○古賀(一)
委員 それで、私は、
一つの
提言でありますけれ
ども、
公立学校で
地域のいろいろな
意見を聞いて取り入れていこうというシステムですね。現場を見よう、現場優先、あるいは
地域優先の
教育への挑戦、こう言っても過言ではないと思います。
そうしますと、我々は、この永田町で議論をしているのですけれ
ども、まさにこの
実践研究の事例があるものですから、ひとつ、この
法案の日程に組み込むのは何か皆さん大変だとおっしゃるかもしれぬけれ
ども、でも、近いところであれば、いずれ近いうちに、私は、足立区の区立五反野小
学校の事例も資料でもらいましたけれ
ども、近周りですから、本当にそこに行きまして、
学校の
先生、あるいは
協議会の
委員の
先生、あるいは
コミュニティ・
スクールの実践をして学んだこと、問題点、そういうものを一回、
法案を審議する我々が、近いうちにこの正規の
委員会としてぜひ行った方がいいんじゃないかと思います。
これは別に
大臣に
お答え願うことじゃないので、ひとつ
委員長、日程のタイトさというのもあるかもしれませんが、
理事会でひとつ
検討していただきたい、かように思います。それは、
理事にも話してありますけれ
ども、皆さんにもこの提案をぜひさせていただきたいと思って、申し上げます。
それでは、次に移りたいと思います。
大臣にお願いを申し上げたいのですが、今度の
改革も、ある面では
教育改革という一環に堂々と位置づけられる法
制度の
改正だと思うのですが、私は、これまでのいろいろな
教育論あるいは
教育改革論、
教育の問題論というのは出ていますけれ
ども、断片的というか、一部には入試の問題があったり、学力低下があったり、体力低下があったり、非行の問題があったり。それに対応しまして、受験科目を今度減らすとか、ゆとり
教育だ、いや、今度はゆとりも行き過ぎた。何か現象を追って、どっちの方向が正しいかわからないのに、いろいろな
制度を、カードを変えてみたり動かしてみたりというような感じに見えるのですね。それは、恐らく一般論として、
国民の皆さんも、父兄の皆さんもそう受けとめているんじゃないかと思うのです。
そこで、やはり今後、いろいろな
教育改革論が出てくると思います。現場においては、今のようなこの
法律の
制度が出てくると思うのですけれ
ども、今後、私は現場からいろいろな提案が出てくると思うんですね、この
制度で。そうしたときに、それをやはり、ある県でこういうことをやっている、あるところではある
先生が百升計算をやって物すごく効果があった、それをまた、ではどこでもやろう。そういう事例の積み重ね以前に、私は、
教育の
改革というか、あるいは
教育改革の体系論というか、それを一回しっかり議論すべきじゃないかという感じがしております。
私も
教育の専門家じゃありませんから、
教育改革の体系論というのを私が正確に言うことはできないのですけれ
ども、でも、まず根底には、私はまず人間学というのがあるんじゃないか。日本の
教育をどう変えていくんだというときに、人間とは何ぞや、人間の能力、あるいは脳生理学ですね。子供のときはこういうことをやればここまで対応できる。それは百升計算から陰山方式もそうですけれ
ども、私も感ずるところはあるのですよ。そういう人間学、生理学まで含めた、そういったものをやはりしっかり押さえてかかるべきだろうと思うのです。
二番目は、
教育の
制度論の前に、では、それを踏まえて、
教育の本質論ですね。
教育というのは本当は何なんだと。三歳ぐらいで英語を覚えさせるのが本当の
教育なのか。本当の
意味で
教育というものは、その成長過程で何が一番求められる成長であるかという、いわゆる
教育の本質論というのが、言葉はちょっとまずいかもしれませんが、あるんだろうと思うのですよ。
三番目に、
教育の
制度論。そういうのを踏まえて、ではどういうそれを生かす
制度にしたらいいかという
制度論が三番目にあると思うのです。
そして、その
制度、枠組みの中で、では、どういう
内容を教えるかという
教育の
内容論というのが議論されるんだろうと思うのです。
それで、それとともに、
最後には、そういう
内容、
制度の中で、余り大げさに言われておりませんけれ
ども、先ほどの百升計算じゃありませんけれ
ども、私は、
教育の方法論というのもしっかりと重要な課題としてあるんじゃないか、こう思っています。
私は、そういう中に立って、今の
教育で起こっている問題、
一つ一つ、不登校の問題あるいは受験戦争の厳しさ、いろいろな事象がありますよ。そういうものを
教育改革の論の中で組み合わせて、では、これとこの分野で
改革をしなきゃならぬというシナリオが初めて整理されて出てくるんだろうと思っております。私は、そういう体系立った
教育改革論というものが示されていない、どこに問題があるんだろう、そういう感じを我々も
国民も持っていると思うんです。
大臣、
大臣になられて長くもないけれ
ども、ずっと国会答弁をされて、今の
教育改革論というものについての何か感ずるところ、今私が申し上げたような
意見に対してひとつ所見はございませんでしょうか。