○富田
委員 ぜひ、今の最後のところ、通帳の写しだけでやるんじゃない、
許可要件じゃないというふうに局長は答弁していただきましたけれ
ども、ここは本当に大事だと思うんですね。
実は、私の
地元の方のお嬢さんで、中国の内モンゴル・フフホト市というところに嫁いでいらっしゃる方からファクスが送られてきまして、フフホト市の
外国語学校で
日本語の副教授をしているという方からファクスをいただきました。
今、局長の方から御
説明のあった、通帳の写しが求められたということで、このフフホト市の方では三百万ぐらいの通帳の写しがなきゃだめだというふうにどうも伝わったようで、そんなことの証明が
要求されるのは不当だということで、私のところにファクスで抗議をされてきたんです。
ちょっと中身を紹介させていただこうと思いますが、こういうふうに書いてありました。
留学希望者の九九%が、
日本の言う、三百万円相当の預金を持っていません。ですから、仕方なく、大金持ちに三千元を払って通帳のコピーをさせてもらいます。表紙のみ保証人のものをつくり、再び一枚にコピーします。今、局長が言われたような残高証明書なんかも多分こんなふうにしていたんだと思うんです。
地方の学生は、自宅の近くに銀行がありません。一番近い銀行は、車やバスを乗り継ぎ、五時間のところにあったりします。たんす預金がほとんどで、
日本のように、買い物の行き帰りに銀行へ寄るなんという習慣もなければ余裕もありません。
牧民の場合、遊牧民の場合というふうに書かれているんですが、私のクラスの生徒さんだということで、父は遊牧民だ、羊を千匹、牛を二百頭、馬を三十頭、遊牧民としては大変な資産家です。しかし、預金はありません。羊、牛、馬がお金のかわりなんだ。羊一頭四百五十元です。お金が必要なときはその羊を売ります。また、自給自足ですから、生活費も余り必要ないのです。でも、預金口座がない。経済的に財産を持っていても、銀行に預けるわけにはいきません。これは文化とその民族の価値観です。
日本人の価値観がパーフェクトとは思いません。もし、以上のことをよく理解した上で今回
手続を変えたとしたなら、
日本人は意地悪を通り越してとても下品なものですとまで書かれております。
人間は、貧しい国の者でも富める国の者でも、学ぼうという志を踏みにじってはいけないと思う。貧しさはその人のせいじゃない。そして、若者は、その貧しさから抜け出て、いつか自国を豊かな国にしたいと本当に望んでいるのです。中国の九九%の留学生は、皆、そんな気持ちで頑張っています。実際に学生が住んでいるところを見ると、涙が出ます。本当にマントウだけかじって勉強している子もいます。
日本が三百万円だなんて言うから、またこれによって裏の金もうけが生まれてくるんです。残高証明だけじゃなくて通帳の写しを全部
要求するということで、こんなふうになってしまうんだと。
彼女は最後に、小学校の教師の給料は四百五十元から六百元です。一カ月一万円にならないんです。どうやって三百万円ができますか。わかってやっているなら、私は
日本人として本当に恥ずかしいというふうに書いてきてくれました。
今、局長がでも最後に、通帳の写し等は
許可要件ではないと言っていただいたのは本当に救いだと思うんです。ただ、なかなか、
日本で一年、二年勉強する資力がありますよという証明が、この彼女のファクスで言っているような地域の状況では本当に厳しいと思うんですね。余り要件を厳格にしてしまうと、今紹介した内モンゴルのような生活状況では、事実上、
日本へ就学が不可能になる、来るなと言っているのと同じことなんじゃないかというふうに思われるんですが、
大臣は、この点どのように思われますか。