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山本正和君 あのね、いろいろとおっしゃるけれ
ども、「海外出動はこれを行わない」、こういう表現なんです、参議院の方は。派兵でもなければ
派遣でもないんです。「海外出動はこれを行わない」と、これは院で決議したんです。時の
内閣も、院の決議を重く受け止めますと、こう言っているんですよ。
だから、私、正直言って、これもし小学校や中学校や高等学校の子供に、こういう院の決議がありますけれ
ども、今度の
自衛隊行くのは出動じゃありませんと、一体子供にどう言って教えるだろうか。そうすると、
日本の国の
政府というのは、出動という文字の
言葉は出て動くと書いてあるけれ
ども、
自衛隊が出て動くことは、あれは出動じゃないんだなと、こう読めという話になる。
私は、だから、本来から、この問題を真剣になって取り上げる当事者は、これは
長官ですよ、
自分の部下が動くわけですから。
長官が最高責任者ですよ。三軍の長だ、今はね。最高責任者は総理かもしれないですよ。しかし、当面の指揮官の、責任者は
長官ですよ。
自分の部下を動かすのに、
国民の前で恥ずかしくないようにしてくださいと言うのがあなたの責任なんですよ。だから、本当からいえば、国会でこういう決議がありますと、この決議に対して、時代がこういうふうに変わってきたから、この決議にかかわらず
自衛隊を出しますということについて了解を取ってほしいと、総理
大臣にそうやってやってくださいと言うのがあなたの一つの責任なんですよ。
ところが、今のように、文字をいろいろ使って、これは派兵と
派遣の違い言ったのは法制局
長官ですわ、先ほど
長官から言われたけれ
どもね、官房
長官も言われたけれ
ども、そのことは私もよく知っていますよ。しかし、同時に、院の決議である、
自衛隊を作ったときにですよ、
自衛隊をどうするかということを含めてみんなで
議論したんです。全会一致ですよ、これは。その決議というものがあったら、その決議が時代にふさわしくなくなったら、こういう決議についてはかくかくしかじかですとこれは言わなきゃいけない。それは行政の責任者の当然やるべき任務なんですよ。
それをごまかしてやろうとするから余計問題が起こってくるんだ。ごまかすという
言葉を使ったらまたこれ語弊があるかもしれぬけれ
ども、ごまかしているように取られてしまう。しらぬけれ
ども、ずっと
言葉だけでごまかしていって、最後は既成事実を作ってしまってちょんと。そうすると昔の陸軍と一緒になってくるんですよ。
だから、ひとつそこのところでやっぱり、この出動という
言葉が、「海外出動はこれを行わないこと」、このとき十分
議論したんだ。院でこれを作るについて、各位、与野党全部
議論した。
議論の議事録もありますよ、何なら。要するに、
自衛隊は外行かぬということになると念を押しているんですよ、その当時言っている、答えているんですよね、このときには。
それと違うんです、今度は。違うことを、今度は違う事態になりましたよということをはっきり
政府は言わなきゃいけない。言って、国会の了解を取らなきゃいけない。自民党の皆さんの中でこれ本当にきちっと
議論して、これは出動と言ったけれ
ども、事態が違うからこれはということに、皆分かっているか。分かっていない人が多いですよ、与党でも。
だから、そこのところはやっぱり
政府として、本当に私が心配するのは、私
どもの孫みたいなこの若い青年が死ぬかもしれないんですよ。昨日も総理は、じっと、もうこらえられない気持ちでおられたですよ。それぐらい大変なんだ。大変なことならば、ちゃんと
国民に説明をして、全体の了解を取ってやらなきゃいけないんだ。
アメリカと話をして、それは僕はあしたまた総理に言いたいけれ
ども、確かに
アメリカという国は大切ですよ。私も大好きですよ。私は、戦争負けてこっち帰ってきて
アメリカ映画見て、こんなすばらしい国があるかとぐらい思ったですよ。大事ですよ、
アメリカは。だけれ
ども、その大事な
アメリカであっても、我々は言うべきことは言わなきゃいけない。
日本の国にはこういう憲法があります、こういう院の決議がありますと。だから、あなたは兵隊出してくれと言うけれ
ども、こういうものがあって難しいんですとはっきり言わなきゃいけない。
しかし、それならば改めて
国民の合意を得るために全部かけましょうと。今までのいろんな総理の答弁、院の決議があるけれ
ども、こういう状況ですから皆さんどうですかということを相談しますよと。そこから法案を作ればいいんですよ。ところが、そういうのをやらずに法案が来ちゃったから。法案が先に来ちゃった。
だから、出動しているんですよ。出動です、これ明らかに。もう出動しているんです。出て行っちゃったんだ。海の上ならまだいいですよ。ほかの陸地へちゃんと上がっちゃっている。これはやっぱり
長官、その海外出動を行わないことをここに改めて確認するということに対して
政府は何らかのやっぱり見解を表明すべきと
思いますけれ
ども、これについては、そうしたら正式な見解をこれはあしたぐらいまでに、この院の決議に対する
政府見解、院の決議と今度
自衛隊を海外に出すことについてのその違いについての整合性を求める私からの、今、今日要請いたしますから、明日までにこの院の決議に対する今回の行動についての
政府の正式な見解をひとついただきたいと
思いますが、いかがですか。