○古賀(一)
委員 もう最後に、あっという間にたちますけれ
ども、最後に厳しいことを言うなと思われるかもしれませんが、これはやはり、
先ほど言いました、人あっての
日本、本当にそう
思います。そういう
思いでひとつ問題提起をしたいんです。
今問われているのは、もちろん、
義務教育をめぐる
財源問題であり、国の
財政問題であり、あるいは
地方自治体の問題でありますけれ
ども、本当に問われているのは、
文部科学省の
皆さん方がおられますので、厳しい言葉と聞こえるかもしれませんけれ
ども、文部省の気持ちそのもの、心そのもの、文部省の
行政の理念そのものが問われているんだと私は思うんですよ。私は本当に、
教育に関する、英語
教育がどうなった、体力が落ちる、学力も落ちるとか、十七歳の春に
子供たちが切れる、子が親を殺す、それを言ったらもう百時間かかるようないわゆる
教育の荒廃という現象があって、今度は一般
質問のときに私はたくさん申し上げますけれ
ども、自分の体験談を申しますが、本当に
教育はこれでいいのか、親も子も
学校もみんな心配している。
それは、やはり文部省は、さっき言った、人あっての
日本。我々
文部科学省、あるいは初等中等
教育、幼児
教育、中等
教育もそうです、これだけ重要なものを担っているという気概で
国民に対しても
財務省に対しても気迫を込めてやることが先決だと私は思うんですよ。そうしないと、この
財源問題も押し切られちゃうと思うんです。そこが私は問われていることだと思うんです。
それで、私、もちろん
大臣は読んでおられないんだと
思いますけれ
ども、
日本経済新聞社の「
教育を問う」という本をこの前ちょっと見つけて、読みました。なるほど、ああそうだな、へえと思うことがたくさん書いてあって、悪いことばかり書き過ぎの本でちょっと嫌気が差しますけれ
ども、でも、その中で、私も長らく役人をやっていて大蔵省とけんかばかりしておった
立場におったからこれはぴんときたんですけれ
ども、こういうあれがあるんですね。
「
文部科学省の消極的な
姿勢を見かねて、査定役の
財務省主計局がこんな助言をすることもある。
文部科学省に入省したいわゆるキャリア官僚は、十六もある
審議会の事務作業や省令作り、文教族議員への対応に追われ、課長級になるまで
予算折衝をほとんどしない。「ほかの
省庁に比べると
予算を取る技術の蓄積が乏しい」」とか批判してあるんですけれ
ども、要は、もっと正面から、「本当に政策を動かしたいなら、もっと正面から
予算を取りにこなきゃだめですよ」、こういう言葉を
財務省主計局が語ったと書いてあるんです。そういうところが私はあると思うんです。私も実は体験があるんです。これはもう時間がないから言いません。
本当に、人間、
教育の重要性というものはだれしもわかる。それと、今の現状が十分でない、十分でないどころか、先行きに物すごい心配を
国民に与えている、
子供にも。やはりここは、
義務教育のこの
負担をどうするという論議だけじゃなしに、その
根幹の
部分をもう一回文部省は分析し、自覚し、そして本当にそういう
思いでこれからやることが問われたのがこの法律だ、私はかように
思います。
それで、今度の
財源措置は、とりあえず、去年の共済費に引き続きまして、こういうことで来ましたけれ
ども、こうだと思うんですね。私は、パッチワークのような、切り張り細工のような気がしてしようがありません。毎年度ごとの短期的な帳じり合わせをやる、
補助金削減というにしきの御旗を掲げたものだからやっているように思えてなりません。最終の
教育の形、
義務教育の形、そういうものが見えない、ダッチロールしたような改革ではないかと私は思うわけであります。
ひとつ、最後に
大臣にもう一回聞きたいんですが、私は
大臣とは同期でありまして、十二年前に
大臣から教えてもらった歌があるんですよ。それは私が一番好きな歌になりまして、よく話が出ます。「吉田松陰」ですよ。皆さん知らないでしょう。「吉田松陰」という歌があるんです、聞いた人がいますけれ
ども。ここに、三番目が一番いいんです。「何も持たない若者たちの無欲無限の赤心が
日本の明日を創るのだ」、こうあるんですね。この三番目が私は一番好きなんです。赤心というのは赤い心、情熱ですよ。何も持たない若者たちのその情熱があすの
日本をつくるのだと。恐らく、
大臣もここに一番ほだされて、僕もそう。これだと思うんです。そういう
思いで、私は、まず、何も持たない文部省の皆さんたちというわけにはいかぬけれ
ども、要するに、そういう
思いですよ。それが絶対、
日本に今欠けています。
私は、そういう面で、今後、来週か再来週か知りませんが、この
文部科学委員会が、科学技術も含めて、法案処理だけじゃなしに、今問われているのは、
教育全体のいろいろな声を
文部科学省の皆さんが聞くこと。そういう面で、一般
質問を私はぜひやっていただきたいし、そうなれば私は一時間も二時間もやりたいと思っていますので、そういう場を、
委員長、文部
行政の置かれた
立場を
考えれば、法案処理ということだけじゃなしに、折々に一般
質疑をぜひやっていただきたい、かように
思います。
きょうは、初めて参りました新参者でございますので、若干遠慮しながら申し上げましたけれ
ども、今後は一般
質疑で
教育論をぜひお互い闘わせていきたい、かように思っています。
以上で終わります。