○小林(千)
委員 どうもこのそもそもの理念というものがどこかへいってしまっているのではないかと危惧します。北海道だけが特別なんじゃありません、今、例で申し上げましたけれ
ども。別に北海道は面積が広いからこうなっているわけじゃない。例として北海道を出しましたけれ
ども、全国のどこの都道府県、市町村でも同じような状態になっていると私は思います。全国どこでも起こり得ることだと思いますので、ぜひ、しっかりと念頭に置いて、本当にこの理念というものを実現させるためにはどうしたらいいかというものをお考えいただきたいと思います。
そして、もう一つ私が心配している、実はこれが一番心配なんですけれ
ども、給食の
安全性の問題です。
小学生、中学生をお持ちの
皆さんあるいは
子供さんを持っていた
皆さん、
子供たちが
学校に行ってお昼御飯を食べてくる。食中毒も起こさずに安心して給食を食べさせられる。その中では、食中毒を起こさせないために、やはり今の
栄養職員さんあるいは給食調理員の方々の大きな努力があったために、こうして
学校給食の中での集団食中毒というものは、今まで余り大きな事件はなかったのではないかなというふうに思っております。
実は、私は、議員になる前までは食品メーカーに勤めておりまして、コンビニエンスストアにも弁当をつくって卸しておりましたので、食品の衛生という問題は大変難しいということを肌で見知っております。食中毒一つでも出したら、小さい会社だったら倒産してしまいます。
何千人という
子供たちが集団食中毒になってしまうかもしれない。しかも、自校方式で、
自分の
学校の中で目に見えるところで給食がつくられていれば、配送距離だって、例えば一階から三階までに上がるようなものでしょう。給食ができてから食べるまでの時間というのもそんなにかからないのかもしれない。しかしながら、今、自校方式からセンター方式というものに、この間、切りかわっていった。センター方式となったら、食中毒の起こる可能性というものは、残念ながらふえてしまうと私は思います。というのも、自校方式よりも多くの食材を扱わなければいけない。できたものをトラックに載せて配送しなければいけませんので、その間の衛生
管理という問題もあります。時間がかかるという点も問題です。そして
学校に着いてから給食の時間まで、どこに安全に保管をしておくかという問題もあります。
こういった問題をすべてくぐり抜けて、何とか
学校の中での集団食中毒というものがこの間起こらずに済んだ。多少はあったかもしれませんけれ
ども、大きな問題にならずに済んだ。この
背景には、やはり
現場の方々の努力があっただろうというふうに私は思います。
今の
栄養職員さんが任されている仕事というものは、献立の作成や
栄養の
管理だけではなくて、そういった給食に使われる食材の
管理、衛生
管理、もし食中毒が起こったら大変だから、つくった給食は七十二時間保管しておかなきゃいけないんですね、そういった衛生
管理もしなければいけない。まないたはきれいにしなければいけない。給食
指導も、今、実際にしている。そしてさまざまな給食運営に関する事務作業というものにも当たっていらっしゃる。こういった努力により、今、集団食中毒というものが余り起こらないで済んでいる。しかし、今度はそれに食の
教育指導、食に関する
指導というものが加わり、個別
指導、カウンセリングまで行う。家庭への助言や地域社会との連携や調整役を果たさなければいけない。しかも、三人で、さっき言った九千六百人分。
こういった新しい業務が加わることにより、従来守られてきた給食の
安全性というものが損なわれるおそれはないんでしょうか。それが一番心配ですが、いかがでしょうか。