○西銘恒三郎君
自由民主党の西銘恒三郎でございます。(
拍手)
冒頭、一部の野党が欠席する中で
質問をしなければならないこと、まことに残念であります。二週間前にも同じような審議拒否、本
会議のボイコットを行い、本日もまた、
理由が全くわからない審議拒否を行っております。審議ボイコットを行っている一部野党の政党に対し、
国民を代表して、改めて出席を促したいと思っております。(
拍手)
私は、
自由民主党及び
公明党を代表いたしまして、ただいま
議題となりました特許法の一部を改正する
法律案について
質問をいたします。
我が国の
経済発展の歴史を展望するとき、二十一世紀は、科学創造立国、環境立国、知的財産立国、いわゆる
国民の物づくりを基盤に据えた国づくりが最も重要な課題であります。
その一つに、研究開発力を示す指標として、特許があります。我が国は、一年間に四十二万件の出願がなされる、世界最大の特許出願国であります。これは、
国民や企業の活発な研究開発の投資意欲を示すものであります。
国会議員の皆様、我が国で最初の特許
制度をつくったのは、高橋是清翁であります。今から百十九年前、明治十八年の四月十八日、若き日の高橋是清が全身全霊打ち込んで書き上げた専売特許条例が公布をされております。その功績を記念しまして、発明の日と称する記念式典が、本日、まさにとり行われているところであります。
さて、特許行政の課題は、
審査に時間がかかることであります。研究開発の
成果が特許になるのか直ちに判明しないため、結果として、ライバル企業同士で重複した研究開発投資がなされております。すると、特許を取れた会社以外の企業の投資がむだになってしまうわけであります。
そこで、
特許審査のスピードアップが
実現すれば、研究開発の
成果が直ちに判断でき、研究開発投資が社会全体としてより効率的に、可能性の高い
分野へと集中することが期待できます。この結果、現在十二兆円とも言われる
民間の研究開発投資をより
活性化することが可能となります。さらに、
我が国経済を支える中小企業にとりましても、研究
成果を早期に権利化することによりまして、
事業の
活性化にも大いに期待が持てます。
政府・与党の
公明党も
自由民主党も、これまで
特許審査の迅速化に向けて取り組んでまいりました。今般、任期つきの、期限つきの
審査官を五年間で五百名増員するという計画に続き、
特許審査迅速化法案という形で
政府が包括的な政策を打ち出してきたことを大いに
評価するものであります。
しかし他方で、
特許審査の迅速化を
実現することは、決して容易なことではありません。
そこで、大臣にお伺いいたします。
質問一、
特許審査スピードアップ
実現に向けて、明確な目標設定がなされておりますか。具体的に御
説明をしてください。あわせて、今般の法案で講じようとする施策の全体像も示していただきたいと思います。
次に、青色発光ダイオードの二百億円判決で話題になっている職務発明
制度についてお伺いいたします。
特許法の第三十五条の職務発明
制度は、我が国の風土、文化、すなわち、人間の生きる形を土台にした企業風土、企業文化に深くかかわっております。
本来、企業と研究者は対立する
関係ではありません。企業という、目標を同じくする組織の中で研究者も他の同僚職員も十分に力を発揮できる職場環境の整備を行うことが肝要であります。
そこで、大臣にお伺いします。
質問二、今般の法改正は、企業と研究者のバランスのとれた職場環境の整備を促すものと期待をしております。そして、企業と研究者双方が十分な話し合いを行い、結果として両者の契約が成立をした場合、その契約内容が司法の判断に尊重されるべきものと考えますが、法案
提出者として大臣の明確なお考えをお聞かせください。
以上、私の代表
質問を終わります。(
拍手)
〔
国務大臣中川昭一君
登壇〕