○五十嵐
委員 いや、責任とってほしいですね。これだけお金をつぎ込んで前より悪くなっているというような話は、これはどうにもならないですよ。
為替介入、先ほどの話ではこれからも適宜やらせていただく、こうおっしゃっていましたけれ
ども、とにかく介入の方針がふらふらしているように思えてならない。きちんと負けない戦いをして、かつ適正な水準に誘導できるような、あるいは、私は
市場にある意味では任せてもいいんだと思いますけれ
ども、そういう方針をはっきり、きちんと理念を明確にする必要があると思いますので、注文をつけておきます。
本題に入ります。
私は、日本の
金融、本来、大改革を目指したときに、事後的な介入にとどめるんだ、昔のような手とり足とりということはやめるんだ、裁量的な行政もやめるんだ、こういうことで
金融行政の大きな転換があった、護送船団方式もやめるんだという転換があったと思っていたのが、いつの間にかなし崩しになってしまった。そして、口では、そういうことをやって目指してきているんですと
竹中さんはおっしゃるんだけれ
ども、言っていることとやっていることが正反対だということを何回も申し上げ続けてまいりました。
この間違いはどこから来るのか、あるいはそごはどこから来るんだろうかということを見ると、官僚組織が、結局、責任回避、危機を認めない、現実を見ないというところから来ているんだろうなということが容易に想像ができるわけでございます。
例えば足利
銀行の問題につきましても、僕は、この足利
銀行の
破綻処理はやはり不公正だったというふうに言わざるを得ないと思います。もともとが粉飾決算あるいは粉飾決算まがいのことをしていた。ですから、本来あるべき早期是正
措置が働かなかった。いきなりある種の方針変更によってつぶしてしまったということが起きたわけでありますけれ
ども、それも、今は危機ではないんだというシナリオに全
金融機関が乗ろうとした、乗せられたということから始まったと思いますし、あるいは実際の
破綻後の
処理の仕方についても、本当に私は公正ではないと思っているわけであります。
私が今回
指摘したいことの一つは、本来は預金を、足利
銀行、地元の
銀行を助けなきゃということで出資に振りかえた善意の
投資家が、
渡辺先生を初めたくさんおられるわけですね。実質上の預金者、これは僕は実質的に預金だったと思うんですが、これが無価値になってしまって、投資の専門家である機関
投資家、生保等の機関
投資家が保有する劣後債、劣後ローンが債権としてこのケースでは守られてしまった、
保護されてしまった。これは大変おかしな不公正だ。しかも、これを直そうとしない。
なぜこういうことが起きたかというと、九八年の
金融危機のときに、劣後ローンをペイオフしてしまうと生命保険会社のシステミック
リスクが起きるだろう、そして、生保がばたばたといってしまうと、これがまた
銀行にも波及して大変なことになる、だから、この際、危機
対応として劣後ローンや劣後債は守っておこうじゃないかということで実は
法律が仕組まれてしまった。
この仕組み方にはそれなりの理由があったと思うんですが、これが皆さんの言い分だったら、もはや今はシステミック
リスクはない、危機状態ではないとおっしゃるんですから、これは正常な姿に戻さなきゃいけないのに、しようとしない。つまり、本当は今も危機
対応の時代なのに、それをやらない。要するに、危機
対応の
処理を完全にやるか、それとも、私はフィクションだと思っているわけですが、片っ方で危機ではないということを貫徹するかという、そのどちらかにしなければならないのを、両方残して併存しているというのが今の
状況だ。
私は、むしろ、劣後債や劣後ローンは、
大臣、
金融機関に全部強制的に持たせなさい、それによって
金融機関の経営というものを
投資家に監視させるという方がいいぐらいだと思っているわけです。本来、劣後しない劣後ローンや劣後債というのは問題が大きい、こう思っているわけで、今の
制度は、劣後させないわけですよ、今の足利
銀行の
破綻処理のあり方で見ると。これはやはりおかしなことだと考えざるを得ない。
ちょっと幾つか言いましたけれ
ども、今言ったことについて、後たくさん控えていますので、簡潔にお答えいただきたいと思います。