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川村政府参考人 新規就農者の実情でございます。
まず、就農の成功例ということで、どういうものがあるかというお尋ねがございました。
これは最近では非常に数多く新規就農の事例がございますが、その中でも幾つか例を申し上げますと、一つは非
農家の出身の方でございますけれども、
平成十一年にイチゴ栽培を始められた方がございまして、これが初年度の収入が百十万円にすぎなかったわけでございますが、四年目には五百二十万円まで
農業粗収入を伸ばしたといった方もございます。これは非
農家の方でございますが、非常にそういう工夫をかなりされまして、今申し上げましたような
技術も格段に進歩をされまして、成功されたという事例もございます。
また、もう一つの例でいいますと、
平成八年に有機野菜の栽培を始められまして、特に
販売の方で工夫をされまして、生協等への契約出荷ということで安定的な粗収入九百万円を上げておられるという方がおられます。
またもう一つは、一部、おじいさんから
農地を譲り受けられまして、それに自分で
農地造成をしました
農地を加えましてブドウ栽培を始められて、現在では八百万近い
農業粗収入を得るまでに発展された離職就農者という方もございます。
一方、
経営継続を断念された
方々もいらっしゃいます。アンケートをした結果がございますが、それに幾つか理由があります。
一つは、収益がなかなか上げられず十分な収入が得られなかった、やめられた方の約三七%がそういうことでございます。それから、
農業以外の
仕事をするということで、
農業を始めたんだけれどもほかの
仕事の口があったということで三二%の方がやめられております。それからまた、病気とかあるいは家族の方が健康を害されたといったようなことで、自分の体力的に続かないといったような方が二六%というふうなことで、やはり目指した収入であるとか思いがけないこういうことによりまして断念せざるを得なかったというのがその理由として挙がっておるところでございます。
それから、具体的な営農が、独立されて始まるのか、それとも就職で始まる、雇用で始まるのかというお尋ねでございます。これにつきましては、これも、トータルでいいますと、通常、就業先では基本的には九〇%の方が
農家の方に行かれておりまして、約一〇%の方が
農業法人ということになっております。
そして、その
農家に就農された方の内訳でございますが、最初から
経営の責任者として参画されるという方は二七%、三割弱でございます。それから、家族の一員といいますか世帯員として入られるという方が七二%ということですから、これが大部分でございます。あと、
農家で雇われる、先進
農家等に雇われるという方が二%ということでございます。
農業法人の場合は、これがまたかなり様相を異にいたしまして、
経営の責任者として、パートナーとして入られるというのは二%にすぎませんし、構成員としても一四%、大半、八四%の方は雇用形態で
農業に従事をされているというのがその就農の
あり方についてのパーセンテージでございます。
それからもう一点、営農類型のお尋ねがあったわけでございます。
新規就農者が主に従事している部門といたしましては、一番多いのは施設野菜でございます。これが二〇%ということで最も多い割合になっております。続きまして、水稲が一四%、それから露地野菜が一四%ということでございます。これは
新規就農者全般でございます。
特に、青年就農法に基づきまして認定を受けた方で見ますと、この比率が、野菜が三七%ということで、これが四割近くなっておりますし、続きまして、酪農が一五%、花卉が一三%、こういうふうになっております。
最後に、女性の割合でございます。
三十九歳以下の新規就農青年の数は、
平成二年の四千三百人、これがバブルのときでもございまして一番底、ボトムでございましたが、その後次第に増加傾向になっておりまして、これも先ほど申し上げましたが、
平成十四年には一万二千人程度になっております。このうちの女性の数、これは全体の伸びを上回って増加をしておりまして、
平成二年は四百人でありましたけれども、
平成十四年には三千百人となっております。したがいまして、この割合は、女性の方が新規就農青年全体の約四分の一ということになっております。これが今、新規就農青年でございます。
それから、四十歳以上六十四歳以下の中高年の
新規就農者という方も同様に増加をしているわけでございますが、この中での女性の割合を見ますと、
平成十四年のこういった中高年の
新規就農者の総数は四万五千人でございました。このうち女性の数は一万五千人でございます。したがいまして、中高年では、その割合といたしましては全体の約三分の一が女性となっております。
以上でございます。