○古本
分科員 ありがとうございます。
きょうは、せっかくのいただいた時間ですので、少し
地元の実情を交えながら、とはいえ現場で事は起こっていて、財源はやはり国が握っているということの一端を申し上げたいと
思います。
例えば、シニア世代の生きがいという
観点であります。今現在、我が国には、
国民生活基礎調査、
平成十三年ベースで、六十五歳以上の要介護老人あるいは寝たきりという方々が八十万人近くいらっしゃる。これは把握ベースですので、もっと本当はいらっしゃるかもしれない。寝たきりや要介護になる前に、いかにして予防医療あるいは寝たきり予防をしていくか。要するに、生きがい、やりがいを持って、定年退職なさった
皆様も、あるいは公務員の
皆様も、企業をやめた方も、あるいは商売を畳んだ方も、そういう生きがいというのは私はすごく大事だというふうに思っています。
その意味で、二〇〇二年の総務省の労働力調査を見ましても、現在、六十歳以上のシニア世代が約九百万人近く、八百万人強いらっしゃるんですが、これは労働力というふうに読み取った場合です。これが二〇一〇年には、六十歳から六十四歳が六百四十六万人、六十五歳以上が六百三十三万人になる。ですから、ふえていくわけであります。ここを、ここの幅を、今後の少子高齢化の中にあって、いかにして世の中においてそういう意味では支えていただくか。
社会の第一線とは言いません、何らかの形で、そういうリタイアした方が、退職なすった方が、第一線から退いた方が社会に参画していくことによって、結果としてそういう生きがいを持ってやっていけるんじゃないか、それが国全体の、例えばですが、そういった寝たきりの方々への国がしていかなきゃならないさまざまな負担が結果として軽減されるんじゃないか、そんな気がするんです。
例えば食糧の自給率ですが、御案内のとおり、今四〇%ぐらいだと思っています。一方で、これはなぜかというと、農業の担い手がいない。うまみがないからです。もう農業はもうからなくなっているわけですね、体質的に。ところが、企業を定年退職した、あるいは役所をおやめになった方々で、大変体力的にもやりがいもある方が町の中にたくさんいるわけです。一方で農業の担い手がいない、これはまさに需給のミスマッチが生じているわけですね。いや、みんな農業をやりたいと思っているかどうかは別にいたしまして。
ところが、御案内のとおり、土地改良事業には年間で相当潤沢な補助金がついていると思っています。例えば、一反田んぼを五反田んぼに変えるためにあぜを取り払って、またパイプラインを通してということでやっているわけです。これのために、実際には、中小の農家からすれば、そう何町歩も持っていないわけですよ。どうしてこういう土地改良をしなきゃいけないんだろうかと
思いつつも、隣近所で一人だけ判こ押さないとこれまたぐあいが悪いわけですから、そうやって事業が進められていっているわけであります。
例えば、そういった方々が退職なさって、まだまだ体力的にも生きがいを求めたいという人のそういう耕作を支援する、あるいは、そういうためには職業訓練も要るでしょう。そんなことに地方が独自で
お金をつけたくても、裁量がないといいますか、ゆとりはないわけであります。
あるいは、木材の自給率であります。これも調べてみたんですが、我が国の建築用材の自給率、今三〇%です。ほかの見方の数字もあるようですが、林野庁の木材需要表あるいは農水省の木材需給
報告書から推計すると約三〇%。ところが、私の
選挙区も大変な郡部を抱えていまして、山があるんです。そして今ここは間伐をする人手が足りないんです。結果、山が傷んでいます。そして保水力が落ちて、そして治山のために大変な補助金がまたついております。
それから、私の
地元の東加茂郡、西加茂郡、愛知県豊田市というところなんですが、こういったところではまだまだ木材の自給率は高いものがあります。
ところが、全国平均で見たときに、私は、もっともっと、そういった方々、やる気のある方々に、例えばそういう緑のメンテナンスをしてもらうということも、
可能性はあると思うんです。ところが、チェーンソーをいきなり握れといっても、これはなかなか握れない。そうすると、これもまた同じく職業訓練なり、あるいはそのためのサポートする何かが必要なわけです。ところが、郡部の森林組合は、もうとてもそんなゆとりはないわけであります。したがって、そういった
状況を整備するにしても、地方はなかなかそういったゆとりがないわけです、裁量がないわけであります。
あと、これはもうぜひとも御
承知といいますか、皆さんも御
承知いただいていると
思いますが、十五の春に下宿をするということがあるんですね、郡部では。これは十五の春に高校が遠くて下宿するということなんですが、いわゆる僻地だとか離島だとか半島だとか、大変高校が遠いところは、これは
可能性として想像にかたくないんですが、実は、大変工業が発達して人口も密集している豊田市という町があるんですが、そこからわずか車で一時間も行かないところに住んでいる方々の御子弟が十五の春に下宿するわけであります。
例えば東加茂郡の下山村というところでは、二百八十人の中学生が出て、そのうち二十人が下宿しています。この春の予定者ですね。それから、例えば稲武町というところもあるんですけれ
ども、これは四十一人の卒業生のうち十九人、半数が下宿します。あるいは西加茂郡の小原村、これは和紙で有名なところなんですが、ここは六十五人のうち八人が下宿している。これはたくさんではないですが、そういう十五の春に下宿しているんですね。
例えば、賄いの寮母さんがいる郡民ハウスのようなものをつくってみたらどうかとか、そんなアイデアは幾らでも出るんです。ところが、交付税交付金の中で決められている、要するに、最低限のスペックを合わせようという画一的かつ一律的な行政のサービスをやろうと思うと、なかなからしさを出せないんですね。多様な行政のサービスをやっていきたいという
思いはあっても先立つものがない、こういうことであります。
大変ローカルな事例を申し上げましたが、私は、今御
説明をいただいた中で、三位一体をやっていく、これはもうそのとおりだと思っていますが、本当に、この霞が関にいて
予算をつけていくという意味において、なかなか、目配り、気配りできるんだろうかというのは正直疑問に思っています。
そういう意味で、前振りが長くなりましたが、
質問をさせていただきます。過去の負の遺産、この七百兆の借金をどうやって返していくかということにつきまして、三点から伺いたいと
思います。
まず一点目ですが、今申し上げたような地方といいますか現場では、まさに事件は現場で起こっているわけです。そういう中にあって、
財務官僚の皆さんの資質と育成について聞きたいと思うんです。
私は、現場第一主義、あるいはキャッシュ感ですね、現金をさわるというこの感覚は、恐らく町工場のおやじさんあるいは商店のおやじさんの方が物すごくあると
思います。その日の運転資金のために必死で苦労なさっている。そういう意味で、若手の、
日本を背負う、我が国の金庫を預かっている
財務官僚の皆さんが、巨額の、国でいえば一般会計税収四十二兆あるいはこの七百兆の借金に対峙しなきゃいけないという今現在、どういう情熱とあるいは気概を持ってやっていこうとなさっているのか。
もっと言えば、頑張った官僚の皆さん、頑張ったというのはコストを下げていくという意味です、あるいはそういう意味で
努力なさった部局、局、課、そういったところに対してインセンティブを与える仕組みになっているんでしょうか。
まず、この点についてお伺いしたいと
思います。
〔
石田(祝)
主査代理退席、
萩野主査代理着席〕