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若泉分科員 福井の
若泉でございます。よろしくお願いいたします。
御質問を申し上げる前に、私は、実は、昨日、
国土交通省の皆様の十数年かかって
事業をやっていただきました九頭竜川鳴鹿大堰の完成記念式典がございまして、
地域住民が非常に喜んでおりますので、感謝を申し上げます。
この
事業の設計の中で私が気がついたことは、生態系を非常に大切にしている、そして子々孫々までにこの
事業は何であるか、何のためにやったかという資料館が設けてある。このことは、五百億近い
予算を
事業予算としてお使いになって完成したということに関しましては、非常にいいことでありますので、今後もこのようなことはどんどん進めていただきたい、このように思っております。
実は、私は、町長を十六年、今立町長を務めてまいりまして、ほとんど答弁ばかりいたしておりまして、質問は苦手でございますので、ひとつどうぞよろしくお願いいたします。
私の公共
事業に対します基本的な
考え方を申し上げまして、また、私の体験を申し上げまして、まずそれを申し上げた後で、
大臣に
お尋ね申し上げたい、よろしくお願い申し上げます。
実は、町長のときに、今立町の普通の町道でございますが、この町道を、二百メーターの延長で幅二メーターしかない
道路を、実はその
道路、いわゆる和紙の里の資料館とそして紙をすくパピルス館の間にこの二百メーターの
道路がございまして、和紙の里通りというものを我々が企画、提案をいたしました。
その提案の内容といいますのは、いわゆる人と車の交わる道が
道路である、大体普通、車道がほとんどでございますが、人と車の交わる道が
道路であるという認識の中で、緑、水、光、音というものを企画いたしまして、例えばどういうことかといいますと、緑をふんだんにその通りに使いまして、そして音楽の鳴るベンチを三つつくりました。クラシックの園では、座りますとクラシックの音楽が鳴ります。ポピュラーソングの音楽が中央あたりで鳴りまして、同時に噴水が上がって、夜はそれに色がついてくる。そして最後には、童謡のベンチということで
日本の童歌が聞こえる、そういう音楽のベンチ。
そして、
道路は
道路なんです、あくまでも
道路でございますので、車道は、スピードを出さないように蛇行させまして、その横には小川のせせらぎ、幅十六メーターでございますが、川のせせらぎ、そこには魚が泳ぐ、そのような提案をいたしましたところ、当初は建設省から反対がありまして、これは
道路じゃない、公園だというようなことで、当時の建設省でございますが、そういうことがございました。
そういった中におきまして、この
道路が最終的には取り上げられまして、一番最初の
事業がシンボルロード、次にマイロード、そして最終的には、全国的に今よく利用されております道の駅になったもの、このように思います。
そういう企画、立案というのは、まさに私ども町村が国に御提案を申し上げ、また国の方も、いわゆる
国土交通省さんもそれに応じて、いいじゃないかと。二年間はちょっと、その議論は続きました。二年我慢しまして、二年後に、現在も
国土交通省で活躍されておりますが、その専門家の方に認めていただいた、そういうことでございます。
そして、もう一つ、私どもは、官庁速報に今立方式下水道
事業というものが全国的に流れたことがございます。これも、私どもの町の方から、やはり八年間ぐらい議会と議論しまして着工いたしました。
その内容といいますのは、連檐
地域におきまして、大体流域下水道といいますのは、
もともと三万人以上の人口のところで終末処理場を設ける、それには認可しようということだったんですが、実は一万五千人の人口でございます。しかも、連檐
地域といいまして、家が並んでいるところ、密集しているところは、大体一千軒ぐらいの利用者なんです。それを
国土交通省さんにいろいろと議論してお願いしましたところ、コンパクトなところでも終末処理場を認めようじゃないかとそれをお認めいただきましたので、三百億の当初
事業が二百億で済んだ。百億助かるというのは、一万五千人の小さな町では非常に大きな成果だったんですね。
そして、ではあとはどうしたかといいますと、御存じのように合併浄化槽をやりました。合併浄化槽といいますのは、大体車一台駐車するぐらいの面積が必要でございますが、
地方へ行きますと、ほとんど自分のところに宅地とか所有地を結構ぜいたくに持っておりますので、それを十分に利用しようということで、厚生省、自治省との
関係の中におきまして、合併浄化槽を全部設置することにいたしました。しかも、その合併浄化槽は、炉材がいいものと悪いものでは全然違いまして、浄化槽の炉材がいいものというのは、微生物が生息しやすくなって、BOD二ppmまでに落とせる。そういう炉材のいいメーカーだけを五社指定いたしまして、十何社来たんですが、一番炉材のいいもののメーカーを指定いたしまして、合併浄化槽を進めております。
おかげさまで、私どもの町は、八年間、議会と議論しながら、研究、検査を重ねた結果が今立方式下水道
事業ということになったということは、これはただ私どもの提案ということじゃなくて、やはり
国土交通省の役所の非常に深い理解と、またそれに対する結論をいただいた、このことはありがたかったんです。これは、今進めておりますいわゆる
地方分権の
推進がもう私の町では進んでいた、そのようなことを申し上げてもいいんじゃないか、このように私は思っているわけであります。
一時は本当に、国債乱発による内需拡大ということで、小渕内閣のころから非常にお金が使われたわけでございますが、今では、ケインズ理論によりまして景気浮揚対策を公共
事業として使うということはもう必要ない。しかしながら、私が申し上げたいと思いますのは、やはり
地域に喜ばれる、必要な、または
地域の実績とニーズをよく踏まえた社会資本の
整備をやるべきだ、そういう
考えを私は持っております。
国土交通省さんから、十三、十四、十五年と公共
事業の補助金はどんどん減ってはきておりますが、これは
方針としていいと思いますが、しかし、必要なところに必要なものを設けるという
意味では、私は今後も、このような御理解ある、そしてまた、このような一つの例をつくりましたら、特例じゃなくて、
日本全国の市町村に、公共
事業の使い方、利用の仕方というものはお互いにやはり検査する必要がある、このように思いますので、私は感謝申し上げながら、私の基本的な
考え方をここで申し上げたい。
そして、特にもう一つ申し上げます。この和紙の里通りの管理面におきましては、和紙の里通りを愛する会という会をつくりまして、住民参加の中で管理をいたしております。すべてとは申しませんが、花壇も全部、住民が花を植えるとか、そして水が汚れればそれをきれいにするとか、傷んでいるところがあればそれをすぐに役所に連絡するとか、そういうことをやっています。こういったことが、私は、今後の公共
事業の中であらゆる面で必要なんじゃないか、このように思っております。
そういう中で、
大臣にお伺いいたしたいと思いますが、
大臣におかれましては、構造改革という困難な
事業に取り組んでこられまして、行政に多面的な、または専門的な角度でメスを入れてこられましたので、行政改革の必要性とその問題点を掌握されていると御推察いたしまして、大きく期待を持ち、今質問に立たせていただいているわけでございます。
私は、当時の建設省の
道路関係の本に十回ほど論文を出させていただきましたが、そのときに一回申し上げておりましたのは、
日本の
道路というのは、終戦直後、
外国人より
道路予定地と言われてまいりましたが、現在は立派に
整備され、生活
道路、
産業道路として国民に利用されております。しかし、私が思っていますのは、
日本を縦断している
道路については、国道、
高速道路と利便性を欠くことはございませんが、横断する
道路が少ないのではないか、このようなことを痛切に感じております。
日本海と太平洋側を横断する
道路の
整備が進めば、
経済の
活性化を初め将来の道州制をにらんだ場合、必要不可欠な
事業であると認識いたしておりますので、まず
大臣の御見識をお伺いしたい、このように思っています。
〔
蓮実主査代理退席、
主査着席〕