○福島
委員 公明党の福島豊でございます。
大臣、また副
大臣、
答弁者の皆様、大変に御苦労さまでございます。昨日通告させていただきました
質問に沿って、
質問を行いたいと思います。
まず初めに、私がお聞きをしたいことは、一元化という
言葉が大変大きくクローズアップされておりまして、一元化がイコール
抜本改革である、一元化が
抜本改革でないとは申しませんけれ
ども、それのみがあたかも
抜本改革である
ような誤解を私は
国民に与えるんではないかというふうに思っております。
といいますのは、これは遠くてちょっと見えませんね、
答弁席から。(
パネルを示す)要するに、
公的年金の加入者というのは、七千八十万人いる。そして、その中で順番にグループを分けると、厚生
年金のグループが三千百五十八万人、共済が五百十八万人、三号が千百三十三万人ですね。いわゆる
国民年金の方が二千二百七万人いる。そしてその中で、未納、未加入というのが出てくるわけであります。
私が今思っておりますのは、
年金制度が大変大きな曲がり角に来ているのは間違いがない。その最大の理由は、少子高齢化であります。
日本の
社会が人口構造の大きな変化に直面している。今まで政府の推計というのが間違ってきたということは認めるのにやぶさかではありませんけれ
ども、この事実はだれも私は否定できないと思います。そして、それに対してどう対応するのか、その仕組みをどうするかという問題なんですね。一元化の話は、未納、未加入の問題が大切な問題でないと言うつもりは全くありません。ただ、厚生
年金のグループにしても、共済のグループにしても、
国民年金のグループにしても、それぞれ集団は異なりますけれ
ども、少子高齢化という
状況というのは全く変わらないわけであります。変わらないもの同士をくっつけたからといって、それに対しての答えになるのかということがあると思います。ですから、本質は、
民主党がおっしゃりたいことは一体何なのかということを明確にする必要があると思うんですけれ
ども。
これも非常に遠くて、わかりにくいわけであります。(
パネルを示す)課題を幾つか分けてあるわけであります。少子高齢化の進行にどう対応するのか、そしてまた
年金制度の分立という問題に対してどう対応するのか、
国民年金の抱える問題に対してどう対応するのか、このぐらいに大きく分かれるんだろうというふうに私は思っているわけであります。
少子高齢化の問題というのは、先ほど申しました
ように、どの
年金のグループにおいても同じであります。
年金財政が窮迫する、
世代間の不公平があるじゃないか、それに対してどうするんだ。
年金制度の分立の問題というのは、確かに
制度のわかりにくさというのをもたらしておるわけであります。ただ、
社会保障
制度というのは、
医療保険でもそうでありますけれ
ども、経路依存性というのがありまして、歴史の同じ時点にすべてがスタートしたわけでありませんし、いろいろなものが組み合わさって出てくる。ですから、これを変えるのは、緻密な
議論をしないとなかなか難しい
部分がある。
国民年金の問題というのは、確かに、未納、未加入の問題というのはある。
ただ、やはりこの三つの問題の中で一番大きいのは、少子高齢化に対してどう対応するのかという問題ではないかというふうに思うわけであります。
そこで、あえてもう少し言っておきますが、要するに、その中で
民主党の
法案は、これは
法案と言うには余りにも未成熟でありまして、対案と言っていいのかどうかというふうに私は率直に思います、失礼な言い方で大変恐縮ではございますけれ
ども。しかし、一つの御
提案をなさったということは間違いないわけであります。そしてまた、その中に込められている思想というのがどういうものなのかということについてはいろいろな形で
議論した方がいいと思うので、私はこういう形で申し上げております。
その中で、これは第九条に書かれておる話でありますけれ
ども、
給付の調整をどうするか、これははっきりと書かれているわけであります。それは
スウェーデン方式の一部でありますところのみなし確定拠出
方式、要するに、自分の納めた
保険料総額、そしてまた自分の受給するものが大体等しい
ような
制度にし
ようと、まあ、これは大体であります。そこのところは、必ずしも一致するというわけではありませんで、
条文でいえば第九条の二項では、できる限り等しくなる
ようにと。できる限りという
言葉がいいのかどうかというのは先ほど
宮澤委員からの話がありましたけれ
ども、
基本的にはこういう思想なんだろうと思うんですね。
一方で
負担の方はどうするかというと、
保険料は固定します、一三・五八である。ここのところも、数字が具体的に書かれておるわけでありませんから、将来どうなるかわかりませんけれ
ども、固定するということは一緒である。その足らず分をどうするか、それを
消費税で賄います、こういう
提案だと思うんです。
ですから、一元化の話は錯綜しまして、少子高齢化に対して、
政府案では、私
どもは、マクロ経済スライドで
給付の調整はします、こういうことが一つの柱。二つ目の柱は
負担の方でありますけれ
ども、一八・三%までは段階的に引き上げさせて、これは厚生
年金の話でありますけれ
ども、そして、それによって
負担と
給付の見直しを行う、これが一つの大きな柱でありまして、少子高齢化にどう対応するのか。それに対して
民主党の
提案は、みなし確定拠出
方式というものを導入して
給付の調整をする。ただ、完成するのは四十年先でありますけれ
ども。そして一方では
消費税で財源というものを賄うという整理の仕方の方が、
議論としてはかみ合うんだというふうに思うわけであります。
ですから、ここのところは、一元化の持つ意義というか、そういうものをどういうふうに考えておられるのか、再度確認をさせていただきたいと思います。