府としてファルージャでの米占領軍行動についてどういうふうに考えられておるのか、これ、総理は遺憾を表明されておるわけですが、そういう遺憾な状況というのは具体的にどういうものなのか、その点の現状を少しお尋ねしたいと思います。
  70. 川口順子

    国務大臣川口順子君) 一般論として申し上げさせていただきたいと思いますけれどもファルージャでは、米国人ファルージャで殺されたということが発生をした以降、米軍がその地域を封鎖をいたしまして掃討作戦を強化をしたわけでございます。十一日以来、停戦が継続をするという状況にございます。特に、昨日の午後二時から四十八時間という今までにない長さの停戦が合意をされて、それが守られている状態にあるというふうに承知をいたしております。  日本としては、こういった事実、緊迫状況については深く憂慮をいたしております。できるだけ早く秩序が回復をするということを願っているわけでして、この関連では統治評議会の方も仲介に立っているというふうに聞いております。米国も自制をしているというふうに思います。そういった関係者の努力が実を結んで、暴力が鎮静化する、治安確保されるということが六月三十日の主権の移譲に向けて非常に重要なことだと認識をいたしております。
  71. 小泉親司

    小泉親司君 先ほど報告のありました外務省報告書の中にも、ファルージャ事態が指摘をされておりまして、この事態の中で「ファルージャ等において、米軍により掃討作戦が強化されました。」という評価になっているわけですね。私は、掃討作戦が強化をされたというふうな次元の問題じゃ私はないんじゃないかと。  例えば、ファルージャ事態で、私、四月から現在に至るまで、連合軍がやりました記者会見模様を全部読ませていただきました。そこによりますと、例えば米軍が海兵隊を主力とした二千五百人以上の米軍が小さな町を包囲していると。しかも、その包囲網の中にF15の、15戦闘機で爆撃を行うというようなことが現実に行われ、これには、もう既に繰り返し報道されておりますが、クラスター爆弾でありますとか五百ポンド爆弾だとか、大変包囲網の中に爆撃が行われていると。  ですから、AP通信の十一日付けを見ますと、一週間前に海兵隊が市内にいるスンニ派暴徒への包囲攻撃を開始して以来、六百人以上のイラク人が殺され、そのほとんどが女性、子供、老人だとファルージャ市の病院長は語ったというふうに報道されていますが、こういう事実は政府として確認をされておられるんですか。
  72. 川口順子

    国務大臣川口順子君) その米国人四人が殺されて以来、強化をしたということはあったわけ、その米軍掃討作戦を強化したということがあったわけでございますけれども、この先般の、先ほどの報告で申し、お伝えしましたように、今、停戦が守られている状態にあるということでございます。十一日以来、停戦が続いている状況にあるというのが今の状況であります。  ですから、日本としては、この停戦関係者の努力によってきちんとしたその治安の維持ということにつながっていくということを期待をしているということでございます。
  73. 小泉親司

    小泉親司君 私、停戦が継続して一層これがやめられ、戦闘が、戦闘が停止されるということが私は一番重要なことで、現在の停戦というのは、これは一時的、まだ依然として一時的なものなんで、私はこれは、戦闘は直ちに停止すべきだということなんですが、問題は、このファルージャ事態をどういうふうに見ていくのか、ここをやはり私は重要な問題だというふうに考えております。  そこで私、今私の、お答えに、質問にお答えになっていないんだけれども、もう一つだけお尋ねしますと、例えば外務省の今報告のあった報告によりますと、七日に米軍がモスクを攻撃したと。これは、モスクだ、モスクは報じられていますが、これに対して米中央軍は、実際に空爆したのはモスクから離れた外壁であり、市民の被害はなかった、モスク自体に損傷はなかった旨の発表をしていますということが書いてある。  これは、もう皆さんインターネットで見れば、アメリカ海兵隊がモスクの状況について写真を出しておりますから、どういう状況かというのは分かるんですが、この状況じゃもうモスクの、本当に十メーターもない距離のもの、外壁が事実上、もう本当の壁が、モスクのすぐそばの壁が破壊されているという実態なわけですね。  現実問題として、ジュネーブ条約においてもこういう礼拝堂などの場所、礼拝の場所などについてはそういう軍事的行動の執行をしちゃいけないんだと、そういうことが指摘をされておりますが、これは外壁だったらジュネーブ条約違反じゃない、問題はないという御見解なんですか。外務省のこの、どうもこの外務省の見解はそういうふうに読めて仕方ないんですが、いかがですか。
  74. 川口順子

    国務大臣川口順子君) 米中央軍が発表いたしていますように、これは外壁をねらった、ねらったといいますか、壊れたのは外壁であると。外壁をねらったというのは取り消させていただきますが、壊れたのは外壁であるというふうに承知をいたしているわけでございます。モスクではないということです。
  75. 小泉親司

    小泉親司君 私の質問にちょっとお答えが全然違う話なので、もう一つだけお尋ねしますと、四月八日の連合軍記者会見があるんですね。その記者会見の中で質問をされておる方がありまして、例えば、連合軍は包囲作戦の中で、食糧を必要としたり、容体の悪い人が病院で手当てを受けることを妨害してきた、また連合軍が食糧援助やその他の人道援助がファルージャ市に入るのを妨害したという質問がされているんですね。そういうふうな事実を、これは政府はこういう行為確認されておられるんですか、それとも知っておられるんですか。  これは私は、占領軍記者会見は何遍も川口外務大臣にお見せしていますように、この連合軍記者会見の発表は全部出ておりますので、そういう事実は外務省としては確認されておられるんですか。
  76. 川口順子

    国務大臣川口順子君) そういったような報道がいろいろあるということは承知をいたしております。  それから、政府として、いろいろな報道報道、失礼しました、いろいろな情報には接しておりますけれども、その一つ一つについてここで具体的に申し上げるということでは、ことは控えさせていただきたいと思います。
  77. 小泉親司

    小泉親司君 四月八日の連合軍記者会見のやり取りが大変具体的に、様々なアメリカ軍の軍事作戦、ファルージャでの軍事作戦について詳細にやり取りがあるんですが、この中で、ある記者から、ファルージャでは今殺りくと虐殺が行われている、子供たちも犠牲になっている、ザルカウィとは全く関係のない、今回の事件とは関係のない民間人の犠牲者も出ている、この情勢にどういうコメントをするつもりかということに対して、この回答は、サンチェス司令官、中央軍司令官が、ファルージャでの中程度の戦闘が行われていることは我々が皆分かっている、我々はファルージャ市にいる分子を打ち破るためにこの市に強力で正確で持続的な戦闘能力を実施するつもりだと述べてきたと。非戦闘員が戦場で負傷し死亡したのは全く遺憾だと。  しかしながら、土地環境における、このような性質の戦場にいる場合にはこれが実態だ、つまり致し方ないということを言っているんですが、しかし、そしてそれを遺憾に思うと。ジュネーブ条約違反があり、間違った行為があれ、行いがあれば我々は適切な処置を取ると、こういうふうにサンチェス司令官が言っておる。  私、このやり取りを読みまして、一番大きな問題は、こういうやはり国際法違反の無法な米軍行為ファルージャで行われていると。これは明白に国際法違反だというふうに思いますが、外務大臣、これはいかがでございますか。
  78. 川口順子

    国務大臣川口順子君) あることが国際法違反であるかどうかということは、その個別具体的なケースをきちんと知った上で申し上げるべきことであるというふうに思います。  一般的に申しまして、米国はジュネーブ諸条約、これについては批准をしているわけですし、それから米国の軍隊の中の文書で、議定書、追加議定書、それのその内容については、それが、軍隊の文書、ちょっと具体的な名前は今ちょっと覚えておりませんけれども、それが反映をするという形になっていると思います。  今読み上げられました記者会見で司令官が言われたとおり、米国は、もしジュネーブ条約に反することがあれば、それはそういった対応を取るというふうに思います。米国は国際法を守る国であると私は考えております。
  79. 小泉親司

    小泉親司君 ブッシュ大統領は十四日、記者会見やられて、その記者会見で、我々は無辜の民間人に対する被害を避けるため最大限の注意をするつもりだけれども混乱と暴力が広がるのを許すわけにはいかない、私は、秩序を維持し部隊を守るために必要とするなら、決定的な武力を行使するようあらゆる準備を行うことを我が司令官たちに命令したということを述べまして、米軍を増派することを明らかに、増強することを明らかにいたしました。  私、こういうことをやっていると、更に戦闘が激化して、停戦が打ち破られて暴力の連鎖が繰り返されるだけだと。こういう点では、やはり私は、このような軍事力の強化、更なる戦闘行為、こういう行為は直ちにやめるようブッシュ政権に要求すべきだというふうに思いますが、外務大臣、いかがでございますか。
  80. 川口順子

    国務大臣川口順子君) 米軍では、キミット准将が記者会見で言っていらっしゃいますように、ファルージャにおける攻勢においては、すべての手段、方法、戦術を駆使して、イラク人連合軍に対して暴力を振るった者のみに限定して攻勢を行っており、非戦闘員たる市民への被害を最小限に食い止める努力を行っているというふうに述べていると承知をいたしておりますけれども、いずれにいたしましても、今、停戦が継続中であって、関係者が様々な努力をしているということでございますので、我が国としても、そういった関係者の努力が実を結んで治安確保されるということが大事であると思います。  そういったことが、ことをやることによってイラク復興への唯一の道である政治プロセスのスケジュールがきちんと行われていくということであると思います。
  81. 小泉親司

    小泉親司君 私は、人質事件を本当にしっかりと解決する上でも、こうした無法な占領軍行為に対しては日本政府としてきっぱりと物を言うべきものだというふうに私は思います。  そして、私は、これまでも繰り返し言ってまいりましたように、こういう無法な行為をしている米英の占領軍協力する形での自衛隊の問題についてはやはりきちんと、直ちに撤退をすべきだという点を私強く要求をさせていただきまして、質問を終わります。
  82. 大田昌秀

    ○大田昌秀君 社民党の大田でございます。  まず最初に、人質解放のために政府の皆さんが日夜大変御苦労なさっていることに対して心から御苦労さまと申し上げたいと思います。そして、人質が無事解放されることを切に願っております。  さて、日本人三名が人質として拘束された理由については、本人たち外務省の退去避難命令を聞かずに勝手に危険な場所に入り込んだという説と、自衛隊イラクに派遣したことがアメリカの占領統治を支援するものとして反発を買った結果だという、そういう説がありますけれども外務省は客観的にごらんになってどのような判断をなさっておられますか。
  83. 川口順子

    国務大臣川口順子君) 最大の原因は、この拉致ないし誘惑をした犯行グループが大変にやるべきでない行動、問題な行動をやったということが最大の原因であるというふうに思っています。この行動については糾弾されるべきであると考えております。
  84. 大田昌秀

    ○大田昌秀君 その犯人の所業については、私たちも当然憎むべき許してはならない犯罪と考えておりますけれども、この三人が拘束されて、今日また二人拘束されたと報道されて、大変心配されるわけでございますが、これまで政府は十数回にわたって退去勧告をなされたとか、あるいは一説によると二十八回も注意したんだというようなこともおっしゃっておるわけですが、この今回人質になった三人に対して、また今日明らかになった二人に対して具体的に、外務省の危険だという、退去しろというその勧告が通じたかどうかという、その辺の点はいかがでございましょうか。
  85. 川口順子

    国務大臣川口順子君) 外務省といたしましては、この退避勧告、それからスポット情報という、まあ危機情報ですけれども、危険情報ですが、これにつきましては、外務省のホームページで出すだけではなくて、例えば旅行代理店に常にそれは流れるようになっておりまして、切符を買いに行けば、そういう地域については旅行代理店がそれを示すということをやっています。これを周知するためには、今全部申し上げませんけれども、もっと様々なことをやっているわけでございます。  それから、この三人については、イラクに行くということについて、今の時期に行くということについてかなり危険性を伴うということを知ることができる状況にあったというふうに思います。一人の方はもう何回も行っていらっしゃるということでございますし、そういったことが、これは報道で知る限りというふうに申し上げますけれども、そういったことも意識をしてお出掛けになられたというふうに思っております。  外務省スポット情報がくまなく行き渡るようになるということは非常に重要なことでございますので、いろいろな手段を通じて今既に努力をいたしておりますし、引き続きこれを周知徹底する努力、これは不断に続けていくつもりでおります。
  86. 大田昌秀

    ○大田昌秀君 現在、イラク日本大使館には何名の職員が勤務しておられるのか、そして、今は危険な状況ですから恐らく人員を減らされたこともあると思いますが、平和なときには何名勤めておられるか、教えてください。
  87. 川口順子

    国務大臣川口順子君) 恐縮ですけれども、これは館員の安全にかかわりますので、大使館に何人いるかということについては申し上げるのを控えさせていただいております。  以前、それにその武力行使の前に何人いたかということについては、これは今情報を持っておりませんので、調べまして御連絡を申し上げたいというふうに思います。
  88. 大田昌秀

    ○大田昌秀君 防衛庁長官にお伺いいたします。  去る十二日、チェイニー米大統領が訪日された際、今回のイラク問題を始め、在日米軍の問題について話合いがなされたということが米軍の星条旗紙に報じられておりますけれども、その事実関係について、差し支えない範囲で結構でございますので、教えてください。──外務大臣
  89. 川口順子

    国務大臣川口順子君) 今回、チェイニー副大統領がお見えになったときにどのような話をしたかという御質問でございますか。──それでしたら、これは、総理との間では、非常に時間が短い中で、日米関係全般についてのお話はございましたけれども、個別の在日米、在日あるいは在沖米軍についての具体的なお話というのはなかったというふうに記憶をいたしております。
  90. 大田昌秀

    ○大田昌秀君 スターズ・アンド・ストライプスには具体的に出ておりますので、ごらんいただきたいと思います。  去る五日の本委員会で、イラクに派兵され、派遣されて、派兵されている在沖縄米軍海兵隊がどんな任務に就いているのかお尋ねしましたところ、外務省は主としてイラク西部のアル・アンバール県において治安維持及び安定化作戦を実施しているというお答えでした。しかし、先日の沖縄の新聞によりますと、在沖米海兵隊が千六百人ファルジャーの戦闘に参加して、既に十一名の死者を出しているということが報じられておりますけれども、その問題について、果たしてこれが事前協議の対象にならないのかどうか、その辺はどうお考えですか。
  91. 川口順子

    国務大臣川口順子君) 今、委員がおっしゃられた十一人の死者がいたとかということについての情報は私どもは承知をいたしておりません。  いずれにしても、これはこの前、別な委員会であったかもしれませんが、大田委員との間でお話をさせていただいた記憶がございますけれども、事前協議の対象になるということではございません。
  92. 大田昌秀

    ○大田昌秀君 この問題は日本の安全の問題と非常にかかわる問題でございまして、いま一度事前協議の中身についてよく御検討していただきたいと。  つまり、以前の答えは、部隊が別の場所に移動したということで御説明あって、だから移動しただけのことだから事前協議の対象にならないという趣旨のお話でしたが、今回は現実にファルジャーの方に行って千六百人の兵隊が戦っていると、しかも戦死者を出していると。それから、更に追加支援部隊を派遣しようということまで報じられているわけですから、こういうことが事前協議の対象にならないとなると、事前協議は何のためにあるかということになりますから、そこは是非御検討いただきたいと思います。  それから、最後になりましたけれども、最近のこのイラクの戦況の悪化によってイラクの非戦闘員の死傷者が非常に増えていると報じられておりますけれども外務省あるいは防衛庁でも結構でございますが、どの程度の米兵の死者が出て、またイラク側は兵士がどれくらい戦死して、そして非戦闘員がどれくらい死傷しているかということについて、把握しておられるのでしたら教えてください。
  93. 石破茂

    国務大臣(石破茂君) 正確な数字につきましては今ちょっと手元にございません。後ほど、知っております範囲内におきまして、すべて知悉しておるわけではございませんが、申し上げられる範囲でございますれば、先生の方に申し上げたいと思っております。
  94. 大田昌秀

    ○大田昌秀君 時間がありませんので、一言だけ、これはお願いというんですか、要望としてお聞きいただきたいわけですが、三人の家族が何とか総理にお願いしたいということでお会いしたいと言っておりますので、いろいろ事情があるでしょうけれども、できるだけお会いしていただきたいと思います。  終わります。
  95. 山本正和

    山本正和君 初めに、防衛庁長官にちょっと確認をしておきたいんですが、この前も質問いたしましたけれども、また御答弁いただきましたが、我が自衛隊は戦争に行ったんじゃないと、あくまで人道あるいは復興、その支援のために行っているのであると、戦争に行ったんじゃないんだと、これはもう間違いないと、そこのところをひとつきちっともう一遍言ってほしいんですが。  というのは、この今の治安状況からいくと、場合によってはイラク全土に広がる危険性がないでもないというふうな話もあるんですね。いろんな話があります。しかし、我が自衛隊は戦争に行ったんじゃありませんと、復興支援に行ったんだから戦争はやりませんと、これ、はっきりひとつ確認しておきたい。
  96. 石破茂

    国務大臣(石破茂君) これ、イラク特措法の条文からいいましても、そういうことは絶対にできないということに相なっております。
  97. 山本正和

    山本正和君 それでほん、ほんと言ったらしかられますが、表現が、方言が出ましたが、三月の末ぐらいまでは自衛隊がかなりイラク人たちと友好関係というか、仲良くいろいろやっている姿が映ったり、それからまた自衛隊の皆さんが本当に子供たちの中に溶け込んでいったりしてますことが報道されていますね。ところが、一時これを中止したと、今のこの四月に入って。事件が起こったものでね。しかし、今また活動再開しているというふうに聞いているんですけれども、したがって、専らそういうイラク人たちの友好関係を維持するための活動は何とか可能な限りやっていこうと、これでよろしいですか。
  98. 石破茂

    国務大臣(石破茂君) 先生もごらんいただいたかもしれませんが、四月の十三日に宿営舎、宿営地近くの小学校を訪問をいたしまして、楽器の演奏が得意な隊員が何人かおりますので、何かバンド演奏のようなものをやっておるようで、やっておるんですが、私が音を聴いていませんので、やっております。また、先ほど齋藤委員の御質問にもお答えをいたしましたが、医療活動というものも再開をいたしました。また、学校を補修するということも今状況確認をいたしておるところでございます。それで、現地におきまして地元の方々との交流というものは、事情が許します状況に応じまして再開をしてまいりたいと思っております。  ただ、先生からも以前御指摘をいただいたかもしれませんが、PKOとは少し異なりますので、本当に何でもかんでも仲良く国民の間にどんどん入っていってということは、PKOとこの活動はおのずから差異があろうかとは存じております。
  99. 山本正和

    山本正和君 人質等の問題もやっぱり自衛隊がどういう活動をしているかということとかかわってくると思いますから、くれぐれも戦争に行ったんじゃないんだ、イラク人たちを助けるために行ったんだという部分を自衛隊活動を通じて是非これはやっていただきたいと、こう思います。  そこで、今度は外務大臣にお聞きしたいんですけれども、私はイラクのアメリカの行動を見ておって、昔の我が大日本帝国が満州国をつくったときのことを思い出すんですよ、満州国をね。満州事変と言いましたですね、それから始まって、満州建国と言った、満州国をつくった、五族協和と称してね。随分長い間、時間が掛かったんですよ。そして、関東軍が初め戦いましたから、盛んにゲリラ活動も起こった。ゲリラ戦が至るところであったんですよ。だから、例えば撫順の郊外で平頂山事件というのがあった。住民全部皆殺ししちゃったんですよ、間違えてね、ゲリラがおるというので。だから、住民の骨が累々としてそこに今も残っているんですよね。  結局、ゲリラを掃討しようとすると、いやでも応でも大変なことをしなければゲリラの掃討はできないんですよ。その国の国民占領軍に対して戦おうという意思を持っていないとできない。最後は満州国には日本人が百万人以上おった、開拓団も含めてね、軍隊を含めて。それで、満州国というのは一応安定したように見えたけれども、それでもまだ盛んにゲリラがいた。よその国を占領するのは大変なことなんですね。  ところが、アメリカは、何か第二次大戦で日本を占領して成功した、ドイツも手挙げたと、それと勘違いしているんじゃないかと私は思って仕方ないんですよ。要するに、アメリカが占領政策の経験がない、これでおかしくなる。ベトナムの失敗もそうですよね。  そういうことを日本国政府として、アメリカの占領政策はこれでいいのか悪いのか、こういうことを検討されたことがありますか、どうですか。
  100. 川口順子

    国務大臣川口順子君) 歴史の見方というのはいろいろな観点が確かにあるのかもしれませんけれども、今先生のお話を聞いて、ああ、そういう観点もあるのかなと思いましたが、私どもとして、今回のイラクにおける状況と戦前の我が国の満州国建国にまつわるいろいろな経緯と類似性があるとは全く思っておりません。このイラクにおける米軍の、あるいは米英軍ですけれども、これは国連の決議がありまして、イラクの統治をするという権限を与えられ、それでやっている行動であるということだと思います。
  101. 山本正和

    山本正和君 いや、私が言うのは、アメリカ軍が今イラクを占領しているわけですよね。昨年の五月には戦闘終結宣言を大統領はやったんですね。それからもう一年近くたっておる。占領政策、占領下にあるんですよ、まだね。新しい統治機構に移していませんからですけれどもね。  これ、アメリカ軍の占領政策がこれでいいのかどうなのかということを、あれだけ頼りにされている日本ですから、アメリカからね、ブッシュさんから兄弟みたいなことをやられておる。その日本として、やっぱり友国の占領政策がいいか悪いか、これは検討していなきゃいけないと私は思うんですよ、友人としては。そういう検討を外務省としては、要するに国の外交の一番中心部隊ですからね、外務省としてはそういうことについて検討されたことがあるかということを聞いているんです。
  102. 川口順子

    国務大臣川口順子君) 我が国として、これはこの間小泉総理がチェイニー副大統領にもおっしゃったことでありますけれども、アメリカが国際社会と協調をしてイラク復興を行っていくべきであるという考えをずっと持っておりまして、それについてはアメリカに機会あるごとに言ってきているということでございます。  今、政治プロセスのスケジュールが、基本法ができ、決まっていまして、イラク復興していくのはこの道しかない。そういう意味で、幾らかの、イラクの中のこの現状について、安心を、不安、不安というか、不満を持っている人たち、この人たちがこういう行動を取るということについて、これは、それが現在起こっているということであるというふうに考えております。  我が国としては、そういう、米軍がそういう部分でもっと国際協調をしていくべきだと、そういうふうに考えているということです。
  103. 山本正和

    山本正和君 どうも検討していないようだから、ちょっと検討してください、これは。日本の国として責任を持って検討せぬといかぬですよ、これは。我が国がもしもアメリカの立場ならばどういう政策取るか、我が国は持たにゃいかぬですよね。持たずに、アメリカの言うことをどうやって理解しようかというんでは、これはもう属国ですよ。だから、やっぱり我が国がもしもアメリカの立場ならば何をするだろうかと、そのときに過ちなきを期すためはどうしたらいいかということを考えるのが、これは主権国家の責任なんですよね。だから、そこのところをひとつ外務省は是非検討しておいていただきたい。  また、このことをひとつ小泉さんにも、総理大臣にもはっきり、今日こんなことがあったからみんなで考えようやという話を両大臣ともひとつ是非進言していただきますようにお願いいたしまして、私の質問をこれで終わります。
  104. 清水達雄

    委員長清水達雄君) 本日の質疑はこの程度とし、これにて散会いたします。    午後五時二十三分散会