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海老沢参考人 先生御案内のように、今、テレビは国境を越える
時代になりました。いつ、どこで、何が起こっても、瞬時にして世界にニュースが流れる
時代になっております。
そういう中で、私
どもも、
日本の
理解を深めるために、また
日本の旅行者が今年間千六百万ほど出ているわけでありますから、そういう
人たちにも、いつでも
日本のニュース、現状がわかるようにということで、御承知のように、今、三つの衛星を借りて全世界に発信しております。
これは、
NHKのいわゆるテレビ
国際放送であります。これは、現在、三つの衛星で百八十カ国をカバーし、今、在留邦人八十七万おりますけれ
ども、その
方々の九九%をカバーできるというところまでカバー率が高まりました。そして、今、
日本語と英語と両方でやっておりますが、英語化率は四五%に達してきております。
これは、Cバンドという
電波を出しておりますものですから、三メートル前後の大きなアンテナでないと見られないということであります。その三メートル前後のアンテナとチューナーを持てば、どこでもこれが映る状態であります。それを視聴可能世帯と言っておりますけれ
ども、七千二百万世帯がアンテナを
NHKが見える方向へ向ければ映るということになっております。
それから、もう
一つは、同じ衛星に、
NHKワールド・プレミアム、それは
NHKのいわゆる大河ドラマなり朝のドラマなりニュースなり、いろいろなものをまぜ合わせたもの、これを有料で出しております。これはなぜそうなるかといいますと、今、CAテレビの
時代、各国も衛星
時代であります。そのために、やはり有料でないと受け付けてくれないということで、世界の百三十七の
事業者、九十二カ国で、今、千四百三十一万世帯が見られる状態になっております。
そして、当然、私
どもが今契約している世界で千八百五十のホテル、四十四万五千室で見ることができるようになっております。ですから、これを今どんどんふやしておりますが、主な世界のホテルでは
NHKのワールド・プレミアムが見られる状態になってきているということでございます。そういう面で、これもさらに拡充をしたいと思っておるところでございます。
そのほかに、これはテレビ・ジャパンという形で、今ニューヨークとロンドンで
放送しておりますが、これは有料でやっております。
NHKといわゆる
日本の商社、航空会社、いろいろなところが株を持ち合ってやっている株式会社制度のものであります。これは今、アメリカでは五万世帯を超えております。そして、ヨーロッパでは一万世帯を超えた状態になってきております。
そういう中で、先ほど
先生から
指摘がありました、
日本のニュースをもっと外国に発信したらどうかという御
指摘であります。
今、私
どもは、BS1で、世界の主な国の主な
放送局の主なニュース、二十一の
放送局から、これを原語でとって、そのまま朝の四時台から九時台にかけて
放送しておるわけであります。これは、世界に例のないやり方でございます。これが、非常に世界各国で評価されているニュースチャンネルであります。
そういう中で、私
どもも、こういう国際化の中で
NHKのいろいろなニュースを、今、四十七の国・
地域、七十三の
放送機関と協力協定、交換覚書、あるいは契約して、ニュースの交換がいつでもできるようになっております。そのために、そういうところにいろいろなニュースの素材を提供する、またはニュース
番組を提供するという形でさらにそれを
強化しようと思っているところであります。
いずれにしても、こういう国際化の
時代でありますから、我々の役割、
使命はさらに重くなっておりますし、影響も大きいわけであります。そういう面で、さらに国際化にできるだけ対応していきたいと思っております。