運営者 Bitlet 姉妹サービス
使い方 FAQ このサイトについて | login

2004-04-05 第159回国会 参議院 イラク人道復興支援活動等及び武力攻撃事態等への対処に関する特別委員会 第7号 公式Web版

  1. 会議録情報

    平成十六年四月五日(月曜日)    午後一時開会     ─────────────    委員異動  二月二十五日     辞任         補欠選任      山口那津男君     遠山 清彦君  二月二十六日     辞任         補欠選任      岡崎トミ子君     神本美恵子君  四月二日     辞任         補欠選任      池口 修次君     大江 康弘君      荒木 清寛君     山本  保君     ─────────────   出席者は左のとおり。     委員長         清水 達雄君     理 事                 田村 公平君                 常田 享詳君                 舛添 要一君                 齋藤  勁君                 若林 秀樹君                 高野 博師君                 小泉 親司君     委 員                 有村 治子君                 大野つや子君                 小泉 顕雄君                 後藤 博子君                 田浦  直君                 西銘順志郎君                 野上浩太郎君                 福島啓史郎君                 藤野 公孝君                 松村 龍二君                 森田 次夫君                 山崎  力君                 岩本  司君                 大江 康弘君                 神本美恵子君                 佐藤 道夫君                 榛葉賀津也君             ツルネン マルテイ君                 辻  泰弘君                 平野 達男君                 森 ゆうこ君                 森本 晃司君                 山本  保君                 池田 幹幸君                 吉岡 吉典君                 大田 昌秀君                 山本 正和君    国務大臣        外務大臣     川口 順子君        国務大臣        (防衛庁長官)  石破  茂君    副大臣        外務大臣    阿部 正俊君    大臣政務官        防衛庁長官政務        官        中島 啓雄君        外務大臣政務官  荒井 正吾君    事務局側        常任委員会専門        員        鴫谷  潤君        常任委員会専門        員        田中 信明君    政府参考人        内閣官房内閣審        議官       堀内 文隆君        内閣官房内閣審        議官       貞岡 義幸君        内閣官房内閣参        事官       猪俣 弘司君        内閣府政策統括        官        武田 宗高君        内閣沖縄振興        局長       東  良信君        警察庁警備局長  瀬川 勝久君        防衛庁運用局長  西川 徹矢君        防衛施設庁次長  野津 研二君        外務大臣官房参        事官       長嶺 安政君        外務省総合外交        政策局長     西田 恒夫君        外務省中東アフ        リカ局長     堂道 秀明君        外務省経済協力        局長       古田  肇君        財務大臣官房審        議官       小寺  清君        文化庁文化財部        長        木曽  功君     ─────────────   本日の会議に付した案件 ○イラクにおける人道復興支援活動及び安全確保  支援活動等並びに武力攻撃事態等への対処に関  する調査  (イラクにおける自衛隊部隊活動状況及び  治安情勢等に関する件)     ─────────────
  2. 清水達雄

    委員長清水達雄君) ただいまからイラク人道復興支援活動等及び武力攻撃事態等への対処に関する特別委員会を開会いたします。  委員異動について御報告いたします。  去る二月二十五日、山口那津男君が委員辞任され、その補欠として遠山清彦君が選任されました。  また、去る二月二十六日、岡崎トミ子君が委員辞任され、その補欠として神本美恵子君が選任されました。  また、去る二日、荒木清寛君及び池口修次君が委員辞任され、その補欠として山本保君及び大江康弘君が選任されました。     ─────────────
  3. 清水達雄

    委員長清水達雄君) イラクにおける人道復興支援活動及び安全確保支援活動等並びに武力攻撃事態等への対処に関する調査のうち、イラクにおける自衛隊部隊活動状況及び治安情勢等に関する件を議題といたします。  まず、政府から順次報告を聴取いたします。西川防衛庁運用局長
  4. 西川徹矢

    政府参考人西川徹矢君) イラク人道復興支援特措法に基づきます自衛隊部隊活動状況、二月二十六日以降でございますが、について御報告いたします。  まず、陸自陸上自衛隊部隊につきましては、二月の二十一日に本隊の一部が本邦を出国して以来、クウェートを経由し逐次イラクへの移動を行ってまいりましたが、三月の二十七日に本隊の残余の部隊サマーワ宿営地移動を完了いたしました。これですべての派遣部隊がそろったと、こういうことになります。  医療支援活動につきましては、二月の十九日以降、サマーワ総合病院におきます症例検討会等自衛官自衛隊医官が参加しまして、現地人医師に対する診療技術指導助言を行っております。また、三月十四日には、サマーワ市の母子病院に対しまして外務省のODAによります保育器等医療器材供与が行われたところでございますが、同日以降、自衛隊医官によります当該器材使用方法指導や、当該器材による診療技術指導助言を行っているところでございます。  公共施設復旧整備、それから給水につきましては、所要の準備が整ったということで逐次活動を開始いたしておりますが、具体的には、公共施設復旧整備といたしましては、まず、三月の二十五日にムサンナー県ダラージ村の中学校の補修を開始いたしました。そして、三十日にはルメイサ近郊道路整備を開始しております。また、給水活動につきましては、二十六日からサマーワ宿営地におきまして給水車への配水作業を行っております。  また、派遣部隊につきましては、三月の十八日以降、ムサンナー県内の小学校を逐次訪問いたしまして文房具の寄贈を進めておるところでございます。  さらに、以上のような活動を続け、行いながら、現地治安状況等に関します情報の収集や人道復興支援活動実施のための諸調整を引き続き行っていきたいと、このように思っております。  サマーワ周辺の治安状況治安情勢につきましては、時折、サマーワ県知事庁舎CPA付近におきまして失業問題等に関しますデモが発生しておりますが、いずれも大きな混乱なく終了しております。現時点においてはサマーワを含むムサンナー県の治安は比較的安定していると、このように考えておりますが、現地治安情勢には今後とも最大の注意を払ってまいりたいと考えております。  次に、航空自衛隊部隊につきましては、イラク国内の各飛行場の安全性輸送ニーズ等を慎重に勘案した結果、三月の三日の日に、クウェートイラクの間でC130機によります人道復興支援物資輸送を開始いたしました。その後、四月の四日までの間に、人道復興支援関連物資及び関係各国関係機関等物資、人員、陸自部隊生活関連物資その他の補給物資輸送を計十七回実施しておるところでございます。  引き続きまして、安全性あるいは輸送ニーズ等を慎重に勘案しつつ、C130機によります輸送を行ってまいりたいと、このように考えております。  海上自衛隊部隊につきましては、輸送艦「おおすみ」及び護衛艦「むらさめ」、これが三月の十五日にクウェートに到着いたしました。そして、陸上自衛隊車両等を陸揚げいたしまして、両艦にありましては、陸揚げ終了後速やかにクウェートを離れ、現在、本邦に向けて航行中でございます。  ムサンナー県では、サマーワ東西に横断しておりますユーフラテス川が二十年ぶり増水に見舞われておりまして、このまま放置しますと被害拡大等が予想されるということで、関係当局の要請を受け、我が国政府として、同地域被災民救済のための緊急援助物資テント供与することとし、派遣部隊におきましては、当該テントクウェートから被災地まで航空自衛隊のC130輸送機陸上自衛隊車両により輸送することとしております。また、あわせて、現地情勢に応じまして、サマーワ現地部隊においてはんらん対処措置実施に協力することとしておりまして、四月一日、サマーワ近郊で川岸の侵食に対します土のうの設置を行ったところでございます。  なお、最後に、三月三十一日から四月四日までの間、当方の先崎陸上幕僚長イラク及びクウェートを訪問し、復興支援活動安全確保に関します状況確認等実施したところでございます。  以上でございます。
  5. 清水達雄

  6. 堂道秀明

    政府参考人堂道秀明君) イラク治安情勢について御報告申し上げます。  イラク治安情勢につきましては、地域によりその脅威の度合いは異なっておりますが、引き続き、スンニ・トライアングルを中心連合軍イラク警察及びソフトターゲットに対する攻撃が顕著であり、全般として予断を許さない状況が続いております。  昨年三月のイラク開戦以来、米軍死者数はこれまでに六百名を超えました。三月二日には、シーア派住民の重要な行事でありますアシューラが行われている中、カルバラ及びバグダッドシーア派住民をねらったと思われる爆発事件が発生、多数の死傷者が出ました。これを受け、三月三日、ブレーマー行政官は、テロの多くは国外からもたらされていることがますます明らかになっており、国境警備強化されつつあること、また、テロリストは民主化へ向けた動きを妨害しているが、彼らは時間との闘いに敗れつつある旨述べております。  三月十八日に米中央軍が発表したところでは、指名手配を受けている旧体制関係者五十五名のうち、これまでに四十五名が拘束又は殺害されているなど、米軍による掃討作戦も継続されておりまして、また、イラク人治安要員強化、増大も行われております。昨四日、ブレーマー行政官は、アラーウィ貿易相国防相への任命を発表しております。  イラク南東部におきましては、イラクの他の地域に比べ比較的安定している状況に変化はございませんが、昨四月四日には、ナジャフで、シーア派宗教指導者の一人であります、また反米で知られておりますサドル師支持者によるデモ隊が行進中に駐留連合軍と衝突し、多数の死傷者が出ております。  現地治安情勢につきましては、引き続き、十分に注意を払っていきたいと考えております。  イラク政治プロセスに関しましては、三月八日、いわゆる統治評議会メンバーにより、イラク統治評議会メンバーにより、移行期間のためのイラク国家施政法、いわゆる基本法と称するものでございますが、署名されました。他方、三月十九日、シーア派シスターニ師の事務所よりブラヒミ事務総長特別顧問に対しまして書簡が発出され、基本法イラク国民の多数の支持を得ておらず、同法が安保理決議で言及されることにより国際的正当性を得ることを懸念する旨表明されたなどの動きもあります。  我が国としては、イラク人による平和で民主的な国家再建に向けて、六月末の統治権限移譲及びその後の選挙実施などの政治プロセスが円滑に進むことを期待しております。この点は、先般訪日いたしましたウルーム統治評議会議長にも、六月末の統治権限移譲が円滑に進展するよう、統治評議会が役割と責任を果たすよう働き掛けたところであります。これに対しましてウルーム議長は、基本法の署名については、民族、宗教など様々な問題があったが、結果的にイラク一体性を示すことができた、今後、恒久憲法の制定に向け、各方面の指摘を踏まえ、問題解決していきたいと述べております。  なお、三月二十八日には、ブレマー行政官イラク保健省での式典におきまして、イラク保健省は正式には六月末以降に享受が予定されていた権限移譲されたこと、今後六月末までの期間に完全な権限を得る省が更に増えることを期待している旨発表いたしました。  政治プロセスへの国連の関与に関しましては、アナン国連事務総長は、ウルーム統治評議会議長及びブレマーCPA行政官より発出された書簡にこたえまして、三月十八日付けで、可及的速やかにブラヒミ事務総長特別顧問及びそのチーム並びに選挙支援チームイラクに派遣する旨の返簡を統治評議会に発出しております。安保理は、三月二十四日、この書簡の交換を歓迎するとともに、六月三十日に統治権限移譲されるイラク暫定政府の形式及び二〇〇五年一月末までに行われる直接選挙準備におけるイラク国民への支援及び助言を与えるために、可及的速やかにブラヒミ事務総長特別顧問及びそのチーム並びに選挙支援チームイラクに派遣するとの事務総長の決定を歓迎し、強く支持する旨の議長声明を発出いたしました。三月二十六日には、国連報道官より、国連選挙チームバグダッドに到着した旨発表がありました。同報道官によれば、同選挙チームは、来年一月末までに行われる選挙準備のための技術的な活動を行う由です。また、四月四日には、国連報道官より、ブラヒミ国連事務総長特別顧問バグダッドに到着した旨発表がございました。  イラクに対する復興支援に関しましては、二月二十八日から二十九日にアブダビでイラク復興支援信託基金ドナー委員会が開催されまして、我が国は同委員会議長に選出されました。我が国は、基金の効果的な運営への貢献をも通じ、国際協調強化に努めていく考えであります。  我が国復興支援につきましては、三月二十六日、保健医療、電力、水・衛生などの分野で五件の対イラク緊急無償資金協力実施を決定したところであります。  また、ムサンナー県では、トルコ、シリア、イラク北部地域におきます集中豪雨によりまして、サマーワ東西に横断するユーフラテス川が二十年ぶり増水に見舞われておりまして、政府は、三月三十日、ユーフラテスはんらんによる被災民支援のため、ムサンナー県に対しましてテント二百四十張り、約二千百万円相当でございますが、を供与することを決定いたしました。サマーワを含むムサンナー県におきましても、自衛隊による人道復興支援活動との連携及び雇用拡大効果にも十分配慮しつつ、国連人間居住計画UN—HABITAT経由で、学校・コミュニティー再建事業警察車両供与、四十台をめどでございますが、並びにムサンナー県水道局に対する給水車十二台の供与サマーワ母子病院に対する新生児保育器などの医療器材供与実施しております。  今後とも、現地の要望を踏まえまして、他の国際機関やNGOとも連携しつつ、現地住民生活基盤再建に資する支援実施していくことを検討しております。  以上でございます。
  7. 清水達雄

    委員長清水達雄君) 以上で報告の聴取は終わりました。  これより質疑に入ります。  質疑のある方は順次御発言願います。
  8. 舛添要一

    舛添要一君 御報告ありがとうございました。  外務省及び防衛庁報告に対しての質問を行います前に、昨年十一月二十九日に起きました、日本外交官二人、そしてイラク人運転手殺害事件について、その後の捜査状況について警察にお伺いしたいと思いますけれども。  特に、一月前、三月四日、被害車両日本に来ました。三月十日の私の予算委員会質問でも、小野国家公安委員長は一月をめどにちゃんと捜査をすると、それから総理も全力を挙げて政府としても真相解明するということでございます。  我々は与野党を超えて参議院として是非この真相を解明したいというふうに思っていますので、特にこの被害車両検証の結果、それから銃弾鑑定結果、それから司法解剖結果、こういうことを踏まえて正確に御報告、簡潔にお願いしたいと思います。そしてまた、その報告から出てきた結果を基にして何が警察として言えるのか、それもお答え願いたいと思います。
  9. 瀬川勝久

    政府参考人瀬川勝久君) お答えいたします。  イラクにおきます外交官殺害事件について、被害者が乗車していた車両検証日本人外交官二人の司法解剖、採取された金属片、その他、入手した証拠資料に関する捜査を行った結果の概要について御説明をさせていただきたいと思います。  まず第一に、車両検証結果であります。  黒色トヨタ製ランドクルーザーでございます。まず、その被弾状況でありますが、検証において車両前部及び左側面に三十六か所の弾痕確認をされました。その内訳でありますが、前部に四か所、左側前部ドア部に十四か所、左側後部ドア部に十八か所であります。  このうち、貫通して車内に到達したものは二十二か所であります。内訳は、左側前部ドア部の九か所、左側後部ドア部の十三か所であります。さらに、このうち車両右側面までに到達をしたものとして七か所の痕跡確認されますが、これらは車内の比較的高い位置にありまして、このうち貫通して車外に射出したものはルーフパネル部分の一か所であります。車両後部には弾痕等損傷痕跡はなく、屋根の部分にも上方からの弾痕はございません。  第二に、銃弾の射入状況であります。  三十六か所の弾痕のうち、射入角の測定が可能であったものは十か所であります。これは、ガラスや補強材等がある部分弾痕二十五か所、それから貫通していないドアパネル弾痕一か所が測定不能であったということで、測定できたのは十か所ということであります。  このうち、最も低い位置弾痕入口であります左側ドア部ドアパネルの下の部分でありますが、これは高さ、地上からの高さでありますが、七十七・八センチの部分弾痕であります。これは上方から下方に向けて四・八度の角度で射入をしております。次に低い位置であります左側ドア部ドアパネル前方の、高さ、これは百・九センチであります、この弾痕につきましては、ほぼ水平、正確に申し上げますと、下方から上方へ向けて〇・一度の角度で射入をしております。これより高い位置にある射入口が測定できた弾痕というのは八か所ということになります。十マイナス二で八か所ということになりますが、これらはすべて下方から上方へ向けて射入をしております。  以上のことから判断をいたしまして、被害車両はおおむね一メートルの高さから銃撃をされたというふうに推定をされます。また、左前方から射入している、要するに前からですね、射入しているボンネットの弾痕を除く九か所につきましては、ほぼ真横ないし左斜め前方から射入をしているということでございます。水平方向角度について申し上げているわけでございます。  第三に、被害車両と、及び御遺体から採取されました金属片鑑定であります。  車両の天井やドア部から発見された金属片、百十二点ございます。それから、奥大使及び井ノ上書記官の御遺体から採取された金属片が二十点ございます。合計百三十二点につきまして警視庁科学捜査研究所において鑑定をいたしました。その結果、明らかに銃弾の破片とは考えられないものが十五点ありました。銃弾の一部と推定されるものは四十九点でございました。この四十九点のうち、合計で十点につきましては、右回転四条の腔線を有する口径七・六二ミリ程度の銃から発射されたものと推定されるということでございます。  発射痕の特徴を分析しました結果、既に御説明を申し上げております、同一の銃から発射されたと推定される三点があるというふうに前に申し上げました。これは、奥大使それから井ノ上書記官の御遺体からそれぞれ出た一点、それから車両内から大使館において発見をされ、届けられた一点でございます。これと、この三点と一致するものが今回新たに二点発見をされました。合計この五点のものが同一の銃から発射されたというふうに判断しております。そのほか、奥大使の御遺体から既に採取されていた一点と同一の銃から発射されたと推定されるものが、更に二点発見をされました。  なお、これらの結果は、それぞれの金属片に残された発射痕の一部を比較しているものでありまして、この五点と三点につきまして、これが異なる銃から発射されたものか、すべて同一の銃から発射されたものかということは判然といたしません。  また、金属片成分分析でございます。  成分といたしましては、銅、亜鉛、鉛及びアンチモンが検出をされております。その一部につきまして、破壊して組成を鑑定をいたしました。その結果、被甲部分につきましては銅と亜鉛で作られているということでありますが、若干のばらつきがございました。それから、弾心部分は鉛とアンチモンで作られているわけでありますが、これにつきましてはかなりの成分ばらつきが見られました。  具体的に数字を申し上げますと、被甲部分につきましては、奥大使から採取した試料は銅八九・七八%と亜鉛一〇・二二%でありましたが、車両内から採取した試料は銅八九・一五%と亜鉛一〇・八五%でありました。また、弾心部分につきましては、奥大使から採取した試料は鉛九〇・一四%とアンチモン九・八六%でありましたが、車両内から採取した試料は鉛九八・三〇%とアンチモン一・七〇%ということでありました。  これら鑑定の結果から、犯行に使用された銃器の種類、数、また銃弾種類は特定に至っておりません。  第四に、司法解剖結果についてであります。  まず奥大使でありますが、これは既に申し上げておりますが、死因左側頭部射創による頭蓋内損傷判断されます。  なお、奥大使には左半身中心銃撃によるものと思われる多数の銃創群、銃の、できた傷のその群、群れでございますが、銃創群が見られ、致命傷は、左側頭部から頭蓋内に入り脳実質内に達した二つの射創と判断されるということであります。  井ノ上書記官についてでありますが、死因左上腕動脈銃創による失血死と判断されるということであります。井ノ上書記官には左上半身に約十個の主要な銃創等が認められ、致命傷は、左上腕外側上部後ろ寄り銃創というふうに判断をされます。  遺留品等からの捜査であります。これは、外務省を通じまして遺留品等を入手いたしまして分析を行ってきたところでございますが、現在もなおこれは継続捜査中ということで御了解をいただきたいと思います。  これまでの捜査により判明した状況は以上のとおりであります。今後とも、外務省を通じて現地当局情報資料の入手など、引き続き事件真相解明に向けて努めてまいりたいと考えております。
  10. 舛添要一

    舛添要一君 大変な詳細な御報告、ありがとうございました。  我々は、どの角度から撃たれたのかということは非常に興味があるんですが、今だとほとんど水平、下から、上から下というのは二か所ぐらいしかないということなんですけれども、それはあれですか、角度というのは測れるんですか。どういう根拠でそういうことをおっしゃられるんですか。
  11. 瀬川勝久

    政府参考人瀬川勝久君) 先ほど申し上げましたとおり、弾痕として三十六か所確認できていたわけでございますが、そのうちの十か所につきましては、そのうち典型的なものは、例えばドア部に入りまして車内に抜け出ているわけでございます。そのドアの部分の、一定の厚みがございますので、その入ったところと、弾が入ったところと出たところを、の位置関係を判断すれば、弾がどういった角度でそこに入ったのか、射入したのかということが判断できるということでございます。そういう検証方法で検証したというものでございます。
  12. 舛添要一

    舛添要一君 大体七十七・八センチから百・九センチって数字さっきおっしゃったんで、一生懸命メモ取ったんで正確じゃないかもしれないですが、ということは、一メーター、これぐらいですね、私の腰ぐらいでしょうか、もうちょっと上かな、この辺ですね。ということは、そこから撃つということは乗用車でしょうかね、それから例えばピックアップ型のトラックみたいな荷台からでもそれぐらいの位置になるのか。  大体どれぐらいの、どのような車から撃ったというようにそこから想定されますか。
  13. 瀬川勝久

    政府参考人瀬川勝久君) 車両検証というふうに、基づいた鑑定の結果を事実に即して先ほど申し上げたところでございますので、余り申し上げることは予断につながるかというふうに思いますけれども、参考まで申し上げますと、例えばメルセデス・ベンツのCクラスの車というのがございますが、これが、ドアウインドーの一番下の部分ですね、ウインドーを全部下げてドアのウインドーの部分の一番下の部分でございますが、これの地面からの高さは九十五センチでございます。それから、ベンツのEクラスの十五年式で見ますと九十二センチでございます。  さらに、ピックアップトラックというお尋ねがございましたが、これもピックアップトラックもいろんなタイプのものがあろうと思いますのでこうだということを断定的に申し上げることはございませんが、例えば日産の平成五年式のもので私どもが知り得たものは、同じくそのウインドーを一番下げた部分の高さ、地面からの高さでちょうど百センチ、あるいは平成十四年式のもので百九センチというふうに承知をしております。  こういった状況で射撃を行ったとして矛盾はないというふうに考えているところでございます。
  14. 舛添要一

    舛添要一君 先般、若林議員が、同僚の若林議員がパネル、写真を見せまして、正面、ボンネットとかフロントガラスに弾痕ありましたね。あれは、まず入ってきた角度、ちょっとさっき早口だったんで全部私聞き取れていないんですが、あれの角度は分かったんですか。
  15. 瀬川勝久

    政府参考人瀬川勝久君) 車両前部弾痕の中で射入角が想定できたのはボンネットの部分でございますけれども、このボンネット部分の射入角は下から一・五度の角で下方から上方へ向けて射入されているというものでございます。
  16. 舛添要一

    舛添要一君 フロントガラスは何で分からないんですか、角度が。割れちゃって分からないのか。それは非常に重要なポイントなんで、米軍が誤射したんじゃないかというのは、あれ、我々一見して見ると、横は真横からと分かるけれども、上から撃ったような感じがするんですね。だから質問しているんです。
  17. 瀬川勝久

    政府参考人瀬川勝久君) まず、ガラスの部分については、これはガラスの専門家にもいろいろ話を伺いましたが、ガラスに当たったものについての射入の角度を判定するということは非常に難しいといいますか、困難であるということで、分からないということでございます。  それから、前部につきましては、私、ボンネットの部分というのを申し上げましたが、これは下方から一・四度でございます。  それからもう一か所、フロントガラスのその上の部分の車体ですね、ルーフの前部といいますか、あのところに当たったものもございますが、これは下の方から十六・七度の角度で当たっていると……
  18. 舛添要一

    舛添要一君 下から十六・……
  19. 瀬川勝久

    政府参考人瀬川勝久君) 十六・七度でございます。
  20. 舛添要一

    舛添要一君 もうはっきり言って米軍が、ハンビーって上に銃座が付いていますね、あそこから撃ったんじゃないかという要するに推測もあり得るんですが、あれはどれぐらいの高さなんですか、そのハンビーの銃座というのは。石破さんの方がよく知っているかな。
  21. 瀬川勝久

    政府参考人瀬川勝久君) 専門家が大勢おられるところでちょっと私申し上げるのも正確かどうかの自信はございませんけれども、米陸軍の私どもが入手し得ました公表資料で取りあえず承知をしていることで申し上げますと、いわゆる米軍仕様の軽装甲車のハンビーと言われているものにつきましては、その車高ですね、全体の高さは標準は一メーター八十三センチですが、車体を低くすることも可能だということでございまして、低くした場合には百三十七センチまで低くできるという公表資料を私どもは見てございます。  ただ、そのハンビーの銃座というのは、その上に置くということになりますので、それより更に高くなるということだろうというふうに思います。
  22. 舛添要一

    舛添要一君 そうすると、警察捜査の結果からは、今のハンビーのような高い銃座から撃ったという可能性は否定されるということですか。
  23. 瀬川勝久

    政府参考人瀬川勝久君) 先ほど来申し上げた、御説明申し上げましたとおり、この被害車両検証結果から言えますのは、高さ一メートル程度の位置から銃撃をされたということでございますので、その射撃状況と今御指摘のハンビーの銃座から撃ったという状況とは、これは矛盾をするということだろうと思います。
  24. 舛添要一

    舛添要一君 時間がだんだんなくなりますので、次に、先ほどの金属の成分についての分析、これも随分時間掛かったなと思って我々いらいらして見ていたんですが、普通常識で考えれば、ちっちゃな破片でもそれ分析すれば、先ほど八九%か九〇%、細かい鉛とかアンチモンとかおっしゃいましたけれども、どの鉄砲の、どの例えば銃のどの弾丸はどういう成分だというのはもうちょっと分かるんじゃないですか。つまり、私は銃の専門家じゃない、これはむしろ石破防衛庁長官にでもお伺いした方がいいと思うんですけれども、機関銃でも何でもいろんな銃があって、一つ一つやっぱり違うんだったら、今の例えばその銅が八九%、亜鉛が一〇%で、弾心の部分、鉛とアンチモン、これだったら、カラシニコフだったら、これだったら、まあ口径はもう決まっているとしてですよ、米軍のほかの銃だって。そういう特定はできないんですか。  それで、大体どういうような鑑定を行ってそこしか出ないんですか。私は警察の、何というか、科学的分析力は非常に高いと思うんですけれどもね。
  25. 瀬川勝久

    政府参考人瀬川勝久君) 銃弾の金属成分につきましては、最終的には破壊をしてといいますか、溶かす形でしっかり検査をしたものでございます。ただ、その銃弾における金属成分が分かれば銃が特定できるのではないかという前提でのお尋ねも過去いろいろあったわけでございますが、これは非常に難しいわけでございます。  といいますのは、銃弾はまず一つ、いろんなところで作ります。ですから、その作った製造場所なり製造したタイミングなり製造した人、製造者といいますか、をある程度推測することはできるかもしれません。しかし、なおそれでも、特にこの弾心部分ですとか被甲部分ですが、金属は必ずしも精緻にパーセンテージをきちっと固定して作る必要も特にないわけでございまして、例えば、鉛とアンチモンを、弾心部分などは特にそうでございますが、溶かした形でそれを固めていけば弾心になるわけですので、そこから、何といいますか、銃種の特定まで至るというのは、これはなかなか難しいんだろうというふうに思います。  ただ、極めて類似した金属成分であれば、どの機会に作られたものかということは可能かもしれないという、推測といいますか、そういう仮説はあり得まして、そういう仮説での研究といいますか、は行われていることも事実のようでありますけれども、例えば、アメリカのFBI等々にもちょっと聞いてみましたけれども、弾丸の金属成分の例えばデータベースを作ってそれを照合することによって銃種を特定をしたり、銃のメーカー、弾丸のメーカーを特定したりというようなことが実用化される段階では現時点全くないと、こういう状況であるというふうに聞いております。
  26. 舛添要一

    舛添要一君 時間がだんだんなくなっていますんで、さっき恐らく回収、外務省として回収されたものの中にパソコンとかデジカメとかいろいろあると思いますが、それは今継続して捜査ということなんですけれども、最後に、まだいろいろ疑問もありますけれども、また後ほど同僚議員も質問に立たれると思いますから、最後に、今後、継続しているということですけれども、どんな捜査を行う予定なのか、それを最後にお述べいただきたいと思います。
  27. 瀬川勝久

    政府参考人瀬川勝久君) お答えいたします。  今後でありますけれども、なかなか証拠資料の入手が非常に難しい客観的状況にありますけれども、外務省とも緊密に連携をいたしまして、できるだけ多くの証拠資料の入手に努めてまいりたいと。入手できました証拠資料につきましては、しっかりその検証なり鑑定なりを行うと。大変重大な事件でございますので、日本警察としてはもう精一杯できる限り真相究明に努力をしてまいりたいと、こういうふうに考えておるところでございます。
  28. 舛添要一

    舛添要一君 是非、警察の威信に懸けて、持てる全力を使ってこの真相解明していただきたいと思います。また、機会がありまして、新たな結果が出たらこの場で公表していただいて、こういう質疑を行いたいと思います。  続きまして、先ほど防衛庁及び外務省から御報告いただきましたイラク情勢について質問申し上げます。  先ほど、外務省の方から、シーア派シスターニ師のその動向などについて話がございました。我々も、先般、イラク統治評議会ウルーム議長が来られたときにそういう点について議論をいたしましたけれども、基本法から憲法をやっていく、そして新しい政府を作る、本当にこれ、うまくいくのかどうなのか。外務大臣、今、どういうふうに御判断でしょうか。
  29. 川口順子

    国務大臣(川口順子君) はっきりしていることは、関係者、六月三十日に主権をイラク人に渡すということであると思います。これを後ろにずらした方がいいという、あるいはずらしたいと望んでいる人はいないと申し上げてもいいと思います。  それで、ただ問題は、そのときに、その後できる暫定政府、これがどういうものであるかという、受皿をどのように選ぶかということは必ずしも決まっていないということでございますけれども、四月の四日からブラヒミ特別顧問がイラクにまた行っていらっしゃいます。ブラヒミさんがまたイラクの要人と、主要な人たちと会われて、こういったことについても議論をなさるのではないかというふうに思っています。  基本法について、署名をする形でいろいろ立場の違う人たちが合意をした、そのために妥協を重ねたということで、一〇〇%自分の意のままになっていないと関係者はみんな思っている状況であると思いますけれども、大事なことは、これはこの間、ウルーム暫定評議会の議長がいらしたときに私もそのお話をいたしましたけれども、みんなが合意をしてこれができた、基本法ができたということ自体が非常に重要なことであるということをおっしゃっていらっしゃいました。そういった妥協による合意の形成、これを、国連を始めとして国際社会が全体で後押しをしていかなければいけないということだと思います。  六月三十日には作る、という覚悟でみんなが今取り組んでいるというふうに考えています。
  30. 舛添要一

    舛添要一君 御承知のように、先ほど御報告ありましたように、ナジャブでも昨日シーア派デモがあったりして、治安情勢が安定的でないと。そういう中で、是非、このイラク人による政府を作ることをやらないといけないと思いますが、やっぱり国連がもっと積極的に関与するということが問題の解決に大きく寄与すると思いますので、日本としてはどういう外交的な働き掛けを国連ないしその他のイラクにおける諸勢力に対して行っているのか、お答え願いたいと思います。
  31. 川口順子

    国務大臣(川口順子君) 国連の関与、もっと大きな関与が必要であるということは、日本も全く同じように考えております。そのために、働き掛けといたしましては、幾つかのことをやっておりますけれども、例えばこの間、アナン事務総長がお見えになられましたときにも、国連がより大きく関与をすることが重要であるということをお話をいたしましたし、さらに、ウルム評議会の議長がお見えになられたときもそういうお話をいたしております。  治安と表裏一体というところがございまして、治安が良くなればなるほどより多くの国連の関与が可能になるということであるかと思います。アナン事務総長も、国連の事務局の職員の厳しい現実感覚、治安についての現実感覚、それを背景に最大限の努力をしていらっしゃるというふうに考えております。  それから、より根本的な我が国の貢献としては人道復興支援があるわけでして、人道復興支援が行われてイラクの経済社会が安定をしていくことが治安の安定につながっていき、それが、政治プロセスがきちんと国連が関与する形で行われていくということにつながっていくと思います。それが相互に影響し合っているというのがイラクの現状であるかと思います。
  32. 舛添要一

    舛添要一君 正に、その人道復興支援の中身でございますけれども、先ほどの報告で、三月二十六日、保健医療、電力、水・衛生等の分野で五件の対イラク緊急無償資金協力実施を決定したということでありますが、先般、私は外交防衛委員会におきまして、通信インフラの整備について、こういうものを使って積極的にやるような方向はどうかということを申し上げましたけれども、古田局長、その後どういう展開であるか御説明願いたいと思います。
  33. 古田肇

    政府参考人(古田肇君) 御答弁申し上げます。  御指摘のように、三月十六日の外交防衛委員会大臣の方から御答弁ございましたが、私どもとしても、イラク情報通信分野につきましてはその復旧が緊急性があり、重要であるということは十分理解しておるわけでございます。  既にアンマンにおきまして、我が国が派遣しているJICAの調査団と情報通信省との間で協議が行われておりますし、また、東京でも情報通信大臣の訪日を受けたところでございます。その後も、調査報告分析でありますとか、あるいはイラク情報通信省等の関係者と電話会談を行うなど通じまして、いかなる資金協力が可能かということの検討を続けております。  その一環といたしまして、外務省といたしましては、総務省とも連携をしながら、情報通信分野においてプロジェクトの具体化、優先順位付け等についてイラク情報通信省との協議を継続していく考えでございまして、このため、今月の中下旬を目途に、アンマンに派遣するイラク復興支援に関する調査団に情報通信分野の専門家を派遣すべく、政府部内で検討を行っているところでございます。
  34. 舛添要一

    舛添要一君 外務大臣、是非この援助については非常に柔軟性を持って、いろんなニーズが出てきている。先ほどありましたけれども、急に洪水、水害だと。これはやっぱりやっていかないといけないので、柔軟性を持っていただきたいということをお願い申し上げまして、次に防衛庁長官にお伺いします。  今のところ、我々も非常に自衛隊員の活躍というか活動について誇りを持って眺めております。大変なところで御努力願っていて、非常に一般的に評判もいいということなので安心していますけれども、ただ、我々が知り得るのはやっぱり報道を通じて、先般もNHKで特集をやっていましたけれども、ああいう映像それから新聞記事などを通じてしか分かりませんので、今日は是非、現場からどういう声が隊員から上がっているかということをお伺いしたいと思います。  今、ユーフラテス川のはんらんによる土のうを積むというような話もありましたけれども、自衛隊員が現場に行って、予想していなかった、こんなことまでやらされるのかとか、これは全く予想しなかった、これ長官、何とかしてくれないかとか、そういうような報告はございますか。あると思うんですね。なければあなたがちゃんと聞いていないということになるので、是非答えてください。
  35. 石破茂

    国務大臣(石破茂君) 予測はしていたがということで申し上げるとすれば、やはりニーズは無限だということだと思います。  これは前の委員会でも、期待値と実現値のギャップをどう埋めるかだというお話をいたしました。魔法のつえとか魔法のランプとか言われますが、要するに、自衛隊であれば何でもやってくれるだろうというのはあるし、それは多分無限だし、我々の隊員が活動するそこかしこにおいて、これをやってちょうだい、あれをやってちょうだいというのが出るわけですね。ですけれども、当然のことながら、それにすべてはこたえられないということになるわけで、期待値と実現値の乖離がないといえばそれはうそ、なぜならば、実現値には限りがあり、期待値は無限だからだということなのだと思っています。  そこで、私どもも、現地サマーワにも外務省の方々、行っていただいているわけであって、どうやって当庁と外務省が連携を取りながらこの乖離を埋めるか。それは、実現値を上げるということもあるでしょう、過大な期待値を下げるということもあるでしょう。そこを埋めていかないと安全確保というものは極めて難しいのではないだろうか。やはり、サマーワの地において自衛隊に対して危害を加えるようなやつは絶対に許さないぞという雰囲気が横溢して初めて安全は保たれるのであって、私は、そこのところを埋めるということが、予想していたことではあるけれども、相当に大変だなという感じを持っております。  もう一点申し上げれば、部族社会というのは我々見たことがなかったわけであって、土地の使用についてもそうでありますが、部族社会というものはやっぱり我々見ると聞くのとは違うなということでありまして、そこの場合にどうやって、例えば、その部族の中でAはこう言うがBはこう言っておると、Cはこう言いDはこう言うというようなことがございまして、どうやって部族社会の中で我々の活動というものを理解していただき、そしてまた支援をしてもらうかということについては考えていた以上に様々な困難が伴う。しかし、そこを今一生懸命やらせていただいておるところであります。  また、洪水のお話も先生なさいました。洪水があって、何となくイメージ的には災害派遣のイメージになるわけですよね。そうしますと、さて、今回のイラク特措法で派遣をしておると、では、洪水が起きました、そういう場合何ができるんだというようなこともございまして、これは正直言って、あそこで洪水が起こるというのはちょっと想像してなかったことでございますから、もちろん法にのっとって適正な対応をしておりますけれども、そのようなこともございました。  実際に活動するようになってかなりの期間がたちましたので、そういうことをもう一度この委員会等々にも御議論をいただき、より、日本としてイラクに対する責任の果たし方、国際社会に対する責任の果たし方がより良いものであるように、また御教示を賜りたいと思っております。
  36. 舛添要一

    舛添要一君 先般テレビで見ていると、テレビ電話のようなものを使って家族と十分間ぐらいですか、話している。これ非常に重要なんで、隊員のモラールというか、それを高く保つためにそういう心遣いというのは非常に大事なんで、これ特別に質問通告もしてないんですけれども、どれぐらい、隊員一人当たりどれぐらいの通話時間許しているのか。私が視察に行ったとき、やっぱり米軍の兵隊さんと、昨年ですけれども、夏のあの暑いときに行って話したら、もうこのインターネットや特に電話ですね、電話で家族と話せる、あれたしか一週間に一遍ぐらい話せる、それがもう生きがいだというようなことを米軍の方々もおっしゃっていたんで、こういうことは多少予算掛かるかもしれないですけれども、是非やっていただきたいと思いますが、長官、どういう方針でしょうか。
  37. 石破茂

    国務大臣(石破茂君) テレビ電話というものを使いましたのはこれが初めてでございます。今までPKOでもインド洋の派遣でもテレビ電話を使ったことはございませんで、今回初めて使いました。  現在のところ、テレビ電話につきましては、一週間につき隊員一名十分ということにいたしております。これを四台据え付けておりまして、国内には二十一台、つまりサマワには四台、日本では北方、東方、それから各方面隊それぞれから出ておりますので一台置かせていただいておるわけでございます。で、絵が出ません衛星携帯電話は、一週間につき一人五分二回という形にしておるわけでございます。実際、これは五分二回きちんとやらなきゃ駄目だということではございませんで、都合十分間ということですから、一回一分で十回やったっていいと、こういうことになるわけでございます。  そのように、現在、衛星携帯電話並びにテレビ電話、特にテレビ電話は初めて使っておるわけでございます。そういうものを用いまして、内地、日本の留守家族の方々とコミュニケーション取るようにいたしておりますし、電子メールにつきましては全隊にメールアドレスを付与をいたしまして、空きコンテナを使いまして、メール専用のパソコン三台で運用しておるわけでございます。今後、施設が整ってまいりますと、厚生施設内にITルームを設けまして、メール専用のパソコンを四台設置したいと思っております。  先生、今まさしくお値段の話をしていただきました。テレビ電話って意外と高いんですね、これ。普通の携帯電話、衛星携帯電話の三倍ないし四倍するという形で聞いておるわけでございましてなかなか、使い放題というわけにはなかなかいかぬだろうと思っております。  先般、報道もなされましたが、やっぱりお父さんの顔が見える、その子供たちの顔が見えるということに大きな意味があろうと思っておりまして、これから先も隊員の要望、留守家族の要望等々聞きながら充実をしてまいりたいと思いますが、現在のところこのような状況で、連絡体制は十分とは申しませんが、相当に疎通は図れておると考えております。
  38. 舛添要一

    舛添要一君 是非そういう努力は続けていただきたいと思いますが、本当は一番いいのは自衛隊が一日も早く帰ってくることであります。だから、政府を挙げてイラク人が自分で統治できるようにして一日も早く帰ってくる、あとは民間の人間が行く、陸上自衛隊じゃなくてゼネコンがやると、こういうやり方ができるように努力していただきたいと思います。  それから、今度、もう一つお伺いしたいのは、隊員からの報告ですが、女性の隊員が行かれている。私、これ、昨年視察が終わった後、参議院の本会議において総理にもお願いいたしましたが、是非女性隊員やってくれと、イスラム社会において女性でないとできないことがある。ですから、その女性隊員の活躍に大変期待していますけれども、今のところ、期間が短いですからその詳細な報告も上がっていないかとも思いますけれども、彼らの感想、そしてどういう活動をしているのか、御報告願いたいと思います。
  39. 石破茂

    国務大臣(石破茂君) 先ほど、陸幕長がサマワから戻ってまいりまして、昨日遅くですが、取りあえずの報告を受けました。その中でも、先生御指摘の点、報告の中にもございまして、やっぱり女性と男性隊員がなれなれしく話してはいかぬのだそうですね。我が国だと結構なれなれしく話していたりするのかどうか知りませんが、現地に行きまして、その現地イラク人の女性に対してみだりに話を掛けたり、またあるいは触れたりなんかしたらとんでもないことになるわけで、女性隊員、そのためにも行っておるわけでございます。  彼女たちが言っておりますのは、陸幕長から聞きました話も加えて申し上げれば、本当にイラクの人たちと、女性と話ができる、そして若い女性は若い女性なりに、そしてやや年いかれた方は年いかれた方なりに、そういう方々と直接話ができるという立場というのはとてもやりがいがあるということを言っておるんだそうであります。彼女たちが言っておりますのは、私たちは女性だからということで派遣部隊の中で特別に扱われるのではなくて、支援軍の一員としてイラクのために貢献したいと本当に考えておるわけでございます。  また、医療につきましても、衛生隊員、女性を出しておりますが、これ女性の診察等々ですね、診療の指導、そういう場合に、医官を出しておるわけではございませんが、やはり女性でなければ接しられないところもございます。彼女たちは本当に日本自衛隊員として女性でなければできないこと、そういうことをやっておると思っております。  そういうようなことで、彼女たち、本当によく仕事をしてくれていると私ども思っておりますし、国民の皆様方にも御理解いただき、御支援をいただければ幸いに存じます。
  40. 舛添要一

    舛添要一君 是非彼女たちの仕事に期待したいと思いますが、今たまたま先崎陸幕長の訪問の話出ましたけれども、何か相当な報道管制をしいたみたいで、私は、あなたが行かれるときと総理が行かれるときはトップシークレットで管制していいと思います。だけれども、陸幕長行かれるときはもうちょっと報道してもいいんじゃないですか。ブッシュ大統領とかチャールズ皇太子、彼らが行かれたときはこれはトップシークレットにしてサプライズビジットでした。だけれども、この点どうですか。一言お答え願いたいと思います。
  41. 石破茂

    国務大臣(石破茂君) 総理や私については何にも具体的に決まっておりません。  報道管制というふうに先生は多分かぎ括弧付きでお使いなのだと思いますが、そのようなことはいたしておりませんが……
  42. 舛添要一

    舛添要一君 だました……
  43. 石破茂

    国務大臣(石破茂君) いえ、いえ、いえ、ですから、私が申しましたのは、少なくとも虚偽の、今だましたということをつぶやかれていましたが、そういうようなことで受け取られるようなことは絶対にしてはいけないということはよく申しました。そういうようなことが取りざたされてからそういうことは申しました。  要は、安全の確保ということは大事だけれども、民主主義国家における実力組織の派遣は、報道機関あるいは報道機関が代弁をしておる国民の声、それに支えられたものでなければいけないので、少なくとも信頼関係を損なうことはしてはならない。しかしながら、安全の確保というものについて報道機関にも御認識をいただき、間違っても報道管制とかあるいはかつての大本営発表、作為的な報道とか、そのようなことがないように私どもとしてはよく心していかねばならぬと考えております。  今回の件につき、反省することはございますので、私からよく申し上げておるところ、組織に対して申しておるところでございます。
  44. 舛添要一

    舛添要一君 終わります。ありがとうございました。
  45. 若林秀樹

    ○若林秀樹君 民主党・新緑風会の若林でございます。  そういう意味じゃ、初めて被弾車両の結果がある程度は明らかになったんではないかなというふうに思います。発表を聞いていて、私が気が付かない部分もありまして、ああ、そうなのかなというところもありましたけれども、今日お話を伺って、率直に言って、ますますなぞになぞが深まったというんでしょうか、むしろそういう印象を私は覚えました。  それについてもお話をさせていただきたいというふうに思いますが、まず銃弾の入射角度ですが、水平だということであります。  私は、当初、左側に付いていた三十数発の弾、反対側に何もないということで、私はかなり角度が高く撃たれたんではないかという、そういう推定の下にやっておりましたが、今日その部分において水平に撃たれたということが明らかになったという意味では、それは大きな進歩ではないかなというふうに思っております。  その上で、ハンビーというのは車高がそんな高くないです。むしろトヨタのランクルの方が高いんですね。ですから、ほぼ横に撃てば水平だということになります。今日具体的に一メーターというお話をなされましたので、実はハンビーというのは台車に乗って、上に乗って撃つ撃ち方と、横に撃って、横に銃口を出しながら機関銃を撃つという両方のやり方がありまして、ちょうどその高さが一メートルぐらいなんです。その証拠の写真、これは協議会に出していませんが、ありますけれども、ちゃんと横から出しながら移動していて撃っているということがありますので、正に一メートルの高さはまだそういうことではないかなという可能性もないわけじゃないということで、改めてそう思いましたので、これをもって米軍誤射説を意図的に否定するんであれば、それは間違いであるということを明確にここで述べておきたいと思います。むしろ、そういう報道を裏ブリーフでされたんだったら私はおかしいと思います。  ですから、この一メーターをもって誤射説ではないということを完全に結び付ける理由がほかにあるんだったらおっしゃっていただきたいと思います。まず、瀬川さんから。
  46. 瀬川勝久

    政府参考人瀬川勝久君) 先ほど舛添委員の御質問にお答えをしたとおりでございまして、私ども、おおむね一メートルの高さから射撃されたものという鑑定結果が出ているということでございまして、それがいかなる車から発射されたのかということを判断する材料というのは具体的に持っておるわけではございません。  ただ、そのハンビーという点につきましては、そのハンビーについて、上に銃座を設けて撃っているというような形であるとすればかなり高い部分からということになりますので、それは矛盾することになるだろうということを申し上げたところでございます。
  47. 若林秀樹

    ○若林秀樹君 そういう意味では、警察庁は、その仮に上から撃ったという意味でのハンビーはないということを言っているだけであって、米軍誤射を必ずしも否定した撃ち方ではないということも言っているというふうに思いますので、つまり、一メートルというところに対してどうなのかということが今後やはり捜査する必要があるんではないかなと思います。  いずれにしましても、今日出た内容というのは、口頭で言われて速かったものですから書くのも全部取れませんでしたし、一度、理事会にすべてのデータ、金属成分も含めて出していただきたいというふうに思いますが、その辺、理事会で協議いただきたいと思いますが、よろしくお願いします。
  48. 清水達雄

    委員長清水達雄君) はい、理事会で協議いたします。
  49. 若林秀樹

    ○若林秀樹君 その上で、銃弾成分もまた、これはまた分からないということでありまして、銅、亜鉛そしてアンチモンですか、ということがありましたので、これまた、私もその銃の専門家ではありませんけれども、いわゆるAK47というカラシニコフが典型的に使っているという意味での銃弾成分とは若干違うんではないかというふうに思いました。  私が知っているのは、例えば鉛の弾頭、鉛だけの弾頭を中心としたフルメタルジャケットというやつと、もう一つはスチールジャケットといういわゆる軟鉄を中心に、鉄ですよね、それに銅のコーティングをしてあるという二つの大きな典型的な鉛の銃弾種類があると思いますが、そことの関係において何か分かることがあればちょっと教えていただきたいと思います。
  50. 瀬川勝久

    政府参考人瀬川勝久君) 徹甲弾かどうかという御指摘かと思いますけれども、一部その貫通力を高めるために被甲部分又は弾心部分に鉄を使うというものがあるというふうに承知をしておりますけれども、今回車内から発見されました金属片につきましては、先ほどお答えを申し上げましたとおり、鉄という金属成分発見をされておりません。  それから、AK47の銃弾というのはこういうものだという決まったものがあるわけではないというふうに思いますけれども、私どもが別途入手しましたAK47の弾というのがございますが、これにつきましては、パーセンテージは今回発見されたものと若干違いますけれども、成分としましては同様に被甲部分は銅と亜鉛、それから弾心の部分は鉛とアンチモンで構成をされているという対象資料がございました。
  51. 若林秀樹

    ○若林秀樹君 ありがとうございます。  そういう意味じゃ、鉄が使われたものではないという意味では、スチールジャケットではないという意味ではまあそうなのかもしれません。  ただ、私が調べたところによると、イラクで多く使われている銃弾は結構スチールジャケットのものが多いということが言われていますんで、そういう意味においては、通常使われているカラシニコフの銃弾以外の可能性も出てきたということは言えるんではないかなというふうに思いますし、いずれにせよ世界じゅうでいろんなところで銃弾を作っているわけですから、どの銃弾をもってその特定できるということは私はあり得ないと思いますが、今日、お話では私はますます様々な銃の可能性を特定全然できていない、むしろ逆に広がったという意味でまたこれまたどういう可能性があるのか、ますます私は分からなくなったんではないかなというのが印象でございますんで、そういう意味ではこれからも引き続き調査の必要があると思いますし、少なくとも通常使われているカラシニコフ弾の銃弾以外の可能性が逆に出てきたというふうに私はとらえておりますんで、是非とも引き続き調査の方をよろしくお願いしたいなというふうに思います。  その上で、もう一つお伺いしたいんですが、今回の車の、車両の検査の結果、防弾レベルというのが具体的に分かったんではないかなと思いますが、その点について教えていただければと思います。
  52. 瀬川勝久

    政府参考人瀬川勝久君) 今回の車両は防弾車でございます。ガラス等も防弾ガラス等を使用しているということは申し上げていいかと思いますが、防弾性能そのものにつきましては、私どもの方からちょっと申し上げるのはこれは差し控えをさせていただきたいというふうに思います。
  53. 若林秀樹

    ○若林秀樹君 その理由を教えてください。
  54. 瀬川勝久

    政府参考人瀬川勝久君) これは、どのような防弾車両を在外公館で使用しているかということは在外公館の安全対策にかかわることであり、外務省の方からもコメントは差し控えたいという考えであるというふうに承知をしているということでございます。
  55. 若林秀樹

    ○若林秀樹君 これはやっぱり被弾された、被弾された車両の特定ですから、その調査結果として私は明らかにしてもいいんではないか。必ずしも、これが世界に配置され、配車されている防弾車と同一ではないことは当たり前ですから、その辺についても含めてもう一度ちょっと答弁願えないでしょうか。これからの方向も含めて、それについて。調べて、当然調べられたと思いますんで、これは非常に重要な点でありますんで、もう一回ちょっと答弁願います。
  56. 堂道秀明

    政府参考人堂道秀明君) 私どもの方からお答え申し上げたいと思います。  このバグダッドにおきます我が方の大使館で使用していた防弾車は二種類ございまして、いわゆる防弾のその防護の率が非常に高いもの、それよりもやや軽度のものという二種類を有しておりました。  この被弾車といいますか、被害者両名が乗っておられたこの車については、その軽防弾車という特定の種類でございます。
  57. 若林秀樹

    ○若林秀樹君 軽防弾車というのは、例えば一般的に理解するにはどの程度の防弾レベルなのかという、それがちょっと知りたいんですよね。その辺をちょっと具体的に、軽防弾車ということはこのぐらいの範囲で防弾レベルがあるということを、警察でもいいですし堂道局長でもいいんで、その辺ちょっと教えていただけますか。
  58. 堂道秀明

    政府参考人堂道秀明君) これについては、いろんな防弾車について生産しておるところがありまして、それぞれの、一律に決まっておるわけではございませんですが、一般的に申し上げれば、例えば小銃、ピストル等の弾丸は通さないもの、ただ小銃については通すものというふうにある程度規格が変わってくるというふうに承知しております。
  59. 若林秀樹

    ○若林秀樹君 分かりました。もうそれ以上聞いても何も出ないと思いますんで、今後の捜査の中でまた明らかにしていただきたいなというふうに思っております。そういう意味で、被弾車両と検視の結果というのは、取りあえずそれに関する質問は終わらさせていただきたいと思いますけれども、是非ともきちっとその資料を具体的に提示していただければというふうに思っております。  その関連で、今日は、その外交官殺害事件に、中心質問させていただきたいというふうに思います。  通告しておりますが、外務省にお伺いしたいと思います。事件当日の事実経過について伺いたいと思います。初めて聞かれる方も多いと思うんですが、十時に大使館を出て、十一時、十二時に定時連絡をしたと。およそ十二時半ぐらいに襲撃されたんではないかというのが周りの情況証拠から考えられるわけですけれども、まず十時から出て、十一時、十二時に定時連絡したそれぞれの位置等を教えていただけないかと思います。
  60. 堂道秀明

    政府参考人堂道秀明君) お答え申し上げます。  奥大使イラクの人道復興支援に寄与するためにイラクの各地に出張しておりまして、このような出張の際には、節目節目に大使館に連絡を取っておりましたけれども、昨年十一月二十九日は、十時ごろに大使館出発後、午後十二時八分に上村臨時代理大使と連絡を取っており、これが最後の連絡というふうになっております。この上村臨時代理大使によりますと、このときの会話は事務打合せの内容でございまして、奥大使からも場所を特定するような会話は行なっていないということでございます。上村臨時代理大使としましては、ティクリートに向かう車内から電話があったものと認識していたと、こういうことでございます。
  61. 若林秀樹

    ○若林秀樹君 こういうセキュリティーの悪いところですから、ある部分定時連絡というのは、走りながら、どこどこへ行ったと、今この辺だよというのが普通じゃないかなというふうに思いますけれども、今の会話を見ますと、どっちかというと打合せの内容が主だったという意味での場所の特定はできないということになります。  いずれにしましても、最後、バグダッドからティクリートまでの距離を考えると、百八十キロ、高速でいえば二時間弱で行くような距離ですから、最後定時連絡した後にそんな過ぎることなく襲撃を受けた可能性は非常に高いと思われますし、十二時半ぐらいに目撃者という意味において、ほぼそのぐらいの時刻に襲撃されたんではないかということが推定できるというのが自然ではないかと思います。  その上で、今回の一連の流れの事実経過が本当にいまだに明らかになっていないんですが、一つにAFPの記者が、会議の直前に米軍のマクドナルド広報官がブリーフィングをしたと言われております。それは、実は二人の日本人とレバノン人が銃撃に遭い、ティクリート病院に運ばれたということでありますが、これは、この特定の時期をめぐっては、外務省はどこの会議の冒頭か分からないということをこれまで言っております。そしてまた、その中で、三月十六日におきましては、二日目のブリーフィングだという話を堂道局長がされていると思います。二日目のブリーフィングだと言った根拠をちょっと教えていただきたいと思います。
  62. 堂道秀明

    政府参考人堂道秀明君) このAFPのその通信の報道でございますけれども、これまでにも米軍に対しまして確認しました結果、現地米軍、これは第四歩兵師団でございますけれども、通常十四時、二時から定例ブリーフィングを行っていると承知しておりますけれども、この二十九日には定例ブリーフィングにおきまして、米軍側より事件に関する言及はないと。米軍報道官がこの件に言及いたしましたのは二十九日の夜になってからであったというふうに承知しています。この二十九日の午後二時に米軍による報道官の発表はないということで、米軍がその同日の午後二時に事件を承知したということはないというふうに承知しております。  なお、その会議、ティクリットの会議でございますけれども、二十九日と三十日の両日にわたっておりまして、三十日にこの米軍報道官より改めてこの事件についての言及があったと、こういうふうに承知をしておるところでございます。
  63. 若林秀樹

    ○若林秀樹君 二日目だというのは、二日目になって米軍の報道があったということを外務省は知って、二日目だという、このAFPの記事は二日目だということでおっしゃられたんでしょうか。もう一度ちょっと確認したいと思います。非常に重要なことです。
  64. 堂道秀明

    政府参考人堂道秀明君) お答え申し上げます。  このAFPの記事でございますけれども、三十日の記事でございます。それで、その記事の中に、その会議の冒頭に……
  65. 若林秀樹

    ○若林秀樹君 冒頭じゃないんです。ビフォー・ザ・オープニング・オブ・ザ・コンファレンス。冒頭とビフォーは違いますので。
  66. 堂道秀明

    政府参考人堂道秀明君) 会議の前にと翻訳した方が──そういう、そのときにマクドナルド報道官がこの件について言及したということでございます。この点について、私どもも記憶をしておりまして、この会議にその報道官がその事件に言及したということは明確に記憶をしておるところでございます。  そこで、この会議の前に、あるいは冒頭にということについて若干誤解が生じているんではないかというふうに思います。会議につきましては、二十九日の昼ごろから暫時登録をし、昼食をし、またこのティクリット宮殿というところで開かれるわけでございましたが、ここが最初のオープニングになるということもございまして、会議の参列者にこの宮殿の中を見せるという行事、そういういわゆるレセプションから始まっているわけでございまして、実質的な討議につきましては三十日から始まると、こういう予定でございました。そういう意味で若干この報道をめぐって誤解があったんではないかというふうに思います。
  67. 若林秀樹

    ○若林秀樹君 三十日のブリーフィングだという理由には今のあれは全くなりませんので、一応ビフォー・ザ・オープニング・オブ・ザ・コンファレンスというのは、ビフォーというのは会議が始まるビフォーですから、会議というのは取りあえず二時から始まったということは外務省が言っているわけなんで、まず、ここについてはそういう意味でのビフォーというのはそういう意味だというふうに私は理解するのが自然ではないかなというふうに思っております。  そしてまたもう一つ、病院に二人が運ばれた、けがの状況は分からないというのは、これは正に襲撃に遭った直後の情報じゃないとおかしいんです。夜であればもう亡くなっているんです。次の朝になればもう名前まで特定できているんです。そういう意味において、全くこれは堂道局長の今の御発言は当たらないと思いますが、いかがでしょうか。
  68. 堂道秀明

    政府参考人堂道秀明君) お答え申し上げます。  この病院への、まず、この事件につきまして、現地米軍それからCPAを通じまして日本側に通告があったのは二十九日の夕方でございました。その時点で日本人らしき者、あるいは運転手につきましてはレバノン人というふうに、若干事件の当初の報告でよく分からない点がございました。私どもとしましては当然、その両名がティクリットに向かっているということ、この報道、そういう一報を受けましてから両名への連絡を試みましたけれども、全く音信が不通であるということから、両名が巻き込まれた疑いが非常に高いということでこの身元の確認に全力を尽くしたわけでございます。  しかしながら、これ何度か御報告しておりますけれども、その身元を確認するものが全く見付かっていないと。結果的には二十九日の現地時間の深夜になってようやくパスポートにより発見された、こういう状況でございます。その間、病院には現地警察から先に、米軍より第一報があるまで、あるよりも先という意味でございますけれども、現地警察がティクリット病院に搬送したと、こういう状況でございます。
  69. 若林秀樹

    ○若林秀樹君 要は、済みません、けがの状況、けがの負傷の状況は分からないという情報は、これは二時前後じゃないとおかしいんですよ。ですから、堂道局長が、夜ブリーフィングがあったという意味においては、そこではもう亡くなっていらっしゃいますし、二日においてはそういうことであります。  もう一つ申し上げたいのは、さっき二日目の報道ではないかと言いましたが、AFP東京を通じて確認したら、当日のブリーフィングであったということも確認しておりますので、これまた堂道さんの発言はこれ違うということに一応証明されましたので、もし御異論があれば今のことについて答弁願います。
  70. 堂道秀明

    政府参考人堂道秀明君) この二十九日のAFPの通信でございますけれども、私どもの認識としましては、二十九日にそういうブリーフィング、二時にそういうブリーフィングは行われていないということでございます。したがいまして、このショートリー・ビフォー、つまりその会議の直前にというふうにAFPが報じているわけでございますけれども、このAFPの配信自身が三十日でございます。そういうことで、もしその時点でこの事件を報道するのであれば、その直後にその報道、配信があったというふうにも思われますし、私どもの記録でも二十九日にこの事件に言及したAFPの報道はないというふうに承知しております。
  71. 若林秀樹

    ○若林秀樹君 いずれにせよ、このことはまた明らかにしていきますけれども、けがの状況は分からないという報道しているんですよ。けがの状況が分からないというのは、次の日の報道だったらこれは絶対あり得ない話じゃないですか。何でもうちょっと出ていることに対して自然にちょっと判断してくれないんですか。分かるでしょう、これ、日本語で言っているんだから。負傷の状況は分からないというのは二日にはあり得ないんですよ、これは。何でそれなのにもう二日目の、判断で言えるというのは、これはあり得ないですから、もう本当に。支離滅裂ですよ。正直に答えてください。
  72. 堂道秀明

    政府参考人堂道秀明君) この御両名がティクリットの病院に搬送されたときに、一部、これはまだ生存者がいたというふうな報道もございました。具体的には、レバノン人の運転手がまだ存命していた、あるいはその御両名のうち一人が存命していた、こういう記事が出ました。そこで、委員がおっしゃっているそのAFPの記事に、両名のけがの状況が分からないということについては、そういう報道が錯綜したということも踏まえて出たのではないかというふうに思いますが、この両名の死亡が確認されたのはそれよりも後ということでございます。したがいまして、二十九日の昼にけがの状況が分からないということでは、その当時で分からなかったというところはあると思いますけれども、確認されたのはその後だということでございます。
  73. 若林秀樹

    ○若林秀樹君 六時四十分にCPAから日本大使館に連絡があったときには、二人の日本人についての安否はどういう状況だったんでしょうか。
  74. 堂道秀明

    政府参考人堂道秀明君) 私どもは、その第一報を受けまして、先ほど御説明しましたとおり、この両名が事件に巻き込まれたのではないかという疑いを持っていました。また、この両名がどこに搬送されたのか、その病院についてはどこだということについても確認をしようといたしました。ティクリット総合病院というのは比較的早い時期に出てきましたけれども、その時点で、その両名がどうなっているかということについての情報はその時点では取れなかったということでございます。
  75. 若林秀樹

    ○若林秀樹君 じゃ、その時点でも安否は分からなかったということですね。  その上で、米軍による情報は、五時に事件が発生をしたと、それも買物途中に撃たれて、車外で撃たれたという話がありました。これは大使館並びに外務省であれば、既に一時過ぎには現地の会場に着いていなきゃいけないにもかかわらず、四時間後に、五時に買物途中で車外で撃たれたということは、どう見てもこれはつじつま合いませんし、そういう情報が出ること自体、最初からおかしいわけですね。それについて何の疑問も持たず出したということはどういうことなんでしょうか。
  76. 堂道秀明

    政府参考人堂道秀明君) 先ほども御説明しましたけれども、米軍よりその通報がございまして、かつまた米軍が、この二十九日の夜になってこの事件について報道官が言及をしているという事実がございます。  そのときに、米軍の、その直後の報告でございますけれども、ティクリート南方の約三十キロメーターのムカイシーファ付近で何者かにより襲撃を受け、日本人らしき者二名が殺害され、レバノン人の運転手が負傷した。また、その襲撃された模様でございますけれども、車両が道路わきで停車し、両名が飲食物を購入中に襲撃されたという内容を含むものでございました。  しかし、この点につきましては、委員御指摘のとおり、当方としても不審に思いまして、このような情報がいかにもたらされたのかについて米側に確認いたしましたところ、これはある目撃者と称する地元民によるものであったけれども、更にその後の他の情報とも合わせて確認した結果、誤りであったという報告を受けたものであります。  この住民がなぜこのような話を米軍に伝えたかということについては、必ずしも判然としておりません。
  77. 若林秀樹

    ○若林秀樹君 非常に極めて不自然だと思いますよね。一時に着いているということがほぼ推定できながらも、五時だという情報を出してきた。その時点で、当然、米軍に対してこれはおかしいと言わなきゃいけない、外務省の立場は。それは、もう明らかに外で撃たれた、それで五時に起きたという、それで六時四十分に報告があったという、その意味においてのつじつまは合いますけれども、前後の流れ、定時連絡、会議のスタート時間等々を考えて、どう見てもこれ自体がおかしいということに対して何の疑問も持たずああいう情報を出したということ自体は、私はおかしいんではないかなというふうに思います。  その上で、私は極めてニュートラルで、もう繰り返しになりますけれども、真実を解明したいだけであります。その上で調査しているだけであります。当然、その米軍の誤射は可能性は否定できないという立場ですけれども、外務省として米軍の誤射に関する情報には接していないということなんですが、もし接していないのであれば、否定する論拠があれば川口外務大臣に教えていただきたいと思います。否定できる論。
  78. 川口順子

    国務大臣(川口順子君) 再三申し上げていますように、米軍が誤射をしたという情報には全く接していないわけでございます。  それから、それならば、それを否定する、その誤射をしたという立場を否定するものは何かというふうにおっしゃっていらっしゃるわけですけれども、我々としてはなぜ米軍が誤射をしたと思われるかという、その証拠を見せていただいていない。これは論理といたしまして、いろいろおっしゃっていらっしゃるわけですけれども、全体が分からないことが非常に多い中で、分からない部分をつなぎ合わせれば、それはおのずから幾つかの推論は成り立ち得るだろうと、論理的には、思うんですね。それは若林委員がやっていらっしゃるわけですけれども、その論理のつなぎ合わせといいますか、論理の積み重ね、それを否定する証拠を出せと言われても、そもそも論理を正当化している証拠自体をお見せいただいていない、あるのは論理の話だけなんですね。  したがって、こちらの方としては、そういった論理が間違っているということを申し上げる証拠、分からないことが今非常にあります。あるということは確かですが、それを否定をする証拠を出せと言われても、それは分からない。そういう証拠自体をまず見せていただければ、それを否定するということはできるかもしれませんということでございます。  それで、申し上げたいのは、我々は分かっていること、それで捜査に影響のないようなことについては出しているわけです。分からないことというのは確かにございます。たくさんあるわけです。それについて分からないことを、これはこうですと我々は推測をしていないわけでございますけれども、積極的に米軍が誤射をしたという証拠については我々は見ていない。  ですから、若林委員の方でこういうことで誤射というふうに考える証拠であると、論理の積み重ねではなくて、ということをおっしゃっていただければ、それについて我々はそれが事実であるか事実でないかということを調査することはできると思います。
  79. 若林秀樹

    ○若林秀樹君 私は、こういう立場ですから、今出ている状況に対しては情況証拠で、推論するしかないんですよね。もっと、外務省調査する立場にあるんですから、私の推論に関係なく、米軍の誤射はあり得ないという証拠をそちらサイドで出さなきゃいけないんですよ。そうですよ、それは。  だから私は、これについて一々お伺いするんじゃなくて、そんなの関係ない、若林さん、こんなの関係ありません、こういう理由だからこういう論拠に基づいて、ないということを言わなきゃいけないのに、それさえもやっていないわけですよ。それをやらなきゃ駄目なんですよ、政府としては。それが政府の役割じゃないですか。  こんな四か月もたって、私は非常に極めて消極的だということに対して非常に残念ですし、私の言ったことにしたって、否定するから言ってくださいなんて、そんなレベルを言っているんじゃないんですよ、もう。政府として、これはトッププライオリティーに置いて解決しなきゃいけないにもかかわらず、これまで放置してきたということに対しての私は憤りを感じているわけであります。  被弾車両にしたってそうです。我々が言うまでは持ってこなかったじゃないですか。確かに理由はあるけれども、これは政府としてやらなきゃいけないトッププライオリティーのこれは仕事なんですよね。これは政府総体でやらなきゃいけないんです。そういうことに対して、余りにも私は消極的だということに対してやっぱり憤りを感じているというわけですし、この間の答弁にありましたように、警察庁は、さんざん当初から外務省に対して被弾車両を持って帰ってほしいということに対して、なかなか動こうとしなかったという答弁も出ておりました。  外務省のことを責めているわけじゃないんです。だから、政府総体としてそういうことをきちっとやっぱり判断してほしい。米軍がもし報告書があるんだったら、米軍の方から、こういう意味で誤射はあり得ないということを、あるんだったらそれを出さなきゃいけないんですよ。  私は、あると思っていないと、そこは分からないから言っているんであって、是非とも、例えば、質問変えますけれども、この間、米軍のある一周年記念のときに、ブッシュ大統領が奥大使のことを持ち上げました。彼のイラクの日記を読んで感動したということで、すばらしいことだと思いました。そのときにも、彼は待ち伏せに遭って撃たれたんだということを言っております。ホエン・ヒー・ワズ・アンブッシュという言葉を使っているわけですから、もし当然そういうことであれば、何らかの報告が私は日本政府にあっていてもいいんではないかなというふうに思いますが、その辺についての報告があったのかどうかについて、ちょっと取りあえず質問角度を変えてお伺いしたいと思います。  川口大臣に、答えて。
  80. 堂道秀明

    政府参考人堂道秀明君) お答え申し上げます。  この米軍、米国からはいろんな情報を受けております。  まず、米軍情報の基本は、何者かによって襲撃された、つまりテロリストの攻撃であるということを書いているわけでございます。それで、ブッシュ大統領の、それからもう一点ですが、この米国政府自身も、このいわゆる誤射説については完全に否定しております。つまり、そういうことはないということでございます。  それから、そのブッシュ大統領が、いわゆるアンブッシュということで、待ち伏せを受けたということでございますけれども、これは一般的に、委員御指摘のとおり、待ち伏せされたというふうに訳されているわけでございますけれども、さらに、奇襲を受けるとかやみ討ちを受けるとかの意とかですね、攻撃対象を計画的に待ち、待ち受け攻撃するという待ち伏せの意が含まれる幅のある概念でございまして、そういう意味で、いわゆる待ち伏せを受けてやられたということ、あるいはテロリストによる攻撃を受けたというのもアンブッシュという表現で表現されてございます。  ちなみに、他の国の、イタリアの、スペインの、失礼いたしました、スペインの外交官などが殺された事件も同時期に起きておりますけれども、これもアンブッシュという形で表現されているわけでございます。
  81. 若林秀樹

    ○若林秀樹君 もし、だからアンブッシュということであって、米軍の誤射説がないということがあれば、やっぱりそういうきちっとしたやっぱり論拠を、証拠をやっぱり示していただかないと分からないですね、口で言ったって。それは、米軍だって自らやりましたということを報告書なんか書きませんし、私は、米軍というのはやっぱり基本的にはそういうオープンな国ですから、余り何か隠したりするような国じゃないという理解の下でやっている、それを前提でやっているんですから、もうちょっとやっぱりまじめに誠実に答えていただきたいなというふうに思います。  その上で、この間のイラク特、これ衆議院ですけれども、明らかになったのは、上村臨代がティクリートの軍関係者あるいは警察関係者に調査に行ったと。このことについて警察庁は御存じでしたでしょうか。
  82. 瀬川勝久

    政府参考人瀬川勝久君) お答えいたします。  警察といたしましては、外務省が大変厳しい現地情勢の中で、必要な現地調査もできる限りやっていただいているというふうに承知しておりますし、その点につきましては十分外務省からも連絡等もいただきながらやっておるところでございます。  上村臨時代理大使がそちらの方面に行かれて調査をされたという状況についても、その結果等につきまして必要な御連絡はいただいております。
  83. 若林秀樹

    ○若林秀樹君 米軍に会って、関係者に会ってヒアリングして現場にも行ったということは我々自身も知らされておりませんでしたし、私、極めて遺憾だというふうに思っております。  本来は、そういうことがあれば、きちっとやっぱり我々に対して、あるいはイラク特に対してそちらの方から報告があるべきではないかというふうに思いますが、なぜこれまで知らせなかったかということと、その概要についてお知らせいただきたいと思います。大臣大臣
  84. 堂道秀明

    政府参考人堂道秀明君) お答え申し上げます。  この上村臨時代理大使でございますけれども、この前に、調査といたしましては、大使館よりイラク人の専門家を現地に派遣して、現地米軍警察から事情聴取するとともに、その現場の状況を視察しております。これは数度行っておりまして、そういう調査報告につきましては私どもも吟味をしてございます。今度の上村臨時大使でございますけれども、二月の二十九日にこのティクリートに来まして、今まで得た情報確認、裏付けなどを行ってきております。  なぜそこまで時間が掛かったのかということについてでございますけれども、私どもとしましては、この事件の直後、館員を派遣するということを考えたわけでございますけれども、この日についてはもう危険だということで米軍の方からも派遣を差し控えるべきという強いアドバイスがございました。そこで、私どもは、御遺体の搬送もあり、三十日にヘリで飛ぼうということで計画をしたわけでございますけれども、この日も非常にあいにく飛べなかったという事情がございます。  現地について非常に危険な状況が続いており、最初に行きました調査につきましても、現地調査は非常に危ないという報告がなされております。しかし、こういう状況でございましたけれども、数度、数次にわたりまして私どもは館員の派遣を試みて、検討しております。しかし、最終的には二月の二十九日ということになったということでございまして、私どもとしましては、非常に危険な状況の中ではございましたけれども、御理解はなかなかいただけないということでございますが、最善の努力を払ったというふうに考えております。
  85. 若林秀樹

    ○若林秀樹君 十一月末の時点を聞いているのじゃなくて、二月二十九日に行っているわけですから、なぜこれまでこのイラク特に報告がなかったのか、それと、どういう調査をして、どういう内容が分かったのかということについてお教えいただきたいということです。  大臣の方がいいと思います、お願いします。
  86. 堂道秀明

    政府参考人堂道秀明君) この上村臨時大使の出張でございますけれども、極めて隠密裏に動いたというのは事実でございます。  その報告でございますが、これについてはまだよく分からないところもたくさんある、また調査を更に続ける必要もあるということでございますけれども、今までの委員御指摘のいろんな疑問点にも答えるようなもので、整理をして、また御説明を申し上げたいというふうに思っております。
  87. 川口順子

    国務大臣(川口順子君) 二月の終わりに上村臨代が行きまして、なぜそれをすぐ公表しなかったかという御質問でございますけれども、一回行って、それで未来永劫に行かないということがはっきりしているのであれば、その場ですぐ公表することも可能であったわけですけれども、先ほど来堂道局長がお答えをしているように、大変に危険な地域、行くこと自体が非常に危険であり得る地域であったわけです。したがって、そういう危険な地域日本の大使館員が行ったりしているということについて、これはできるだけ、その次に行かなければいけないときの安全性を考えまして申し上げなかったと、そういうことでございます。
  88. 若林秀樹

    ○若林秀樹君 もしそういうことであれば、なぜ、その衆議院のイラク特だけではそういうことを明らかにし、具体的に日にちまで特定しているわけですから、それはつじつま合わないでしょう。もしあれだったら、やっぱりそういうことも含めてもう少しちょっと状況を見守ってほしいということを言うんだったら我々参議院側も分かりますけれども、一方、衆議院では、そういうことを言いながら既に発表しているわけですから、私は、おっしゃられぬというのも分かりますけれども、もっときちっとやっぱり報告できるところは、衆議院やり、そうしたら参議院に報告していただきたいなと思いますが、何かあれば。
  89. 川口順子

    国務大臣(川口順子君) 実際にその上村臨時代理大使が行った後、実はその資料等で引き続きまた取りに行かなければいけないことがございまして、それを、行ったということがございました。ということがありまして、衆議院でお話を申し上げたのはそれから一月ぐらいたって後ということでございましたけれども、そのぐらいの時期になって、これはたしか何か情報が出たのだったか何かあったんだと思います。ということで、それならば、それはそういうことがあったということを申し上げようと、そういう判断をしたということでございます。
  90. 若林秀樹

    ○若林秀樹君 私の持ち時間は時間切れになりましたので、これで終わりにさせていただきたいと思います。  私は、捜査は基本的には接受国であるイラク警察にゆだねられている、あるいは米軍等がする。しかし、今この時点においては、日本においては私はやはり警察庁の仕事ではないかなというふうに思います。そういう意味での専門力を持った警察庁が本来であれば動いて調査するべきものではないかなというふうに思いますし、そこはやっぱり連携を取っているといえども私はやっぱり警察の仕事ではないかなというふうに思います。  もしそれで違うんであれば言っていただきたいと思いますが、いずれにせよ、政府がこの外交官殺害の調査に対する消極的な姿勢だと思わざるを得ない状況は余りにも多いという意味において私は不誠実だなというふうに思いますんで、引き続きまた質問等をさせていただきたいと思います。  残りの時間は私の同僚議員にゆだねたいと思います。よろしくお願いします。  ありがとうございました。
  91. 榛葉賀津也

    榛葉賀津也君 民主党・新緑風会の榛葉賀津也でございます。  若林委員に引き続きまして質問をさせていただきますが、今の若林委員質問を聞いて私もますます疑惑が深まったと、そしてこれはきっちりと真相を究明しなければいけないなという思いに駆られております。  様々な技術が発達してまいりまして、今携帯電話を持っておりますとどんどんモバイルでニュース速報が流れてまいります。舛添委員質問の最中にもうアメリカの、この日本人外交官事件はアメリカが誤射したものではないという速報が流れ、その後の若林委員質問角度の問題であるとか様々、舛添委員に対する答弁とまた違う可能性が指摘されているにもかかわらず、こういった形で報道がどんどん先行していくと。  国会議員になってつくづく感じますのは、議論をしてまだ採決していないにもかかわらず法案成立というような報道があったり、改めてこういった問題も我々きっちりと考えなければならない問題なんだろうというふうに思います。  ちなみに、若林委員質問をしてまた疑惑が深まったというニュース速報は当然流れておりません。  通告の後、様々な国際情勢がございまして、若干大臣に、通告していないんですが、冒頭お伺いしたいと思います。  イラクには直接関係ないんですが、先週末、平沢勝栄衆議院議員と山崎拓前衆議院議員が大連に行きまして北朝鮮の高官と話をされたということですが、これ私、正に二元外交だと思うんですね。大臣は、このお二人が中国に行って北朝鮮の高官とお話をされることを御存じだったんですか。
  92. 川口順子

    国務大臣(川口順子君) 外務省としては、このお二人から何らかのそのときに行くという情報を伺ったわけでは全くございません。委員おっしゃいますように、これは正に政府間で協議すべきことであると私は思っておりますし、そのことは新聞記者会見等で既に申し上げておるところでございます。
  93. 榛葉賀津也

    榛葉賀津也君 大臣はこの問題をどのようにとらえていますか。お二人が外務外務省の知らないところで大連に行き、言わば秘密外交のようなことをやっていると。政府の方針と大分違うトーンで事が進む可能性もある。この現実について大臣はどのように御認識でしょうか。
  94. 川口順子

    国務大臣(川口順子君) 北朝鮮がどういうことを思ってこういうことを行っているかということを日本政府としてこうでしょうと推測をするということは実は非常に難しいことであるわけでございまして、我々としては、北朝鮮に対して重ねて、この交渉の相手は政府である、また再び日朝協議、政府間の協議をやることが大事だということを言いまして、時期等についての督促もしているわけで、北朝鮮側もそういうことでやりましょうと言ってきているわけでございます。いろいろな意味で北朝鮮側は交渉にたけている部分というのも当然にあるだろうと思います。いろいろな意図を持ってそういった分断等のことを考えているのではないかというふうに私は個人としては推測をします。
  95. 榛葉賀津也

    榛葉賀津也君 小泉総理はこのお二人が中国に行って北朝鮮の高官と会うということを御存じだったんでしょうか、大臣
  96. 川口順子

    国務大臣(川口順子君) それについて私は存じませんけれども、小泉総理が記者会見等で私は知らないというふうにおっしゃっていらっしゃいますので、当然そういうことだろうと思います。
  97. 榛葉賀津也

    榛葉賀津也君 大臣はそれをきっちりと確認されたんですか。
  98. 川口順子

    国務大臣(川口順子君) 確認をするまでもないことだと思っております。
  99. 榛葉賀津也

    榛葉賀津也君 確認するべきことだと思います。この問題を正にイニシアチブを持って進められている川口大臣、外交の責任者が、この事実確認、与党内で起こっていることでございます、そして山崎元衆議院議員と小泉関係の信頼関係、人間関係を考えれば、恐らく事前に何らかの事前報告があったのではないかと思うのは当然だと思いますが。  平沢勝栄さんが日本に帰られてから、記者会見で、間もなく日朝間の政府会議が、政府間会議が再開されるということを安倍幹事長に御報告されているんですが、このことについて御承知ですね。
  100. 川口順子

    国務大臣(川口順子君) このことについて、いろいろな情報はその後取っておりますけれども、だれがだれに何を言った、そのことについていつから知っているとか、そういうことについては申し上げないということにいたしております。
  101. 榛葉賀津也

    榛葉賀津也君 間もなく日朝間の政府政府間、政府協議が再開されるんでしょうか、実際に。
  102. 川口順子

    国務大臣(川口順子君) 私の方としては、一日も早くそれをすることが大事だということで、ずっと前から北朝鮮に対してそれは言っているということでございます。正式の答えは正式なるルートを通じて来るものであるというふうに考えております。
  103. 榛葉賀津也

    榛葉賀津也君 まあ与党内、自民党内でこのような二元外交的が行われるということ、大変センシティブなこの日朝問題、朝鮮半島の問題を考えると、私、大変遺憾であるということを言わざるを得ないと思います。  さて、イラクの問題に入りますが、昨年三月のイラク戦争開戦以降、アメリカ兵の死亡した数が四月の三日で六百人を超えました。五月のブッシュの大規模戦闘の終了宣言からも三百人の死者を超えました。この四月の九日でちょうどフセイン体制の崩壊から一年がたつわけでございますが、恐らく現地治安はますます悪化する可能性があるんだろうと予測をされます。  そのような中、アメリカ時間の今月二日、パウエル長官御自身が、イラクの大量破壊兵器の脅威を訴えた昨年二月の国連安保理での自らの演説は誤りだったということをパウエル長官御自身がお認めになられました。米国調査団のデービッド・ケイが一月にこの問題を取り上げ、またホワイトハウスのテロ対策の担当官であるクラーク氏も三月にこの情報は誤りだったということをおっしゃっているわけですが、大臣、パウエル長官御自身が大義はなかったということを認めているにもかかわらず、大臣の今までの御主張変わりませんか。
  104. 川口順子

    国務大臣(川口順子君) パウエル長官のそういう御発言があったということについては、これは私は報道ベースで聞いておりまして、直接パウエル長官ないし、あるいはアメリカ政府確認をしているという段階ではございませんけれども、事の本質というのは、これは私が何回も申し上げていますとおりでございまして、イラク、これが以前大量破壊兵器を実際に使って、持っていて、そしてそれを廃棄した証拠を見せていない。これを我々は、アメリカ政府情報ももちろんございましたけれども、基本的には国連の査察団の調査報告、これをベースにそれを確認をしているということでございます。  それが、その後の一連の国連決議のことについては細かく申し上げませんけれども、そういうことに関してイラクがこれを継続的に守らなかったということが武力行使の理由であるという事の本質、これに何ら影響を与えないと思います。
  105. 榛葉賀津也

    榛葉賀津也君 この問題は後日、時間のあるときにしっかりと議論をしたいというふうに思いますが。  CIAがこの情報ミスであるということ自身が示唆をしているわけですが、CIAが今度は情報源はドイツの連邦情報局、BNDから取ったと、どうも悪いのはBNDなんだというような主張を最近されているようですが、これも私は極めて議論するに値する問題だというふうに考えております。  さて、今月、二月六日のこのイラク特別委員会で私、川口大臣に、バグダッドに約八万人のパレスチナ難民が実はおりまして、このイラクにいるパレスチナ難民というのは、一九四八年の第一次中東戦争のときにハイファ周辺にいたパレスチナ人が主にイラクに避難をした、そして難民となっていったと。その家族が今八万人ほどいるわけですが、この彼らがフセイン政権当時の対イスラエル、対アメリカのシンボル的存在、自分の政治的存在価値を高めるシンボルとして大変優遇されてきたわけですが、フセイン体制が崩壊いたしまして非常に今苦しい環境に置かれて、劣悪な環境でイラクで生活をしていると。この質問をいたしまして、日本として、パレスチナ人道支援の延長上として、パレスチナにいるパレスチナ難民だけではなくて、イラクにいるパレスチナ難民をしっかりと支援するべきではないかという御指摘をさせていただいたところ、大臣から是非前向きにこの問題を検討したいという答弁をちょうだいいたしましたが、その後、この問題はどのようになっているでしょうか。
  106. 川口順子

    国務大臣(川口順子君) この問題については、引き続き人道状況の改善という観点から取り組んでいかなければいけない問題であるというふうに考えています。  それで、その後調べましたところでは、八万人とおっしゃられたんですが、UNHCRでは今約三万五千から四万二千人というふうに人数が減ってきているということを言っております。  それで、どのようなことができるかということについてUNHCRから、基本的にUNHCRが今取り組んでいますのでそこを通じてというふうに考えておりますけれども、三月三十日にUNHCRが二〇〇四年のイラク活動計画を出した中に、このパレスチナ難民を含むイラク国民、国内にいる難民ということを対象にしていろいろなことを考えているということです。  それで、パレスチナ難民を含むイラク国内にいる難民に対しては住居、これはテントですけれども、そして衣料、医療、水の供給等をやりたいというふうに考えているということが分かりましたので、今年度、二〇〇四年度の予算もちょうだいをしたということもございまして、我々としては、このUNHCRの考えているプログラムのうちの、これをUNHCRを通じて支援をするということを考えまして今協議をしているところでございます。
  107. 榛葉賀津也

    榛葉賀津也君 今大臣のおっしゃったUNHCRによる支援は、これパレスチナ難民に特化しているわけではなくて、イラク全体にいる国内避難民若しくは国内難民に対する支援ということなんですね。これ、パレスチナ人が今逆に差別をされて非常に危ない状況にある、そして劣悪な環境に極めてあるということで、私はパレスチナ難民に特化した支援をきっちりと考えていく必要があると思うんですが、大臣、こういった点を日本から提案する、若しくはパレスチナ自治政府やそしてNGOと日本がイニシアチブを取る中で連携をし、イラクにいる、今テント生活されていますから、こういったパレスチナ難民に対する支援日本が考えていく考えはないんですか。
  108. 川口順子

    国務大臣(川口順子君) これはいろいろなことが可能であるというふうには思いますけれども、現実可能性という意味では、今イラク治安状況がそのような中で、国際機関であるUNHCRを通じてやるということが一番早く現実的に可能なやり方ではないかというふうに思っております。その中で、例えばパレスチナ難民だけに我が国として支援をやるということが適切なのか、あるいはほかの人の状況も踏まえて全般的にやることが適切なのか、それはまだまだ検討をしていく余地があると思います。  こういったことについても含めましてUNHCRと協議をしていきたい、今協議をしておりますけれども、その中で議論をしていくというふうに考えます。
  109. 榛葉賀津也

    榛葉賀津也君 一九九三年以降、日本はパレスチナに対しまして六億六千万ドルの支援をしているということでございまして、とりわけイラク派遣が決定した直後の一月二十三日以降は総額約九百七万ドルの支援をされているわけでございまして、昨年十二月に決定した支援と合わせると約一千五百万ドルの支援をパレスチナにされているわけでございますが、この支援の透明性が極めて今欧米では問題になってきているわけでございます。この日本支援がテロの資金になっているのではないかというような指摘もあるわけでございますが、この日本支援の透明性とトレーサビリティーというものを、大臣外務省はどのように担保されているんでしょうか。
  110. 川口順子

    国務大臣(川口順子君) パレスチナ支援をめぐっての透明性の問題というのは、欧米諸国で様々な議論がなされているということは承知をしております。  この間、ファイヤード財務大臣がお見えになられましたときに、こういった透明性の必要性、透明性向上の必要性ということについてもお話を私もさせていただきました。そして、その中で、政府の予算、これについては、彼、ファイヤード財務大臣から、積極的にこれには取り組んでいるということでお話をいただいたわけでございます。非常に短い期間でファイヤード財務大臣が改革した透明性向上という点については、これは欧米の諸国も大変にプラスのいい評価をしているというふうに私も思います。それから、我が国としても引き続き、その自治政府が改革をし、透明度、透明性を向上していくために、人材育成、会計監査にかかわる制度構築と人材育成の支援をしております。  それで、我が国支援のその使途と資金管理についての把握方法ですけれども、これはすべての援助について同じですが、きちんとこれは確立をして行っています。  具体的に申し上げたいと思いますけれども、これは対象プロジェクトが進捗をしていくその過程で、プロジェクトを実施している機関、そして国際機関から中間及び完了報告の提出を受けております。資金の使途状況について定期的に報告ももらっています。さらに、イスラエル大使館、在イスラエルの我が方の大使館ですけれども、これ等がプロジェクトの実施現場を訪れまして、必要に応じましてその進捗状況、そして過去に実施したプロジェクトの現状、これについて把握をするということでやっております。
  111. 榛葉賀津也

    榛葉賀津也君 九五年から二〇〇〇年のたった五年間で、パレスチナ自治政府の予算の八%分の予算が実は使途不明になっておりまして、金額にして約九億ドル。そして、先日はアラファトの奥さんのスーハさんがマネーロンダリングで百万円のお金をスイスからパリの口座へ移したということで、今パリ当局の取調べを受けていらっしゃいます。  私は、パレスチナの支援をずっとしてまいりましたが、こういった問題をきちっとすることが、私はまたパレスチナに世界がきっちりと支援する素地を作っていく大変重要な問題だと思います。  たくさんのこと、今日質問したかったんですが、それぞれの事情がありまして半分も質問することができませんでした。おわびを申し上げまして、質問を終わりたいと思います。
  112. 山本保

    山本保君 公明党の山本保でございます。  私、今思い出しますに、ちょうどこの委員会でも阿部外務大臣、そして先ほど質問されました舛添委員と一緒に、昨年六月の末ですがイラクへ行かせていただきました。そのときにお会いした国連の官房長、副長官ですか、女性のユーニスさんとおっしゃいましたか、この方も実は八月にあの襲撃のときに亡くなられました。そして、私どもの本当に世話をしてくださったのが井ノ上参事官でございまして、井ノ上、井ノ上さんも亡くなられた、こういう本当に尊い犠牲の中で、私ども、これからイラクの復興と、そして言うならば日本との関係強化日本が国際的な平和構築というものの責任の重大性を感じております。  また、現在大変厳しい状況の中で自衛隊の隊員の方が我が国の代表として人道復興支援に努められておられる。何か私どもの部隊が行っているところではありませんけれども、昨日、また今日もですか、バグダッド地域米軍との衝突があり、多数の死傷者が出たと、こういうことも聞いておりまして、その上厳しい国において活動しておられます自衛隊の隊員の皆様、絶大なる敬意を表しますし、またこのような状況が一刻も早く世界からなくなっていくように、私ども微力ですけれども頑張らなきゃならないと思っております。  私は、こういう犠牲と、そして私どもの自衛隊の皆様の本当に真心といいますか、全力を、全身を正に挙げての、掛けての闘い、貢献、こういうものが生きていくような信頼関係を今後もイラクとの間に作っていかなければならないと思っておりますので、そういう観点から今日はちょっと御質問をしたいと思います。    〔委員長退席、理事常田享詳君着席〕  最初に、今日の御報告とは直接かかわりませんけれども、今、我が国の国民が一番気にしておりますのは国内でのテロの問題だと思いますので、少しこれを先にお聞きしたいと思っております。  この状況について、いろいろ先ほどのお話もありましたように、こんなことをやっていると、詳しく話すわけにはいかない問題もたくさんあるとは思いますが、一方、国民としましては、きちんと対応しておりますよと、こういうメッセージも出していただかなければならないと思っております。  まず、内閣官房の方ですか、このテロ対策の現状と対応の方針について全般的にお話ししていただきたいと思います。
  113. 堀内文隆

    政府参考人(堀内文隆君) お答えをいたします。  国内におけるテロ対策につきましては、これまでも官邸の主導の下、関係省庁において日々密接に連携し、情報収集、分析強化を図るとともに、出入国管理、ハイジャック対策、重要施設の警戒警備等の各種テロ対策を強化徹底してきたところでございます。  また、我が国においては、これまでも鉄道におけるテロ対策として、情勢を踏まえ、国土交通省や警察から鉄道事業者に対し必要な指導助言等を行うとともに、警察官が駅構内等のパトロール等を実施するなどして警戒を徹底してきたところでございます。さらに、今回のスペインにおけるテロ事件を受けまして、全国の鉄道事業者に対して自主警備の更なる徹底等について指示をするとともに、警察におきまして、鉄道事業者と連携して、新幹線を始めとする鉄道駅、列車内、トンネル、橋梁等の沿線重要施設の警戒の強化を図るなど、引き続き官邸主導の下、テロ対策の一層の徹底を行っているところでございます。  今後とも、テロ関連情報の収集、分析に努め、情勢に応じた的確な対策を講じて、政府一体となって国民の安全確保に努めてまいりたいというふうに考えております。
  114. 山本保

    山本保君 もう少し具体的に。  では、警察庁ですか、今お話にもありましたように、私ども朝参りますときにも、この近くでも警察官の姿をよく見ますし、新幹線の中でも、今日も制服の、まああれは警察ではないんでしょうかね、でも、よく見るようになりました。一方、大変治安が今悪いということで、警察官が足らない、交番が、空き交番があるとかいろんな問題があるわけでありまして、この辺大丈夫なのかなと、こういう気もするわけですけれども、最近の警備の状況についてどうなっておるか、お願いいたします。
  115. 瀬川勝久

    政府参考人瀬川勝久君) 警察としての国内におけるテロ対策の状況についてのお尋ねでございますが、警察といたしましては、九・一一米国の同時多発テロ事件、これ以降、我が国におけるテロ対策、国内におけるテロ対策を強化をしてまいりました。国際テロの脅威が非常に高まっていると、こういう認識でございます。  ポイントとしては大きく三つあろうかと思うんですけれども、一つは、テロリストをやっぱり国内に入れないということで、入国管理局等と連携をいたしまして、水際対策をしっかり強化をしていくという点が第一点でございます。  それから二点目は、国内はもとより、海外におきましても、国際テロに関する情報収集を強化をいたしましてテロリストを発見をすると。で、国内にいた場合にはこれを検挙をするということを目指して鋭意各種対策に取り組んでおります。    〔理事常田享詳君退席、委員長着席〕  そして三つ目には、やはり最後の線といいますか、委員の御指摘にもございましたとおり、この国会あるいは官邸、こういった我が国の重要施設、それから、最近の国際テロ情勢にかんがみまして、アメリカの関係の施設、こういったものに対する警戒を強化する必要がある。そのほかもろもろ重要施設に対する警戒、合計で約六百五十か所に上りますけれども、恒常的に警戒警備を実施をしているところでございます。  それから、鉄道の警備、鉄道テロ対策もかねて推進をしてきたところでございますが、特に今般、スペインにおける鉄道爆破テロ事件の発生という情勢を受けまして、鉄道事業者に対してまず自主警備の強化を更に一層要請をしております。  それから、警察としては、警備犬、これは爆発物を探知する能力を有する爆発物探知犬でございますが、こういったものを活用して駅構内の巡回を強化をする。あるいは機動隊員等も、駅構内のパトロール、あるいは新幹線等々への警乗といいますが、警戒のために列車に乗るということでございますが、を強化をいたしまして、その過程で積極的に職務質問をする、あるいは沿線等の警戒も強化をする、こういった対策に努めております。  特に、大変鉄道事業というのは広範でございます。それから乗降客も非常に多いということで、なかなか出入りにといいますか、利用する方を全員チェックをするというのが非常に困難、ほとんど不可能でございますので、乗客の方の御協力をいただくということが大事だと思います。そこで、不審者でありますとか不審物の発見を利用客の方にどんどん事業者から呼び掛けていただいて、発見した際には通報をしていただくということを是非お願いしたいということで御協力をお願いをしているところでございます。  それから、なかなか警戒が難しいものとして、人が大勢集まるイベントですとか遊園地ですとか、そういった場所がございます。ソフトターゲットといってもいいかと思いますが、こういった問題があります。特に、先日アメリカの大リーグの公式戦も東京ドームで開催をされました。この東京ドームにつきましても、実は私ども、主催者と大変緊密に連携をいたしまして、かなりの警察官を配置をして、警戒警備、所持品の検査等も御協力をいただいてさせていただいております。また、主催者の方の自主警備も強化をしております。  このような形で、適時適切に、こういった多く人の集まるソフトターゲットと言われるような場所につきましても警備の万全を期しているところでございます。  いずれにいたしましても、警戒警備に当たりましては、大変対象も多くて、すべてについて警察が十全にということはなかなか難しい点がございますけれども、効果的に、関係者、事業者の方の協力をいただきながら、状況に応じて警戒警備を適切に推進してまいりたいと、こう考えているところでございます。
  116. 山本保

    山本保君 どうもありがとうございます。ちょっと長めに、丁寧にちょっと答えていただきました。  やはりこれは起こってからではいけませんし、確かに鉄道などはチェックというのも何もないわけですから、今お話があったように、国民全体でこのテロを防止していく必要があると思っております。  もう一つだけ、これ財政金融の方でも言っていたんですが、テロに対するいわゆる資金流出ですか、これをストップさせるための対策を打っているはずですが、これ、現状はどんなになっておりますか。財務省の方ですか、お願いいたします。
  117. 小寺清

    政府参考人(小寺清君) お答えいたします。  我が国は二〇〇一年の九月以降、累次にわたりテロリスト等に対する外為法に基づく資産凍結等の措置を講じてきております。  現在、資産凍結等の措置の対象は、国連制裁委員会で指定されましたタリバーン関係者等、約、計四百四十四の個人、団体となっております。  当局におきましては、かかる資産凍結措置を取った際に、追加指定の都度、各金融機関からの報告の提出を求めて実態の把握に努めているところでございますが、現在我が国が指定しているテロリスト等の資産は我が国には存在していないというふうに承知しております。
  118. 山本保

    山本保君 既に具体的な名前とか個人の名前がもう国際的に出てきていると、しかし日本ではまだそういうものについては全くないと、こういうことだということですね。分かりました。  それでは、イラクのことについて移りたいと思います。  最初に外務大臣でございますが、イラク治安状況等については先ほどもお話ありましたし、時間がありませんので飛ばしまして、三番目にお聞きしようと思っていたことですけれども、我が国イラクに対して自衛隊を派遣しました。このことによって国際的な日本についての評価というのがどのように変わったのかと、これについて、これは具体、実態的に数字でというようなものではないと思いますけれども、どのように認識しておられるのか、お聞きしたいと思います。
  119. 川口順子

    国務大臣(川口順子君) これを行いましたことによって国際社会の我が国に対する評価、これは大変に深まった、高まったというふうに思っています。いろいろな方がいろいろなことで、ことをおっしゃってくださっていますけれども、アナン事務総長、この前、日本でおっしゃっていただきましたし、それからこの前アブダビでイラク復興会議が、復興信託基金ドナー委員会の会合が行われたわけですけれども、ここで我が国議長に選ばれたということでして、それは正に我が国の貢献、これを評価して議長に選んだということだと思います。あと、私が回りました際にも、アラブの近隣の諸国、それからヨーロッパ、周りの、このアジアの周りの国も含めまして日本支援について高い評価をしております。  それがどういう意味を持つかということですけれども、やはり国際社会の課題に対して我が国が車の両輪をもって行動も含めて取組をしているということに対しての評価だと思います。
  120. 山本保

    山本保君 車の両輪、つまり経済的な方と実際の自衛隊を含めての支援ということだと思いますけれども、大臣に、これは大臣の方でお答えがあれば先にまずお聞きしておきたいんですけれども、これが今日の実は一番お聞きしたいことで、後でまた詳しくお聞きしたいと思っておりますが、よく、継ぎ目のない支援ですか、こういうふうにおっしゃいます。それに、私ども最初にこの法律を通す、最初に提案したときから、自衛隊の派遣というのは大きなイラクの国づくり支援の正に第一歩であると、こういうふうにお話をした覚えがあります。  そういうことからいいまして、この自衛隊派遣以後と、以後といいますのは、帰ってくるということだとかですね、若しくはその縮小、若しくは任務の変更ということもあると思いますけれども、それ以後の中長期的な計画というものはまず政府の方で既に用意してあると言ってよろしいんでしょうか、お聞きします。
  121. 川口順子

    国務大臣(川口順子君) 通常、継ぎ目のない支援と言っていますけれども、停戦後の人道支援、そこからよりインフラ整備等も含めた復興支援まで継ぎ目なくやっていくということが我が国の平和構築の考え方でもございます。  それで、今イラクにおいてどれぐらいやっているかということですけれども、一つ具体的に動き始めていますのが、この前、防衛庁長官とも御相談をさせていただいて、サマワにおいて、将来サマワの市民の暮らしというのがどのように良くなるのだろうかという、そのビジョン作りも含めた形で我が国としてどういう部分支援をしていきますという、大ざっぱに言えばロードマップのようなもの、そういうものをサマワで作るということも必要なんではないだろうかというお話をいたしまして、今取り掛かっております。  それから、イラク全体の中で考えましたときに、やはりイラクの国民が将来に向かってどのような復興へのブループリントを持ちながら復興していくのが必要かというイメージを持つということも重要であろうと思います。これについては国際機関等も取り組むということになると思いますので、我が国としてそれに対して十分な貢献をしていきたいと思います。  最近、アラビアの、アラブの国で、特にイラクで関心を持たれていますのが我が国の戦後の復興の過程に対する関心でございます。それは、アル・ジャジーラが四月の何日かに一九四五年の日本イラクというテーマでシンポジウムをやるということからも分かりますように、我が国の戦後の復興過程に関心があるということで、ウルーム統治評議会議長もそのような、我が国から学びたいということを言っておりました。そういう関心がございますので、我が国としてそういった面に貢献をすることができるのではないかと思っております。
  122. 山本保

    山本保君 ちょっと防衛庁長官、ちょっと質問の方は少し後回しにさせていただきますので、今の問題にもう少しここで詳しくお聞きしたいと思います。  以前、昨年ですか、国際平和協力懇談会というのが、今日おいでじゃないですが、官房長官の主管私的機関というんですか、諮問機関ですか、ここで、これは前回の外交防衛委員会等でもあの話をした覚えがありますけれども、ここに、正に我が国が今までのような、日本だけが安全であればいいとか、又は平和を維持していけばいいというのではなくして、積極的に平和を構築していく、こういう仕事が必要なんだと。そして、それについて、もちろん机上プランではありますけれども、大変概念的にも整理して発表されていたというふうに思っておりました。  そのときは、しかし、これは十二年十二月十八日にこの報告書が出ておりますので、イラクについて、これは大分切迫はしてきておりましたけれども、具体的に我が国が例えばPKOの範囲を超えて新たにいわゆる多国籍軍型の支援のその後ですけれども、後方支援から始まって、この法律では後方支援は行いませんが、しかし戦後復興からより積極的に復興していくという法律を作ったわけですね。  私、思いますに、このプランは、今になって読み直してみますと大変よくできたものだというふうに思っておりまして、今日はこれを外務大臣、直接で担当でなければまた事務の方で結構でございますが、少しお聞きしたいと思っているんです。  最初に、ちょっとそういう観点からお聞きしたい、確認していきたいんですが、このいわゆるイラク特措法でございますけれども、この法律というのは一体どこまでを範囲としたのかなということを、与党で提案しておきながらそんなことを言うのは変な話かもしれませんが、しかし、あのときは、正に今すぐに行かなけりゃならない。先ほども舛添委員言われたように、私、今自衛隊がここへ行ったということが、これが大変大きな外交的なまず布石だと思っておりますので、ですから、その次の今度は問題についていよいよ考えなくちゃいけない。  イラク特措法という法律は、いわゆる、例えばこの報告書によりますと、例えば平和構築といいましても、緊急にやらなくてはならない又は復興の初期、中期また開発期というような形の具体的な区分をしまして、段階区分をしたりしております。言わば緊急のところと、そして基礎的なインフラを直さなければならないとか、医療の壊れているところを直す、こういうのはそういうものに入るわけですが、それ以後の仕事というのはイラク特措法のまず対象であるのかどうか、これについてどうお考えでございますか。
  123. 川口順子

    国務大臣(川口順子君) これは内閣の法律でございますので、正しくは内閣にお聞きいただくのが一番いいかと思いますけれども、私どもが見ており、考えているといいますか、解釈をしているということでいいますと、これは決して有権的な解釈ではないと申し上げないといけないんですが、法律上、被災民救援といった人道支援だけではなくて、復興の段階も支援を行うということを想定をしているというふうに承知をいたしております。  それはなぜかといいますと、一つは、法律の目的のところで国家再建を対象としているということでございます。及び、人道復興支援活動の中に復興支援(行政事務、助言指導を含む)を含めているということでございます。  他方で、基本計画でございますけれども、これは一年間を念頭にしているということでございます。ただ、基本計画は今後の状況に応じて内容を更新し得るのであろうというふうに思っております。  中長期、中期的な復興ということをおっしゃられるときに、どれぐらいから先をおっしゃっていらっしゃるのかということで、かなりこれは人によって考え方は幅があるというふうに思いますけれども、恐らく初期の段階を越えて正に経済開発という段階で必要なものは、そのときには投資であったり、貿易であったり、民間からの技術移転だったり、様々な、自衛隊支援ということだけではなくて、様々なことが必要になるということでございますし、またそういったものはそれなりにこの法律とは、法律の中で行うということも可能でしょうし、それとは違う世界で起こっていくということになっているのではないかというふうに思います。
  124. 山本保

    山本保君 私は、どうしてこういうことを質問したのか。これは当然、今外務大臣のおっしゃったとおりでありまして、この法律の枠組みは当初の自衛隊の派遣だけではなくて、その後のイラク復興支援についても必要な仕事をすると書いてあるわけでございます。  これは、しかし、昨年のこの法律を作るときに、野党からもそんな、ほとんどそういうことに関して具体的な質問もありませんでしたから、そして今や、そのとき大事なのは、いかに自衛隊をまず今までの法律の枠外を超えて我々が世界平和のために行くかと、このことを第一に議論したのだけであります。  しかし、私申し上げたいのは、今やその次の段階をもう今のうちにやらなくちゃいけない。これは、自衛隊の方が何か今やっていることを変える、そういう意味ではございません。その現場はもう当然今すぐにやらなくちゃいけないことがまだ一杯山積みである。この上に立って、しかし、いわゆる作戦といいますか、戦略といいますか、平和の戦略というと何か言葉が矛盾しておるような気がしますけれども、これは当然内閣として考えていかなければならないだろうと思うわけです。  今、外務大臣がおっしゃいましたように、そういう意味で基本計画を見ますと、これはほとんど触れておりませんよね、基本計画は最初の一年間だけでございますから。ですから、これはその後のことを考えますと、これを考えなくちゃいけない。  どこで、だれがやるのか。この懇談会でも、実は、日本では統一的な、こういう場合、特に、いわゆる開発後進国といいますか低開発国の支援についてはいろんな法律がございますが、こういう内戦でありますとか又は国際紛争のその後に私どもが行って、そして自衛隊が仕事をし、それをODA又は経済、こういうもの、又はいろんな内政と展開していくその中心の本部というんですか、そのシステムがないということが実はここに書いてあるわけですね。  作るときには、官房長官がこの法律を、入れないことについては作ったけれども、考えてみますと、その後の展開については、いみじくもこの報告書にも我が国にはそういうものがない。場合によっては新法が必要ではないか、今までの法律というのは平時のことだけを考えていたのではないかと、こういう気がいたしまして、大きく言えばイラク特措法の枠内でありますけれども、具体的に今度はいろんな省庁をきちんと統一的に作戦ができるような体制というのを取っていく。それは、正にその国と日本との関係を作っていくということなので、この辺についてもう少しこれからは行うべきではないかなということを申し上げたかったわけであります。  それで、時間も余りありませんので、また今これは外務大臣ということだけではないということでしたから、防衛庁長官、どうですか、突然ですけれども、それについて御意見いただきたいですね。
  125. 石破茂

    国務大臣(石破茂君) 先ほど外務大臣からもお答えがありましたが、まさしくその問題意識を私ども持っておるところでございます。先生の御質問は、多分本質をついた御質問なんだろうなと思って承っておりました。  外務省だ、防衛庁だと言っていても仕方がないわけでありまして、これはもう日本政府全体としてどう取り組むかというお話です。我々自衛隊といたしましては、これいつまでもいるという話にならない。そういうような状況がいつまでも続いてはいけないのであって、自衛隊でなければできない、自衛隊の自己完結性や、自衛隊の装備や能力や訓練を持っていなければ対応できないような事態というものがいつまでも続いていいはずはないのであって、じゃロードマップとしてどうあるべきなんだろうか。  それと同時に、以前も議論いたしましたが、治安の回復というものと復興支援あるいは安全確保というものはコインの表裏みたいなところがありまして、復興がうまくいかなければ治安も良くならないというような状況もございます。ですから、短期的に見ましても、やっぱりだれが何をやるのということをきちんともう一度レビューしておこうということは必要なことなんだと思っています。  それから、長期的にどうなんだろうということが必要ですし、もう一つは、現地において我々の職員、自衛隊員と外務省の職員いらっしゃる、そこで意思の疎通がきちんと図れているように、そして東京においてもきちんと図れているようにすることが必要なんだろうと思っています。ですから、それを法的にあるいは運用上どうしていくのかということについて外務省ともよくお話をしながら、現地のニーズにこたえられるように、そして安全を確保するように更に議論してまいりたいと思っております。
  126. 山本保

    山本保君 時間が来ましたので、終わります。  そこで、一言申し上げますのは、こういう会に是非イラクの今担当しておられる自衛官の方をお呼びして、正に現実の状況というものの中で作戦を立て直すということが必要ではないかなということを最後に申し上げまして、終わらせていただきます。  ありがとうございました。
  127. 小泉親司

    小泉親司君 イラクへの民間航空機、日本航空や全日空などの民間航空の協力の問題について幾つか質問をさせていただきたいと思います。  まず初めに、防衛庁が昨年十月の二十三日の日に日本航空や全日空などに対しましてイラクへの自衛隊派遣に関連する輸送を要請した。この点があると思いますが、どのような要請をいたしましたか。
  128. 石破茂

    国務大臣(石破茂君) イラクにおける人道復興支援活動に際しまして、隊員の輸送につきまして先生御指摘のようにJALあるいはANAと調整を行っておったということは事実でございます。  こうした調整の結果といたしまして、隊員の輸送は外国の航空会社の定期便及び政府専用機を使っておるわけでございますが、調整いたしました内容につきましては、これは相手方が民間会社でもございます。かつまた、私どもが調整と申しておりますのはあくまで非公式なものとして、政府として申入れをしたとか契約の申込みをしたとか、そういうようなものではございません。したがいまして、両方の意味におきまして詳細申し上げることは差し控えさせていただければと思っております。
  129. 小泉親司

    小泉親司君 日本航空や全日空はそれに対してどのような回答をされたんですか。
  130. 石破茂

    国務大臣(石破茂君) これは非公式な調整というものを行ったわけでございます。結果といたしましてどういうことになったかといえば、あるいは先生も御案内かもしれませんが、政府専用機検討委員会決定事項というものもございます。これは平成三年十月十八日のものでございますけれども、用務の性質、緊急性、経済性、代替性を総合的に勘案、検討した上で、ここでその代替性とか経済性とか緊急性とかいうものを議論するわけでございますけれども、最終的に、先ほど申し上げましたように、政府専用機あるいは外国の民間航空会社の定期便の使用ということに相なったわけでございます。
  131. 小泉親司

    小泉親司君 私は、自衛隊の話を聞いているんじゃなくて、防衛庁日本航空や全日空に対して要請したことに対して日本航空や全日空がどのような回答をされたのかということをお聞きしているんですが、時間がありませんから余りぐじゅぐじゅと曲がらないような答弁をお願いいたしたいと思いますが、三月十二日の、私、経営協議会の報告、これは経営者協議会じゃなくて経営協議会ですから、機長や先任や経営者も参加した協議会の席上で、一つはイラクへの自衛隊輸送を断ったこと、その輸送を断った、拒否した判断は、周辺事態法に際して九九年五月二十四日、日本航空や全日空などの定期航空協会が取り決めた三原則、通称定期航空協会三原則と言っておりますが、この基本的な考え方に基づいて拒否したというふうに述べられておりますが、その点は防衛庁長官は承知されておられますね、確認したいと思います。
  132. 石破茂

    国務大臣(石破茂君) そのような三原則があることは私は承知をいたしております。  しかし、繰り返しになりますが、先生、正式に要請をしなければ拒否というのも起こらないわけでございます。私は先ほどから別に曲がった答弁をしているわけではございませんで、私どもとして正式な要請を行ったことはないと申し上げているわけで、調整というのを非公式に行ったわけでございます。正式な要請がない限り、拒否とかそういうことは起こり得ないものであります。
  133. 小泉親司

    小泉親司君 私、ニュースをここへ持ってきておりますけれども、例えばこのやり取り、三月十二日のやり取りがここの中に書いてありますが、イラクへの自衛隊派遣問題で、昨年、防衛庁から日本航空と全日空に対し自衛隊員の輸送依頼があったが両社が断ったということであると云々かんぬんで、この判断は定航協、つまり定期航空協会三原則に基づいて判断したということかと、これは副社長がお話しになっておりますが、総合的に受け止めてもらって結構だと。つまり、この三原則に基づいて拒否をしたということは明白だと思います。  ここで、その三原則というのは何なのかと。これは先ほども御紹介しましたが、一つは、協力依頼内容が航空法に抵触しないなど法令等に準拠したものであること、二つ目は、事業運営の大前提である運航の安全が確保されること、三つには、協力によって関係国から敵視されないように協力依頼内容が武力行使に当たらないことと、この三原則であると。  何か、前から知っている、承知していると言っておきながら、感心していちゃ駄目ですね。そういうやはり三原則は、私は、この日本航空と全日空はこの原則を堅持し、これに反することは拒否しているというふうになっております。  また、機長やパイロット、スチュワーデス、整備士などで構成される航空安全推進連絡会議、航空労組連絡会議、日本乗務員組合連絡会議は、民間航空の軍事利用はICAOに反すると強い反対の声を上げております。今年一月には、イラクへの自衛隊派遣と民間航空の軍事利用問題に関する要請というのを定期航空協会に提出いたしまして、そこでは、イラクへの自衛隊派遣の輸送手段として民間航空を利用することは国際民間条約に反する民間航空の軍事利用であり、絶対に認めることはできませんということを表明されておりますが、防衛庁長官、こうした現場の声を守って、もう具体的な要請をすることはすべきではないというふうに思いますが、長官、いかがですか。
  134. 石破茂

    国務大臣(石破茂君) いや、知らなかったわけではないのでありまして、改めてその内容を反すうしながら、ははあと思っておるわけでございます。  繰り返しになって恐縮ですが、契約というものは申込みがなければ契約にならないわけでございまして、私どもとして契約の申込行為をいたしておりません。したがいまして、拒否というものはございません。また、軍事利用というものに当たるとは全く考えておりませんで、安全も確保されていると考えております。  私が報道等々で存じておりますこと、あるいは役所の中で聞いておりますこと、それは、繰り返しになりますが、我々としては正式な要請をしたことはないということでございます。しかしながら、これが軍事利用になるとも私は考えておりませんし、そしてまた、それから敵視をされるとか乗客の方々の安全に影響を与えるとか、そういうことだとも考えておりません。必要があれば、それはお願いすることはあると私は思います。
  135. 小泉親司

    小泉親司君 防衛庁長官は、調整という言葉は非常に、私も占領軍の問題を取り上げてまいりましたから、調整という言葉は、コオーディネートという言葉は非常に幅広いので、非公式だとか公式だとかいろいろ言われるけれども、実際にあなた方が要請したことは、これは向こう側は非常に重く受け止めている。つまり、定期航空協会でも三原則の中で、例えば先ほども御紹介しましたように、安全性の確保、関係国から敵視されない、こういう条項がある。それに基づけば、こうした民間航空がイラクへの軍事輸送米軍の軍事物資輸送など、こういうことをやれば、当然特定の敵国と見られることは当たり前の話で、この点で経営者協議会、つまりこの判断は経営者ばかりじゃなくて機長の判断も加味されるということですから、当然、機長の有力組合が三原則に基づき拒否の姿勢を示している以上、私できないことは明白だというふうに思います。  その意味で、私はイラクへの民間航空機の動員を要請し続ける、これまた動員と言うと動員じゃないと言うから協力依頼だと言えばその言葉でも結構ですが、そういう依頼は私はやめるべきだと。その点で、防衛庁長官が、民間航空会社が取り決めたいわゆる三原則、こういうものはしっかりと尊重すべきだというふうに思いますが、いかがですか。
  136. 石破茂

    国務大臣(石破茂君) 先ほどお答えをいたしましたように、必要があれば我々として契約をお願いすることはあり得ることであります。それは軍事目的でもなければほかの国から敵視をされるものでもない、そして乗客の方々に危険を招来するものでもないと考えております。ですから、日本航空、全日空に対しましても、必要があれば我々としてお願いをするということはございますでしょう。それが危険なものではないこと、ましてや軍事利用ではないこと、そのことは当然私どもとして申し上げると思います。  しかし、現在、そのような正式な要請を行っておりませんので、先ほどまでのお答えは仮定に基づくお答えで恐縮に存じます。
  137. 小泉親司

    小泉親司君 私、要請した事実はこれはお認めになっているから、その点で、非公式だと言ったけれども、要請はお認めになっているから、その点は私は明白だと思いますが、私たちが指摘をしているのは、こういう軍事輸送、つまり自衛隊輸送、これは軍事輸送なんですから、当然のこととして、それは自衛隊輸送だと、これは軍事輸送じゃないと幾ら強弁しても、それは軍隊の、事実上の軍隊の輸送なんだから、それは軍事輸送だということは当たり前なんですよ。  だから、そういうふうなことは当然のこととして、国際民間条約の規定からしても、これはICAOの規定からしても、こういうものが事実上、やはり私たちは民間空港から事実上これが保護、民間航空を保護するという条約の適用外になるということは私明白だと思いますし、こういうことをどんどん続ければ私は危険が増すことは明らかだと。この点で、私は、改めて定期航空協会が定めた三原則に基づいてこれを私たちはしっかりと尊重すべきだと思います。  もう一つお尋ねしたいのは、米軍物資輸送の関係で、防衛庁はこれまでも民間航空会社に対して、アメリカ国防総省の米軍輸送資格の認可の取得を要請してきた。こういう点についてもこの経営者協議会でやり取りがありまして、これについても定期航空協会三原則に基づいて、これを反する、こういうことは航空会社は明確にしているんですが、それでも防衛庁は依然としてこういう米軍輸送の資格を取るような要請をお続けになるおつもりなんですか。
  138. 石破茂

    国務大臣(石破茂君) 政府の立場に変更はございません。  それは、先ほど来先生おっしゃっておられますが、要請はしただろうとおっしゃいますが、私は申込みはしていないと申し上げているんです。契約というものは申込みと受諾によって成り立つものでございますから、契約の申込みはしておりませんということでございます。協議というのはどうですかねというようなお話、正式な申込みではなくて、どういうもんでしょうかということ、そういうような非公式にお話をしたことはございます。  先ほどのお話に戻せば、米軍輸送についてどうなんだということでございますが、この点につきまして政府の方針に変更はございません。ただ、経営者の方々あるいは労働組合の方々もお入りになってそのような懸念をお示しになるとするならば、それはそうではないのだということはきちんと申し上げる必要があろうかと思っております。
  139. 小泉親司

    小泉親司君 私はこの点でも、これはイラクへの自衛隊の派遣の輸送、さらには米軍物資輸送するための米国防総省の認可の取得の要請、こうしたものを私は航空協会、これは定期航空会社の協会がまとめた原則ですから、この原則を私は尊重して、こういう要請はすべきでないということを私強く要求をしたいというふうに思います。  やはり、それはなぜかといえば、当然、民間航空の軍事動員は、先ほども繰り返し言っておりますように民間航空条約の対象から外されて、いわゆる民間航空機が攻撃の対象にもなりかねない非常に危険なものがある。特にイラクでの米軍物資、私は武器弾薬の輸送の問題も繰り返し追及してまいりましたけれども、こういう問題を含む軍事輸送へのあるいは動員への要請、こういうものを私はきっぱりとやめるべきだということを強く要求しておきたいというふうに思います。  もう一つ、私、外務大臣にお尋ねをしたいと思います。  今日、外務省から「イラク治安情勢」が報告をされました。これまでは日付がなかったり外務省からか防衛庁か分かんなかったんですが、最近はちゃんと日付も入り役所の名前も入ってまいりましたが、私この報告の中でもひとつ非常に疑問な点が幾つかございます。外務省自身が明確にしていない問題があると思います。  特に私、四月四日にこのナジャフでの、今日もそれぞれのテレビや新聞でも大きく取り上げておりますように、このシーア派といわゆる占領軍との激突、軍事衝突、こういうものは、私こんな数行で片付ける性格のものじゃないというふうに思います。まあ、それを質問しますと見解の相違だというふうな話になっちゃうから、私、別の問題をお尋ねしますが、今この二のところの政治プロセスで、御承知のとおり六月三十日にCPAが解消をするということになっております。先ほども同僚委員から、CPAは果たして六月三十日にちゃんと解消できるのかと、これは私も大変重大な疑問だというふうに思います。  そこで私、もう一つだけお尋ねしたいんですが、この六月三十日の政治プロセスを決めました十一月十五日のCPAとイラク統治評議会の合意、この合意の中で、三月末までにイラク統治評議会とCPAがいわゆる今後の治安をめぐる協定を締結するということが合意されております。もう既に四月になりましたが、どのような合意ができましたか。外務大臣、お尋ねしたいと思います。
  140. 川口順子

    国務大臣(川口順子君) 確かに昨年の十一月の段階で、二〇〇四年の三月末までに統治評議会とCPAによる治安に関する協定ができるというふうに書いてございます。ただ、こういう協定が現時点で具体化されているというふうには承知をいたしておりません。
  141. 小泉親司

    小泉親司君 もう少し色の付いた答弁をしていただきたいと思います。具体的にどういうふうになっているんですか。  私は、この問題というのは簡単にいかない。なぜ簡単にいかないかというと、六月末にCPAがいわゆるなくなってしまうんですよ。その上で占領軍がどういう地位を占めるのか、この問題ですから、明確に外務大臣としてどういう現状なのか、お答えしていただきたいと思います。
  142. 川口順子

    国務大臣(川口順子君) その治安協定については先ほど申し上げたようなことでございますけれども、他方で基本法、これが合意をされているわけでございます。そして、この基本法に書いてありますことは、イラク軍はイラクの主権国家としての地位に従い、安保理決議一五一一やその後の関連安保理諸決議に従い活動する多国籍軍の主たるパートナーである。このアレンジは恒久憲法の承認及び新憲法に従った新政府の選出まで続くということが書いてあるわけでございます。ということでして、今、正に多国籍軍というのがイラク軍の今後パートナーになっていくということは決まっているということでございます。  したがって、そういう意味では、先ほどの治安協定が必要かどうかということについてですけれども、それについてどのようにそれが扱われていくことになるのか。必要であるのかもしれないし、必要でないのかもしれない。そういった点については、今この時点で確定的に申し上げるということは難しいと思います。  いずれにしても、多国籍軍が一緒にやっていくということは想定されているわけですから、これに問題が生じるというふうには考えておりませんけれども、具体的に、確定的にそうであるということを申し上げるということは今の時点ではできないということを申し上げているわけです。
  143. 小泉親司

    小泉親司君 十一月の十五日の合意では、三月末までにイラク統治評議会とCPAがこの治安協定を結ぶとなっているわけですね。私は、この問題についてこの前も、二回ほどこの当委員会でも取り上げてまいりました。いつまで、いつも外務大臣は、確定的なことが言えない、分からない、分からないで話が進んでいるんですが、私、これは占領軍として今度は残る。占領機構はなくなっちゃうんですから、六月末に、それは六月末で本当にできるかどうかは別にして。今までのプロセスはなくなってしまうんです。ところが、占領軍は残るんです。よろしいですか。じゃ、占領軍──残んないんですね。  だから、私は、その占領軍が残るかどうかという問題についての協定はどこでどういうふうに作るんですかと私はお聞きしているんです。そこを明確にしてくださいよ、そんな官僚の作った文章読まないで、明確に分かりやすく。
  144. 川口順子

    国務大臣(川口順子君) いや、占領軍としては残らないわけですね、多国籍軍は、六月三十日以降は。ただ、これは国連の決議を見ても、それから、この基本法の先ほど読み上げました事柄から考えても引き続き多国籍軍が残るであろう、そういうことが想定されているということはほぼ言えるというふうに思います。  それで、問題は、しからばそれは治安協定がなければいられないのかどうか。基本法ができて、その新しい主権が、暫定政権ができるその過程についてまだ決めなければいけないことがたくさんあるわけですから、そういったことを決める過程で今後決まっていく、六月三十日までの間に決まっていくということであって、この時点で、これはこういうことを例えば暫定政権が言って可能になりますとか、あるいはその時点まで別な何かを作ってやりますとか、それは正に今生成の過程にある、議論をしているということでございまして、大勢において問題があるようなことは生じないというふうに思っていますけれども、今、これが確定版ですというのは、これは世界じゅうの人はだれも申し上げることはできない。したがって、私も非常に正直に申し上げて、申し上げることはできない、ただ問題はないだろうと思いますということを申し上げているわけです。
  145. 小泉親司

    小泉親司君 言われるように、ブレマー長官は記者会見で、国連決議一五一一で事足りるんだと、細かくは、いろいろ言っていますけれども、事足りるんだと言っておられる。これは、多国籍軍で六月三十日までは少なくともいられるんだと、これはブレマー長官が言っているんです、記者会見で。  それじゃ、そこでお聞きしますが、自衛隊というのはこの多国籍軍の一員なんですか。
  146. 川口順子

    国務大臣(川口順子君) これは今まで何回も申し上げていますけれども、自衛隊というのは、我が国の指揮の下で活動しているということでございまして、一五一一、安保理決議の一五一一に基づく多国籍軍の統合された指揮下にあるということではございません。
  147. 小泉親司

    小泉親司君 ということは、六月三十日以降、CPAがなくなったときには、多国籍軍が依然としてこれで、国連決議一五一一でいられるということがあったとしても自衛隊はいられないわけですね。つまり、新しい、六月三十日の協定以降は新たな自衛隊とCPA、失礼、自衛隊イラクの暫定政府、この暫定政府といいますか、外務省訳は移行政府ですから移行政府、これとのいわゆる地位協定を結ばないと自衛隊は存在できないと、こういうことになるんですね。
  148. 川口順子

    国務大臣(川口順子君) ということにはまずならないだろうというふうに思っております。  まず、先ほども言いましたけれども、基本法によりまして、外国軍隊が統治権限移譲後も活動するということが想定をされている。具体的にどのような形でそれがそうなるかということは今後はっきり決まっていくことですけれども、想定されているということは間違いがないわけでございます。  それで、現時点でどのような形でそういうことになるかということは、正に今イラクにおいて検討が行われているということで、我が国政府として確定的なことは言えませんけれども、自衛隊の公的な地位、これについては我が国自衛隊、の自衛隊イラクにおいて人道復興支援等をやっていくということについては、これは、これもみんなが望んでいることであるということでございます。これは統治評議会のウルム評議会議長もそのようにおっしゃっていらっしゃいましたけれども、それならば、具体的にどの、その基本法の規定を踏まえて自衛隊がいるのかということについても今確定的なことは申し上げられませんけれども、いずれにしても、軍隊がその国、よその外国に行く、いる、駐在をしてそこで活動をするということについては、今まで何回も申し上げていますように、その国の政府の承認といいますか、同意が要るわけでございますので、我が国としては、今の時点で、明確な形でいかに、具体的にいかにどういうことをやるかということはまだ申し上げられませんが、適切な形で暫定政府の同意、これを確認をする、そして引き続き自衛隊活動を行うというふうに考えております。
  149. 小泉親司

    小泉親司君 時間がなくなりましたから、また改めて別の委員会で、あしたもありますから、しっかりやりますが、この問題というのは、私は絶対にこれはゆるがせにできない問題だと。これ、なぜかといえば、先ほども繰り返し言っているように、六月三十日になったらイラク、いわゆる占領機構、CPAがなくなってしまう。そうすると占領軍はどうするのかと。  ここにもある新聞のワシントン発の現地特派員が送ってきている情報がありますが、地位協定交渉が難航、アメリカとイラク側の思惑が衝突していると。私もこの前、逓信大臣に、懇談がありましたときに逓信大臣がお話しになって、いわゆるイラクと米国の妥協は非常に難しくて、主権移譲後も占領期と同じ無協定状態が、異常事態がしばらく続きそうだと、ここは報道しているんですけれども、そういう問題がやはり存在すると。  特に、そうなってくると、自衛隊は、今何遍もおっしゃっているように、多国籍軍にも入らない、占領軍機構に入らない、連合の一員であるが連合軍の一員じゃないということになれば、当然これは様々な地位協定が必要になる。じゃ、それをどうするのかと、こういう交渉になると、これは私は、先ほど外務大臣が、何か人道復興支援で相手側に気に入られればそのまま居座れるようなこと、ようなニュアンスの話されましたが、そんなことは絶対あり得ませんから、当然のこととして、それはきちんとした形で軍隊の地位を確保しなけりゃならないという点で、私は、今特にイラクで起きている占領軍への大きな批判、こういう点でも私は、自衛隊はこの点では大いなる問題がございますので、私たちは強く、この占領機構からの、占領軍としての、の一員としての自衛隊の撤退を強く要求して、またあしたやります。よろしくお願いします。
  150. 大田昌秀

    ○大田昌秀君 社民党・護憲連合の大田でございます。  先ほどの外務省イラク情勢報告によりますと、二月二十八日から二十九日にアブダビでイラク復興信託基金ドナー委員会が開催され、我が国は同委員会議長に選出されたので、基金の効果的な運営への貢献を通じて国際協調強化に努めていくというふうになっておりますが、改めて外務大臣にお伺いしたいのは、我が国は無償十五億ドル、有償三十五億ドルをイラク復興支援のために供与すると言っておりますが、その資金はどのような手続で配付されるのか、そこを具体的に御説明ください。
  151. 堂道秀明

    政府参考人堂道秀明君) お答え申し上げます。  まず十五億ドルと三十五億ドルでございますけれども、十五億ドルは当面の支援に無償資金でということでございまして、三十五億ドルにつきましては、基本的には円借款を使ってその案件を形成することを考えておりますが、イラクの債務の返済状況等、その債務の整理をどういうふうに行われるかを見つつ検討するという形になります。  十五億ドルのその内訳につきましては、まず五億ドルを信託基金に拠出するということでございまして、残りについては直接支援又は国際機関の経由、国際機関を経由して支援すると、そういうことを考えております。
  152. 大田昌秀

    ○大田昌秀君 同じく先ほどの報告で、航空自衛隊はC130機を使って、三月三日以来クウェートイラクの間で人道復興支援物資を、物資輸送を始めたとあります。その後、四月四日までに計十七回、関係各国や関係機関の物資等を運んだとありますが、具体的にどの国、どういう関係機関にどんな物資輸送したのか、御説明ください。武器とか弾薬などもそれに含まれるかどうか、防衛庁からお願いします。
  153. 西川徹矢

    政府参考人西川徹矢君) お答え申し上げます。  先ほど御報告いたしましたとおり、これまで十七回の輸送を行っておりますが、ただ、この輸送につきましては、各コアリションの国々につきましてもその中身につきましては今まで公表を原則としてされていないということでございまして、当方といたしましても、この中身につきましては各国との関係もございましてつまびらかにするのはちょっと差し控えたいと存じますが、ただ、極めて関心の高い、国民の方々の関心の高いところでございますので、ここにお示しいたしましたように、その適宜な時期を見付けまして、その総数的な回数、そしてまた運びました物資等のカテゴリーを人道復興支援関連等々、ここに書いてますような形での発表という格好にさせていただいております。その点、十分御理解賜りたいと存じます。
  154. 大田昌秀

    ○大田昌秀君 武器弾薬は含まれていますか。
  155. 西川徹矢

    政府参考人西川徹矢君) 人道復興支援関連物資並びに関係各国関係機関等物資輸送については、それは含まないという形でやっております。
  156. 大田昌秀

    ○大田昌秀君 先ほども同僚議員から質問がございましたけれども、CPAから統治権限イラク暫定統治評議会に六月三十日で移譲されるということになっておりますが、その可能性とその後の選挙実施のプロセスについて外務省はどのような見通しを立てておられるのか、外務大臣からお願いします。外務大臣の方からお願いします。
  157. 川口順子

    国務大臣(川口順子君) 六月三十日に主権移譲をしたいということは、イラクの人たちの願いであり、またCPA、あるいは米国、英国もそのように考えている。国際社会で六月三十日を積極的に遅らせたいと思っている人はいないと私は思っています。  それで、今いろいろなその後の暫定政府をどのように作っていくか、受皿でございますけれども、それをどうするかということで国連も知恵を出して、イラク人中心になって考えているということでございます。  それで、選挙でございますけれども、これも今いろんな方法で議論がございましたし、今も現在議論をしているということでございます。ブラヒミ顧問、特別顧問が四月四日からバグダッドに入っているということも承知をいたしておりますので、現在、様々な知恵を出しながらみんなで議論をしているということであろうと思います。
  158. 大田昌秀

    ○大田昌秀君 見通しを持つということは今後の自衛隊を帰国させるとかという問題と密接に絡んでいるわけですが、今外務大臣は自分の見通しについては何もおっしゃらなかったと思います。もう一度見通しについてお答えください。
  159. 川口順子

    国務大臣(川口順子君) 正確な見通しを申し上げることは非常に困難であると思っています。みんなが先ほど申しましたように六月三十日に行いたいと思っている、他方で受皿が必要でして、その受皿をどうするかということは今はっきり決まっているわけではないということだと思います。  基本的に、その受皿をどれぐらい精緻なものにしていくかということと六月三十日というのはトレードオフ関係にはあると思います。六月三十日にやるということで決めれば、それは私はやることは可能だと思います。ただ、六月三十日を延ばしてもいいから受皿をもっと立派なものにしたいと思う人が大勢を占めれば、それはそういう判断もないわけではないというふうに思いますが、私は、おおむね六月三十日に何らかの形で主権の移転が行われるというふうに考えております。
  160. 大田昌秀

    ○大田昌秀君 テロ対策特別措置法に関連して防衛庁にお伺いいたします。  昨年の十月、テロ対策特措法が二か年延長されましたが、その以前とその以後を比較して、インド洋上における海上自衛隊の補給艦による各艦船に対する給油活動の実態はどうなっていますか、教えてください。
  161. 西川徹矢

    政府参考人西川徹矢君) お答え申し上げます。  昨年の十月で二年を迎えましたそれまでの期間とそこから以降の期間という御指摘でございますが、これにつきましては、回数的な問題で申しますと、去年の方は、去年の特に十一、失礼しました、去年及びその十三年、十四年の段階ではですね、回数的には、ちょっと済みませんが数字の整理はしておりませんが、やや回数も多く量も多くなっておりましたが、その後との月々の平均で見ますと、回数がやや少なくなり、そしてまた一回の輸送、失礼、一回の補給の油の量も少なくなっておると、このように承知しております。
  162. 大田昌秀

    ○大田昌秀君 防衛庁からいただいた資料を見ますと、二〇〇二年三月の四万キロリットルを最高に毎月一万か二万キロリットル台で推移しておりますが、今年に入ると月に二、三千キロリットルに急に減っておりますが、防衛庁長官、もうそろそろ海上自衛隊を引き揚げてもいいんじゃないですか。
  163. 石破茂

    国務大臣(石破茂君) 先生の方に恐らくこういう資料を出しているんだろうと思います。数量、回数というものですね。  確かに数量は減っているんですが、回数は必ずしも減ってはいない、一月が十回、二月が十一回、三月が九回ということであります。これよりも少なかった回数というのはほかにも、去年にもおととしにもございますので、それは使う船が小さくなったということで、量全体は減ったけれども回数は変わらないというようなことがあるんだろうと思います。  あわせまして、じゃ船がちっちゃくなったから、じゃ所要する時間が短くなるかというと、そういうものでもございませんで、私は回数はそんなに変わっていない、むしろ使う船の問題だろうと思っております。  で、前も先生にお答えしたかもしれませんが、あの広い海で一々油を受け取るのに、補給するのに、港まで帰るのと洋上で受け取れるのというのは、これは全く違うと思っております。  私どもとして、テロの戦い、テロとの戦いの一環としてこの洋上補給活動、極めて意義の高いものだと思っておりまして、御指摘ではございますが、当面やめる考えはございません。
  164. 大田昌秀

    ○大田昌秀君 在沖縄米海兵隊が去る二月、イラクへ派遣されましたけれども、このイラクにいる米海兵隊はイラクでどういう活動をしているか、御説明ください。
  165. 長嶺安政

    政府参考人(長嶺安政君) お答えいたします。  一般論でございますけれども、政府としては、今般のイラク情勢に関するものも含めまして、米軍のその運用の一々についてはその詳細を申し上げる立場にはございませんが、我が方として承知しているところで申し上げますと、現在沖縄からイラクに派遣された米海兵隊部隊は、主としてイラク西部のアル・アンバール県において治安維持及び安定化作戦を実施しているというふうに理解しております。
  166. 大田昌秀

    ○大田昌秀君 岩国基地の沖合移設に伴って地元自治体等から民間航空も利用させてほしいという要望が出ていると理解しておりますが、防衛施設庁としてはこれにどう対応なさるおつもりですか。
  167. 野津研二

    政府参考人(野津研二君) お答えいたします。  御質問の岩国の民間空港再開の問題でございますが、地元からそのような御要望をいただいておりまして、既に日米間で軍民共用空港を念頭、失礼しました、日米間で民間空港再開が可能かどうかを協議しているところでございます。米側からは、米軍の運用に影響を与えないことを前提に検討したいということでございますので、そういう意向も踏まえまして、現在、関係機関と調整を図りつつ、鋭意検討を進めているところでございます。
  168. 大田昌秀

    ○大田昌秀君 岩国基地が海上に拡張強化されているのはどういう理由からですか。何のために岩国基地を拡張しているんですか。
  169. 野津研二

    政府参考人(野津研二君) 岩国基地で現在行っております工事でございますが、これは沖合、滑走路を東側の沖合に移設するものでございます。これは、岩国飛行場の運用上、安全上、騒音上、種々の問題を解決するために移設事業を実施しているものでございまして、基地としての機能を強化すると、そういう観点で行っているものではございません。
  170. 大田昌秀

    ○大田昌秀君 沖縄県は、那覇防衛施設局による普天間代替施設建設予定地の地質ボーリング調査について、ジュゴンの保全に関連して文化庁に意見を求めたところ、文化庁の方でジュゴン保全に与える影響は軽微と回答したようですが、その根拠をお示しください。
  171. 木曽功

    政府参考人(木曽功君) お答えいたします。  現地技術調査につきましては、防衛施設庁において、天然記念物ジュゴンを含む環境への環境回避又は低減のための措置を講じる観点から、具体的な調査方法が検討されたものと承知しております。  なお、先般、那覇防衛施設局からの照会に対しまして、本調査がジュゴンの保存に及ぼす影響は軽微であるとして、本調査実施が文化庁長官の同意を要さない旨の回答を行ったものでございます。その際、天然記念物ジュゴンの保護に万全を期する観点から、モニタリング等の実施等の配慮を求めたところでございます。
  172. 大田昌秀

    ○大田昌秀君 ジュゴンに悪い影響を与えないとおっしゃった、その根拠は何ですか。
  173. 木曽功

    政府参考人(木曽功君) 本調査につきましては、限られた範囲においてしかるべき配慮の下で実施されるものであり、その影響が直ちに個体の滅失、毀損が生ずるほどに密接な因果関係にある行為に当たらないということで、保存に影響を及ぼす行為のうち影響の軽微であるものというふうに解釈した次第でございます。
  174. 大田昌秀

    ○大田昌秀君 文化庁は独自に調査をなさってそのような結論を出されたわけですか。
  175. 木曽功

    政府参考人(木曽功君) 文化庁におきましては直接調査を行っておりません。
  176. 大田昌秀

    ○大田昌秀君 調査を行っていないでそのような結論を出して、もし実際に工事を始めてそれが影響を与えた場合にはどういうふうに責任を取られますか。
  177. 木曽功

    政府参考人(木曽功君) 文化庁としては、この影響が直ちに個体の滅失、毀損に、生ずるほどに密接な因果関係にある行為に当たらないというふうに考えておりますので、そういうことでございます。
  178. 大田昌秀

    ○大田昌秀君 終わります。
  179. 山本正和

    山本正和君 前回、石破長官とお話をいたしまして、イラクに派遣されている自衛隊員の諸君が健康その他十分に留意してほしいと、特に、何といいましても、それは若い元気な世代であるにしても大変な苦痛を伴いますから、可能な限り早く交代ができるような、そういうことも考えてほしいということを申し上げておったんですが、新聞報道で、何か最初に行ったのが三か月で帰ってくるようなことになっておりまして、これはなかなか長官、頑張って判断してもらったと思ったんですけれども。要するに、今派遣している自衛隊の諸君は、そうするとおおむね三か月程度でこちらへ一遍帰ってこれると、原則としてですね、あるいは中には任務が非常に難しいからそうはいかない場合もあるにしても。そういうふうなことは長官としてはお考えになっているかどうか、聞かせてください。
  180. 石破茂

    国務大臣(石破茂君) これは、三か月ということをはっきり決めたわけではありませんが、やはり一つの目安はそんなものだと思っております。他国の例を考えましても、また我々が、何せ今のはマイナス二十度の世界から摂氏四十度の世界に行っておるわけでありまして、そういうような環境の激変というのもあれば、それはもう気を遣っていること、心身ともにですね、ございまして、一つのめどかなというふうには思っております。  具体的にこれから陸上自衛隊ともよく調整をしてどれくらいという交代の時期を定めたいと思っておりますが、先生の御指摘はよく承りながら遺漏なきを期したいと思っております。
  181. 山本正和

    山本正和君 ちょうど私の孫の世代になるものだから、余計心配なんですよ。それで、また、アメリカのように戦闘部隊として戦うという形で行ったものならこれはまたそれなりの覚悟の決め手ありますけれども、要するに人道復興支援活動として行くということで隊員の諸君は意思統一をして、しかし危険が伴うよと。大変ストレスの多い仕事ですよね。ですから、これは何としてもやっぱりある時期が来たら、見通しておって、この程度おれば帰れるんだなということが少なくとも自衛隊の諸君になければ困るので、これはひとつ是非とも長官の判断で、ひょっとしたら財務省は金が掛かるから困ると言うかもしれぬけれども、頑張って交代を是非やってほしい。  それと併せてお聞きしておきたいんですけれども、勤務時間と言ったらおかしいけれども、やっぱり一日どれぐらいの勤務に就いているのか、休憩時間があるのか。あるいはまた食事は、本当の話、何か、缶詰か何か訳の分からないものばっかり食べておるんじゃないかと、そんな気もするんですよ。その辺のことについてはどういうふうな対応をしているのか、聞かせていただきたい。
  182. 石破茂

    国務大臣(石破茂君) 勤務時間は、これは、現地におきましては六時に起きます。八時に課業開始。お昼の十二時からお昼の一時まで昼食を含めた休憩。夕方五時には課業、業務を課すと書きますが、課業終了。十一時に就寝ということに相なっております。火曜日、金曜日の午後はなるべく休むということにいたしております。  食事でございますが、缶詰ばかり食べているわけではございません。生鮮食料品も食べられるようになっております。ちなみに、今日は四月五日でございますが、今日の晩御飯は、白い御飯にのっぺい汁、鳥手羽柔らか煮、白菜ピーナツあえと、こういうことになっておりまして、これは本当に最初行った当時はレトルトばかり食べておったわけでございますね。缶詰、先生御指摘のように缶詰か若しくはレトルトということでございましたが、今はそういうような生鮮食料品も入るようになりまして、相当にレトルトでも栄養バランスをきちんと考えておりますが、それに生鮮食料品を足しまして、何か議員宿舎よりもいいとか言う方がその辺にいらっしゃったかもしれませんが、そういうわけでもございませんが、やっぱり楽しみというのは食事と入浴、あとはもう常に緊張状態の中にございますので、食事のそういうような楽しみというんでしょうか、栄養と、そしてまたそのひとときの、何というんでしょう、気がほっとするような時間、それを大事にしたいと思っております。
  183. 山本正和

    山本正和君 やっぱり国民の間にある懸念というか心配は、自衛隊の諸君の生活だろうと思うんですね。今の長官のお話しになったようなことを、これはやっぱり、こうやっていますよということを国民の皆さんにも知らしておいていただきたいと思うんですね。  私どものかつての兵役時代というのは、飯いうたら飯ごう炊さんですよ、戦地行ったらね。だけれども、それはいいですけれども、今はもうちゃんと、いろいろ時代が違いますからね。だけれども、本当に自衛隊の諸君が少なくとも食べるものぐらいは安心しておれるよというふうなお話ですから、是非それはしていただきたい。  それから、今のお話でいくと大分時間もあるようだから、家族とも電話で、例えば、そんな毎日とはいかぬでしょうけれども、父さん元気だよとか、あるいはお母さん、僕はまだこうやってあれだけれども、今日もこういううまいもの食ってとか、何でもいいですけれども、そういう連絡もできる、その通信の何というか余地というものは隊員の諸君に与えているんでしょうね。そこはどうですか。
  184. 石破茂

    国務大臣(石破茂君) 舛添委員にお答えしたのと重複したらお許しをいただきたいと思います。  テレビ電話を初めて入れました。今までテレビ電話というのはPKOにおいても入れたこともございませんでしたが、テレビ電話を入れまして、一週間当たり一人十分、四台据え付けております。ですから、サマワの方に四台、日本国内には二十一台。というのは、日本国内あちらこちらから出ておりますので、日本国内二十一台ということでテレビ電話を入れました。  それから、衛星携帯電話というものがこれとは別にございまして、一週間に一人五分で二回、つまり十分以内なら何回やってもいいということでございますが、これも国費で電話代を負担をしておるわけでございます。  そのほか、電子メールも、各隊員にメールアドレスを付与いたしまして、今後は厚生施設内にITルームを設けまして、メール専用のパソコンも四台設けたいというふうに考えております。  これはまあ本当に、先生が軍歴に、軍務に服しておられたときとは時代は違いますので、そこまでする必要あるのかよという御議論もあるのかもしれません。しかしながら、やはり過酷な環境の中で、強い緊張状態の中でやっておりますので、先ほど申し上げましたように、食事とふろ、シャワーといいますか、もう一つは家族との会話、そしてそれが実際に絵が動く、子供が大きくなった、お父さん元気だというのが伝わればなおいいかなと思っております。  ただ、衛星、失礼、テレビ電話というのはどうしても高うございますので、幾らでも好きなようにやってくれというわけにはまいりません。隊員のメンタルヘルスケアの面も考え、家族の方々のメンタルヘルスケアも考え、より良き方向は目指してまいりますが、やはり今はこの辺りなのかなという感じはしております。
  185. 山本正和

    山本正和君 ひとつ是非、格段の配慮をお願いしておきたいと思います。  そこで、今度、ちょっと外務省外務大臣にお聞きしたいんだけれども、国民の間にある疑問というのは、自衛隊イラクに行ったことについての国民の間にある疑問というのは、大変懸念しているのは、アメリカとイギリスの占領軍に協力するために行っているんじゃないかという疑問があるわけですよ、国民の間にね。  政府がいろんなこと声明しておるけれども、率直な、もう非常に簡単な言葉で言えば、日本は、日本政府はアメリカの、特に今ブッシュさんと小泉さんとの仲のいい関係もあるからね、とにかくアメリカに協力するために自衛隊が行っているんだと、こういう、法律だとか言葉にはありませんよ、感覚が非常にあるんですよ。  私はここで、外交の責任者としての大臣にお聞きしたいんだけれども、イラク自衛隊が行っているのは、これは先ほどからお話あるように、国連の決議、それに基づいて我が国独自の判断復興支援のために行っているんであって、アメリカ、イギリスの占領政策の、それに、その協力するために行っているんじゃない、はっきり外務大臣として言えるか言えないか、どうですか、そこは。
  186. 川口順子

    国務大臣(川口順子君) 我が国自衛隊イラクに派遣をして、派遣をしている理由というのは、今委員がおっしゃられたとおり、国連の決議、これに基づきましてイラクの人道復興支援、これのために行っているわけでございます。この判断は主体的なものであります。  同時に、アメリカと我が国との関係は同盟関係であるということでございます。今アメリカ軍もイギリス軍もほかの多国籍軍も、イラク治安の安定、そしてイラクの一日も早い復興、これを祈って、そこで、イラク活動をしているわけでございまして、基本的にその目的といいますか、これがうまくいった暁に期待をしているもの、これについてはそう変わっているとは思っていません。
  187. 山本正和

    山本正和君 そこ、そこの大臣の言い回しが誤解を私は招くと思うんですよ。  あのね、私はこの特措法の法律の国会における審議もずっと見てきたけれども、まだ国会の中での審議でもいろいろあるのは、要するに国連決議があるから行くんですよと、その部分が最終的には政府答弁の一番もう、詰められても詰められても言う部分だったんですね。国連決議があって初めて行くんですよと。だから、何ぼ米英だけが占領しているときに自衛隊は行けと言っても行かないんですよと、国連決議があるから行ったんですよとね。  そしたら、はっきり、だからそこのところは、米英の占領政策に協力するために、あるいはアメリカの要請に基づいて自衛隊が行くんじゃありませんと、アメリカとの友好関係は大事だけれども、何ぼ大事でもそれだけじゃ行けないんですよと、国連決議があるから初めて行ったんですと、そこははっきり言わぬと。その辺がどうも大臣は、遠慮しておるのか知らぬけれども、だれに遠慮しておるのか知らぬけれども、やっぱりきちっと外交の責任者として言わにゃいかぬです、これは。
  188. 川口順子

    国務大臣(川口順子君) 正にこの法律の目的、これに書いてあるとおりでございます。それは、委員がおっしゃられたとおりであるわけですけれども、国家の速やかな再建を図るためにイラクにおいて行われている、行われている国民生活の安定と向上、民主的な手段による統治組織の設立等に向けたイラクの国民による自主的な努力を支援し、及び促進しようとする国際社会の取組に関し、我が国がこれまで主体的かつ積極的に寄与するため云々、云々ということでございまして、もってイラク国家再建を通じて我が国を含む国際社会の平和及び安全の確保に資することを目的とすることということで書いてあります。  私があえてさっき後段を付け加えましたのは、アメリカ、イギリス軍、これがイラク活動して今行っていること、これは、それにもかかわらず日本は行くんですということではないということをあえて申し上げたかったかということでございます。正に、日本イラク復興支援、そのために行っているということで、それは国連の決議に基づいているということでございます。
  189. 山本正和

    山本正和君 その大臣の言い回しがどうしても何となくアメリカとイギリスに気兼ねしているように聞こえるものだからね。だから、そうじゃないんだと。何ぼアメリカとイギリスから、いやアメリカから要請受けても、それだけでは自衛隊は行かないんですと、行けなかったんですと。あくまで国連決議があって初めて国会でのこの法律が通ったんですと。それが政府のぎりぎりの私は国民に対して答弁する、もう絶対守らなきゃいかぬ線だと思うんですよ。アメリカと私はけんかせいと私言うんじゃないですよ。どんなに仲良くても、言うことを聞いていい場合と聞かない、聞けない場合があるんですね。国連決議があって初めて自衛隊を出すということを政府は決意したんだと。それを、そこのところは絶対間違えないようにいろんな答弁の段階ではやっていただきたいと私は思うんです。  そして、今日の同僚議員の質疑の中で私気になったのは、外交官が大変な不幸な事件が起こった、そのことに対して様々な疑惑が生まれたことは事実ですよ、疑惑があることは。しかし、その疑惑を晴らす責任はだれにあるかといったら、その当時、アメリカ軍の後ろにおったということはアメリカ軍認めている。認めている、これははっきりと。そういう中で起こった事件に対する様々な報道がある。  国民の中に疑惑が生まれて、もしもアメリカ軍の誤射によって死んだかもしれぬとなれば、国民感情は沸騰するんですよ。それに対して疑惑を解く責任は、当時は日本行っていないんだから、だれも、アメリカにあるんですよ。何か証拠持ってきたら、殺された証拠持ってきたら、ちょっとそれをアメリカに言いますよという話じゃないんだ。アメリカが、日本国民が、正にアメリカが言っている、これだけ日本とアメリカは友好関係にあるとアメリカは言っているんだから、その友好国の中に疑惑が生まれたら、晴らす責任はアメリカにある。それを外務大臣や総理大臣はアメリカにちゃんと言わにゃいかぬですよ。皆さん、こういう疑惑が国民の中に生まれていると。それに対してアメリカは、その当時の情報を全部提供して、我が国の国民の間にあるそういう疑惑を解くように示しなさいと言うのがあなたの立場なんだ。さっきみたいに、疑惑が生まれているのは、逆なんです、これね。  これだけ今、時間がないから、最後にちょっとまた年寄りの説教しておいて、これで終わります。
  190. 清水達雄

    委員長清水達雄君) 本日の質疑はこの程度とし、これにて散会いたします。    午後四時十九分散会