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黒川参考人 どうもありがとうございます。
実は、先生おっしゃるとおりでありまして、現在、先日も申し上げましたように、これから二十一
世紀は地球的な
規模の問題が山積しております。
一つは人口問題です。六十三億人いて、そのうちの八割が開発途上国あるいは未
開発国に住んでいるという
状況があるということが
一つ。それから二番目には、人口がふえていますので
環境問題が
方々で起こっておりますし、グローバルウオーミングも同じでありますけれども、そのような問題が
二つ。
三つ目は、
情報時代と
南北格差がありますので、ますます
南北格差の、きのうのイスラエルの問題もそうですけれども、非常にこれが大きな問題になっていて、これは、
一つの国の
政治あるいは
企業というレベルでは解決できない問題がたくさんあるのは当たり前というか、今までとは違った
あり方になっております。
そこで、これは数年、先日も申し上げましたように、世界の
アカデミーの、
科学者の
コミュニティーの連合体がどんどん今でき上がって、そこの
機能を強化しようというのが動いております。その成果の
一つが先日申し上げた
国連での
最初の私どものレポートでありまして、
南北の
格差をいかに少なくしようか、「インベンティング・ア・ベター・フューチャー」というのを出しておりまして、これは
国連の方からも、いかにここに書いたことを少しでも実際の
政策に
提言してほしいという話が、またきのうもメールで来ておりましたけれども、これは
日本の
学術会議、あるいは
アメリカの
ナショナルアカデミー、それとイギリスのロイヤルソサエティーなどが
中心的な
役割をしております。
それからもう
一つは、
日本は
アジアではどうかということを
考えれば、当然、
政治と
企業だけでは解決できない問題がたくさん、
環境問題があるわけで、我々が
中心になってつくってきた
アジア学術会議が今度また
提言を出しますけれども、これは、
アジアがこれから必ず成長してくるときに、
環境問題、お互いの協調、それから、より
環境を保全しながら成長していくのにはどうしたらいいかという
テーマで五年間、今やっております。このようなことも、当然、
総合科学技術会議がやる
仕事ではなくて、
日本の学の
コミュニティーがまとまった形でやるべき
仕事だということが非常に今認識されてきているということであります。
そういう
意味では、この間お示ししましたような「エネルギーと
環境」のような
科学者からの
国際シンポジウム、毎年、これは四年続けてやっておりますけれども、そういう
意味では、確かに外の枠組みからどんどんそういうふうに
世界じゅうが変わってきて、
世界じゅうの
アカデミーが、実は個人の
科学者の
意見ではなくて
科学者の
意見総体としてどういう取り組みをしようかというのが、
一つの国だけでは十分ではないということで今ネットワークができているところで、そういう
意味では、
学術会議の
機能は非常に今注目されておりまして、かなりよく知られた
存在になってきております。
そういう
意味では、国内にどのようにこれをしていくかというのが我々の責務でありまして、現在、今度、
学術会議の
会員、元
会員すべてが一年に何回かそれぞれの地域の小学校、中学校の
教育に参加するとか、
社会のいわゆる
コミュニティーサービスのような
教育とかいろいろなことに参加しようという
提言をして、
企業のリーダーとも手を組んでそういうことをやっていきたいということを
提言しようと思っておりますし、
プログラムを今つくっている最中であります。
そのほかにもう
一つ、
アメリカの
ナショナル・リサーチ・カウンシルというのは
アメリカでは
アカデミーでありますけれども、それと今度
共同プロジェクトを、国の二
国間協議が今されているところですけれども、それと並行して、安全と安心についての
幾つかの
テーマを取り上げて共同
研究して発表していこうという
プログラムを現在今やっているところでありますので、そういう
意味では、はるかにこれから
学術会議の責任も重くなってくるし、
科学者コミュニティー全体がどのようなアウトプットを
国民に向けて発信するかという方策も、十分
考えなくてはいけないと認識しております。
〔
委員長退席、
渡海委員長代理着席〕