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竹中国務大臣 自己資本比率の規制と不良債権処理の加速、我々にとって重要な、非常に本質的な問題についての
お尋ねをいただいたと思っております。
我々の願い、これはもう
国民の願いであると思いますけれども、基本的には、
日本の銀行がしっかりとした
財務基盤を持ってしっかりとした金融機能を果たしていただけるようにする、まさに貸付先にはきちっとお金が回るような、そういう機能を果たせるようにしてもらう、それに尽きるわけでございます。
そのためにはどういうことが必要なのか。一方で、国際的な一種の合意といいますか、流れにも配慮しながらそれをやっていかなければいけない。そのうちの
一つが自己資本比率をある程度守れということだと思います。
銀行というのは、リスクを負って資産を貸し付けて、それで金利を稼ぐ仕事でありますから、実はある程度のリスクのバッファーを持っていなければいけません。いろいろなリスクがありますから、そのリスクのバッファーに当たるものが実は自己資本の厚みということになる。したがって、これはもう世界的に、自己資本をある程度維持してください、国際
業務を行うところは資産に対して八%以上の自己資本を持ってもらわないと困りますということになるわけでございます。
日本は国内銀行に対してはそういうことを適用しないで四%ということを適用しているわけですが、い
ずれにしても、リスクのバッファーが要るというのが第一のポイントであります。
もう一方で、不良債権というのは、これは不良な資産ということを、銀行から見ると不良な資産を
意味します。これは、不良な資産を持っていると、これがいつだめになるかもしれない、これは実は銀行にとってのリスクであります。リスクを抱え続けていると、新たな貸し付けをしてリスクをとるということができなくなる。したがって、やはり資産の中のリスクファクターはきっちりと減らしていただかなければいけない、これがまさに不良債権の処理ということになります。
吉田
委員御
指摘のように、それが貸し渋り、貸しはがしにつながらないようにしなければいけないという点は、実は大事なポイントでございます。
自己資本比率に関しては、資産の中に占める自己資本の比率を一定以上に保てということですから、銀行はともすれば資産そのものを圧縮するというインセンティブを持ってしまうかもしれません。しかし、不良債権の比率というのは、貸し付けの資産に占める不良債権を減らせということですから、むしろ、不良債権の額がもし一定であると仮定するならば、貸し付けをたくさん持っている方が不良債権比率は小さくなります。したがって、不良債権の比率を一種の目標に課しているということは、貸し渋り、貸しはがしにつながらないような、そういうことに配慮した目標になっているという点はぜひ御理解をいただきたいと思います。
い
ずれにしても、リスクのバッファーとしての自己資本をしっかりと持つということと、資産側のリスク要因である不良資産をなくす、それによって銀行が健全な金融機能、金融仲介機能を発揮できるような
状況を我々一刻も早くつくりたいというふうに思っているわけでございます。