○古本
委員 民主党の
古本伸一郎でございます。
本日は、総理の入ってい
ただいての
質疑ということで、はえある機会をい
ただきました。
委員の皆様に深く感謝したいと思いますし、何より、御公務多忙の中、このように来てい
ただいております総理に精いっぱい
質問をさせてい
ただきたいと思いますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。
これまで五十時間に及ぶ本件の審議をしてまいりました。途中、石原
大臣等いろいろな御報告も受けていらっしゃると思いますが、ここで
議論の進捗
状況、今どこまで来ているのかにつきまして少し御説明をさせてい
ただきたいというふうに思います。
お手元に念のため資料もお配りいたしておりますが、パネルも大枚はたいて用意いたしましたので、できればこちらも少し見てい
ただきながらお願いをいたしたいと思います。
まず、この
道路は
無料である、そして早期に借金を返していく、この二点につきましては、この会場にいらっしゃる
委員の皆様、一点の曇りのない
部分であると思います。そして、先日の総理が入ってい
ただいた
質疑におきましても、総理御自身が本来
無料であるべきだ、こうおっしゃったと記憶しております。
そして、今問題になっておりますのが、この
返済方法、そして
無料化の時期、そして
債務の
返済の時期、そしてその財源をどうするのか。これは、我が党から
無料化の案を出してい
ただいて、そして、
岩國委員を初め三とゼロの
議論につきましては、なかなか
数字の根拠がない中にあって、御批判も、これは甘んじて受ける
部分は私はあると思います。
その
意味では、反省すべきは反省しながら、私はあえて、ちょっと色が薄かったんですが、
道路はだれのものなのか、そしてむだな
道路はあるんだろうか、この二点に絞りながら
議論を深めたいというふうに思っています。
ちなみに、この五十時間に及ぶ今回の審議の中で、多くの公述人、そして
参考人の方が来てい
ただく中で、そして
委員の
皆さんも全く御同様だったと思っていますが、
道路は公共財である、これもまた一点の曇りもない共通の認識に至ったと思っています。
何とすれば、
道路は公共財であって、そして本来は
無料であるべきである、そうしたときに、じゃ、どうしてこんな
議論に今陥っているんだろうか。大変、私自身、
国民の一人としてわかりづらいわけであります。
二枚目の資料をごらんい
ただきたいと思いますが、恐れながら見てい
ただきたいと思います。
余談になりますが、私、出がけに、自分のところのちびに、きょうそういうことがあるんだと小学生のちびに話していましたら、私サラリーマンだったんですが、子供が、社長はだれかと、社長は小泉さんと言っていたものですから、ちょっとその辺はまた複雑な
議論はあるんですが、そんな思いで少しきょう臨んでおりますので……(発言する者あり)いや、その
議論はおいておきますが。
実は、
道路というのは、公共経済学的に言って、三大公共財である。一つは公園、一つは
道路、そして軍事、防衛。この公共財において、
民営化して利潤を求めて、そして公共財でもうけるということは果たしていかがなものなのか。これは、例えば公園であれば、公園を使う人がその
料金を払う、その支払い能力のある人が
税金で負担をする、これが公共財の原則だと思うんですが、実はこの
道路に関して申し上げれば、効率化というのは極めてなじまないというふうに思うんです。
クマが通っても結構な
道路、これは私はあっていいんだと思うんです。私は、この
議論に参加するまでは、実は最初そうは思っていなかったんですが、与党の先生方のいろいろな熱心な御
議論、私自身も
道路は本当に国家の基盤であると思えば、本当にそういうクマが通る
道路の何がいけないんだ、逆にそういう
道路こそ官がつくらなくて一体だれがつくってくれるんだという思いであります。
先日の九日の総理の御
答弁の中に、こういうくだりがありました。「無理なところをやるのが政治家じゃないかという要望にこたえなきゃならない。一生懸命やる。無理を通せば通すほど実力者と言われる。ますます張り切っちゃう。」そう言ってい
ただいたと思います。「ほかはできないのを、おれのところだけ
道路つくってやったぞ。次の
選挙でどっと票が入る。」ますます張り切る。
総理、議事録に残っておりますので、私は、これは与野党を超えて共通の認識だと思います。
そして、テープカットにおまえら行くだろうといつも
中野先生にしかられるんですが、これはそのとおりであります。まさに
道路はそれぐらい公共財だと思うわけですね。
一方、競争原理が働かないということに関して申し上げれば、前回の国鉄とNTTが
民営化されたときは、国鉄の場合は民鉄がありました、そしてバスがありました、航空がありました。競争相手があったわけです。そして、NTTは独占から自由化へ、そしてKDDIさん初め各社が参入することによって新たな新技術が開発されたわけです。果たして
道路は、参入する業者があるんだろうか。これはSA、PAが多分あるんだ、そういう話になると思うんですが、
道路の躯体本体です。参入する業者があるんだろうか。
これは声高らかにぜひ申し上げたいです。世の批判は、むだな工法ですとかむだな
規格、そういったものを見直せと言っているだけであって、
道路の本体自体は、毛細血管のごとく日本列島全土に広めることについては何ら否定はされていないと私は思うんです。
以上、
議論の経緯を少し御報告しながら、今までのところで総理の御見識をお伺いしたいと思います。