○土肥
委員 民主党の土肥隆一でございます。
我が党としては最後の
質問者ということで、ほぼ出尽くした感がありますので、少し違った視点からいろいろとお聞きをしたいと思っております。
今回のこの
法改正、最も驚いたのは、
私立学校審議会ががらっと変わるということでございます。
資料に基づきますと、大体こういう原案が出てくるのは、例の総合
規制改革会議の三度にわたる提言、平成十三、十四、十五と三回にわたっておりますね。それから、
学校法人制度についても、総合
規制改革会議、十四年、十五年、それから、総務省の
私立学校の振興に関する
行政評価・監視結果報告書、十四年十二月、こういうものが背景になっていると思うのでございます。
よくもこんなにばっさりと変えたものだと感心しております。しかし、中身はかなり問題になるのではないかということでございます。
教育現場における規制というのは甚だしいものでございまして、きょうは、私、文科法令要覧というものを持っておりますけれども、私は苦い経験がございまして、今もその経験が続いているのであります。私は選挙区は神戸でございますが、神戸に師友塾といいまして、教師の師に友達と書いて塾なんです、何をする塾かというと、不登校、情緒障害、乱暴な、何と言いますか暴行を働く
子供、何しろ今の
義務教育の中からはじき出されたというか、そういう
子供たちを預かりまして、先週でしたけれども、三十周年の記念の会を持ったんです。この塾は余り注目されておりませんけれども、文科省あたりはよく
検討していただきたいと思うのであります。
そこで、やはり公的な
教育機関として認められたい、あるいは、保護者の評価においてもやはり何らかの
学校法人が欲しいということで、この三十年間、悪戦苦闘したのです。私もその間、二十五年ぐらいかかわっておりまして、それは例えば専修
学校でどうだということを言いますと、敷地の広さだとか運動場の広さだとか教員室がどうかとか、何といいますか、
学校というものに必要なあらゆるスペースを要求しまして、何平米と書いてあるのですね。そういう条項がもう延々と続きまして、県の担当部局ももうはなから相手にしないということでございました。
そこでどうしたかというと、
株式会社にしまして、今日も
株式会社なんです。その出発の当時、二十五、六年前の話になりますと、私は、ちょうど御影というところに住んでおりまして、校舎のかわりに私の持っている施設を貸していたんですね。隣に東灘警察署というのがございまして、警察から必ず見回りがあるのです。それほどすごい
子供たちが集まってくるわけです。まずバイクに乗ってきまして、夜の教室もありますから、夜の
学校をやっておりますと、近所からうるさいとか何とか、けんかはするし、大変な中でございましたが、塾長の大越先生というのがいまして、その人がきちっとスタッフを養成しまして、本当にスタッフの力量がこういう
子供たちには問われるわけですね。
何とかならないかということで努力したのですが、一切そういう法規制にかなうような
条件を出すことはできません。小さな民家を改造して、今は、ちっぽけな
学校をつくっておりますし、土地を少しずつ買い集めてその規則に合うようにしようとしたのですけれども、もうとてもそんなことじゃできないわけでございます。
五、六名から出発しましたこの塾が、今、三百名おります。それで、ことしの四月の三十周年記念と入塾式に出てまいりました。
学校を放棄した、
学校に行かなくなった
子供だけが集まって、
子供はふてくされているわけですよ。全員茶髪ですね。親は泣いているわけです。何で私の
子供がこんな塾に入らなきゃいけないのということなんですけれども、今や三百名。
そして、赫々たる実績を上げております。
ことしなんかは、その入塾生が貸し衣装屋から羽織はかまを借りてまいりまして、全員羽織はかまで、女の子は振りそで。それはもう彼らは自分で持っているんだと思いますけれども。そして、合唱をするんです。一緒に何かやるなんということは、ほとんどこういう場所ではあり得ない話なんですけれども。そして、この秋から淡路島に、やはり土に親しむ、自然に親しむような指導をしなきゃいけないということで、これまた
株式会社が土地を求めまして、そして、自然
学校的な
教育をしようということで、宿泊して
教育をいたします。
ですから、私、これを見ていますと、今や国が
株式会社に
義務教育をやらせるというのですから、今昔の感をもう本当に久しくするわけでございますけれども、やはりニーズに合った、そして、本当に必要なものは必要だと認めて認可をしなければいけませんよ。今度のこの
私立学校審議会が、いわばノーチェックで県民の、市民の
教育ニーズにこたえましょうということだろうと思うのですね。たとえ県がこういう塾を専修
学校に認めるとしても、これは
審議会で何だかんだけちをつければ幾らでもつくわけですよ。
そういう点から、ぜひ
私立学校審議会が今後、しっかりした、
子供たちの
問題点に目をとめて、最も必要なものを最優先にしていく、こういうことになってほしいと思うのであります。
ところが、この総合
規制改革会議の報告書を見ますと、
競争抑制的になっているからもっと
競争をさせなさい、あるいは、
私立学校がふえないのは、
国民が無償で受けられる
義務教育が最大の理由といって、一方で、
公立学校における
学級崩壊があり、
特色ある
教育サービスを提供する
私立学校に対する、需要者側である
国民の
期待が大都市においては
期待にこたえていない、こういう報告書を出しているわけですね。
私は、
義務教育費国庫負担法の財政諮問
会議の報告書もそうでありますけれども、いわば政府の
機関の提言というのはこういう形でどんどん出てくるんだなということを改めて、
私学の方面にもあらわれているというふうに思うのであります。
地域内で
学校間
競争の活性化を通じて、
公立学校によりよい
学校づくりを進める契機になる、これらの
観点から
私立学校の参入を促進しなきゃならない。こういう報告書に基づいて、今度、
地方における、都道府県における
私立学校審議会はいわばノーガードで
知事にやらせる、全部すべてやらせるという私の理解でいいでしょうか。文部
大臣の御回答をお願いします。