○泉(房)
委員 民主党の泉
房穂です。
お昼どきではありますが、あと四十分間、有意義な
質疑にしたいと思いますので、前向きな御
答弁を期待しつつ、
質問に入らせていただきます。
もうかなり、これまで主要な論点につきましては論議されてまいりました。私としては、この
法案の
制度趣旨をさらに各方面から推し進めていただきたいという観点から
質問をしたいと思います。
この
法案の
制度趣旨は、
検事さんや
裁判官が一般
国民の感覚を身につける、また、多様な
経験を積んで、それを
裁判や
検事の現場に生かしていくという
趣旨であると思います。全くその点については異論もなく、大賛成であります。
しかしながら、今回の
法案によりましても、実際聞くところでしたら、
裁判官につきましては、年間、百人のうち二けた、十人
程度、
検事につきましても七、八十人のうち数人
程度という話が漏れ伝わってきます。果たしてその
程度で十分なのだろうかというような危惧を持っております。
裁判官や
検事におきましては、今お手元の方に資料を配っておりますけれども、これまで、
弁護士経験以外にも各種交流事業がなされておりますが、見ていただければおわかりのとおり、
裁判官につきましては、
民間企業には五名ほど行っておりますが、あとは
行政機関や
在外公館や
海外留学ということでありまして、果たしてこれで一般
国民の感覚が身につくのだろうかという危惧を禁じ得ません。二ページ目の
検察官につきましても、いろいろ出向はなされておりますが、
司法改革推進本部とか
法務省とか、そういったところで仕事をしている方が大半でありまして、果たしてこれまでのような交流事業でもって、今回の
制度趣旨たる一般
国民の感覚を学ぶ、多様な
経験を積むということにかなうかという点、非常に心配しております。
私自身も
弁護士でありまして、
司法試験に九年前に合格し、七年前から
弁護士をしております。私が
弁護士になって非常に尊敬する
弁護士がおりまして、その方は今、
裁判官をしております。市役所で、十数年窓口で普通の市役所の
職員として働き続けた後に
弁護士になろうと思って勉強をして、
司法試験に受かりました。
裁判官になろうと思いましたがかなわず、まず
弁護士になりました。このたび
弁護士任官として
裁判官になり、今、いい仕事をしていると聞きます。
私が思うには、この
制度趣旨からしますと、何も
裁判官、
検事になってから新たに二年間の
経験を積まなくても、既に
社会人として多様な
経験を積んだ、一般
国民の感覚を身につけた方が
司法試験を受けて法曹三者になっていく、そういう面でも重なる部分があると思います。そういった見地から
質問をしていきたいと思います。
まず
前提として、この
法案自体が予定している
裁判官、
検察官が備えるべき、
理想とするべき資質についてであります。
この点、私が考えますに、もちろん、
法律の
専門家でありますから、豊富な
法律知識があること、また正確な
判断能力、そういったものは当然、大
前提であります。しかしながら、それのみならず、
裁判官であれば事実認定を行います。
検察官であれば起訴をするかどうか、犯罪に当たるかどうか、事実認定、もちろん大事であります。そういったときに、やはり広い
社会経験、人間というものはいろいろなことをするものである、なかなか
通常考えにくいことも人間はしてしまうものであるといった、そういったいろいろな
社会経験があってこそ正確な事実認定ができるものだろうと思います。
また、
裁判官であれば量刑、特に執行猶予にするか実刑にするかという場面、
検事であれば起訴猶予にするか起訴するかといった場面において、やはり人間の情といったもの、執行猶予にしてもこの人は立ち直ってくれるだろう、そういったことが思えるかどうかという部分につきましては、やはり温かい、先ほど
大臣もおっしゃいましたが、ハート、心といったものが極めて重要だと思います。
また、今回導入が予定されております
裁判員
制度、これにつきましても、
裁判官が一般の市民の方にわかりやすく
説明をする
能力も必要となります。
検察官につきましても、被害者の支援の場面において、心傷ついた被害者に対して、やはり近くに寄り添って、一緒になってその気持ちに寄り添えるような感覚、それも大事です。
そういったことを含めますと、単なる
法律知識、
判断能力のみならず、プラスアルファの資質が要るのではないかと私は考えますが、この点、
理想とするべき
裁判官像、
検察官像につきまして、非常に大きな問題ではありますが、それぞれ、
法務大臣、
最高裁の方から、まずは
お答え、よろしくお願いいたします。