○松島
委員 自民党の
松島みどりでございます。
今、富田
委員は専ら個人の破産のことについて質問されました。私は、法人、企業の破産、そして企業の破産に伴う保証人という形で、その経営者あるいは連帯保証人になった人が破産する、このことを取り上げさせていただきたいと思っております。
総論として申し上げますと、私自身、この
破産法の改正と申しますか、新
破産法の制定というのは非常に期待を持って、もう三年ほど前に議論が始まったころから期待をしておりました。そして、総論としては非常にいい方向で行ったとは思っております。と申しますのは、一番私、関心を持っておりましたのは、手元に残せる資産というものの大幅な引き上げ、そして、それとともに、従業員、働いている人の未払いの給料、私は何が何でもこれが一番守られなければいけないと考えているのですが、それがかなり優先的に上位に来た。この二点について大きく評価しております。
しかしながら、
幾つか、その点を含めて、その点を中心に、まだちょっとおかしいんじゃないかと思う問題意識を持っておりますので、そこを質問させていただきたい。
そして、大前提といたしまして、こういう法律、房村局長にほかの法律でも何度も申しているんですけれども、普通の日本語じゃない、普通の日本人がわからない。これだけ破産が身近なもの、不幸せにも身近なものになっているときに、大体、別除とか財団債権とか、さっきの集団免責審尋、自由財産、これではわからないですね。別除なんて、パソコンをたたいてもこういう字は出てきませんし、普通の日本人がわかる日本語にぜひとも法律をつくり直すか、あるいは、そうでなければ
法案というものの
最初に用語の手引というのを、一般の
国民のためにも、これからいろいろな
法改正のときにぜひやっていただきたい。
そういう意味で、私は、自分なりに
理解した言葉に置きかえて、法律用語を一応読んで頭には入れましたけれども、置きかえて質問させていただきますので、答弁の方もそのようにお願いしたいなと思う次第でございます。
それで、破産というものに私がこれだけ関心を寄せているというのはなぜかと申しますと、私自身は十五年間、大企業、それも恐らくつぶれることが何十年間はないだろうという大企業のサラリーマンをやりました。そして、その後政治活動に入って、初当選まで長かったものですから、かれこれ九年間政治の道を、議員になる前から含めて歩いております。
私の地元というのが東京の下町で、中小零細企業の町でございます。非常に親しくした人あるいは
関係があった人のところへ久しぶりに、何カ月かぶりに行きますと、何か張り紙が、東京地裁何部とかいうような張り紙がございまして、どこへ行ったかわからないような状況に、もう消えられているとか、あるいは、あの人どうしたのと言ったら、それで姿を消したとか、あるいは、従業員なんだけれども、お金、もう何カ月か給料が払われていないだとか、そういったことをよく聞きます。
私は、経済産業
委員会、あるいは中小企業金融という分野におきましては、本人の、社長の保証なしの、個人保証なしで何とか貸す枠を
政府系金融機関を中心に拡大できないか、それが無理でも、まず第一
段階として連帯保証人、第三者保証というものをなくせないかということにずっと取り組んできたんですが、やはり同じ重さで
破産法の改正が必要だ、そういうふうに実感しているわけでございます。
質問を始めます。
まず、今御自身でもおっしゃいました、東京地裁でも破産、倒産
関係の、世の中ではミスター倒産と言われているという
園尾局長にお伺いしたいと思っております。
破産の件数なんですけれども、受理件数、これが
平成十五年二十五万一千七百九十九件、これは五年前の
平成十年に比べて二倍以上になっています。このうち企業の破産が八千九百五十件で、五年前に比べて一・六倍になっているわけでございます。
それで、これまでの法体系のもとでの破産におきましての実例でいってどういう状況であるか、教えてください。
金融機関の担保つき債権というのが別格
扱いで、別除債権と言うようですけれども、まずこれが、会社が破産したら、銀行が全部担保を持っている限り押さえちゃう。今、担保割れしているわけですから、もちろんフルに活用できると思うんですけれども、これでさっさと銀行が
土地を処分するなどしてお金を手に入れる。
そうしますと、その銀行が持っていっちゃう分を除いたら、つまり、担保がないのは全体のどれぐらいの割合が残っているのかということと、それから、これまでの法体系では、税金とか
社会保険料の未払いの分とか、そういうのが先に取られる、それよりも先に破産管財人が報酬を押さえちゃう。そうしますと、私が一番気にしております従業員の債権などに回っていくのは、無事に従業員の給料、未払いの給料が何割かでも支払われたというケースはどれぐらいなんだろうかということ、どれぐらいだっただろうかというようなことを教えていただきたいと思います。