○長妻
委員 民主党の長妻昭でございます。よろしくお願いをいたします。
本日は、
国家公務員共済の
改正案ということで質問をさせていただきます。
この
国家公務員の
共済、当然、
長期給付ということで
年金も含まれているわけでございますけれ
ども、私の問題意識としては
二つございまして、やはり
国家公務員共済は
民間の
年金に比べて優遇されているのではないのかという問題意識、当然、我々
国会議員も
互助年金ということでございますけれ
ども、優遇をされている
年金を持っているということで我々
自身も厳しく見直しをしなければいけないと私も思っておりますが、それと加えてこの国
共済の優遇問題。
もう
一つは、
民間の
年金とこの国
共済を比べますと、非常に国
共済はある
意味きちっとしている。というのは、むだな金を使わない工夫が随所になされているというのが国
共済で、その一方で、同じ人たちがつくった
制度にもかかわらず、
民間の
厚生年金、
国民年金の
制度というのは、私に言わせれば非常にずさんで、福祉という定義を拡大拡大してどんどん掛金を使ってしまうとか、そういうずさんなところが
厚生年金、
国民年金の
制度には見られる。
こういう
二つの問題意識を持って質問をさせていただきたいと思います。
まず、福祉の問題を質問いたしますけれ
ども、
厚生年金や
国民年金の掛金は、福祉の増進という言葉でというか、この条文で
年金の掛金がどんどん使われた。御存じのようなグリーンピア事業、あるいはコンピューター、あるいは融資事業、福祉の施設などなど、どんどん使われてしまうということがございました。
そこで、私は調べてみますと、国
共済も福祉施設というのがありました。この四ページにございますけれ
ども、現在、百十三カ所の福祉施設が国
共済にもございます。五ページには、これは
厚生年金、
国民年金の福祉施設でございますが、右の方に手書きで書いてございますけれ
ども、十五年度末で二百六十五カ所ございます。その
意味では、国
共済も
民間の
年金の半分弱の施設を持っているということで、国
共済もこういう福祉施設がいっぱいあるんだと思いました。
ところが、私がなるほどと思いましたのは、国
共済のこの施設の運営というか施設の建設には、国
共済の掛金というのが一円も使われていないということで運営されている。非常に優秀な形で運営されている、建設をされているということです。
どういうことかといいますと、国
共済の場合は、積立金というのが約九兆円ぐらいある。その九兆円の積立金から福祉施設の建設費を借りて、そして建物を建てて、そこで宿泊施設などで売り上げが出た、その売り上げをもって毎年返済をする、その積立金のところに金利をつけて返済をする。その返済が一度も滞ったことがないということで、国
共済の場合は、百十三カ所の建設費を国
共済の積立金から借りて、建てて、そして返済が全然滞っていない、掛金は全然手をつけていないということで、非常に優秀なわけでございます。
そして、ある
意味では、この福祉という概念も、国
共済の場合は
運用なんです。九兆円の積立金をいろいろなところに融資して、金利をつけて返してもらう、そしてその九兆円の積立金を
運用してふやしていく、その一環でこういう施設をやって、赤字は出ていないということで、優秀ですね。そういう
状況になっている。
ところが、五ページにございますけれ
ども、
厚生年金、
国民年金の福祉施設の場合は全く
仕組みが違うんです。今申し上げたことと全く違う。
どういう
仕組みかといいますと、例えば二百六十五カ所の建物の建設費すべてが掛金で、まず建設費を借りるんじゃなくて、建設費そのものが
厚生年金、
国民年金の掛金で、まず全部ばんと建てちゃう。その建てた建物を使った宿泊などの売上金は
年金の勘定に戻さないで、それを財団法人などの収入にしてしまう。こういう、何というんですか、そこでそれを使い切ってしまうということになっております。全く違うんです。
そこで、私、
国会図書館を通じて調べてみますと、先進国の
年金の
制度の中で、自
国民の
年金の掛金そのものでリゾート施設や宿泊施設の建物を建設してしまう、こういう
仕組みを持っているのは日本の国だけだ、こういう調査結果が出てまいりました。
ほかの先進国は、確かにリゾート施設を持っているところもあるんです。ほかの先進国はどういうふうにやっているかといいますと、まさに国
共済と同じやり方でやっているんですよ。
年金の積立金がないところもありますけれ
ども、積立金の若干あるところがほとんどですけれ
ども、そのお金を
運用するということで、そういうリゾート施設の建設にお金を貸して金利を取っている。こういうことで、福祉といいますか、目的は福祉じゃないんです、まずあるのは
運用なんです。それで、
運用の範囲内で福祉をしますよと。国
共済と同じ
考え方が先進国なんです。
日本の
国民年金、
厚生年金の福祉の
考え方だけがおかしいというか、変わっているんです。ほかにない
制度なんです。ですから、これを見ると、何だ、同じ人たちがつくった
制度だけれ
ども国
共済はしっかりしているじゃないかと。自分たちのお金だからかどうかわかりませんが、こういう
制度の
考え方が違うのは、どういう哲学からこういうふうになっているのか、きょうは森副
大臣にもお出ましいただいていますので、まず森副
大臣から御
説明いただければと思います。