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海老沢参考人 お答えいたします。
私
どもNHK、
公共放送の
使命、役割、いろいろございます。
一つは、やはりいつの時代でも、公平で信頼されるニュースを迅速に的確にわかりやすく報道すること、そしてまた、豊かでよい
番組を一本でも多く制作し、
放送するということ。
特に今、国際化が進んできております。そういう中で、
日本だけでなくて、世界どこででも
日本の現状がわかるような、いわゆるラジオ、
テレビによる国際
放送をさらに充実しなきゃならないということ。そしてまた、
日本国内も、山あり谷あり離島ありで、非常に地形が複雑でありますので、難
視聴地域を解消するといいますか、
全国あまねく
NHKの
電波がひとしく行き渡るように、
受信施設を整備するというようなこと。
それと同時に、今、多メディア多チャンネル、いろいろな新しい伝送路が発達してまいりました。
放送と通信の融合時代ということになりまして、いろいろな
情報が出てきている中で、我々は、いつの時代でも変わらない姿勢で、民主
主義の健全な発展に資するようなこと、つまり、
国会中継をきちっとやりながら
日本の民主
主義の健全な発展のために尽くすということ。
あるいは、
日本は、地震、台風、津波とか、いろいろな自然災害が多いわけでありますから、そういう自然災害あるいは緊急事態に当たって、国民の生命財産を
放送として守るための緊急報道体制を強化するというようなこと。あるいは、
視聴者・国民の心を豊かにするような、いわゆるドラマ類、音楽
番組、質のいいものをさらに強化していく、いろいろな
使命があります。
ただ、今、こういう時代になりますと、プラス面のほかに、マイナス面といいますか、負の面が最近出てきております。つまり、人を誹謗するような、あるいは人権を侵害するような、プライバシーを侵すような
情報がいろいろなところではんらんしてくる。そういうものに対して、我々は、常にきちっとした姿勢で、国民の心を豊かにするようないいものをつくるようにさらに努力しなければならないということも、最近改めて感じるところであります。
それと同時に、今、
放送技術の発展が目覚ましいものがあります。そういう面で、私
どもNHKは、世界に誇る技術研究所を持っております。ハイビジョンの開発、
放送衛星の打ち上げも、
NHKが世界に先立って開発したものであります。そういう
放送技術の研究開発を一層進めること。また、
放送文化のためのいろいろな資料なり、そういうものを収集し、また、
NHKアーカイブスがありますけれ
ども、そういう貴重な映像の文化財を保存し、これを活用する。
いろいろな点がありますが、いずれにしても、いつの時代になっても我々
公共放送の
使命、役割は変わらない、そういう方針のもとに今後もいい
番組をつくっていきたいと思っております。