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首藤委員 それは、
資料を後で出していただければ結構でございますが、それは何度も、二カ月にわたって要求しておりましたけれども、ともかく三月の末でございますから、もうあと三週間しかありませんから、しっかりしたものを出していただければと思っております。
そして、私は、こんなにも国際社会と
日本とが違う
一つの理由は、それをやっていたのが実は奥さん、井ノ上さんではなかったかと思うんですね。一生懸命
プロジェクトを探して、そして担当者を決めていた、その二人が失われたことによる悲劇というのは大きいと思う。
ここで問題になるのは、では奥さん、井ノ上さんが持っていたデータというのはどこにあるかということですね。これが実は、この外交官二人が殺された車の中にあったパソコンの中に入っている、あるいはフロッピーディスクにあったなどと言われているけれども、それが戻ってこないということを
質問主意書を含め何度も聞いておりますけれども、どうなっているかわからないんですね。
だからこそ、
外務省は
一つもこの細かいデータが出ないんじゃないんですか。そうでなければ、奥さん、井ノ上さんがあんなにも何カ月も何カ月も
イラクを隅々と回って、その具体的な
プロジェクト名もその積算も出てこないというはずはないんですよ。だからこそ、これはまた後で
質問につながってきますが、この二人の外交官の死というものを徹底的に原因究明をして、このお二人が亡くなる前の状態を、原状を復帰させなきゃいけないわけです。
その前に
一つ、今実行している中で、とりあえずは多少具体性を持っているというもので、この間も論議になりましたパトカーの入札というのがございました。
六百台近いパトカーを入札する、これは内務省に配られるということでしたね。私は、これも、いや、内務省というのは、そんな省があるのかということで、その
権威についても、オーソリティー、
当局性についても私は疑問を投げかけたんですが、ともかく、六百二十台、オフロード車とかセダンとか、そうした警察用のパトカーを購入されるということは聞きました。高いなと思いました。
質問しました。
そうしたら、この間新聞を見てあっと驚いたのは、ここに、
資料二にも書いてございますが、市場価格が高い、安くしなきゃいけない、そういう意図があったのかどうかわかりませんが、入札になりました。そうしたら、単純計算で約半額近い価格でその入札が決定しました。したがって、その約倍を各都市に配ることになった。問題は大きいですよね。
では、そもそも六百二十台という積算の根拠は何なのか。六百二十台という要請が出てきたのに、安くなったからもっと上げますよという。だけれども、ニーズが六百二十台なのにもっとくれたら、その追加的にくれたのはいつの間にか、色を塗りかえてタクシーになったり、あるいは署長の自家用車になってしまうかもしれないですよね。これでは、
国民の税金を使って
援助をやっている意味がないじゃないですか。
だから、六百二十台なら六百二十台というニーズがあるのなら、それに合わせて車を購入して、その分は
援助金額から減額するのが筋じゃないですか。私は、それはもう全くおかしな論理だと思うんですよ。
このことに関しては、私は、
外務省の
執行体制に対して大変疑問を持っています。しかし、もっと疑問を持っているのは、この価格決定の仕方なんですね。
この
資料二の下に、各社の入札と順位が書いてございます。まず、見ていただきたいんですが、これはロットが四つあります。ロット一がオフロード車百八十五台、ロット二がオフロード車百十五台、ロット三が百四十台、ロット四がセダンの百八十台となっております。小計で六百二十台。入札しました。いいことです。やはり入札でこういうことをしっかりやらなきゃいけない。公正明快に、やはり
国民の税金を使っているわけですから、少しでも安い方、少しでも公正な方法でやらなければいけせん。そして、やったのは、ロット一、二、そして三、四と、こういうふうにつながります。
そこで、この
資料二を見ていただきたいわけですが、総合商社五社が応札しました。A、B、C、X、Yとあります。このうち、A、B、Cという会社、これは入札して、それぞれ五位になったり四位になったり三位になったりするんですよ。それは、ロットによって、納入時期によって単価が違ったりしますから、そういう上限があることこそが、公正な競争が行われている
一つの証左でもあるわけですね。ですから、あるときには五位であったり、あるときには三位であったりする。当たり前なんです。
ところが、この五社の中で二社が非常にユニークな応札行動をとっているんです。それはX社とY社ですね。
それで、Y社は、これは非常にもうめちゃくちゃに安い。例えばこのロット一でいけば、A社が七億三千万円に対して、Y社は、四億九千九百万、五億円ぐらいの物すごい低いもので応札しているんですね。これは、こういう形は時々入札にあるんです。もうともかく実績をつくりたいために思い切って下げていく、価格構成が何だろうが利益が何だろうが、ともかく思い切ってやっていくという行動をとるのがある。その意味では、Y社の行動というものはある程度理解できるんですよ。その結果Y社がほとんど、ロット一、ロット二、ロット三を一位となりました。ロット四は、セダンですからY社は応札しなかった。
そこでおかしいのは、X社というものは常に二位になっているんですよ。おかしいなと私思うんですね。なぜX社が二位になるのか。一位になるというのは思い切って下げればいい。しかし、二位を続けるというのは、これはすごく難しいんですよ。
皆さんもわかるでしょう。応札して、それで二位になり続けるというのは難しいんですよ。マージャンやったって、昔、二位になって二抜けというのがあって、いろいろありましたけれども、二位になるというのは難しいんですよ。ブービー賞をとるのは難しいと言われるんですよ。ところが、X社は、何だか知らないけれども二位なんですよ。二位でどうしてこんなになっているのかなと私は非常におかしく思っているんですね。
この間の
関係というものは、思うと、ひょっとしたら、Y社というものが存在しなかったら、すべてX社がとったんじゃないかなという疑問も出てくるわけですね。しかし、まあそれは単なる疑問にすぎないわけですね。
もう
一つここで、では、そのX社の価格形成というものはどういう形成になっているかということで、この価格が、例えばX社よりもうちょっと高い、すなわち、このロット一でいえば、第三位の会社の一体何パーセントぐらいを価格として出しているかというのがあります。
それを見ると、X社は、何と必ず三位となっている会社の約七三%で出しているということがわかるんですよ。ロット一は七四%となっていますけれども、これは、修理補材とかなんかいろいろあるわけですね。修理機材が入っている。ロット一、ロット二、ロット三において、X社は第二位。第三位となるのはA、B、C。必ずC社じゃないんですよ、AであったりBであったりCであったりするんですよ。三位になる会社はいろいろ違うのに、いつも二位になっているX社は、いつも三位になっている会社の七三%で価格をオファーしているんですよ。
そして第四ロット。第四ロットは、Y社が、これは玉がないのかどうかわかりません、ともかくセダンに関しては応札しなかった。応札しなかった会社、当然Y社が応札しないということは知っていますよね、に関しては、X社は、次の順位の、この場合は二位ですけれども、二位の会社の八五%、すなわち、七三でなく八五で応札しているんですよ。利益率を上げているんですよ。大変戦略的にすぐれた応札だと私は思いますよ。
しかし、こうした非常に特殊な応札パターンをとっていることに関しては、この結果を生み出した仮説は二つしかないですよ。
一つは、A、B、C、Xの間で
情報の共有があった。別な言葉で言えば、談合と言ってもいいかもしれません。もう
一つは、この価格を知り得る組織、例えば
外務省、例えば
内閣官房、こういうところの人が、何らかの
情報を意図せざるかもしれない形で外部に流した
可能性もある。私は、そういうふうに仮説を立ててみたんです。
私は入札に関しての専門家ではありませんから、公正取引
委員会の
委員長の、こうした入札形態に関して、公取の長年の経験からどのようにこの数字を見て判断されるか、御意見を伺いたいと思います。