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2004-04-07 第159回国会 衆議院 文部科学委員会 第10号
公式Web版
会議録情報
0
平成
十六年四月七日(水曜日) 午前十時六分
開議
出席委員
委員長
池坊
保子君
理事
青山 丘君
理事
伊藤信太郎
君
理事
遠藤 利明君
理事
渡海紀三朗
君
理事
斉藤
鉄夫
君 今津 寛君 宇野 治君 江崎
鐵磨
君 小渕 優子君 奥野
信亮
君 加藤 紘一君
上川
陽子
君 岸田 文雄君
佐藤
錬君
鈴木
恒夫君
田村
憲久
君
津島
恭一
君 西村 明宏君 馳 浩君
平井
卓也
君 山際大志郎君 富田 茂之君 石井 郁子君 …………………………………
文部科学大臣
河村
建夫君
文部科学
副
大臣
原田 義昭君
文部科学大臣政務官
田村
憲久
君
文部科学大臣政務官
馳 浩君
政府参考人
(
文部科学省高等教育局私学部長
)
加茂川幸夫
君
文部科学委員会専門員
崎谷 康文君
—————————————
委員
の異動 四月七日
辞任
補欠選任
上川
陽子
君
津島
恭一
君
城内
実君
佐藤
錬君
近藤
基彦君
平井
卓也
君 同日
辞任
補欠選任
佐藤
錬君
城内
実君
津島
恭一
君
上川
陽子
君
平井
卓也
君
近藤
基彦君
—————————————
四月五日
学校教育法等
の一部を
改正
する
法律案
(
内閣提出
第八六号)
文化財保護法
の一部を
改正
する
法律案
(
内閣提出
第八七号) 同日 行き届いた
教育
を進めるための
私学助成
の
大幅増額等
に関する
請願
(
前原誠司
君
紹介
)(第一三〇七号)
父母負担
の
軽減
、
私学助成
の拡充に関する
請願
(
鈴木淳司
君
紹介
)(第一三一五号)
私立専修学校
の
教育
・
研究条件
の
改善
と
父母負担軽減
に関する
請願
(
末松義規
君
紹介
)(第一三一六号) すべての
子供たち
への行き届いた
教育
に関する
請願
(
末松義規
君
紹介
)(第一三一七号) は本
委員会
に付託された。
—————————————
本日の
会議
に付した案件
政府参考人出頭要求
に関する件
私立学校法
の一部を
改正
する
法律案
(
内閣提出
第五九号) ————◇—————
池坊保子
1
○
池坊委員長
これより
会議
を開きます。 開会に先立ちまして、
民主党
・
無所属クラブ
及び
社会民主党
・
市民連合所属委員
の
出席
を要請いたしましたが、御
出席
が得られません。 再度
理事
をして御
出席
を要請いたさせますので、しばらくお待ちください。
速記
をとめてください。 〔
速記中止
〕
池坊保子
2
○
池坊委員長
速記
を起こしてください。
民主党
・
無所属クラブ
及び
社会民主党
・
市民連合所属委員
の
出席
を要請いたしましたが、御
出席
が得られません。やむを得ず議事を進めます。
内閣提出
、
私立学校法
の一部を
改正
する
法律案
を議題といたします。 この際、お諮りいたします。
本案審査
のため、本日、
政府参考人
として
文部科学省高等教育局私学部長加茂川幸夫
君の
出席
を求め、
説明
を聴取いたしたいと存じますが、御
異議
ございませんか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
池坊保子
3
○
池坊委員長
御
異議
なしと認めます。よって、そのように決しました。
—————————————
池坊保子
4
○
池坊委員長
これより
質疑
に入ります。
質疑
の申し出がありますので、順次これを許します。
斉藤鉄夫
君。
斉藤鉄夫
5
○
斉藤
(鉄)
委員
公明党の
斉藤鉄夫
でございます。
私立学校法
の
改正案
に対しての
質疑
、先日、金曜日に
参考人
を呼んで
参考人質疑
をしたところでございまして、
問題点
も浮き彫りになったところでございます。そういう
審議
に際しまして、
民主党
さん、社民党さん、
出席
がいただけないというのは大変残念でございますし、遺憾に思います。しかしながら、
共産党
さんはこのように御
出席
をいただいておりまして、やはり
審議
をすることが国民に対する責務だ、私
たち
このように思うわけでございまして、
共産党
さんに対しても敬意を払うものでございます。 さて、
質問
に入らせていただきます。 今回の
私立学校法
の一部を
改正
する
法律案
、これまで、いわゆるマイナーなチェンジはたくさんございましたけれ
ども
、いわゆる大
改正
というのは昭和二十四年にこの
法律
が制定されて以来初めて、五十五年ぶりの大
改正
、本体に手を入れるのは初めてという大
改正
だそうでございます。 このような大
改正
を行うに至った
背景
、現在、
特区
でございますけれ
ども
、
NPO立
とか、
株式会社立
とか、
学校法人
ということに対していろいろな批判もあり、新しい
制度
も提案されているところでございます。今回の大
改正
の
背景
そして
目的
を、わかりやすく端的に
大臣
に
お答え
いただきたいと思います。
河村建夫
6
○
河村国務大臣
斉藤委員
御
指摘
のとおり、
教育界
全体についても、今まさに
見直し
をしなければいけないときに来ておるわけでございます。
教育
の
根本
から見直そう、
教育基本法
の
改正
を初めとして大きな
流れ
の中にある。 こうした中で、
私学
、
私立学校
というものが
公教育
の中で果たしている
役割
の大きさ、そういうものを考えれば、当然これからの、
私学
の成り立ちの
根本
であります
私立学校法人制度そのもの
、これもやはり時代に
対応
したものにしていく必要があろう、
見直し
が非常に重要になってきた、こういう
背景
があるわけでございますし、特に近年の
少子化
をめぐる
状況
、
社会経済情勢
の大きな変化、こういうことが、
私立学校
全体の
競争
といいますか、非常に厳しい
競争環境
にもあるわけでございます。 そういう中で、
学校法人
が、さまざまな
課題
に
戦略性
を持って主体的、機動的に対処できる
体制
にしていく必要もある、こういうことも極めて重要な点であるという視点に立って、今回の
私立学校法
の
改正
を求めておるわけでございます。 特に、これまでのややもすると
事前規制
といいますか、それが強過ぎたという嫌いもありますが、むしろ
事前規制
を緩やかにしながら
事後チェック
へと、これが大きな
社会
全体の
流れ
の中にあるわけでございまして、特に
大学等
の
設置基準
の
弾力化
、こういう
課題
もございます。
国立大学
もいよいよ
法人
化する、こういう
現況下
にございまして、そうした
設置基準
の
弾力化等
の
規制緩和
、これも進展をしなければならぬ、こういう
状況下
でございます。 また、
先ほど
御
指摘
のように、
株式会社
の
学校経営
の問題、あるいは
NPO法人
の
学校経営
の問題、こうした動きが、
特区制度
といいながら出てまいりました。こういうことで、
学校法人
を取り巻くさまざまな
制度改正
がこれから行われなければならぬ、こういう
状況下
にあるわけでございます。 このような
背景
を踏まえながら、今回、
私学関係者等
の主体的な
取り組み
のもとで、
学校申請制度
の
改善
を行うことにした、こういうことでございます。
斉藤鉄夫
7
○
斉藤
(鉄)
委員
大きな
目的
はよくわかりました。 それでは、ちょっと具体的に
質問
させていただきたいと思います。 今回の
改正
、三本柱があると言われておりまして、一番大きな柱といいましょうか、一つの柱が
学校法人
における
管理運営制度
の
改善
、このように言われております。この
管理運営制度
、
理事
、
監事
、
評議員会
の
制度
ということから成るわけですが、まず、今回の
改正
の大きな柱となっている
理事制度
については、具体的に何が変わるんでしょうか。
加茂川幸夫
8
○
加茂川政府参考人
理事制度
の
改正内容
についての
お尋ね
でございます。
学校法人
が、
大臣
も
答弁
いたしましたように、
少子化
を初めとしますさまざまな
課題
に適切に
対応
しつつ安定した
学校経営
を行っていくためには、
学校法人
の
管理運営機能
の一層の充実を図ることが必要であるわけでございます。そのためには、
学校法人
の
業務
についての
決定権限
を有します
理事機能
の
強化
が不可欠でございます。 そこで、今回、次のような
改正
を行うことといたしてございます。 第一に、機動的な
意思決定
ができる
体制
を整備するとともに、
責任
の
所在
を明確にするという
観点
から、
理事会
を
法律
上
規定
いたします。そして、
学校法人
の
業務
の最終的な
意思決定機関
として
位置づけ
ようとするものでございます。 また第二に、
現行法
では、
原則
としてすべての
理事
が平等に
代表権
を有しまして、
寄附行為
によってこれを制限できる
仕組み
となっておりますけれ
ども
、
学校法人
の
実態
に即した
制度
に改めるため、
原則
として
理事長
のみが
代表権
を有しまして、必要に応じ、他の
理事
にも
代表権
を与えることができる
制度
に改めようとしております。 また第三に、
学校法人
の
運営
に多様な
意見
を取り入れまして
経営機能
を
強化
する
観点
から、
理事選任
の際に、現に
当該学校法人
の
役員
または
職員
でない者を一名以上
選任
する、いわゆる
外部役員
、
外部理事
でございますが、
選任
することといたしてございます。 加えまして、
評議員会
における適正な
判断
に資するよう、
理事長
が
評議員会等
に一定の
報告等
をすることを義務づけておることも含まれておるわけでございます。
斉藤鉄夫
9
○
斉藤
(鉄)
委員
理事
、
理事会
、そして
理事長
の
権限
が大幅に
強化
されるということで、いわゆる
管理運営体制
は
強化
するということですけれ
ども
、
学校法人
をめぐる事件が起きるのを
新聞記事
で読んでおりますと、
理事長
の
専横
、専断、
恣意的運営
というふうなこともよく目にするところでございます。そういう
心配
はないのか。 また、いわゆる
教学
、
運営
と
教学
の
バランス
が必要だと言われておりますが、
研究教育
の、その
教学
の部門からの
発信力
が弱くなって、
学校運営
にその声が反映されなくなるのではないか、こういう強い
危惧
の念、我が党もそういう方々から陳情を受けたわけですけれ
ども
、こういう
心配
についてはどうなんでしょうか。
加茂川幸夫
10
○
加茂川政府参考人
お答え
をいたします。
理事会
、
理事長
の
専横
、
独断
についての
チェック
についての御
心配
でございましたが、
先ほど
は
理事会制度
の
改正
について申し上げましたが、今回の
改正
では、これと同時に
監事制度
、
評議員会制度
についても
改正
をお願いしてございます。
内部
の
チェック
が十分に働くような
改正
も含まれておるわけでございまして、御
心配
のような
独断
、
専横
についても、もちろん
私学
の
自主性
を尊重するという大前提はございますけれ
ども
、
内部
の
相互チェック
が働くことを想定しておるわけでございます。 また特に、
教学サイド
の
意見
の反映についての御
質問
もございました。 今回の
改正内容
としましては、
実態
として置かれている
理事会
を法定化いたしまして、
経営責任
の
所在
をはっきりとさせて機動的な
法人経営
ができるようにすることを
目的
とするものでございます。
教学サイド
、例えば
教授会
との
関係
、
評議員会等
との
関係
が問題になるわけでございますけれ
ども
、今回の
改正
では、こういった
両者
との
関係
で、
理事会
に対し、特別の
権限
を与えるようなことは
内容
としてございません。従来の
制度
、
現行制度
が維持されてございまして、
教学サイド
の
意見
が
改正
によって反映されなくなるおそれはないものと考えておるところでございます。
斉藤鉄夫
11
○
斉藤
(鉄)
委員
この点についての
危惧
をされる方もたくさんいらっしゃいますので、ぜひこの点、強調していただきたいと思います。 それから、
先ほど
一部、
答弁
に出ましたけれ
ども
、いわゆる
監事制度
についても大幅に
改善
をするということでございます。
理事会
、
理事長
の
権限
を強めるということであれば、それに
対応
する、
バランス
をとる
意味
でも、
監事制度
を
強化
しなければいけない、これは非常によくわかるところでございますが、具体的にどのようにするのか、何が変わるのかについて御
質問
いたします。
加茂川幸夫
12
○
加茂川政府参考人
監事制度
の
改正内容
について
お答え
をいたします。
監事機能
の
強化
のためには、その
監査
の
実効性
あるいは
客観性
を高めることが必要だと考えておりまして、今回は次のような
改正
をお願いしてございます。 第一には、
監事
がみずからの
職務
に
責任
を持って取り組むことができるよう、
監事
の
職務
として、
監査報告書
の作成及びこれを
理事会
へ提出することを新たに義務づけまして、あわせてこの
監査報告書
につきましては、他の
財務書類
とともに
閲覧
に供する、
公開
をするということといたしておるわけでございます。 また、第二に、
監事
に適切な人材が得られますよう、
監事
の
選任
の際に、現に
当該学校法人
の
役員
または
職員
でない者一名以上
選任
をする、いわゆる
外部監事
でございますが、この
選任
を求めておるわけでございます。 また、第三に、現在は
監事
の
選任方法
については
法令
上の
定め
はございません。
監査
される
立場
の者のみで
監事
を
選任
することのないように、
監事
の
選任
に当たっては、新たに、
評議員会
の
同意
を得て
理事長
が
選任
をするということを
法律
に
定め
ることといたしました。 また、
現行法
では
監事
の任期、
選任
、
解任手続
について
法令
上の
定め
はございませんでしたけれ
ども
、これらにつきましても、各
学校法人
の
寄附行為
によって必ず
定め
ることといたしておるところでございます。 さらに、
監事
と
理事
の
兼職
は現在禁じられておりますけれ
ども
、
監事
の
独立性
を確保するために、さらに
監事
と
評議員
の
兼職
についても禁じることといたしておるところでございます。
斉藤鉄夫
13
○
斉藤
(鉄)
委員
監事
の
強化
についてはわかりました。 今回、その一環として、
先ほど
もありましたけれ
ども
、
学校法人
の
役員
または
職員
以外の者を
監事
に
選任
する、いわゆる
外部監事
を導入するということが新たに決まったわけですけれ
ども
、この
規定
を置いた
趣旨
、今の
答弁
でも大体わかるんですけれ
ども
、もう一度改めて
質問
します。
加茂川幸夫
14
○
加茂川政府参考人
いわゆる
外部監事
の導入の
趣旨
について
お答え
をいたします。 現在の
監事
につきましては、
先ほど
申しましたように、
理事
や
職員
との
兼職
は禁止されておるわけでございますけれ
ども
、必ずしも
外部
から
選任
する必要はございませんでした。就任前に
理事
や
職員
であった者を引き続き
監事
として
選任
されることができた、まあ禁止されておらなかったわけでございます。このため、
実態
といたしましては、
学校法人
の
職員
を退職後、引き続き名誉職的に
監事
として
選任
される例も見られたわけでございまして、このような場合、ともすると、
監事
が
理事
、
理事長等
に遠慮をいたしまして、十分に本来の職責、
監事機能
を果たせないおそれも考えられたわけでございます。 このため、今回、
監事
につきましては、
内部
から
選任
した者ばかりで占めることのないよう、最低でも一名は
外部監事
として、いわゆる
外部
から
選任
することを求めているところでございます。
斉藤鉄夫
15
○
斉藤
(鉄)
委員
私立学校
とはいえ、
公的責任
の非常に重い
学校法人
に対して
外部監事
を導入するということは、非常に重要なことだと私も思っております。 さて、次に、
管理運営制度
の三番目、
評議員会制度
の
改正
、これも具体的にわかりやすく、どのように変わるのか、御
説明
をお願いします。
加茂川幸夫
16
○
加茂川政府参考人
評議員会制度
の
改正内容
について
お答え
をいたします。
学校法人
が機動的かつ安定的に
経営
を行っていくためには、
先ほど
来お話をしております
理事
、
理事会制度
、
監事
に加えまして
評議員会
、
評議員
も、それぞれが適切な
役割分担
のもとに協力をして
学校運営
、
学校法人経営
に参画することは大変重要だと思っております。 このうち、
評議員会
は、
理事会
が行う
法人
の
業務
に関する
決定
に際しまして、
当該決定
が適正なものであるかどうかを的確に
判断
し、
意見
を述べるという
役割
とともに、
学校法人
の
公共性
を高めるために必要な
チェック
を行うことが求められておりますし、必要であると考えております。 このような
役割
を適切に果たすことができるよう、今回の
改正
におきましては、第一に、
理事長
は次年次の
事業計画
の策定に当たってあらかじめ
評議員会
から
意見
を聴取すること、また、
理事長
から
評議員会
に対し前年度の
事業
の
実績
について報告するという二点を義務づけることといたしております。 また、
監事
が
責任
を持って
職務
に取り組むことになるよう、
監事
が作成した
監査報告書
を
評議員会
へも提出させることといたしておりまして、これを義務づけております。 さらに、
先ほど
も申し上げましたが、
監事
の
選任方法
については、
監査
される
立場
の者のみで
監事
を
選任
することのないよう、その
選任
に当たって、
評議員会
の
同意
を得て
理事長
が
選任
することといたしておるところでございます。
斉藤鉄夫
17
○
斉藤
(鉄)
委員
先ほど
、
理事長
の
専横
とかそういうことが話題になることがあると言いましたけれ
ども
、逆に、
学校法人
によっては、
理事会側
がほとんど
権限
を持たなくて、
評議員会
がすべての実権を握っているというところもあるやに聞いております。 それはまた、ある
意味
で、非常に公的な
責任
を有する
学校法人
として大変問題だな、こう思うわけですけれ
ども
、
理事会
と
評議員会
の
力関係
について、何らかの
方向性
を持たそうとしているのか、変更させようとしているのか、この意図があるのかどうか、そういうことについてお伺いします。
加茂川幸夫
18
○
加茂川政府参考人
理事会
と
評議員会
との
関係
の
お尋ね
でございます。
両者
の
関係
につきましては、それぞれの
学校法人
の特色でございますとか歴史を踏まえていろいろ取り扱われておるところでございまして、例えば、現在、
評議員会
の
議決
が必要となっている、
内部
で、
寄附行為
上そう
定め
ることができるわけでございますが、そういった個別の
学校法人
の
手続等
につきましては、今回の
法改正
によりましてその取り扱いを変更することまでは考えてはいないわけでございます。 今回、
評議員会
の
位置づけ
につきましては、
諮問機関
であるという
基本的位置づけ
を明確化しようとしておりまして、
理事会
による
学校法人運営
が適切に行われることを期待しておるわけでございます。 現在の
制度
、すなわち、例えば
理事長
があらかじめ
重要事項
について
評議員会
の
意見
を聞かなければならない、その際、
寄附行為
をもって
評議員会
の
議決
を要するものとすることができるという
仕組み
は維持しておるところでございます。
斉藤鉄夫
19
○
斉藤
(鉄)
委員
私立学校
の
学校法人
ですので、その
自主性
は十分尊重されなくてはならないところでございまして、
文部科学省
として
指導
をするとかそういう
立場
にはないのはよくわかりますけれ
ども
、地方などに行きますと、明らかに
バランス
を欠いた
運営
をされているところがあって、
文部科学省
として何らかの
指導
ができないのかという声も実は我々のところに届いてまいります。 そういう
意味
で、今回の
改正
がより適正な
方向
に行くというふうに我々も信じておりますけれ
ども
、そのように
運営
をするといいましょうか、
指導
という
言葉
はよくないかもしれませんけれ
ども
、御考慮をいただきたいと思います。 次に、
改正
の二番目の柱でございます
財務情報
の
公開
ということでございますけれ
ども
、今回の
改正
により、
貸借対照表
や
収支計算書
などの
財務書類
を
閲覧
に供することとした
趣旨
は何かということについてお伺いします。
加茂川幸夫
20
○
加茂川政府参考人
財務書類
の
公開
について、その
趣旨
についての
お尋ね
でございます。
学校法人
は、その
公共的性格
から、在学生あるいは
保護者
を初めとする
関係者
に対して積極的に
情報公開
に努めるべきでございまして、現に多くの
学校法人
では主体的な
取り組み
として
財務情報
の
公開
を行っておるわけでございます。
私立学校法
上は、これまで、その
法律
の精神でございます
私学
の
自主性
を最大限尊重するという
観点
を重視いたしまして、
財務書類
の
公開
については、
法律
上の
規定
としては
定め
ていなかったわけでございます。 しかし、今日、さまざまな分野でいわゆる
情報公開
が進んできておりまして、
先ほど
大臣
の
答弁
にもございましたように、いわゆる
事前規制
から
事後チェック
へという
規制緩和
の
流れ
、これにしっかり
対応
すべきことが求められておりますこと、さらに、
学校法人
以外の他の公共的な
法人
におきましても
財務情報
の
公開規定
の
整備等
が進んできましたことも踏まえまして、
学校法人
が主体的に
説明責任
を果たすという
観点
からも、現状を一歩進めた
対応
が求められていたところでございます。 そこで、今回、他の公共的な
法人
の例に倣いまして、
私立学校法
上に
財務書類
の
公開
、
利害関係人
への
閲覧
に関する
規定
を設けることとしたわけでございます。これによりまして、
学校法人
の
管理運営面
の
透明性
を高めまして、適正な
管理運営
が図られることを私
ども
としては強く期待をしておるわけでございます。
斉藤鉄夫
21
○
斉藤
(鉄)
委員
先日の
参考人質疑
の中でも、ここが一番大きな
問題点
として浮かび上がっていたように思います。 現在、大きな
大学等
ではもう
財務情報
を
公開
しております。
財務情報
を
公開
している
学校法人
はどれくらいあるのかということと、それから、
参考人質疑
で大きな問題になっておりました、いわゆる
幼稚園
とかそういう
小規模法人
に対しては、これは非常に過重な
負担
になるのではないかという
意見
が出されました。
小規模法人
へ
配慮
するとともに、他方で、大
規模法人
についてはより積極的な
公開
を求めるべきではないかと思いますけれ
ども
、この
小規模法人
への
配慮
、特に、こうすることによって、その
財務内容
が明らかになることによって、あの
学校
は将来つぶれるのではないかといったような
風評被害
、
風評被害
という
言葉
がいいのかどうかわかりませんけれ
ども
、そういうことも考えなくてはいけないというふうな
参考人
の御
意見
もございました。この点について御
質問
いたします。
加茂川幸夫
22
○
加茂川政府参考人
第一点目は、
財務情報
の
公開
の
実績
、実情についての御
質問
でございました。
財務情報
の
公開
につきましては、かねてより
各種会議等
を通じて、各
学校法人
の主体的かつ積極的な
取り組み
を私
ども
としても要請、
指導
してまいったところでございます。毎年度、
財務
の
公開状況
に関する調査を実施いたしまして、その結果を公表いたしております。あわせて、各
学校法人
にこの公表結果を情報提供しておりまして、その際には、さらに一層積極的な
取り組み
を求めているところでございます。 そういったこともございまして、
文部科学大臣
が所管する
学校法人
、いわゆる
大学法人
でございますが、これらの
法人
のうち、何らかの形で
財務情報
の
公開
を行っております
法人
の割合は、
平成
十五年度では約九六%にふえております。このうち、
資金収支計算書
、
消費収支計算書
、さらに
貸借対照表
、いわゆる
財務書類
でございますが、こういったものをすべて
公開
している
学校法人
の数も、概要の
公開
といった形態も含めますと全体の七六%になっておりまして、
財務情報
の
公開
は年々着実に進んでおると私
ども
も評価をしておるところでございます。 また、
財務情報
の
公開
には
小規模法人
への
配慮
が必要ではないかという御
指摘
、御
質問
でございました。 今回の
改正
につきましては、設置する
学校
の種類でありますとか
規模
、あるいは
学校法人
の多様な
実態
を踏まえながら、
法律
によりすべての
学校法人
に共通に義務づけるべき最低限の
内容
を
規定
しようとしております。したがいまして、
法律
上の義務につけ加えて、より積極的な
対応
をすることにつきましては、それぞれの
学校法人
の主体的な
対応
を期待しておるところでございます。 先生御
指摘
のございましたように、
私学関係団体
からの懸念の表明もございました。いろいろお聞きをしますと、特に
小規模法人
にあっては、不当な
目的
による
開示請求
への
対応
の難しさ、あるいは実際の
事務負担等
への不安も持っておられるということをお聞きしたところでございます。 今回の
法案
では、そういったことも踏まえまして、また、他の
公共的法人
の例も踏まえながら
法案
を作成させていただきました。 第一には、
閲覧
の
対象者
を
在学者
その他の
利害関係人
と限定をしております。さらに第二に、明らかに不法、不当な
目的
である場合など、正当な理由がある場合には
閲覧
を拒むという例外的な
判断
もできる、
対応
もできるようにしておるわけでございます。さらに、特に
幼稚園等小規模法人
のことを念頭に置きながら、
公開
の
対象
となる
財務書類
につきましても、各
学校法人
の便宜のために、それぞれの様式、
参考例
を示すことを私
ども
としては考えておる次第でございます。 一方、大
規模法人
への
対応
でございますが、特に複数の大学を設置するような大
規模
な
学校法人
におきましては、現在でもかなり積極的な
取り組み
がなされておるわけでございますが、より積極的な
対応
を各
法人
の
判断
でなされることもさらに期待をしたいと思っておるわけでございます。 従来から、広報誌あるいはインターネットのホームページへの掲載など、そういった
取り組み
が進められるよう私
ども
指導
してきておりまして、
先ほど
申しました十五年度の調査でも、広報誌等の刊行物への掲載を行っておるものが約六九%、さらに進んで、ホームページを利用しておるものが約一八%ございまして、こういった
取り組み
がさらに一層それぞれの
法人
の
判断
で進んでいくことを大きく期待しておるところでございます。
斉藤鉄夫
23
○
斉藤
(鉄)
委員
わかりました。 三番目の柱であります
私立学校
審議
会の
改正
、この間の
参考人質疑
では、両
参考人
とも大学
関係者
でしたので、この
私立学校
審議
会のことについては余り話題になりませんでしたけれ
ども
、今回、都道府県知事の
権限
が大幅に
強化
されるということでございます。公正さが確保されなくなるのではないかという
危惧
もございます。この点も含めて、どのような
観点
から今回
改正
を行われたのか。済みません、時間がありません。最後に
大臣
と副
大臣
に
質問
を残しておりますので、端的にお願いいたします。
加茂川幸夫
24
○
加茂川政府参考人
お答え
をいたします。
私立学校
審議
会の
委員
の
選任
等についての
法改正
の
趣旨
についての
お尋ね
でございます。 先生御
指摘
のように、
私立学校
審議
会は、都道府県知事の
私立学校
に対する行政の適正を期するために都道府県に置かれております
審議
会でございます。 この現状につきましてはいろいろ批判、御
指摘
もあるわけでございますけれ
ども
、
現行制度
において、その構成の四分の三を
私学
関係者
が占めていること、推薦方法について詳細な
規定
を
定め
ていることについて
指摘
、批判があるように受けとめております。 こういった詳細な
規定
が各都道府県における
私学
行政を過度に規制しかねないといった
指摘
が総合規制改革
会議
よりも出されております。これを踏まえまして、今回、
法改正
をお願いしておるわけでございまして、
委員
の構成、推薦
手続等
に関する
規定
を削除いたしまして、都道府県知事の地域の実情を踏まえた
判断
にゆだねることといたしたところでございます。
斉藤鉄夫
25
○
斉藤
(鉄)
委員
時間があと数分、二、三分になりました。
大臣
と副
大臣
に御
質問
させていただきたいと思います。 いわゆる
私学
の振興というのは非常に大きな、重要な
課題
だと思っております。一兆円近いお金がいわゆる公費としてその振興に使われているわけですが、まだまだそのレベルは低い、このように私自身考えております。 この
私学
の振興についての副
大臣
また
大臣
、政治家としての御決意をお伺いしたいと思います。
原田義昭
26
○原田副
大臣
今回の
法案
でもそういうことを目指しておるところでありますけれ
ども
、日本の
学校
教育
の中で
私学
の
役割
、これはもう大変大きいものがあるわけであります。そういう
意味
では、国の支援も含めまして、これからしっかりこの問題に取り組んでいかなければいけない、そういうふうに考えておるところであります。
河村建夫
27
○
河村国務大臣
御案内のように、大学生が七五%、高校生三〇%、
幼稚園
においてはもう
私学
八割、そういうふうに言われております。 この
役割
の大きさからいっても、
私学
振興というのは日本の
教育界
における大きな
課題
でありますし、まさに二十一世紀は
私学
の時代だと言われるのもそのゆえんであろう、こう思っておりまして、これを
私学
支援のあり方、
私学助成
のあり方、いろいろな角度からあるわけでございまして、いわゆる財政的な面、それを支援する税制の問題、この問題についてももっと力を入れていかなければいかぬだろう、こう思っております。 あわせて、奨学金
制度
の問題、そういうことについてもまさに公私の格差是正、こういうことも言われておりますが、そういう視点に立って、全体の
私学
振興政策、これは国の重要な施策としてこれからも取り組んでまいりたい、このように考えております。
斉藤鉄夫
28
○
斉藤
(鉄)
委員
今回、五十五年ぶりの大
改正
、この
改正
が真の
意味
での
私学
振興につながり、また、国としても財政的にこれをしっかり支えていく必要があろうと思っております。そういう
方向
に弾みがつく
改正
になるように祈りまして、
質問
を終わります。ありがとうございました。
池坊保子
29
○
池坊委員長
この際、暫時休憩いたします。 午前十時三十九分休憩 ————◇————— 〔休憩後は
会議
を開くに至らなかった〕