○細野豪志君 私は、
民主党・
無所属クラブを代表して、
民主党が自由
民主党、公明党と共同提案をした
武力攻撃事態等における
国民の
保護のための
措置に関する
法律案及び
武力攻撃事態等における
特定公共施設等の
利用に関する
法律案に対する
修正案及び
修正部分を除く両
原案を含む
政府提出十
案件に、
賛成の立場から
討論を行います。(
拍手)
冷戦の終結とともに、
我が国が直面する脅威の形態は、テロリズムを初め、多様化、複雑化しております。このような脅威を取り除くため、対話と信頼醸成による予防外交に最大限の努力を行うことは極めて重要なことであります。その努力を継続したとしても、
国際情勢の変化の中で、脅威が現実となる危険性を完全に否定することはできないわけであります。また、大都市圏において巨大な自然災害が発生した場合、人的・経済的被害は極めて甚大なものとなることが予想されます。
これらあらゆる緊急
事態において
国民の被害を最小限にするためには、
政府による迅速かつ強力な対応が必要とされます。その際、重要なのは、どのような緊急
事態にあっても、
国会による民主的統制と基本的人権を確保しつつ、超法規的な
行為がとられないよう、法
体制を整備することであります。
このような観点から、
民主党は、今
国会において、
政府より
提出をされた
国民保護法案及び
特定公共施設法案に対する
修正案を提案いたしました。そして、
政府案で空白となっていた部分に対して、
国民の立場に立った主張を
国会審議で明確にするとともに、
我が国の安全保障の根幹にかかわる極めて重要な
法案に対して、与野党の枠を超えて協議をすることが望ましいと考えたわけであります。
その結果、
政府案で不備のあった諸点について、
民主党の主張を反映させる大幅な
修正案が三党の間で合意をされました。(
拍手)
政府は、
国民保護法案の中で、
緊急対処事態概念を創設して大規模テロ等に
対処しようとしましたが、これは、
緊急対処事態を
保護の観点に矮小化するものでありました。
民主党は、この
緊急対処事態を
武力攻撃事態対処法の中に位置づけ、
保護だけにとどまらず、侵害排除を含めたものとするとともに、その
事態認定について、閣議決定だけでなく
国会の事後
承認をすることを強く求め、三党間で合意をいたしました。
また、
緊急対処措置について、
内閣総理大臣の認定による終了だけでなく、
国会がその
実施の終了を議決できるものといたしました。これは、
緊急対処事態において当然に求められる、
国会による民主的統制を確保する必要性があるからであります。
さらに、緊急
事態においては、現地レベルでの迅速かつ機動的な対応が求められるとの考え方から、災害対策基本法などと同様、当該地域に国の対策本部の事務の一部を行う現地対策本部を置くことができるものとすることを求め、こちらも三党間で合意を得ることができました。
さらに、
民主党が必要性を従来より主張してまいりました緊急
事態基本法につきましては、来年の通常
国会中に成立を図る、このことで三党間で合意をいたしました。その中で、
民主党が昨年来創設を主張してまいりました危機管理庁、これにつきましても一定の前進があったものと理解をしております。今後、基本法の策定過程で、
国民の
保護を実行する上で不可欠な、新たな
機関の創設を強く求めてまいりたい、そう考えております。
今回の一連の
法案が成立をいたしますと、
我が国において
国民保護の
枠組みは一応整うことになります。しかし、
我が国に想定される緊急
事態に際して、
我が国が適切かつ効果的に
対処することができる法制、
体制の整備には、依然として多くの課題が残されております。
民主党は、それらの課題に正面から取り組むことを約束して、私の
賛成討論を終わります。(
拍手)