○泉(房)
委員 民主党の泉
房穂です。今から三十分間
質問をさせていただきますので、よろしくお願いいたします。
きょうのテーマも成年後見制度についての
質問です。本国会になりましてからこれで四回目の
質問となります。これまでの答弁を踏まえまして、その後の
検討状況等の確認もさせていただきたいと思いますので、前向きな御答弁、ぜひともよろしくお願いいたします。
私もこのゴールデンウイークにも、自分が受け持っている成年被後見人のところ、特別養護老人ホームを三カ所回ってきて、お会いしてきました。また、新しく二件、成年後見の
申し立てもいたしました。そういった中で、現場の生の声をいろいろ聞く中で、どうしてもこの成年後見制度については飛躍的な質量ともの充実化が必要であると、本当に改めて強く思いました。
これまでも既にお話しさせていただいていますが、この成年後見制度については、なかなか
関係各省の努力が私から見ればまだまだ不十分で、これからだと思わざるを得ません。潜在的な利用者が四百五十四万人ほどいる、しかし、まだ四万人
程度の利用だと。諸外国は一%、日本だと百数十万人利用してしかるべき制度がなかなかそうもいかないというまず
現状認識から始めるべきであります。
そして、どうしてこれが必要かという
認識が一番私は大事だと思います。具体的な場面を想定するべきなのであります。何度も申し上げます。この成年後見制度というものは、単なる何かサービスの
一つというものではありません。まさに、当の本人がどういう生き方をしていくかということを当の本人が決めていくことの問題であるわけでありまして、ホームヘルプサービスなり金銭管理というような何かサービス的なものの横に位置づくものではなく、その前提となるものだと思います。
社会というものはできる限り、何か不幸にして障害を負った方とか、また、年をとって働けない方に対してできるだけ手厚い保護をしていくべきだろうと私は考えています。その
一つが例えば年金でありまして、年をとって働けないときのお金が老齢年金、思わず事故に遭ってしまって、交通事故に遭ってしまって一生車いすのときに出るのが障害年金、そういったことを充実していくのはもちろんであります。また、福祉サービス、ホームヘルプサービスやもろもろの福祉サービスを充実していくのも当然であります。
しかしながら、大事なのは、幾ら年金をもらっても、そのお金をどこに使うのかということを当の本人が
判断できなかったら、単に貯金がたまるだけであります。また、福祉サービスが幾ら充実しても、本当は地域で暮らしたいのに施設に入ったのでは本人の意思に反してしまいます。
そこのところ、お金の使い道や、自分が地域で暮らしたいのか、施設に入りたいのかということをきっちりと見きわめていく、それが最も重要であろうと私は考えております。それをするのがこの成年後見制度である、これは何度もお伝えしたいと思います。
具体的な場面を考えればいいわけでありまして、一番端的な例は、年をとってまだらぼけが始まって痴呆が進みかけた方に関して周りの方が、そのまま地域で暮らそうと本人が思っていても、御家族としてはやはり施設の方が安心だというふうに思います。そのときに、本人が地域で暮らしたいのであれば、家族を説得してでも、場合によっては家族の反対を押し切ってでも地域で暮らし続けるようにしていくシステムが必要であります。
また、知的障害をお持ちの方の場合、既に施設に入っている方の場合、親御さんとしては、自分が死んだ後の子供のことを考えると、幾ら子供が、仕事がしたい、地域で暮らしたい、その施設を出たいと言っても、親御さんとしては、気持ちはわかるけれ
ども社会はそんなに甘くないんだからという形で、施設入所を継続するという選択をするのが実態であります。そのときに、親の反対を押し切ってでも、確かに大変な思いをするかもしれないけれ
ども、
社会に出ていく、地域に出ていくという選択肢を保障していく、それが必要だと思います。
また、今ホットな高齢者虐待の問題、これについても、家族が加害者になっている場合もあります。そういったときに、その当の本人の人権をどう守っていくのか、これもまさに成年後見の話であります。
財産の面についても、具体的には、自分の住みなれた家を離れて一たん入院とかした際に、御家族の方がその不動産を処分してしまったり賃貸
契約を解約する
ケースがたくさん見られます。また、預貯金、実は二千万、三千万持っていて、それを有料のいろいろな福祉サービスを利用すればまだまだ地域で暮らせる場合であっても、なかなか家族としては、お金がどんどん減っていくことよりも、施設に入って年金の
範囲の中でやっていくことを望むという
ケースは本当によくある
ケースなわけです。
そういうときに、お金が減らなくて、その方が施設に入った場合、私も、私の後見業務もほとんどそうなんですが、三千万、五千万の預貯金がある、そのお金を活用すれば御本人の残りわずかな人生をもっと充実して生きられるかなと思います。しかしながら、御家族としては、そのお金を使うことについてはやはり抵抗感をお持ちの御家族が多いわけです。そういったときに、御本人のお持ちの預貯金を本人のために使うようなことを保障していく必要がある、そう思うわけであります。
私が言っている成年後見制度というのは、そういった場面において御本人の意思を優先していくシステムをつくるという趣旨で言っているつもりであります。そこはぜひとも、そのような趣旨でお受けとめいただきたいと思います。
それでは、具体的な
質問に入らせていただきます。
まず、厚生労働省に関しまして、これまでの答弁におきまして、坂口厚生労働
大臣みずから、本当に心を入れかえて頑張るとまで、本当にありがたいお言葉をいただきました。その後、一定
期間もたっております。
検討も進んでいると思いますので、具体的な対策、
検討状況等をお述べいただきたいと思います。
〔
委員長退席、塩崎
委員長代理着席〕