○石原国務
大臣 ダム事業につきましては、平成十年度より導入いたしました所管全
公共事業を対象とする再評価システムに基づきまして、第三者機関であるところの事業評価監視
委員会での審議を通じて事業の見直しというものを進めてまいりました。その結果、先ほど
政府参考人から御
答弁があったように、戸倉ダムを中止するなど、十五年末までに九十六の事業を中止したところでもございます。
そして、事業評価監視
委員会において事業継続と評価されたダム事業について、
委員御指摘のとおり、当初の事業費が増大してきた主な要因でございますけれ
ども、やはり一番大きいのは水没関係者への補償費の増加。これは、ダムを
計画してから着工するまで二十年、三十年と長い年月がたっていて、実際に交渉が行われるのは
計画から二十年、三十年たっているわけですから、ここの部分がかなり多くなる。あるいは物価上昇、消費税の導入、また最近は、やはり
環境というものにも十分配慮しようということで、当初予定されなかった
環境保全など、社会の要請に対しての対応などがこういう増大の主な要因になっていると思います。
ただいま
委員が御指摘されました八ツ場ダムをとりましても、補償費の増大が一千百億円、さらに物価上昇と消費税で七百億円といったように、全体の四分の三は、ダムの
計画から施工、完成、その間の時間的経緯の中での補償費、あるいは物価上昇、こういうものが占めているということは事実であると思っております。
しかし、やはりダム事業に要するコストについては、そのほかに、本体の工事費あるいはつけかえ道路、また、鉄道が走っていますとトンネルまで新しく、八ツ場ダムを見てまいりましたけれ
ども、あります。これらの工事については、本体のスリム化やつけかえ道路
計画の縮小など、やはりコスト削減できるところはあらゆる工夫を重ねた上で
計画の変更を行っていくということが時流に私は合っているのだと思っております。さらに、
計画変更後の施工過程においても、不断のコストの削減、道路の例をとってみるまでもなく、やろうと思えばできるわけでございますので、
委員御指摘のとおり、コストの縮減というものはこれからも取り組んでいかなければならない重要な問題であると認識をしております。