○横路
委員 いや、つまり、結果どうだったかというと、結局なかったんですよね。ないものを証明するというのは、これはなかなか無理な話ですから。なぜなかったのかということについては、いろいろと今までの証言がたくさんあります。きょうはその
議論はしませんが。
しかし、結局は、ブリクス
報告にしても、エルバラダイ事務局長の
報告、三月七日の
報告などを見ますと、いや、査察を継続する、そのことが必要なんだということを言っているわけですよ。そのさなかに戦争を起こしちゃったわけですね。
だから、重大な違反があったかどうかということを含めて、一四四一も、その前の六八七もそうですが、
国連の安全保障
理事会が決定することであって、個別
国家が決定する話じゃないんです。個別
国家がいろいろな
決議を勝手に解釈して、ああだこうだといって武力行使に至るなんということになれば、
国連の集団的な安全保障機能というのは機能しないんですよ。ですから、この
国連の
決議の
手続というのは大変大事なんです。
私は、まず一つは、全体を通じて考えるのは、ともかく
国連の安保
理事会が決定権を持っている。解釈権だって安保
理事会が持っているという
答弁をずっとしているじゃないですか。ところが、その査察継続という
意見をつぶして戦争に入ってしまったということなわけです。
時間がなくなりましたが、その一四四一の
決議に重大な違反がある、したがって、六八七の基礎が崩れてしまったから六七八にいく、これもまたちょっとよくわからないですね。何で六七八にいくのか。六七八の
決議というのを見ますと、これは要するに、
イラク軍が
クウェートに侵略をした、それを撤退させるための武力行使を認めたものであって、大量破壊兵器の廃棄というような問題は六八七から出てきている話なわけですよ。
もう時間が何かなくなってしまったようですが、六七八の
決議に戻るというのも非常におかしいということを指摘しておきたいと思います。これは国境を回復するということが
目的なんですね。しかもその
目的は、一九九一年の一月十五日までに行使しろということで与えられた
権限なんですよ。九一年の一月十五日といったら、もう十一年も昔の話ですよ。そんな
決議に基づいて、今、その一四四一から六八七で六七八というような流れの中にこの行為の正当性があるということはとても思えません。そのことを指摘したいと思うんですね。
そして、やはりこの問題、もう少ししっかりとこの
決議の流れを総括しなければいけないと思うのは、やはり、アメリカというのは唯一の超大国であります。この超大国が国際的な紛争にきちんと対処できないということならば、やはり
国連であるとか
地域の多国間主義をしっかりさせていかなければなりませんし、国際社会にとってアメリカというのはどうしたって必要なんですね、その
協力は。しかし、ルールを無視して行動するということは許されないし、
日本の場合は平和主義と国際主義ということが政策の柱だったわけですから、
国連の持っている原則を崩すようなこういう行為ということは本当に残念なことであるということを申し上げて、きょうの
質問を終わります。