○津川
委員 副
大臣おっしゃった
指摘もそのとおりでありますが、逆もあるわけでありまして、果たしてこれが本当に不良債権と言わなくていいのかどうかという話も当然あるわけであります。それを無視したとしても、全体的な数字は、私は、必ずしもそう大きく評価をできるほどはいっていないと言ってもいいのかと思います。つまり、
大臣がおっしゃっているようにこれは急激に不良債権の処理が進んでいますというような話ではない。当然、不良債権の額が減りさえすればいいという単純な話でもありませんから、それだけで評価できるかどうかというのは何とも言えません。
ただし、冒頭も申し上げましたが、この金融ビッグバンの
流れの中で、何を目標としているのか。当然、今やらなければならない不良債権の処理の部分もあれば、債券
市場の活性化という部分もあります。
銀行の体力を、足腰を強くするということも当然出てきます。地域金融を活性化させる、こういった
目的も出てきます。いろいろな
目的がありますから、
一つの指標だけ見て、これがよくなったからよかったんだというふうにはなかなか言えないと思いますが、そこはまさに
大臣がどのように判断をされるかだと思うんです。
つまり、いろいろな指標がある中で、ここがよかったからよかったじゃないですかという話ではなくて、これは申しわけないんですけれ
ども、
金融庁の
考え方としてはそういう言い方ができるかもしれませんが、
大臣がどう
考えるのか、自分の中でまさに一番重要としている指標をどこととらえるのか、その中で、実はそうでもないところはどこにあるのか。これは正直にどんどん言っていただいていいんだと思います。それは、政治家としては結果責任という部分ももちろんありますが、それは責任をとっていただければいいだけの話であって、そこは思い切りやっていただければいいんだと思うんですね。
以前にも申し上げましたが、
大臣が、
大臣になられる前に、ある会合で、
日本の政治家はわかっていない、非常に不勉強だというようなことを
お話をされていたのを聞いて、では
竹中さんが
大臣になったらちょっと変わるかなという期待をした部分もあります。まだ必ずしも期待を捨てたわけじゃないんですが。そういった
意味で、私は、
大臣は政治家の中の一人だと思いますけれ
ども、いわゆる選挙で選ばれてきた政治家とはちょっと違う
立場で、そこは思い切りやっていただきたい部分だと思います。ここがこれだけ数値が若干改善したからよかったんだろうというような話ではないと思います。今必ずしもこれの
答弁を求めませんが。
私は、逆に言うと、必ずしも御
自身が思ったほどの効果が出ていないからこそ、さまざまな施策を追加的に出さなきゃいけなくなっているということだというふうに
認識をします。今回の
改正も、昨年まさに
銀行は別だというようなことをしたにもかかわらず、それ以外の成果がどのくらい上がったかもまだはっきりしないうちに
銀行を入れてしまう。これはやはり、見方としては、
証券業界の活性化云々、それがどこまで活性化されたかという視点に立っているのではなくて、今の
銀行を何とかしなきゃいけない、来年ペイオフ
解禁だ、それまでにさまざまな施策を
銀行に対してとらなきゃいけない、そういう危機感からやっているというふうに感じられてなりません。
私は、国の裁量行政が拡大するということは必ずしも正しいことではないと思います。
そこは
大臣も恐らくよく御存じだと思いますが、
一つだけ例を挙げさせていただきますが、例えば、大規模な公共事業が大手ゼネコンの救済事業になっているじゃないかというような
指摘があります。
大臣も昔そういうことをおっしゃっていたような気がするんですが。国土交通省に聞けば、いや、適正な、コストを圧縮しているんで、ゼネコン救済に回るようなむだはないんだというような話はされてきます、国土交通省の方から。ただ、実際にはそういう面が多くあります。
それとか、あるいは、例えば農業を守ろう、
日本の農業を守ろう、個々の農家を守ろうというんじゃない、
日本の農業を守ろうというふうにやったはずの
日本の農政が、結果的に
日本の農業の足腰を弱くしてしまったという事実は、これは
竹中大臣も以前も
指摘をされていたことだと思います。
そういった視点から見ると、まさに今の金融行政というのは、
銀行に対する施策、それは、
日本の
銀行をある
意味で信用していない、信用していないからもっと
情報公開をさせなきゃいけないというのは、これはやらなきゃいけないところですが、もっと
金融庁が何とか手を施してやらなければ倒産をしてしまうんだ、あるいは金融恐慌が起きてしまうんだ、こういうことを
認識されているのではないかというふうに思います。もし本当にそうされているのであるならば、その
問題意識を明らかにしていただきたい。
今別にそんなに問題はないんだと言いながらやるから、今回、何でこれはいきなり急に
銀行までやらなきゃいけないのと。
証券業の活性化、それはそれで必要だ、それはそれで我々も一定の評価をします。しかし、何でいきなり
銀行なのか、そこはもう一度
説明をしていただきたいと思います。昨年なぜ
銀行を除いたのか、なぜ今回
銀行を入れたのか、もう一度御
答弁をいただけますでしょうか。