○川端
委員 また別の機会に政治家
井上喜一
先生と
議論をしたいなというふうに思います。
結局、先ほど私、総務担当で
質問をすることになったので九十二条を中心に伺いましたけれ
ども、やはり地方の自治を九十二条でちゃんと、自主独立でという解釈も含めてやっていくという部分で、国と対等であり独立だということと国を挙げて守るということとは、どこに整合性を持つのかというのはやはり隘路に入っているんですよ、
議論としては。
そして、これはもうかねてからよく
議論になりました基本的人権の問題ですね。
憲法の条文では、基本的人権というのは大変重く重く書いてあるわけですよね。十一条で、「
国民は、すべての基本的人権の享有を妨げられない。この
憲法が
国民に保障する基本的人権は、侵すことのできない永久の権利として、現在及び将来の
国民に与へられる。」という書き方であります。そして、第十章「最高法規」、第九十七条、「この
憲法が
日本国民に保障する基本的人権は、人類の多年にわたる自由獲得の
努力の成果であつて、これらの権利は、過去幾多の試錬に堪へ、現在及び将来の
国民に対し、侵すことのできない永久の権利として信託されたものである。」とまで書いてあるんですね。
しかし、この
事態対処に対する、あるいは
緊急事態に
対処するいろいろな部分でいうと、基本的人権を何と言うのかということにもなるんでしょうが、ある一定の制約は設けざるを得ないという
議論になってきているわけですよね。そうでないと、それはまさに
国家として何の
行動もできないという部分は当然であり、
国民の生命財産を守り、国を守るという部分でいえば、究極の基本的人権を守るというためにその他のいろいろな部分がという
議論もあるということですが、やはり改めて読み直してみますと、大変重い重い書き方をしてあるなという感じがします。
そして同時に、これもしょっちゅう
議論になりましたが、第十九条で、「思想及び良心の自由は、これを侵してはならない。」といろいろあるのに、これで大丈夫なのかという
議論のときに、おさらいですが、これは十三条では、「すべて
国民は、個人として尊重される。生命、自由及び幸福追求に対する
国民の権利については、公共の福祉に反しない限り、立法その他の国政の上で、最大の尊重を必要とする。」というもので、公共の福祉論というのもある。ここでいいんだという話もある。
しかし、前段、
憲法の枠内でとおっしゃいましたけれ
ども、非常に御苦労があり、
議論がふくそうする部分では、やはり、この
憲法が
緊急事態、
有事というものを基本的には全く想定した条文を持っていないというところに問題が、こういう
事態を招いているんだと私は思います。これをそう思うかと問うても
お答えできないでしょうから。私はそうだと思うんですよね。これが、そんなことはないとおっしゃる人もおられるかもしれませんが、大体そういう
認識ではないか。
現在、
憲法議論は随分盛んになりました。院においても
憲法調査会が活発な
議論をしていただいている、そして、自由民主党小泉総裁も
憲法の改正問題について前向きに発言をしておられる、我が党の菅代表も創憲論で
憲法案をまとめたいというふうな発言をされたということで、いろいろ
議論がされている。これは大変いいことだと思います。そして、項目によっては一定の方向性も、コンセンサスも得られつつある部分もあるのではないかなというふうに思っているんですが、私自身は、本来、
憲法上、こういう
緊急事態、
有事に
対応する部分のことは明記すべきだと思っています。それがない部分が、今日のこのふくそうした
議論と、大変な苦労をし、
憲法の枠内でという
議論を招いているのではないかと個人的には思っております。
そういう中で、
現実には
憲法改正というのは五年、十年、二十年ということなんでしょうが、そういうときに、本来、
憲法に
国家のこういう
有事に対する基本機能と
対応の基準が規定をされていないから、なかなか悩ましい
議論が起こる。そういう部分で、国として、あらゆる
事態に
対応するための
国家体制と統治機構について基本的事項を定める、
国家としての危機管理のための法
体制を整備することがどうしても必要になろう。これは、幸いなことに、前国会からの
議論で、与野党で
協議を今進めていただいているということなんですが、
憲法の空白を埋める基本法の制定がどうしても必要ではないかというふうに思います。
事態が発生するたびに既存の法令の改正、新規立法を繰り返してきたのが
現実です。最近だけで列挙しますと、国際緊急
援助隊派遣法、国際平和維持活動協力法、周辺
事態法、船舶検査法、テロ対策特別
措置法、
武力攻撃事態対処法、イラク復興支援特別
措置法、それぞれに伴って
自衛隊法の改正。今回が
国民保護に関する七
法案三
条約。
個別法、個別法でやって、だんだん何か話がおかしくなってきて、全体の整合性もよくわからないという
事態を招いているので、自公民三党で寄り寄り御
協議をいただいているのはいいことだと思うんですが、
憲法がそういう部分に関してはきちっと書かれていない
現実と、それから、個別法、個別法でやった部分で非常に問題があるという部分で、基本法できちっとしたそういう枠組みを提起すべきだということに関して、政府としてのお立場とお考えをお聞かせください。