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水野委員 寄港した
船舶ということになぜこだわるかといいますと、
入港禁止法ということを
考えたときに、国籍だけに
対象を絞ってしまうとどうしても漏れが出てくるわけですね。というのは、もちろん
北朝鮮という
国家はいろいろと問題がある、そして
北朝鮮船を
入港禁止にするというのは非常にわかりやすいんですけれども、国籍だけを
対象にすると、例えば
第三国船が日朝間を荷物を運んで往来したりする場合には漏れてしまう。今約千五百隻あるという話ですから、そこから
北朝鮮船の大体一千隻を抜けば、五百隻分ぐらいは
北朝鮮以外の国の船が日朝間を往来している、単純に計算すればそういうことになるわけですね。
ここも
入港禁止の
対象に、実は自民党並びに公明党さん、そして
民主党さんとの合意で、きょう提出をさせていただく法案の中では、寄港した
船舶ということも
入港禁止の
対象にし得るということが法案の第二条の第二項第二号に書かせていただいておるということで、そのことを強調させていただきたいというふうに思います。
さて、寄港した
船舶ということに今こだわらせていただきましたけれども、これに着目をするのは、
船舶の世界の場合、便宜置籍船というのが非常に、往々にしてそういうことが行われる。これは、普通、税金を逃れるために籍だけを税金の安い国、パナマとかリベリアとかに置くというようなことでありますけれども、これ、もし
入港禁止法が
入港禁止の
対象にするのを国籍だけに限っていると、今度は税金逃れならぬ
入港禁止逃れのために国籍を移すというようなことが可能性として出てくるかもしれない、そういうようなことから、便宜置籍船を防ぐためにも寄港要件というのを
対象にしたんです。
ちょっとここでひとつ試算をしていただければと思うんですけれども、例えば一番有名な
北朝鮮船、万
景峰号でございます。これを
日本船に籍だけ
北朝鮮から置きかえるという、便宜置籍するというようなことを仮にやった場合、これはもちろん所有が
日本人じゃなきゃいけないとかいろいろな条件はあるわけですけれども、これは簡単にクリアし得ますから、こういうことを仮にやった場合、万
景峰号ぐらいのトン数の船を便宜置籍したときに、
お金としてはどのぐらいかかるのか。例えば登録免許税だとか手数料とかいろいろありますけれども、
国土交通省の方に、試算してみるとどのぐらいかかるのかをお伺いしたいと思います。