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加藤(尚)
委員 最近の産経新聞で、ごらんになったかどうか知りませんけれども、東京都内の二十三の大学で、一けたの数字を六回足して、そして一分間の間に幾つできるかという、そういうテーマの
調査なんです。成蹊大学渡辺
研究室でやったものなんですけれども、ごらんなったかどうかわかりませんけれども、それを拝見いたしました。
それによると、年々、大学生ですら、たった一けたを六回足す、一分間で、かつては十六問、十七問できたけれども、今やせいぜい十問という実態があるんです。
やはり今
大臣がおっしゃったように、暗算力がなくなっちゃったんですよ。何のためにそろばんを勉強するか、何のために暗算を勉強するか、勉強している人
たちに聞くと、消費税を速く計算できる、暗算で。こういう答えが笑い話のようにあるんです。実際は、きょうの場合は結論は要らないんですけれども、九九じゃ間に合わないぞ、国際
社会の中で競争していくのに、
日本の子ども
たちは。まさに、
子供たちの荒廃を考えると、なおさら学力低下という問題も、
基本は読み書きそろばんというふうに思っています。
その
意味で、アジアによっては、毎朝算数の時間、例えば
日本の場合は百五十時間ですけれども、算数の時間、十五分だけそろばんをやらせるという国がふえてきたんです。その証拠に、そろばんの生産、ピークとして昭和五十六年あたり二百万個を超えていたんですけれども、今やその十分の一の生産しかないんです。ということは、二十万ぐらいですね。ところが、一方で、そろばんの輸出ですけれども、年々ふえているんです。特に、それはアジア
地域にふえているんです。今や、多分去年の段階で、詳しい
データは、いろいろ探ったんだけれどもなかなか求められませんでしたけれども、少なくとも私が調べた段階では、約七万個なんです。そろばんの輸出です。
ということは、アジアの国々で、
日本の伝統
文化、
日本の伝統
文化といったって、せいぜい室町時代から熱心に取り入れたんですけれども、そろばんの歴史からいえば、紀元前三千年前とかあるいは千年前とか、いろいろな歴史がありますけれども、少なくとも
日本では室町時代から盛んになってきた、そしてそれが
日本経済のパワーになったというのは間違いない事実であります。
それに加えて、九九のことはまた宿題になるんですけれども、そろばんということがこの国でだんだん退化しちゃっている。後はそろばん塾任せということなんですけれども、それでいいかどうかという問題もありますけれども、短い、年間百五十時間しかない算数の中にそろばんを今後どう考えるか、どう
指導していくか。これはもちろん
地域の問題です、
地域の問題ですけれども、国の学問を預かる
文部科学省ですから、いわば
大臣を中心に、そろばん問題を、そろばん論議をできればしていただければというふうに、これはお願いを申し上げておきたいと思っております。
例えば、そろばんで、最近だけでもこんなに新聞ニュースに載るようになったんですよ。いいことだなと思うんです。毎日から朝日から産経から、もういっぱい新聞に報じられるようになった。いかに読み書きそろばん、その中のそろばんがいかに
子供の学力向上に大切かということが定着が始まったな、一たんこんなにどん底になったけれども、また上がり出したな、それは、アジアの国々を見ているからなんですよというふうに
思います。アジアが
日本を目標にしているから、
日本は常に先に行かなくちゃいかぬというふうにつけ加えておきたいというふうに思っております。
それから、英語授業なんですけれども、これは
委員長、引き続き恐縮です。英語授業、語学授業なんですけれども、横浜市では昭和六十二年に導入したんです。モデル校を五校設定したわけであります。これについては、過ぐる四年前、だから昭和五十七、八年ごろ、私が市
会議員当時に提言したんです、語学というのは会話からだよ、だから会話を導入しなきゃだめですよと。たまたま、その当時の
総理大臣が積極的に留学生対策というのを言い始めたころですから、合致して、そして横浜市としては、全国に先駆けて語学授業を導入したわけです。
当時、終わったことだから言えるんですけれども、文部省はえらい反対だったんですよ、とんでもないことを横浜市がするという。とんでもないことがあったけれども、
所信あいさつの中にちゃんと語学
教育、英語
教育ということが出ているんですけれども、これを進めるというのは容易じゃないと思うんです。
横浜市も、苦しんで苦しんで、今、どうやらこうやら、横浜市は小
学校が三百五十ぐらいで、中
学校が百四十校ぐらいあるんですけれども、その中で、三分の一から、まあ半分まではいっていないんですけれども、モデル校が徐々に広がっていった、
子供が喜ぶものですから。
問題は、その対応なんです。英語の
先生を雇うというのは、横浜市だって財政的に無理、そして国の財政でも無理、そうすると、物すごい工夫が要ると思うんです。その
意味で、英語授業については会話ということなんだけれども、どちらかというと、横浜ではコミュニケーション、つまり外国の方、留学生も含めて、外国の方と会って、そしてコミュニケーションする。その国の歴史とかあるいは芸能とか食べ物とかファッションとか、そんなことを語り合いながら、片言の英語で勉強しているというのが実態ですけれども、文部省の、ことし
決意を述べられた英語
教育について、
大臣のお考えを聞かせてください。