○後藤
委員 やはり既存の枠組みにこだわらないで、
農業政策の
一つ一つの内容を検証していくということが必要だというふうに思っております。
私は、こうした
観点からいえば、今、担い手とおっしゃいましたけれども、担い手であるプロの
農業経営者、恐らくそれにドライブをかけるということでありましょうけれども、プロの
農業経営者と農村
地域政策のそれぞれに対応する新しい直接支払いの
制度のようなものをしっかりとつくっていくべきだと
考えています。いずれにしても、
制度をどうしていくか、
制度設計の細部等については今後十分に、いろいろな品目横断的な今までの対策等も
考えながらしていかなければならないというふうに思っております。
実は、この
農業政策を積極的に体系的に打ち出していくべきだと申し上げていることの
一つの
意味として、私は、国際的な視点ということもあるというふうに思っております。
先般、メキシコとFTAがまとまりまして、タイ、韓国、マレーシア、交渉が進んでおります。一方で、世界に目を転じて、経済協定だとか、あるいはいろいろなさまざまな
状況を見てみると、EUは東方に向かってどんどん進んでおります。それから、ロメ協定でアフリカ、カリブの七十カ国とどんどんやっている。NAFTAについても、ラテンアメリカに次々と
拡大して、根を張っているわけであります。アメリカやヨーロッパ、その他のこうした
地域の
地域協定あるいは経済協定の進行や、もう詳しいことは言いませんが、中国の最近の動向等を見てみると、我が国にとっても国益としてこうした問題にきちんと取り組んでいくということは非常に重要な
課題であるというふうに思います。
しかし、FTAの交渉と、例えばWTOのラウンド交渉のようなものを見ていった場合に、FTAはどうしても個別の農産品の交渉に追い込まれてしまうということが否めない、WTOのラウンド交渉を全体として進めるときのような大がかりな
農業施策を打ち出していきにくいような局面になってしまうのではないか、そんなことをやはり危惧するわけであります。
ラウンド交渉をまとめるということが非常に難しいということは、これはよくわかっておりますし、多面的な
農業の
機能へ配慮すべきだという我が国の主張を徹底してやるべきだということは、これはもちろんのことではありますけれども、何とかラウンド交渉というものをしっかりとやる中で、WTOのラウンド交渉という大きな土俵の中で、
国内的にも国際的にも積極的な
農業政策のパッケージというものをやはり打ち出していくべきなのではないか、私はそう思っております。
アメリカやEUの例を見ましても、例えば、アメリカの価格支持融資だとか直接固定支払いだとか価格変動対応型の支払いだとか、EUのCAPの直接支払いの
制度、農村
開発等の
制度など、非常に大胆な政策パッケージが打ち出されておりますが、よくよくWTOの枠組みの中で見ると、相当に我田引水的な
制度もあるわけであります。
もちろん、アメリカやEUのような
制度をそのままやれと言っているんじゃなくて、もちろん、アメリカやEUのように食料がある程度余っているという条件のもとでとられているようなデカップリングのような政策を、それはそのままやれと言っているわけじゃありません。しかし、具体的な
制度設計を日本の事情に合わせてやるということは当然としても、少なくとも、アメリカ、EUのように積極的な
農業政策のパッケージを、国際的な視点からもやはり打ち出していく必要があるんじゃないかというふうに思いますけれども、
大臣の御見解を伺いたいと思います。