○佐々木(秀)
委員 佐々木です。
労働審判法についてお
伺いをすることになりますが、きょうは、せっかく
法務大臣がお見えですけれども、余り
法務大臣からの
お答えが求められていないようで大変恐縮に存じますので、私の方から冒頭少しお確かめをさせていただきたいと思います。
申し上げるまでもなく、この
労働審判法案につきましても、これは
司法改革の一環として策定されたものだと私は心得ております。
小泉内閣は、聖域なき行政改革を声高に言っておられるわけですけれども、しかし私は、必ずしも、そう言っちゃなんですけれども、小泉内閣のもとでの改革はそう成功している例は少ないのではないかと思っております。その中で、しかしこの
司法改革だけは、他に先んじてというか、非常に有効に具体化されて、そしてこういうように、それを具体化するための
法案も
準備されて、進んでいるわけであります。
ただ、皮肉なことに、この
司法改革の構想というのは、小泉内閣でつくられたものではなくて、その前の前の橋本内閣時代に基本的な構想が練られ、それに基づいて小渕内閣のときに発足をいたしました
司法改革の審議会、ここで本当に熱心な御
検討があり、そしてそれに基づいて
意見書がつくられているわけであります。
そして、その
意見書の中で、さまざまな
司法改革、特に、我が国の場合には、国民の
司法に対する参加という
制度が非常に少ない、他の先進国に比べて少ないということの
指摘がございまして、むしろ
司法に対する国民の参加が得られる方が、国民のための
司法を実現するためには非常に有用なのだ、大切なのだという
指摘がなされている。それに基づいて、これからこの
委員会で審議をされることになるでありましょう、この
司法改革の大きな柱であるいわゆる
裁判員制度、これが、刑事
事件に直接に有権者である国民の皆さんが参加をするという全く新しい
制度として登場することになることが予想されているわけであります。
あわせて、また、さまざまな
紛争について、国民の皆さんのニーズにこたえて、迅速で適正な抜本的な
解決を図るために、特に
司法の分野でのさまざまな手だてが講じられている。その一環として、個別的な労働
紛争の
解決も迅速かつ適正に行われるようにという要請があり、これを審議会の方で
意見書に取りまとめておるわけであります。
それを受けて、内閣でも、
平成十四年の三月の十九日の閣議決定で、
司法制度改革推進計画を立てられております。ここでは、「国民の期待に応える
司法制度の構築」ということの中で「
労働関係事件への総合的な対応強化」という項目を立てられ、そのためには、
労働関係事件に関し、
民事調停の特別な類型として、雇用・
労使関係に関する専門的な
知識経験を有する者の関与する労働
調停の導入を図ることとするということと、もう
一つは、
労働委員会の救済命令に対する
司法審査のあり方について
検討すべきだという提言がございます。
この
労働委員会の問題については後ほどまた
厚生労働省の方にもお
伺いをしたいと思っておりますけれども、今の
司法的な個別の
労働事件についての
解決の方策として、それを受けてこの
労働審判制度が、まあ、実際の具体的な作業は小泉総理が本部長を務められる
司法制度改革推進本部でつくられたわけですけれども、しかし
法務大臣、閣僚の一員として、今の、審議会の
意見を具体化された閣議決定に基づいてこれを具体化するという、この私の認識については間違いがないかどうか、お確かめをいただきたいと思います。