○須藤
委員 多分、これはシミュレーションでしかないのでよくわからないんですが、今言われたように、経営手法、経営感覚でコスト意識を持つ。例えば公営企業であるとかそういうところは別として、純粋な公務部門に関しては、そこで利益を追求するわけではありませんから、利益追求、コスト意識を持てと言って果たして実感として持てるかどうかだと思うんですが、少なくとも、自己の認識といいますか
考え方をしっかり持って、いわゆる
住民税、税金で賄われているということを考えれば、一円たりともむだ遣いをしないというしっかりした考えがあれば、それはある
意味でコスト意識につながるのではないかと私も思うんです。
そういう
意味で、公務
制度というのは本当は何なのかということを私も常々考えているわけですね。
市町村であれば、
地域住民のいわゆる
住民サービスに対して
行政が存在をしている。それで、
民間でできる部分は当然
民間でやるんですけれども、その線引きによっていろいろ違うんでしょうけれども、諸証明であるとか公務が絶対に行わなければならないこと、例えば、採算部門としては合わないけれども公務で行わなければならない福祉であるとか、そういったもの、さまざまあると思います。
それをするために現在の
公務員制度がつくられているとしたら、
代替のきくものはどんどん
代替させていけばいいんですが、最後にどうしても公共性、公務性というのが残って、これを乗り越えることはできないという話になるわけですね。そうすると、
住民サービスをきちっとして、経営感覚、手法を取り入れて、それで、うちの市の、町の
公務員の
皆さんは本当にすばらしいよ、
民間に行っても十分通用するよという人材が豊富にいるというような
地方公共団体の姿を描くにはどうしたらいいかということを私も常々考えているんですが、いまだに答えが出てこないんです。
私も
地方公務員を経験しているんですけれども、朝八時十五分から始まって夕方五時に終わる。そして、特別な仕事がなければ大体五時で帰るんですが、夏ですと、五時というと本当にまだ真っ光りで、こんな時間に果たして帰っていいのかどうかということを非常に自問自答しました。多分、
民間の同級生は、夜中の八時、九時、十時まで毎日働いてやっているのに、どうして公務の
世界だけ五時で帰っていいのかなというようなことを非常に感じまして、仕事がなければ、あえてそこで税金、
人件費を使う必要がないわけですからそれはそれなりにいいんでしょうけれども、これが公務なのかということを本当に考えたんですね。
もう
一つ感じたのは、
地方公共団体、地方自治において、一人一人の
職員が
地域の
住民サービスに関しては決定的な要素である。つまり、企業でいえば、企業マンがしっかりとした顔を持って営業をしていなければその企業のイメージは悪くなるし、それから、商品を売るにしても信頼感が得られないためになかなか広がっていかない。
公務の
地方公共団体の場合は営業活動ではありませんけれども、
住民サービスをする一人一人の
公務員が
住民からの信頼をしっかりと得て、そして税金をコスト意識を持って使っているんですよという信頼
関係が生まれるような仕事をしない限り、いつまでたっても
公務員はというような言い方をされてしまう。非常に大きな問題だと思って、一人一人の心構えと行動というものが、地方自治、地方
行政においてはこれほど大切なものはないなというほど私は感じました。
そして、他方、国会の方に来てみますと、本質的には、公務の仕事の特質、体質的なものはかなり似通っている、あるいは同質と言ってもいいと思うんですけれども、している現場やその仕事の
中身は多少違っても、基本的には同じなのかな。国の場合は、直接
国民に接している部分は少ないですから、そういう
意味では監視の目が届かないかもしれませんけれども、一歩誤れば、国を危険に導いてしまう、さらしてしまうという
意味では、またはるかに大きな
権限、責任、重責の立場にあるということを考えて、どちらにしても、これは本当に大切な仕事であるというふうに感じているわけです。
ところが、よく
公務員というと、無責任主義であるとか効率性が悪いとか、あるいは
目的意識が余りないとか、さまざまなことが言われるわけですね。そういったものがもし
制度からきているのであれば、やはりこれは
制度を
改正しない限り直らないだろうというふうに思うわけです。その
意味で、第一点目に、
制度的に問題点があるならばそれはどこか、またそれをどう
改正したらいいのかということをお聞きしたわけです。
恐らく、ここ何十年、同じようなことをやっているんでしょうけれども、なかなか、それを改善といいますか、いい方向にどんどん持っていくという
状況にはまだ来てないと思うんですね。その具体例というわけじゃないんですが、例えば、これは少し前の話になるかもしれませんけれども、窓口に行って五時を過ぎたらもう仕事を受け付けてもらえなかったとか、あるいは、お昼に行ったら昼食の時間だから窓口で受け付けてもらえなくて一時間待たされたとか、そういう話は幾らでもある話であって、また、逆に言うと、そういう話はまだどこかでいろいろ似たようなことが行われている。
こうなってきますと、
制度そのものの変更というよりも、やはりそこで働いている人の意識であるとか、それを統括する任命権者のリーダーシップというか
考え方が物を言ってくるのであって、これは別に
制度によらなくても立て直すことは十分可能だと思うんですが、現実的にはそれがなかなか直ってこない。全国レベルでいいますと、本当に意識のある
首長がいるところはどんどん変わっていることも事実です。でも、それはまだまだそれほど多くないんじゃないかというような気もしていますが、この点に関しては、
大臣、どうお考えでしょうか。