○保岡
委員 野沢大臣と
園尾行政局長から、力強い、知的財産高等
裁判所等の政策
推進の意義を伺いました。ぜひ、これを将来とも、先ほど私が申し上げたように、将来にもっと努力をしていく、さらなる決意を固めて、国家
国民のために、未来のために、御努力を賜りたいと存ずる次第でございます。
政府としても、WHOのTRIPs協定のみならず、世界に先駆けて知的財産基本条約みたいな世界の
ルールをつくることを視野に入れた、世界特許なども視野に入れた世界戦略をやはりあわせて
推進していく必要があろうと思う次第でございます。
さて、もう時間がわずかになってしまいましたので、法科大学院について若干、いろいろ、開設の
状況や今後の教育の充実について伺いたかったんですが、おいでいただいていて恐縮ですが、ちょっと
質問の時間がなくなってしまいましたので、また改めてということにしたいと思うのでございます。
この法科大学院における人材の育成、法曹養成の一部を大学院という学校教育の機関にゆだねた、文部省の所管の学校教育法の中に位置づけた、このことはとても大きな意味があるということを文部省や我々は深く自覚していかなきゃいけない。これは、三千人程度の合格者ということであれば、
法務省の管轄できちっと三千人の養成機関をつくっても、そこで集中した方が養成それ自体としては的確だったかもしれない、そういう
意見もこの
検討のプロセスで随分と出てきた
意見でございます。
あえて文部省の所管にしたのは、高等教育の改革の起爆薬にこれを使っていく。そしてあわせて、物事の本質、
社会の本質、人間の本質、そういったものを、高い教養と志、あるいは人間性、そういうことも含めて
社会に役立つ人間をつくっていこう、高度の職業専門者を養成していこう。それは、学校教育の中に位置づけたことは、裾野を広く、初等中等教育からそういう物の考え方を教育して、それを
社会の接点として、結節点として、この法科大学院を位置づけた。
国民のための
司法、
国民による
司法、この
司法改革の大理想を
実現するために
国民の教育と結びつけたんだということを文部省によくわかっておいていただいて、
予算面その他、
法務省はもちろんのことでありますが、
関係省庁、
政府一体となってこの
目的のために国家としての努力をしていかなければならない点を
指摘させていただきたいと思います。
時間でございますが、先ほど
漆原さんからも、小さな
司法、二割
司法の話がありましたが、ますますその役割が増しているわけでございます。そして、国家戦略としても重視しなければならないわけであります。
行政が一つの時代の使命を転換して変えていく中で、
行政は小さく、小さな
政府でありますが、しかし、そのかわりに、事後の
ルールと自己責任の世界をしっかり支えるインフラとしての
司法というものはますます国際的な広がりの中で重要性を増していくということで、やはり人も
予算も確保していかなければならないと思います。
今後、先ほど
大臣が言われた、ADRの基
本法の問題、被害者の問題も、法
整備を含め基
本法の
検討など、いろいろ、憲法改正にまでつないでやっていかなきゃならない。
行政訴訟も四十年ぶりの改正が終わりましたが、実体法の改正も含めて、これから、中央から地方にという
行政の新しいあり方の中で、
国民に身近な
行政、
情報開示、こういったものと相まって
行政訴訟改革の第二弾、第三弾を考えていく必要もある。
また、
国民にわかりやすい法文のあり方として、やはり、従来、お役人や
専門家、官吏にわかる
法律から
国民にわかる
法律に変えないと
国民の
司法にならないじゃないかということもありますから、そういうことも
政府で考えなきゃいかぬ。
また同時に、これは、外国人が日本に投資したり、外国との取引、外国との調和の中に日本が生きていかなきゃならぬということを考えたら、日本の法文の英訳化などという大事な仕事も
政府には大きな期待がかかっているものだと思います。こういった時代の転換期には立法の洪水でございます。特に、法をつかさどる
法務省や
関係省庁の、
司法関係の
ルールを
整備していく立場の
ニーズはますます高まってくるんですね。
これは明治のときに不平等条約を改めるために憲法以下一気に国内の
体制を整えて、だから日本はアジアにおいて近代国家の道を真っすぐに歩めた。もっとも、大事なところで富国強兵の強兵を誤って国家破綻の憂き目を見たんですが。そこからも立ち上がって見事に、世界の経済の、半分とは言わないけれども、四割を日米で占める、豊かな国になったという立場を考えると、やはりこういう時代の変化とすごい勢いで進んでいくことに対応する立法の
ニーズというのは怒濤のように起こっているんですね。
この
法務委員会でも、平成元年、
法案提出が一番
国会で少なかった年なんですよ。終戦直後は一
国会三百本も処理している、土日もやったというぐらいでした。それが平成元年に百本を切るんです、一
国会処理。御案内のとおり、百七十八本、今
国会に出ているんですよ。成立も百三十何本、昨年に成立したと思うんですよ。臨時
国会だけで七十本も出ているんですね。
法務委員会なんかは平成元年は成立が二件ですよ、
委員会で。去年なんかは十四本も成立しています。一本の
法律は、従来なら七本分ぐらいを一本に集約して
審議しているような
状況ですよ。
こういうことに対して、やはり日本
政府も立法
体制を真剣に考えて、国家戦略として。それに準じて人も配備しなきゃならぬし、いろいろな研さんも、外国に学ぶものも学んで、世界の中の日本をつくり上げていかなきゃならぬ。
そういった意味で、私は、言論の府である
国会の
審議のあり方も問われていると思うのでございます。
以上、申し上げまして、皆様方のこの
司法改革にかけておられる情熱、
大臣を初め、
委員長を初め、皆様方の御努力に心から敬意を表して
質問を終わります。ありがとうございました。